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中心静脈栄養法の具体的なケア・介護職員が注意することなど |
高カロリー輸液を受けている方の介護で注意することなど
○主な注意点
・中心静脈ラインの固定の確認
在宅でも医療機関や施設でも、まず最初に観察することは、
中心静脈カテーテルが抜けていないかどうか、接続部位がしっかり
接続されているかどうか確認することが大切になります。
*カテーテル挿入部位は抜けないようにナイロン糸などで
縫合して固定されていますが、ずれる場合もあります。
・輸液の滴下速度の確認
指示された速度で滴下しているか確認します。
滴下速度が遅い又は、滴下していないようであれば、
チューブ自体の閉塞(圧迫や曲折など)又は血液がルート内で
凝固している可能性もあります。
又、カテーテルの位置異常の可能性もあります。
・中心静脈カテーテル挿入部位の観察
挿入部位の発赤やもれ、カテーテルのずれなどがないか確認します。
挿入部位の保護は、通常は滅菌ガーゼや透明な
ドレッシンング(保護シート、フィルムなど)で保護されています。
透明なものは観察が容易ですが、ガーゼの場合は漏れがある場合は
確認できます。
・バイタルサイン
特に発熱の有無に注意します。
中心静脈カテーテルを挿入している場合は、ルートを介して
感染のリスクが高まるため体温のチェックは欠かせません。
その他、呼吸、脈拍の状態も観察します。
カテーテルの位置がずれている場合は、
先端が心臓に入っている可能性もあります。
心臓に入ると不整脈を引き起こすことがあるため、
動悸などの自覚症状の観察も重要になります。
反対に中心静脈(上大静脈)より浅い部位に先端がある場合は、
輸液が血管外へ漏出する場合もあります。
カテーテルの刺激や血栓が原因で、静脈炎を併発する場合もあります。
静脈炎を併発している場合も、輸液が血管外(胸腔内や縦隔内など)に漏出し、
呼吸困難を引き起こすリスクがあります。
呼吸状態や頸部や胸部、上肢の発赤や腫れ、痛みなどの観察も重要になります。
・血糖症状
高カロリー輸液の場合は、血糖のコントロールが難しい場合もある為、
高血糖症状や低血糖症状には注意します。
高血糖の主な症状としては、のどの渇き、空腹感、多尿、皮膚の痒み、
傷が治りにくい、眠気などがあります。進行すると意識障害を起こすこともあります。
低血糖の主な症状には、空腹感、悪心、生欠伸、発汗、手足の震え、
倦怠感、動機、不安 などがあります。進行すると異常行動やさらに意識障害を
起こすこともあります。
○対策
介護職員の場合は、下記のような異常を確認した場合は、
担当の看護師などにまず報告することになります。
チューブの接続部位が緩んでいたり、カテーテルの位置がずれている場合、
輸液の落下が遅い又は滴下していない、ルート内に血液が逆流している、
挿入部位の発赤、バイタルサインの異常、自覚症状の訴え(気分不快、動機、呼吸苦、痛みなど)
頸部や胸部、上肢の発赤や腫れ、顔色不良、発汗、手指の震え など異変があれば
速やかに担当看護師に報告します。
異常の早期発見と報告が大切になります。
続きはこちらです⇒ 具体的なケア・看護職員のケア
中心静脈栄養法 : 項目
中心静脈とは?
中心静脈から補給された栄養分などの血液循環
中心静脈栄養法とは?
中心静脈カテーテルの挿入(穿刺)部位について
中心静脈栄養法のメリットとデメリット(経腸栄養法との比較)
中心静脈カテーテル留置及び輸液ルートによる主な合併症
長期絶食による消化器官への主な弊害
具体的なケア・介護職員が注意することなど
具体的なケア・看護職員のケア
栄養の管理・ケアU: 静脈栄養法
栄養の管理・ケアT: 経管(経腸)栄養法
栄養の管理・ケア 概要
経管栄養について
経鼻栄養法について
胃瘻栄養法について
中心静脈栄養法について
末梢静脈栄養法について
経腸栄養剤について
解剖生理(消化器)
消化器とは?
口腔の役割
咽頭の役割
食道の解剖と生理
胃の解剖と生理
小腸の解剖生理
大腸の解剖生理
肛門の解剖生理
膵臓の解剖生理
肝臓の解剖生理
胆嚢の解剖生理
消化酵素について
各消化酵素の働き
消化と吸収について
消化吸収の機序
経管(経腸)栄養法の必要性(ここでは経鼻胃管栄養法と胃瘻栄養法PEG)
まえおき
経口摂取が困難又は出来ないケース
経管栄養法が選択されるケース
経腸栄養法が困難又は出来ないケース
経鼻胃管栄養法が困難又は出来ないケース
胃瘻栄養法(PEG)が困難又は出来ないケース
経鼻胃管栄養法と胃瘻栄養法(PEG)の違い(メリットとデメリットなど)
経鼻胃管栄養法のメリット(PEGとの比較)
経鼻胃管栄養法のデメリット(PEGとの比較)
胃瘻栄養法・PEGのメリット(経鼻胃管栄養法との比較)
胃瘻栄養法・PEGのデメリット(経鼻胃管栄養法との比較)
経腸栄養剤について
経腸栄養剤とは?
経腸栄養剤の分類方法・例
経腸栄養剤の種類
天然濃厚流動食について
人工濃厚流動食について
病態別栄養剤(疾患別栄養剤、特殊な組成の栄養製剤)
流動食とは?
流動食と経腸栄養剤の違いは?
形態からみた経腸栄養剤の特徴
半固形(化)経腸栄養剤とは?
固形(化)経腸栄養剤とは?
半固形化剤又は固形化剤とは?
濃度について
質量パーセント濃度の求め方
質量/体積(容積)パーセント濃度の求め方
浸透とは?
浸透圧とは?
浸透圧の単位
経腸栄養剤の濃度と浸透圧
浸透圧と下痢
経腸栄養剤の投与量の判断基準
成人の1日に必要なカロリー(エネルギー量)
高齢者の1日に必要なカロリー(エネルギー量)
個人に合った必要エネルギー量 目安
日本人の食事摂取基準2010年版・基礎代謝基準値によるカロリー計算
国立健康・栄養研究所の式によるカロリー計算
ハリス-ベネディクトの公式・欧米人を対象としたカロリー計算
ハリス-ベネディクトの公式・日本人を対象としたカロリー計算
日本人に合わせた簡易式のカロリー計算
標準体重からカロリーを計算する方法
個人に合った一日に必要なカロリー計算のまとめ
経腸栄養剤・投与量のまとめ
経腸栄養剤はてな?
嚥下障害について
嚥下困難(嚥下障害)とは?
嚥下困難の主な原因
対 策
経腸栄養法が必要なケース
経鼻胃管や胃瘻チューブの種類などについて
経鼻胃管の種類
経鼻胃管の太さ、長さ
胃瘻チューブの種類
胃瘻チューブの構造
胃内固定板について
体外固定板について
胃瘻チューブ(カテーテル、管)の選択
経管(経腸)栄養法の具体的なケア(介護職員などが実施できるケア)
栄養剤を注入するまでの大まかな手順
経腸栄養剤の注入時の観察と注意点など
栄養剤の注入終了後の手順
後片付けと記録・評価について
経鼻胃管栄養法の合併症と対策
胃瘻栄養法の合併症と対策
介護職員の経管栄養法に関する医療行為について
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◇参考文献
書籍
「ナース必携最新基本手技AtoZ」保存版 発行・照林社 発売・小学館
「全科術前・術後マニュアル」 発行・照林社 発売・小学館
「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社
インターネット
ウィキーペディア
//ja.wikipedia.org/wiki/溢出
//ja.wikipedia.org/wiki/高血糖症
//ja.wikipedia.org/wiki/血糖値
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開設日: 2013/06/18
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