はしか(麻疹)について


10代、20代の感染者が多く、これにはいくつかの原因が
考えられるようです。
1回の予防接種で免疫がつく確率は高く95%以上と言われています。
感染者は、今まで麻疹に罹っていない人でかつ予防接種を受け
ていない人や、麻疹に罹ったことはないが、予防接種を受けた
人も確率は低いながらも罹患する例もある様です。
1回の予防接種で免疫が獲得出来なかった人も、数パーセント
存在。
近年、予防接種の効果で自然感染者が大幅に減少し、
麻疹ウィルスに曝される機会が少なくなった為、免疫を強く
する環境が減った。その為、
1回の予防接種だけでは、免疫が低下してきている人も
いるようです。

麻疹の症状は?
麻疹ウィルスに感染して10日前後の潜伏期間をおいて発病。
38度以上の発熱。同時に、咳、鼻水、結膜炎など。
上記の症状が出た3日前後に、さらに高い熱が出て、
同時に発疹が出現。
*発疹は、赤い小さな発疹で、耳の後ろから出始め、
顔に広がり、全身に広がる。
*はしかの症状の特徴として、口の中の両頬の粘膜に
白い斑点(コプリック斑)が認められる。
高熱と発疹は、4~5日ほど続く。
その後、回復期に向かう。
*発疹のあとは、薄い褐色の色素沈着がしばらく残ります。
発疹や熱が下がっても、咳だけが長く続く場合もある様です。

感染経路
人から人へ感染。
飛沫感染、接触感染。

合併症は?
免疫が低下している為、肺炎や気管支炎、中耳炎、口内炎
などに注意。
ウィルスそのものによる脳炎。

治療は?
少しでも麻疹が疑われるようであれば、すぐ近くの医療機関に
受診することが大切。

*受診する前に、はしかの感染が疑われることを前もって
電話等で医療機関に連絡された方がいいと思います。

ウィルスそのものに効く薬はないため、対症療法。
高熱に対しては、解熱剤。
免疫が低下している為、二次感染があれば、抗生剤。
咳がひどければ、咳止めの薬。
結膜炎で目やに等の症状がひどければ、目薬。
水分、栄養をを補う為の点滴。
症状が重ければ入院治療。

*免疫グロブリン製剤
感染者との接触後5~6日以内に、γ-グロブリンを注射した
場合は発病を抑えたり、症状を軽くする効果が期待できる。

*緊急ワクチン接種
感染者との接触後、72時間以内に麻しんワクチンを接種すると
効果的。

予後
合併症がなければ、7~10日後に回復。
麻疹の二大死因は、肺炎と脳炎
死亡率は 0.1~0.2%

予防
予防接種
麻しんワクチンの接種


◆ 家庭での看護

安静
安静は何よりも大切です。
完全に解熱するまで必要。

水分補給
塩分や電解質を含んだ、スポーツドリンクや
飲みやすいりんごジュース等。

栄養補給
消化吸収しやすい、お粥や野菜スープなど。
口の中にも発赤があるときは、アイスクリームやプリン、
ジュースなど食べやすいもの。
本人の食欲に応じて補給。

清潔保持
免疫が低下していますので、体を清潔に保つことは
二次感染を防ぐことにもなります。
特に口腔内や目の清潔には気をつけます。
口腔内の清潔には、飲食後のうがいや歯磨き、目やにがある
場合は、清潔なガーゼなどで拭き取ります。

他の人への感染防止
免疫のない人はなるべく接触を避ける。
なるべく個室を利用。
タオルを共用しない。
専用のお箸や食器などを使用。
飲食したお箸や食器類などは別に洗う。
洗濯物も別に洗う。
体温計や氷枕等は専用にする。
使用済みのティッシュペーパーなどはビニール袋などに入れて
しっかり口を閉じて廃棄。
必要に応じてゴム手袋などを着用。
介護する人はマスクを着用。
手洗いやうがいの励行。 等

*麻疹の免疫がない人は予防接種を受けることが、
一番の感染防止になります。



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◇参考文献
インターネット
厚生労働省HP内
麻しんについて
www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
麻疹発生時対応ガイドライン
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/guideline/guideline02_20160603.pdf

書籍
「家庭の医学」
「はじめてであう小児科の本」
「家庭医学大百科」

開設日:2008/?
最終更新日 : 2017/8/28
リニューアル : 2017/08/28