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「美味しい!」が好き

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2001年01月01日(月)

20世紀から21世紀へ


大晦日の夜、甥たちは、お父さんに、「11時45分になったら、絶対に起こして!21世紀になるときに起きていたいんだ」と頼んでいた。
大きくなったときに、子供たちに、「お父さんは21世紀になるとき、起きていたんだよ」と言いたいのかなと想像した。
果たして、結果を聞くと、起きられなくて、眠ったまま、世紀をまたいだらしい。(笑)

20世紀が21世紀になって、「世紀末」という言葉が使われなくなるだけいいと思う。
世紀末という言葉には、何か退廃的なイメージがある。

私の場合、「21世紀になったら」という抱負が出てこなくて困っている。
(去年は、結構抱負というか、色々な考えが頭に浮かんだのに、今年は、春から不調である。)

そんな中、元旦は、ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブのビデオを2度観た。
この映画は本当に素敵だ。
この映画の映像も音楽も、自分の人生を愛して、そして真面目に生きてきた老人たちの厚みが感じられるのだ。
最年長は、実に1907年生まれなのに、老人とは思えないパワーで演奏をし、老人だからこその厚みがある。
このおじいさん・おばあさんのパワーと素敵な笑顔を見ながら、その素敵な音楽を聞いていると、20世紀だ、21世紀だなんて、関係ない気がしてくる。
やはり、どんな時代になろうとも、時代に左右されずに(というか、うまく時代を泳いで)、私もこのおじいさんやおばあさんたちのような老人になる生き方をしたいと思う。

それにしても、これからも、美しいもの、素敵なもの、美味しいものに沢山会えればいいと思う。
神様、それだけは、かなえてくださいと祈りながら、元旦を終えた。



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2001年01月02日(火)

おせち料理の反省


今回、例年の如く、黒豆となますだけ作った。
本当は、伊達巻も作ってみたかったが、食べてくれるかどうかわからなかったので、チャレンジしなかった。

圧力鍋で黒豆
今年は圧力鍋で黒豆を煮ることにしたが、どう考えても、本の通りに作るのは怖かったので、時間短縮のため、一部圧力鍋で煮ることにした。
本によると、13分圧をかけて、そのままずっと放置するとあるが、それはどう考えても怖い。
だから、7分圧をかけて、圧が抜けたら、普通蓋で普通火でコトコト煮ることにした。

         一回目      二回目
液につけておく  8時間      10時間
圧力鍋      7分       7分
自然放置     10分くらい   10分くらい
普通火で煮る   2時間      1時間30分

結果1回目は、うまくできたが、2回目のは、半分くらいの豆が真中のところに横一文字の切れ目が入ってしまった。
どうしてだろうと思うのだが、やはり、10時間も液につけておきながら、1回目と同じ時間圧力をかけたのが、間違いの素だったかなとも思うが、わからない。

何故、10時間も液に漬けたかというと、ちょうど8時間のときに用ができてしまって、鍋に火を入れることができなかったのだ。
しかし、こういう経験も大切だと思うので、良い勉強ということにしたい。

これからも、ぜ〜んぶ、圧力鍋で煮るのは怖いけれど、普通鍋で煮たら5,6時間だから、やはり、一部圧力鍋で煮て時間短縮をこれからも図りたい。(レシピが出来上がるのは、今年の末かも知れない。)

甘さは、今年は、中ザラで作ってみたが、三温糖の方がこくがあって美味しくできるような気がする。

なます
なますを作るのに、玄米酢に、キビ砂糖を使ったら、物の見事、黒っぽく出来上がった。
やはり、お正月には、米酢と上白糖がいいと思う。

また、なますの大根の切り方であるが、本によって違う。
ある本には、「千枚漬けのように真っ直ぐに輪切りに切ってから、千切りにする」とあるし、ある本は、「斜めに輪切りにしてから千切り」とある。
どちらが正しいかというと、好みであるが、斜めに輪切りした方が、大根にこしが出るのではないかと思う。
すなわち、千枚漬けの切り方は、大根の繊維を断ち切る切り方だし、大根を輪切りにしないで縦に薄切りする切り方は、繊維を残す切り方である。
その中間が斜めなわけだから、こちらの方が歯応えがあると思う。



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2001年01月03日(水)

2000年まとめ


私の2000年は、前半好奇心も旺盛で色々なことをしたが、9月くらいから調子が狂い、忙しい割には、いつものような前向きな動きもできなかったし、好奇心が消えてしまったと反省している。
で、去年のまとめを。

ベスト 映画賞
 そんなに沢山見たわけではないが、やはり、ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラ
 ブが最高。
 噂によると、ファンからの希望が強くて、また、一般公開されるそうである。

ベスト 料理の本賞
   坂井宏行さんの「僕は料理長、ときどき、鉄人」
 この本は絶対お勧め。

ベスト 外食賞
 今年は、1,2月に美味しい物を沢山食べたと思う。
 帝国ホテルの吉兆さんのお正月料理がやはりベストだと思う。
 他、南千住の尾花の鰻、足立区鹿浜の焼き肉も美味しかった。
 昨年後半は、「とても美味しい」に出会えなかったが、浅草マノスが美味しかった。
 でも、ベストムード賞、インテリア賞は、やはり、ニューヨークグリル。

ベスト 自分の料理賞
 青海苔ポテトしか、考えなかった気がする。とても淋しい。
 今年は頑張りたい。

ベスト 道具賞
鉄製品色々
フライパンも鉄に切り替えたし、鉄板焼きようの鉄板も買ったし、蓋も鍋になるという鉄のお鍋も揃って「鉄製品はとてもいい」と気に入っている。
(でも、忙しい人には、勧めない、そんなに手入れが難しいわけではなく、思ったより楽ではあるが、テフロンに比べたら、やはり、手間がかかると思う。)
後、一般的ではないが、ミキサーミルサーのミルサーが便利。
私の場合は、かつお節を粉にするし、塩も海水塩の粗塩を買ってきて、これで細かい塩に変えてしまう。(そうでないと、溶けるのが大変だから。)
パルメザンチーズの固まりもこれで粉にするし、最近は、白胡椒の粒もミルサーで挽いてしまう。
置く場所さえあれば、お勧めの一品。(私と同じ嗜好の人にはですよ)



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2001年01月04日(木)

みなみさんのケーキノート


暮れにニューヨーク・グリルに行ったおかげで、自分が「ニューヨーク的オシャレ感覚」が好きなことを思い出してしまった。
で、取り出したのは、「みなみさんのケーキノート」(主婦と生活社)というケーキの本である。
初版が1992年だけれど、確か、この本は、小さめになってまだ売られていると思う。
渡辺みなみさんは、昔ニュースステーションに出ていた人で、アナウンサーかタレントさんが本業だと記憶しているが、実は、ケーキの腕というか、修行の歴がすごい。
何でも、「今田美奈子お菓子教室、フランス国立高等製菓技術学校に学ぶ」とあるので、この本も相当高度だし、使う材料も手に大所に行かないと売っていないものが多いように思うので、私にとっては、この本は殆ど目の保養になっている。
みなみさんデザインのものも、NYで写してきたケーキやデザートも、見た目がとても良い。
所謂、フランスとかヨーロッパ調ではなく、「アメリカン」「ニューヨーク」的グッドデザインという感じがして、とても素敵。
(日本では余り見慣れないデザインだから、余計そう感じるのかも知れない。)

この中で、白いゼリーの上に、ブルーキュラソーのゼリーで飾ったものがあったので、デザインだけをもらって、お正月のケーキを作ってみた。
私の場合は、普通のスポンジケーキを生クリームで塗りたくって真っ白にし、その上に、ブルーのゼリーを並べてみた。

出来上がった感想は、「もう一段の工夫を要する」とも思うのだが、このケーキを見た人は皆、「きれい!」と誉めてくれたので、ま、成功だと思う。
大人より、子供たちの反応が凄かった、透明な4色の小さなゼリーが散りばめられたケーキを見た途端、「きれい!」と言ったなりに、目がケーキに釘付けになってしまったのだ。
どの子も同じ反応を示すかわからないが、子供に大受けすると思う。(青のゼリーは、おもちゃのビーズを思い出させるかも知れない。)
「何で作ったの?」「食べられる?」「美味しい?」と、大変賑やかであった。
いつも苺を飾ったケーキばかりで飽きた場合、こういうケーキは面白いと思う。

ブルーキュラソーのミニチュア瓶を、暮れに明治屋の京橋店で480円で売っているのを見つけてラッキーだった。
甥2は、自分のお誕生日には、グリーンのゼリーで飾ったケーキがいいという、これは、ペパーミントか何かで色づけすればいいのかなと思う。
私の妹は、ピンクが好きだから、ピンクのゼリーで飾ってあげたいけれど、ピンクのゼリーは何で作ろう?

反省としては、切ったら、中が苺と栗だったので、切った段階では、青のゼリーとスポンジケーキの色、苺、栗の色と全然マッチしなくて、きれいではなかったことだ。
(だから、みなみさんの場合は、白いゼリーだったのだと理解できた。)
プロだったら、切ったときのきれいさも考えて作るだろうが、シロウトの場合、「出てきた途端の受けを狙うデザイン」でも、十分ではないかと思う。(=負け惜しみ)

写真は、また、明日。



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2001年01月05日(金)

2001年お正月のケーキ 1/2


2001年お正月のケーキページ←ここをクリック

デコレーションに使ったブルーキュラソーゼリーのレシピ

<分量>
       ブルーキュラソー 10cc、5cc、1cc、1滴
       板ゼラチン 7g(しとらせておく)
       水     200cc
       砂糖     25g
       レモン汁   10g
       レモンの皮  1/2個
(実際作ってみて、レモンの皮は、保存剤を表面から取るために塩でこすらなくてはならないので、面倒だし、省略してもいいのではないかと思った。)

<作り方>

ブルーキュラソー以外全て、鍋に入れて温めて板ゼラチンが溶けたら、漉して(漉さなくても大丈夫だと思うが)、「4つの容器に分け入れ」、冷まし、その中に、ブルーキュラソーを入れる。
10ccと5ccは、小さじで計れたけれど、1ccは、小さじで「1/5くらいかな〜」という目分量、一滴は、失敗して、3滴くらいになったけれど、ま、これは、色の濃淡がはっきりすればいいのだからと、余り気にしなかった。

で、ゼリーが固まったら、取り出して、サイコロ状に切るのだが、今回、このやり方が悪くて、細かくなってしまった。
MLで聞いた正しいやり方を併記する。

間違ったやり方
・ゼリーを取り出すときに、ナイフで回りをぐるっと切り取ったが、きれいに剥が
 れなかった。
・ナイフでサイコロ状に切ったが、うまく切れなくて、グチャグチャになった。
・残ると勿体無いので、全部を混ぜてしまった。

正しいやり方
・ゼリーを取り出すときには、容器の底をお湯にあてると、きれいに取れる。
・ナイフもお湯で温めながら、ゼリーを切るときれい
・全部混ぜないで、濃い色はアクセント用に取っておくこと。

で、出来上がって思ったのだが、濃い色2色は、アクセント用なのだから、予め作る量を減らし、薄い色2色を多めに作るといいかも知れない。
また、ゼリーは、大き目のサイコロカットがきれいかも知れない。

飾り付けにするときも、もっと側面にこぼすような形の方がきれいだったかなとか、どうせなら、側面が若干斜めになっているシフォンの方が良かったかなとおもう。

今回の反省を踏まえて、1月中旬過ぎの妹のお誕生日には、ピンク版を作りたい。



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2001年01月06日(土)

2001年お正月のケーキ 2/2


暮れに、「味吉兆で学んだ日本料理」(柴田書店刊 1800円)を購入した。
この中に、吉兆のフルーツゼリーの作り方が載っていたからだ。

昨年1月に吉兆に行ったときのデザートのフルーツゼリーは、とても美味しくて、つるつるっと満腹のお腹に入って行ってくれた。
これだったら、食べ過ぎの人でも美味しくデザートを食べることができると、今年は、フルーツゼリーを本格的に作ることにした。

で、本の中のフルーツゼリーの果物は、パパイヤ・メロン・巨峰・白桃であったが、私は、スーパーで「カットフルーツ」(皮を剥いてある)として売っていた1皿100円のオレンジ・グレープフルーツにキウイを買って来た。
これに、スポンジケーキに使う苺を少し回して、おみやげにもらったメロンを加えたのだ。

本から真似たレシピは、水900cc、砂糖200g、板ゼラチン4枚、ブランデー大さじ2〜3杯(実際には2杯で作ってみた)だけ。
本には、フルーツをシロップにくぐらせたり、細かいことが色々載っていたが、面倒なので無視することにした。
(去年の吉兆で食べたフルーツゼリーには、カスタードクリームやら何やら3種類のソースがかかってきたような気がするが、これも無視。)

上のレシピのゼラチンの量では、やたらに固まるのに時間がかかった。
初め、てっぺんになる部分のゼリーを入れ物に入れて、冷蔵庫に置いておいたのだが、1時間経っても、まだ、流動状であった。
これでは間に合わぬと、残りのゼリー液の一部を少し残して、果物を混ぜて、冷蔵庫に入れておいたのだが、本当に、何時間経っても、固まってくれない。
(しかし、果物を混ぜていないゼリー液は、固まったのだ。どう考えても、使った果物のどれかが、ゼリーを固まらせてくれないのだとわかった。)
結局は、お客様にも謝って、出すのを止めてしまった。

後で、MLで聞いたところ、キウイに、蛋白質分解酵素が含まれているということがわかり、しょうがないので、キウイだけを外し、新たにゼリー液を入れて、一晩置いておいたら、ようやく固まってくれた。

蛋白質分解酵素は、パイナップルに含まれているのは有名であるが、その他に、パパイヤとキウイにも入っているそうだ、もう、絶対忘れないようにしようと、心に誓う。

で、出来上がって、家族だけで食べたフルーツゼリーは、味も軽くて好評であったが、すくって銘々の器に移すときに、ゼリーが柔か過ぎて、全て粉々になってしまった。
それはそれでも良いかも知れないが、昨年私が吉兆で食べたフルーツゼリーは、ちゃんと粉々にならずに、果物をコーティングしていたのだ。

う〜ん、どうもレシピを間違えたらしい、もうひとつ、フルーツサンドというレシピの中に、フルーツゼリーが含まれていて、そちらは、「水540cc、グラニュー糖180g、板ゼラチン20g」であった。
こちらの方が固くできそうである、今度は、こちらのレシピで作ってみたい。



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2001年01月07日(日)

しゃぶしゃぶの胡麻だれの素


しゃぶしゃぶを食べるときに、胡麻だれ派と、醤油だれ派と、両方ともないと満足しない派があるようだ。
私は、両方ともないと満足しない派なのだが、我が家のレギュラーメンバーである母と妹が、胡麻だれ大嫌いで、醤油だれがあればいいわ派なのである。
お醤油に、柚子酢、大根おろしで、全てを食べてしまう。

そうは言っても、私は、しゃぶしゃぶに、胡麻だれがなくては淋しいから、相当長い間、しゃぶしゃぶの度に作っていたが、私以外は使わないので、絶対に残る。
(市販の胡麻だれも2,3、買ってみたが、美味しくないので、買わないようになった。)

それで、本格的胡麻だれを作るのをやめて、自分一人のための「胡麻だれの素」を考えた。
これは、結構成功で、本人満足して(というか、私以外の人は食べたことがないので、客観的評価はまだない)、しゃぶしゃぶの度に、自分のために作って、胡麻だれを楽しんでいる。

ベターホームの本によると、本当の胡麻だれの分量は下記の通り。

★本格的しゃぶしゃぶの胡麻だれ
 (4人分)

 白胡麻       50g
 白味噌       50g
 みりん       大さじ1杯
 醤油・酢      各小さじ2杯  すりおろしにんにく 1片分
 一味唐辛子     少々
 サラダ油      小さじ2杯
 出汁        カップ1/2

★私の胡麻だれの素
 (1人分)
 (これで、ちょっと残るような感じもするが、結構食べてしまうものである)

 白練胡麻      大さじ1杯
 味醂        小さじ 1/2程度
 すりおろしにんにく 小さじ1杯(これは好み)
 甘さが足りなかったら、お砂糖少々

これを小さな器に入れて、練っておく。(練り胡麻は、メーカーによって固さが違うので、もし、固いようだったら、少しサラダ油を入れて、練っても良いかも)

これをしゃぶしゃぶを食べるときに、自分の近くに置いておく。
ポン酢+醤油で、まず、しゃぶしゃぶを食べて、その味に飽きたときに、小鉢に、この簡易版を小さじ1杯程度と醤油とポン酢、鍋の汁を少々足して、味を見て、胡麻だれを完成させて、これで食べている。
しゃぶしゃぶをこのたれにつけて食べていると、自然と薄くなるので、そのときは、また、簡易胡麻だれの素や醤油を足すようにする。

しかし、一般のごくお行儀の良い家庭では、胡麻だれや醤油だれは、予め、作っているのだろうか、私には良くわからない。
ベターホームの本を見ても、予め、醤油やポン酢を合わせて、醤油だれを作っている。
もし、これが一般的で、そのような丁寧な家庭だったら、私の胡麻だれに、その醤油だれを合わせれば、同じように美味しく食べられると思う。
(我が家は、一々、醤油だれなどを作らず、食卓で、自分で、ポン酢に醤油などを合わせて、作ってしまう。)

醤油だれに、胡麻の味・にんにくの味・甘さが加わった美味しさが、胡麻だれの味だと思うから、私の簡易版でも、十分に美味しい筈。

私と同じで、自分は胡麻だれが好きなのに、家族が嫌いな人に役に立てばいいなと思うレシピである。



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2001年01月08日(月)

牛タンのやわらか煮


暮らしの手帖社のご馳走の手帖2001年版を見て、牛タンの柔らか煮を作った。

で、出来上がったものは、本当に柔かかったが、残念ながら、作り方をちょっと変えたせいで、若干、味が抜けてしまった感があった。
しかし、またまた、甥たちには、大受けであった。(どうも、食べると、口の中でとろけるくらい柔かいのが良かったのかなと思う。)

作り方は、牛タンの皮を剥いたものをそのまま油で焼いてから、タマネギ・ニンジン・生姜・パセリの茎などで、ことこと3,4時間煮るのが下処理。
その後、ゆで汁を捨てて、鶏がらのスープ:醤油:味醂=10:1:1のだしで、ゆっくりと半分くらいになるまで煮詰める。(出だしは、かぶる程度)

と書いてあったのだが、牛タンをいつもの癖で、三回水から茹でこぼす下処理で作ったから、味が抜けたのだと思う。
(これは、味が抜けたことに関係ないと思うが、3、4時間煮るのは面倒なので、圧力鍋で圧30分で自然放置という煮方をした。)

今度作るときには、ちゃあんと、書いてある通りに作ろうと思う。

言い訳ではないが、茹であがった牛タンを半分味噌漬にして、半分このやわらか煮にしようと考えたため、こうなってしまったのだ。
今度は、絶対、油で焼く下処理でやってみるつもり。
(また、鶏がらスープを取るのが面倒だったら、鶏ガラスープの素でも、チキンブイヨンでも美味しくできるような気がする。)



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2001年01月09日(火)

上野駅前 おきな庵


夏に、上野駅前のおきな庵というお蕎麦屋の、ねぎせいろというお蕎麦が美味しいと聞いて行ってみた。
細かいことは忘れたが、ねぎせいろは、イカのゲソだったか、胴体の細切れだったかのかき揚げと、細く切った長葱が浮かんでいる熱くて濃いそばつゆの中に、とても細い蕎麦をつけて食べるものであった。
食べた瞬間、「昔、これと同じものを食べたことがある」と思ったが、どこで食べたのだか思い出せないでいる。
何というか、とても懐かしいし、イカげそのかき揚げの好きな私には、良かった。
イカゲソのかき揚げが天汁にしみて、粉々になって、結局は、熱々のイカゲソの揚げかす入りのそばつゆで食べるお蕎麦の味は、所謂、ゲス(漢字は「下種」かな?上品ではないという意味)な感じで美味しい。

老舗とか、蕎麦が飛び切り美味しいという蕎麦屋ではないけれど、何となく癖になる感じがある。
お蕎麦は、割と黄色ぽくて、そしてとても細い。(もらったマッチの裏に、「当店のお蕎麦は、『ニ八そば』です」と書いてある。)
手打ちでもないし、普通の町のお蕎麦屋なのだが、ねぎせいろの他にも人を引き付ける何かがあるのか、近所の人だけではなく、このお蕎麦が好きでという感じのちゃんとした恰好の老人の客が多かった。(「ちゃんとした恰好」→よそ行きの恰好)
それにしても、蕎麦屋というのは、どうして男性客が多いのか不思議である。

この前の夏に行ったとき、その前後に、寺方蕎麦を食べに行ったので、どうしてもそれと比較してしまった。
寺方蕎麦は、千円で、ほんのちょっとで、食べた気がしなかったが、こちらは、700円でたっぷりしていて、ゲスな味で美味しかった。
コストパフォーマンスは、こちらの方が断然良い。

そして、夏に行ったときに、メニューに、「むじな蕎麦」を見つけて、ずっと気になっていた。
で、冬になってから、食べに行ったら、予想通り、むじなとは、東京でいうきつね(油揚げ)とたぬき(揚げかす)が両方とも入っているものであった。
美味しいし、量も多くてよかった。

場所は、上野駅から、浅草通りをちょっと行ったところの右側。(ちょうど、上野警察の昭和通を挟んだ前あたりになる)
周囲の人の注文を見ていると、ねぎせいろの他、カレー蕎麦が人気があるような感じがした。

わざわざ行くのも何だが、上野近辺に行ったときに、お昼食べるなら、ここがお勧め。
(コストパフォーマンスで推薦)

おきな庵(おきなあん)
上野警察署前 電話 3831−0548
休みは不明



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2001年01月10日(水)

ヨーグルト


先日、初めて、テレビの「思いっきりテレビ」という番組を見た。
色々なダイエット法が紹介され、それを実践した人たちの話が続いていた。
その他、この番組は、「この症状にはこの食品が効く」などの紹介が多く、この番組で紹介された食品が、その日のうちに、売り切れになるという話も聞いた。
すごいよね〜、その影響力と思う。

このテレビ番組を見ている世の中の奥様の栄養に対する知識はすごいものではないかと思う。
それに比べたら、私の今日の話題は、大したことはないのだけれど、あることを習って実際にやってみたら、効果があったので、ご紹介。

お腹が張る、おならが出やすいなどの症状が起きたら、どうするか?というだけの話なのだけれど、あるところで、「そういうときは、ヨーグルトを食べて、ビフィズス菌をお腹に送ってあげて、腸内環境を良くすると直る」と習ったのだ。

ちょうど、お正月で、食っちゃ寝状態の私、もろに、お腹が張ってきた。
で、習ったとおりに、ヨーグルトを食べたら、あ〜ら、不思議、お腹の張った感じがなくなった。
そうか、そうか、お正月料理で、どうしても野菜が不足(=繊維も不足)しているのだろうし、運動もしないで、寝てばかりいるから、腸内環境が悪くなってしまったのね、と自分のお腹の中の状態を把握できた感じであった。
取り敢えず、一日1回ヨーグルトを食べれば、当座凌ぎで、少し楽になる。
本格的に、この「お腹が張る」感じをなくそうと思ったら、所謂、キチンとした日常生活を送れなくて、怠惰な生活を続けている間は、毎日、ヨーグルトを食べていた方が良いようである。



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2001年01月11日(木)

スモークサーモンの大根巻き


スモークサーモンを大根のかつら剥きでくるくるに巻くと、美味しいし、きれいだと昔、MLで習ったような覚えがあった。
本を探したら、有元葉子さんの本に、同じようなものがあったが、大根をかつら剥きして、塩で柔かくしてから、それで直接、サーモンを芯に巻いたものであった。

それでは、余り面白くないので、甘酢に漬けた大根がいいかなとも思ったが、そのとき、出汁+醤油+味醂を4:1:1に混ぜたものがあったので、それに漬けてみた。

かつら剥きをした大根(切れ切れでも大丈夫)に塩をして、10分くらい置いておいてから、その出汁につけておいたのだ。
で、色が染みてから、水気を拭いて、サーモンの切れ端を芯にして、巻いた。

う〜ん、彩りが良くない、回りの大根がベージュで、真中のサーモンがピンクで、地味なのだ、やはり、甘酢に漬けた大根の方が、白にピンクできれいだったかと反省する。
ただ、味は、「美味しい」と言われたので、良かった。

また、甘酢で作ってみるつもり。



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2001年01月12日(金)

手しおにかける


以前購入した、辰巳芳子がつたえる母の味「手しおにかけた私の料理」という本を取り出した。
本の帯には、「『手しおにかける』という言葉は、料理でも、我が子でも、心をつくし、手を尽くして愛するという意味がこめられています」と書いてあった。

最近、「手しおにかける」実例を見たので、その話を。

私の通っている習字塾に何人かの小学生が通っているが、その内、2人の女の子が、大人の時間にはみ出て、習っている。
この前の、今年最初の習字の時間に、その2人のうちの1人のA子ちゃんが、お母さんとともにやってきた。
そのお母さんは、まず、自分が先生に挨拶をし、その後、小学校3年生の娘を先生の前にちゃんと座らせ、「まずね、先生の目をちゃんと見てから、『あけましておめでとうございます、今年も宜しくお願いいたします』というのよ」と教えた。
A子ちゃんは、ちょっと恥ずかしかったのか、戸惑っていただが、正座して、ちゃんとお母さんの言うとおりに挨拶をしながら、お辞儀をした。
先生は二人いらっしゃるので、二回同じように丁寧に挨拶し、先生たちに、「はい、よくできました」と、誉められていた。
(回りの生徒の大人たちも、「偉いわね〜」と誉め、きっと、A子ちゃんも恥ずかしかったけれど、ちゃんと挨拶してよかったと思ったであろう。)

そして、そのお母さんは、先生たちに、「うちの子は、塾に来て、真面目に先生の言うことを聞いて練習してますでしょうか?」と聞き、「最近、3年生になって、授業の内容が濃くなったせいか、字が乱暴になってきて、困っていますの。『算数のようなスピードを必要とするときは、汚くてもいいから、他の授業のときは、丁寧に書きなさい』と言っているのですけれど、中々できないようで」と話しているのが聞こえてきた。

この辰巳芳子さんの「手しおにかける」という言葉を見たら、このA子ちゃん親子の姿を思い出した。
手しおにかけるというのは、A子ちゃんのお母さんのようなことを言うのだと思った。

世の中、子供のために、子供を色々な塾に通わせている親は多いと思う。
でも、それを本当に子供の教育に役に立たせようと思ったら、それは授業料を払って、子供がさぼらないで通っているかどうかチェックするだけではなく、やはり、「習わせる」主体者である親が、ちゃんと先生に礼を尽くし、お話をして、心を通わせることが必要なのだと思う。
学校でも同じなのかも知れないが、親がまず、先生と正しいコミュニケーションの取り方を範を示して教えないと、子供はきっと「人と気持ちよくコミュニケーションを取る方法」が、わからないまま、大人になってしまうのだろう。

うまく言えないが、「塾」というのは、技能を習う外に、礼儀を覚えたり、大人とのコミュニケーションを覚える場所にできるのだと思った。
きっと、A子ちゃんは、大人とのコミュニケーションの取り方も知って、実践できる子になるから、大人に可愛がられる少女に育つだろう、所謂、「良い子」になれるのだ。
そして、お母さんになっても、自分のお母さんがやってくれたように子供を教育していくだろう。

成人の日に、成人式に新成人が騒いだというニュースを見ていると、世の中、A子ちゃんのお母さんのようなお母さんが減ったのだろうと思った。

「手しおにかける」ということが、世の中から、なくなっているのだろうと思う。



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2001年01月13日(土)

味噌おでん


親戚から、手作りのこんにゃくと新鮮な大根、サトイモを送ってきてくれたので、味噌おでんを作った。
こんにゃく、大根、里芋の外に、焼き豆腐とちくわぶを用意した。
こんにゃくは、石灰を抜くために、お湯で、一煮立ちする感じで茹でた。
大根は、お米を少し入れたお水で15分茹でたら、茹で過ぎになるくらい、新鮮で、下茹でしない方が良かったかもと思った。
里芋もぬめりを取るために、皮を剥いて、塩でこすったまま、水から10分程茹でておいた。

練り味噌は、ベターホームに下のようなレシピが載っていたが、甘過ぎるのは嫌なので、白味噌を60gにして作った。
レシピには、「気長に、弱火で練る」とあったのだが、面倒だったので、そんなに練らなかった。

練り味噌
赤味噌  60g(大さじ3+1/2)
白味噌  80g(大さじ4+2/5)
砂糖   大さじ2
味醂   大さじ2
出汁   2/3カップ

弱火で木しゃもじで気長に練りながら煮、つやを出す

下ごしらえした野菜を、昆布を入れた土鍋の中で温め、小皿に取った練り味噌につけながら、食べた。
美味しいことは美味しいけれど、動物性蛋白質が0、油分0のローエネルギーで、昔の日本ではごちそうだったかも知れないが、今の時代だったら、年に一度くらい、寒い日に食べるくらいの珍しいご馳走という感じかなと思った。



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2001年01月14日(日)

自分の心を手しおにかける


昨年の12月から、つまらないいざこざが色々起きて、私は機嫌が悪い。
私が起こそうと思っているのではないのに、不愉快なことが次々起こる。
「悪いときには悪いことが重なる」というのは、よく言ったものだと思う。

で、この2,3日、私の気分は最悪で、もう完全に忘れていたと思っていた、小さいときからの嫌なことが、噴き出したように、心の中に湧いてくる。
「小さいときから、あんな嫌やなこともあったな〜、こんな嫌やなこともあったな〜」と、機嫌がいいときには、忘れていた昔の嫌やなことが次々と心に浮かぶのだ。

「こういうときが私の最悪の状態」と思うのに、直す術が見つからない。
こういうときは、心の思うままに、それに付き合うしかないと思う。

若いときは、そういう嫌なことが起きたとき、どうしたのだろう?
そうだ、そのときは、私はまだ若くて、可愛くて、楽しいことも沢山起きたのだろう、そして大人がかまってくれたりして、それで気分転換できたのかなとも思う。
そうか、年を取って、若さがなくなって、誰もかまってくれなくて、中々気分が治らなくなったのかと自覚する。(何だか、悲しいな〜)

心を打つような本を読むのもいいが、最近、余り読みたい本もない。
機嫌が悪い日を心の通りに2,3日過ごした後、2時間くらいかけて、辰巳芳子さんの本を見ながら新しい料理にチャレンジしたり、得意料理を丁寧に作っていたら、どういうわけか機嫌が直った。
丁寧な料理を作るというのは、私の心を和ませてくれるのだ。(だから、私が料理を好きだったりして)
小さいときから、つまらない心のトラブルがあると、料理に逃げ込んでいたことも、思い出した。

急いで、時間に間に合わせるなんていう料理はだめ。
あくまでも、新しい料理で、気持ちの良い本を見ながら、丁寧に作る、時間をかける、ということが大事なのだと思う。
丁寧に、丁寧に、色々本を見ながら考えながら、料理を作っていると、気持ちが和んでくる。
私の心に、自分で手しおをかけている、そんな感じがいい。
自分自身を丁寧に扱い、物を大切にその持ち味を生かそうとする時間が、自分の心に栄養を与えてくれるのかも知れない。
そうだね、「手しおにかける」ということは、簡単にいうと、「自分と自分が触る物や人を大切に丁寧に扱う」ということだと実感する。

「洋服を買いに行く」「映画を見に行く」というのも、自分に栄養を与えることかも知れないが、「料理を丁寧に作る」というのも、お勧めの気分転換である。



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2001年01月15日(月)

卵白の泡立て 1/3


加藤千恵さんの「お菓子まるごと大全集」という本のシフォンのところを見たら、「スポンジは10年かかるとしたら、シフォンは、数ヶ月でマスターできる」と書いてあった。
え、え、え〜と大げさに驚く私。

自慢ではないが、栗原はるみさんのシフォンの作り方で、1回でできてしまった私は、どうしてそんなにかかるのか理解できない。
しかし、MLで聞いたところによると、シフォンは、「究極の」とか付くくらい、卵白の泡立てでできが違うらしい。
私の場合、シフォンを作ってみたら、簡単に美味しくできてしまったので、外でシフォンケーキを買ったことも食べたこともないのだ。
だから、自分のシフォンが、世の中においてどの程度の位置にあるのか、まるでわからない。
(親戚の人に、文章だけでこのシフォンの作り方を教えたら、やはり、成功して、それをプレゼントした先で喜ばれたと聞いているので、結構良い線は行っていると思っているが、シフォン全体における自分のシフォンのレベルがわからないのだ。)
これはいけないと思うので、今度、「究極」と言われるシフォンを食べに行ってこようと思っている。

加藤千恵さんの本を見ても、手で泡立てているから難しいのではないかと思った。
弓田亨さんだったら、電動ミキサーでどう泡立てるかを調べてみた。

シフォンケーキは、フランスではなく、アメリカのケーキだから、勿論弓田さんの本にはそのものは載っていない。
仕方がないので、色々書いてあるケーキの中で、「別立てで、後から粉を混ぜるタイプ」のレシピを探した。
と、ぴったりのケーキがあり、それのコツをまとめてみた。

コシのある、後から粉を入れるタイプの卵白の泡立てのコツ

1.水様化していること
  夏だったら、冷蔵庫で1週間、冬だったら、20℃以下の室温で10日
  以上経ったものを使用(とありますが、ま、新し過ぎなければ、どうに
  かなると思う。)
2.冷やして使う
  泡立てする前に、卵白を入れたボウルを3分氷水にあてる。もしくは、
  卵白を入れたボウルを10分、冷蔵庫に入れておく
  (冷蔵庫にずっと入れておいた卵で十分ではないのか? こういうお菓子の
   プロの方は、卵を冷蔵庫に入れる習慣がないから、こういう書き方になるの
   ではないか?
   家庭だったら、卵は普通冷蔵保存だから、冷蔵庫から出したばかりのもので
   十分であると思う。)

で、泡立て方は、

卵白128g
最初から入れるグラニュー糖 17g
後から入れるグラニュー糖  25g
1.卵白にグラニュー糖を入れて、中速で、1分、卵白をほぐす
2.その後、高速に切り替え、全部で3分泡立てるが、2分30秒のときに残り
  のグラニュー糖を入れる。

と書いてあった。



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2001年01月16日(火)

あんこうのあら


我が家の夕食の予定は、うどんすきであった。
我が家のうどんすきも、最初の頃は、豚肉、海老の他、かまぼこも入れたし、はまぐりも入っていたが、段々、そこまでしなくても美味しいので、動物性蛋白質は、豚ロースの薄切りと海老だけになってきていた。
しかし、海老というのは、結構高い割に美味しくない。
スーパーなどで、特価とか書いてあるブラックタイガーを買うこともあるが、味に比して高いような気がする。
我が家では、海老はある程度出汁が出ればいいようであって、誰も入っているか気にしていない。
海老も飽きられてたのだと思う。

で、その日、いつもの魚屋さんに行くのに、「今日は、海老はやめて、ハマグリにしようかな、牡蠣も面白いかも、鯛のあらがあったら、それでもいいな」と思っていた。
魚屋さんに着くと、その日は、あんこうをおろしたようで、あんこう鍋用に切られたぶつ切りが並び、「今日は、あんこうがおいしいよ、夕飯はあんこう鍋で決まりだよ」と魚屋さんが連呼していた。

が、我が家の場合、前日に、「明日はうどんすき」と言ってしまえば、その夕方にご飯は炊かれないので、あんこう鍋は当然無理、そして、あんこうのようなゼラチン質が多くて、皮とか肝まで食べる魚のぶつ切りを家に買って帰っても、我が家のメンバーは気持ち悪がって食べないことが想像された。
そのとき、あんこうの並んだお皿の端の方をみると、身を切られたあんこうの骨が無造作に置かれていた(捨てる寸前の感じ)。
で、そのとき、「あんこうの骨で出汁を取ったら、絶対美味しい」と頭にひらめいた。

魚屋さんに、「あんこうの骨、いくら?」と聞いたら、「骨なんか、買わないで、身を買ってくださいよ」と言われる。
結構しつこくて、身を買わないで骨だけ買って行ったら、魚屋さんの機嫌が悪くなりそうな雰囲気だった。
しかし、私も家の家計を握る責任者、優先させるべくは、魚屋さんの機嫌ではなくて、私の財布の機嫌、気を取り直して、「今日は、うどんすきだから、あんこう鍋はできないの」と言い切って、あんこうの骨を買ってきた。
お値段は、300円。

で、普通のうどんすきのときのように、昆布と煮干しと厚削りの混合けずり節で出汁を取った中に、湯引きした後、冷水につけて、汚いところを取ったあんこうの骨を入れて煮たら、これが良い味を出してくれて、汁が美味しいの何のって、とても好評だった。
(残念だったのは、やはり、あんこうはゼラチン質の部分が多いのか、煮たら、本当に骨だらけになってしまい、殆ど身がついていなかったことだ、この部分は期待が外れた。)
それにしても、あんこうの骨は、うどんすきの出汁をやたらに美味しくしてくれた。
いつもの海老だと、味が足りないのか、「うどんすき、味が足りない」とのことで、醤油が足されることもたまにあったが、この日は、その出汁の美味しさ、濃さに満足して、誰一人として、「塩分を足そう」と言い出す者がいなかった。
この日のうどんすきは、通常のときよりも売れ行きが良くて、具もうどんも殆ど残らなかった。
「冬のうどんすきに、あんこうのあら」は、私の今年最初の「美味しい」ヒットであった。
どんな味かというと、表現するのが難しい、ふくよかで上品な味わいというのだろうか?

きっと、ふぐの骨があったら、これもうどんすきの出汁に美味しいだろうなと想像している。
あんこうとか、ふぐとか、ゲテモノだと思っている家族のいる皆さん、そういうときは、あらを買ってきて、鍋に忍ばせて、そういう人たちに、その魚たちの美味しさの片鱗を味合わせてあげましょう!

身のついていない出汁のための骨に300円を高いと思うかどうかであるが、300円の海老を買っても味的にも量的にも何も期待できないが、このあんこうのアラに対する300円は、皆の食欲を増す300円だから、勿体無くないと思う。

あんこうと言えば、小さいときを思い出す。
小さいとき、よくお使いで、魚屋さんにお刺身を買いに行っていたが、昔の魚屋さんの店先には、冬になると、必ず、あんこうが吊るしてあったように覚えている。
あれは、昔の東京の魚屋さんの店先に、火の気がなくて、天然の冷蔵庫だったから、そうしていたのかなと思う。
最近の魚屋で、あんこうをぶら下げている店は、なくなってしまったような気がする。
昔の東京では、あんこうは冬の人気の魚だったのかも知れない、どうして、余り見なくなってきたかはわからない。
人に聞いたところによると、昔は、関西では冬になると河豚を食べ、関東ではあんこうを食べていたらしい。

我が家の場合、他の人が嫌いらしいから、これ以上のあんこうさんとの深いおつきあいは望むべくもないが、骨だけでも、我が家の敷居をまたいでくれたことが嬉しい。(だって、美味しいのだもの)



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2001年01月17日(水)

卵白の泡立て 2/3


弓田さんの本によると、卵白は、冷えていた方が良いとのこと。
今まで、卵はすべからく、常温に戻してから使うものだと信じていた。

実は、私はインターネットで色々なメールをやり取りして色々なことを習う前から、シフォンを作っており、人から情報をもらう前までは、冷蔵庫から出したばかりの卵でシフォンを作っていた。
これで、十分上手く行っていたのだが、あるとき、ベテランの主婦から、「卵は常温に戻した方がいいわよ」と言われ、「そういうものか」と思い、常温にしたり、ま、いいやと今までどおりに作っていた。
(常温に戻した卵白と、冷蔵庫から出した卵白両方で、泡立てたことがあるが、そんなに違いが無かったような気がする。)

そして、他のケーキの本でも、「卵白は冷やしてから泡立てる」と書いてある本は他にはなかったので、色々調べてみた。

柴田書店の「お菓子のコツと科学」を見たけれど、載っていない、このときに思い出したのは、友人の勧めで購入した「調理と理論」(同文書院刊)である。
この本は、秋に購入して以来、放ったらかしであったが、卵のところを見ると、卵白の泡立ての温度について、下記のように載っていた。

「卵白はある程度温度は高いほうが粘度が下がって表面張力が小さくなるので、次 ページの表のように泡立ちよくなる。
しかし、温度が高いほど、泡膜はかわきやすく、つやのないもろい泡となる。
低温の卵は泡立ちにくく、泡立ちも多少劣るが、できた泡はしっかりしていて、つやが良く、こしも強い。低温では粘度が高いため泡の合併が起こりにくく、細かい泡が密集した状態になるので、こしがツ億なる。また、液の蒸発が遅いから、液体の薄膜はかわきにくいのでつやがあり、泡が戻って分離することも少なく安定した泡となる。
このようなことから、良質の製品を得るためには、冷蔵庫で冷やしてから泡立てることが行われる。」

そうか、そうか、これではっきりした、「粉が後から入って、グルテンに負けないコシのあるメレンゲ」を作るには、卵白は、「常温でなくて、冷やした方が良いのだ」と理解した。

また、この本によると、水様化が余り進んでいない卵白でも、電動だと良いメレンゲができることが書いてあるので、水様化については、そんなに意識する必要はないかも知れないと思った。



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2001年01月18日(木)

西池袋 ラ・ファミーユのシフォン 1/2


MLで話題に出た「ラ・ファミーユ」で、シフォンを食べてきた。
一口で言って、「本当に美味しい、今までのシフォン(=自分のシフォン)は何 だったの?」という感想であった。

世の中、あんなに美味しいシフォンもあったのだなと率直に思ったのだ。
(自分の名誉のために言うけれど、私のシフォンだって、今まで、「美味しい!」と言わない人はいなかった、しかし、ラ・ファミーユは、あまりにずば抜けていて、あれ食べたら、他のシフォンは皆不味いと思うと思う)

では、冷静になって、行ったときの様子をば。

場所は、池袋南口の改札を出て、右に進み、東武のメトロポリタンプラザ館のエレベータを上がって行って、東京芸術劇場の前に出る。
大通りの信号を渡り、向こう側に行くと、東京芸術劇場の向こう側左方面に、東方会館と、ローソンがあるので、その間を入って行く。
で、曲がるとすぐ突き当たりが見えるので、突き当たりを左に曲がる。(そこに行く途中右側のビルの2Fに文流がある)。 
すると、すぐに、「西池袋公園」という公園が見える(結構小さい)。
その公園の入り口左側に、住居地図があるから、ここで、一旦、ラ・ファミーユの番地 を確認。(西池袋3−33)
その住居表示の右側の公園の真中を突っ切る道路を直進すると、すぐに、公園は終わる。
公園が終わったところを右に曲がり、公園沿いにちっと歩くと、不退整骨院という看板が見えて、その左隣が、「ラ・ファミーユ」。

お店には、「メトロポリタン口から徒歩5分」と書いてあった、池袋南口の改札からだと、10分程度かかる。

東京カフェ案内←ここをクリックして、「その他 赤坂・池袋・品川」をクリックすると、一覧表が出てくるので、「ラ・ファミーユ」をクリック




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2001年01月19日(金)

西池袋 ラ・ファミーユのシフォン 2/2


で、店に入ると、行ったのが5時過ぎということで、他のケーキはあったけれど、シフォンはぜ〜んぶ売り切れ。
でも、お店の人に聞いたら、「コーヒーシフォンがまもなくできる」とのことで、 ようやく食べることができた。

で、出てきたシフォンがやたらに美味しい!(本当にやたらにですよ)
やたらに軽くて、バサついていない。
(私のシフォンだって、軽くてバサついていないという評判だが、所詮レベル が違う)

お店に、雑誌が置いてあって、その中に、このお店のオーナーである小沢のり子 さんの「手作りお菓子教室」(小沢のり子著 旭屋出版MOOK 本体\1800)が置いてあったので、出てきたシフォンを食べながら、シフォンの基本的な作り方を眺めていた。

本を見ながら、わかったことは、「卵黄の割合と泡立て方が私と違う、粉の混ぜ 方が違う、焼く温度が全く違う」の3点。
卵白の泡立てもしっかりしたタイプ

食べ終わって、お金を払う段に、この本を注文して買ってしまった。
で、ケーキを運んできたり、レジをしてくださったのが、その「小沢のり子さん」 その人であることがわかった。
「人から、『本当に美味しいんだから』と言われてきたのですが、『本当に美味 しかった!』」と言ったら、とても嬉しそうであった。
「本を買って作ったら、同じシフォンができるのでしょうか?」と聞いたら、 「できません」と言われた。(笑)
やはり、泡立ての具合とか、微妙なところを目でチェックしなくてはいけないの だけれど、そこのところを文章で表現できないとのこと。
「では、本見てできなかったら、また、習いに来ますから」と言って帰ってきた。

私の救いは、小沢のり子さんの本の前書きに、「他にはない私独自の作り方を知っ ていただきたい」と書いてあったことだ。
ラ・ファミーユのシフォンは、今のところ、ラ・ファミーユでしか食べられない シフォンのようである。
しかし、シフォンのようなケーキについて、これだけ研究して独自の作り方を開発してしまうなんて、本当に尊敬してしまう。(私なぞは、ケーキの本にある通りに作って、それで結構うまくできて、それで満足して、進歩しなかったのに。)

私としては、実際に味わったせいか、また、味わいながら、作り方を見ていたせ いか、小沢のり子さんの作り方に惹かれた。
だいたい、小麦粉だけではなく、コーンスターチを使っているところも、他とは 違う。

美味しくて、しかも作り方の本まで出ているお店を紹介してくださった方に、本当に感謝。
当分、本を見ながら、色々なシフォンを作って遊ぼう。(=楽しめる)
今後は当分、私はラ・ファミーユのシフォンを目指すことにする。

池袋に行ったときのケーキは、「ラ・ファミーユ」が一度は食べてみる価値があると思う。
  (私がこんなに感激するのは、下高井戸のノリエット以来である、ノリエットと同 じくらいの感激であった、「極めている」という点で)

で、本は、このお店で買ったら、訂正一覧表をつけてくれた。
やはり、誤植とか色々あるようなので、本を買うなら、このお店に行って、買っ た方が良いと思った。(もしくは、他の本屋で本を買って、このお店にケーキを買いに行ったときに、訂正一覧表をもらうとか)

う〜ん、目からうろこのシフォンに出会ってしまった!という感じで、本日は幸せであった。
また、この本で、シフォンを作ったら、エッセイに載せるつもり。



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2001年01月20日(土)

ブロッコリー


ブロッコリーが日本に登場して何年になるのだろう?
少なくとも私の小学校の時にはなかった野菜である。
そして、出始めの頃は美味しくて、良く食べたが、何故か、段々食べなくなっていった。

栄養士で、物知りの友人に聞いたら、「それは、最初は、国産のブロッコリーが普通だったのに、値段に押されて、アメリカのブロッコリーが売られるようになったからでは?」とのことだった。

何故、私がブロッコリーを食べなくなったかというと、ブロッコリーに味がなくなったからであり、そう考えると、輸入物になって不味くなったから(というか、味がなくなって)、私が買わなくなったのだと、とても納得した。

最近、産地を明示した野菜が増えて、売っているブロッコリーが国産か、輸入物かが、わかる場合が多くなった。
で、久々、国産のブロッコリーを買ってみた。
茹でてマヨネーズをつけて食べてみると、確かに味がある。
それにしても昔程、味は濃くない、でも、輸入物に比べたら、まだ味がある。
このくらいだったら、また、食べようという気になるかなと思った。

私の母は、朝、昼、自分で食事しているのだが、健康のために、ブロッコリーを買ってきて茹でて食べているという。
聞くと、「そりゃあ、国産物売っているときしか買わないわよ」とのことであった。
(皆、結構うるさい)

それにしても、国産物のブロッコリーは高い、我が家の方では一つ198円、アメリカ産だと98円なのだ。
国産がもっと安くなればと思うが、無理なのだろうか?
栄養だけを考えれば、輸入物でもいいのかも知れないが、それでは余りに、そして本当に、味気がない。



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2001年01月21日(日)

駕籠町(かごまち) 藪そば 1/2


駕籠町の藪そばが美味しいと、誰かのHPで読んでいたし、MLでも推薦する人がいたので、行ってみた。

場所は、千石一丁目の交差点近くといっても、知らない人が多いと思う。
(不忍通りと白山通りが交差するところと言ったら、もっとわからないかも知れない)
下記地図を見るとわかるように、巣鴨駅から徒歩9分、都営三田線千石駅から徒歩1分のところ。

駕籠町周辺マップ←ここをクリック


行く途中、町名の由来の立て札があったので、読んだら、駕籠町という昔の町名は、どうも「小石川」に属することがわかった。(今は、「本駒込」)
「ここは、駒込とか、本郷だと思っていたのに」と思いながら、この藪そばさんの前を素通りして、ちょっと先まで行ってみたら、左側の空き地に、時代を感じさせるレンガ作りの低い塀が見えたのだ。
その先は、学校のようであるが、校舎自体は、新しく立て直されたか、新し目であった。
どう見てもあのレンガは、明治とか大正のものにしか見えない。
こんなレンガの塀が残っているなんて、ここも東京の古い地域だなと思う。
(後で、地図を見たら、この学校は、都立小石川高等学校であった。やはり、ここは「小石川区」であったことと、この小石川高等学校も府立○中とかで、都内でも古い学校であるから、ここらへんも古い地域であることがはっきりした。)

で、藪そばに話を戻すと、この駕籠町の藪そばさんは、店構えも老舗っぽくないし、お品書きを見ても、丼物があるしで、大変庶民的な感じであった。

入り口のところに、「土曜日の柚子切り蕎麦」とあったので、土曜日に行った私はちょうどそれを食べることができたのだが、う〜ん、更級系は今度ね、と思ってしまった。
以前、勤務先の日本橋東急の上に更科系の蕎麦屋が入っていて、そこしかなかったので、お蕎麦を食べたくなると行っていたが、どうも、更級のお蕎麦は私には物足りないのだ。
同じ場所に、ずっと昔、確か浅草並木の藪の支店があった時代があって、あの頃は良かったな〜、私には、上品な更科蕎麦よりも、藪系統が合っているのだとつくづく思っていた。

私は、藪系というと、一番良く行ったのは、浅草の並木の藪で、次が神田の藪、池之端と上野は一度行った覚えはあるけれど、どんな蕎麦だったとか、殆ど記憶にないのだ。(この中では、上野の藪が一番庶民的な感じだったとは覚えている。他の三店は、老舗っぽい。)

店の中に、「藪睦会会員店」という刷り物があったので、もらって眺めていた。
藪を名乗る店の連合体なのだろうか、神田も並木も池之端の藪も皆入っているから、この会の藪を名乗るお店は、きっと、江戸時代からの藪系統の蕎麦の味を守ろうとする人たちの集まりなのかも知れないと思う。
(東京には、この藪睦会に入っていない「藪」とか「やぶ」を名乗るお店は沢山ある。)
それにしても、この刷り物を見る限り、藪を名乗るお店は、東京以外にもあり、また、関東地方の外だったら、甲府、伊東、八戸、熊本にあることがわかった。
東京のどこかの藪そばで修行して、地方でその味のお店を開いているなんて、素敵だなと思った。



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2001年01月22日(月)

駕籠町藪そば 2/2


土曜日の12時半頃着いたのだが、店の中は結構空いていた。
食べている人を見ると、親子丼だろうか、丼物を食べている人が多かった。

「おろしそば」を食べようかな、「かきあげ」を食べようかなと思いながら店に 入って、隅のテーブルに座ったのですが、机のお品書きにこれらが載っていなかっ たので、単純に「今はないのだ」と思って、お腹が空いていたので、さっさと天ざるを取ることに決めてしまった。

高いお蕎麦屋だったらどうしようかと、恐る恐る入ったけれど、ま、都心のビジネス街の普通の蕎麦屋の値段であったので、ほっとした。
そして、神田や浅草の並木の藪に比べたら、1人前のお蕎麦の量が多いような気がした。(しかし、私は、神田の藪には10年くらい行っていないし、並木の藪も最後は3年くらい前だったから、ちょっといい加減な感想だが)
藪系統で、あの値段であの量だったら、割安なのではないかと思った。

天ぷらは、揚げ方はさくさくしていて美味しいけれど、海老は大したことないと思った。
天ざるを出てきたときに、ついてきたおつゆが熱いのだ。
思わず、「あ、おつゆが熱いんですね」と言ったら、冷たいのと取り替えてくれた。
「そうだ、こういうところの天ざるは、おつゆが熱い」と思い出した。
並木の藪もそうだったし、神田のまつやもそうであったのをすっかり忘れていた。
でも、簡単に取り替えてくれるところが嬉しい。
(天ぷらを熱く食べるために熱い汁とのことだが、私は、やはり、天ざるを取った場合、天ぷらよりお蕎麦を優先して美味しく食べたいので、冷たい汁が良い。
だいたい、私は、天ざるを取ったら、まず、お蕎麦だけを食べて、最後に天ぷらを食べるという余り人がしない食べ方をするのだ。)

食べている最中に、どこかのおじさんが「もり1枚」と追加する声が聞こえ、私も、お蕎麦の美味しさに惹かれて、もう1枚追加しようかどうか、本当に悩んでしまった。
心の中で、「天ざる取るのと同時だったらいいけれど、後から1枚なんて、粋ではないと思われるわよ(本当にそう思われるかどうかはわからないが)」「もう1枚食べても、また、お腹がすぐ空いたら、また何か食べるのだから、不経済だし、太る」「蕎麦湯を飲めばお腹は簡単に膨れる」と、食べない方向へ自分を持っていくための色々な理屈を頭に思い浮かべ、我慢した。
(本当に結構な量で、12時半に食べたのだが、7時頃までお腹が空かなかった。)

蕎麦湯も飲み終わり、お腹も気持ちも落ち着き、お勘定をする段に、初めて、「かき揚げの天ざるはないのですか?」と聞いたら、店員さんが「ありますよ、ほら、そこに書いてある」と、私が座ったところからは見えない壁に貼ってあるお品書きを指差した。
わ、残念だ、お腹空いているときでも、先を急がず、まずはお店の人に聞かなくては失敗すると反省した。

ここの藪そばは、全く気取っていないし、蕎麦も汁も美味しいし、盛りが多いので、とても気に入った。
また近々駒込・巣鴨方面に用があるときに、食べに来ようかなと自然に頭に浮かぶ。
壁に貼ってあった「牡蠣のお蕎麦」もおいしそうだし、「小柱のかき揚げ天ざる」「おろしそば」も是非食べたい。

本当は、ここのページに書いてあるように、お酒も味わうのが楽しい店だとは思うが、女性の身では、お蕎麦屋にお酒を飲みに行くのは、結構、至難の技だと思う。

駕籠町藪そばのページ←ここをクリック




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2001年01月23日(火)

卵白の泡立て方 3/3


最近、シフォンの本を2冊も買い、今まで持っている本のシフォンのレシピと比較していたら、面白いことに気づいた。

加藤千恵さんの「まるごとお菓子大全集」と赤堀博美さんの「しっとりシフォン」に載っているメレンゲの写真を見比べたら、次のことがわかった。
(メレンゲの写真=泡だったメレンゲを泡立て器で持ち上げたときの写真)

加藤千恵さんの成功例の写真=赤堀さんの泡立て過ぎの写真
加藤千恵さんの泡立てが足りない写真≒赤堀さんの成功例の写真

どちらかというと、加藤千恵さんの泡立てが足りない写真は、赤堀さんの成功例 よりちょっと弱い感じ。

このそれぞれ2枚ずつの写真を見ていたら、葛飾北斎の浮世絵で、富士山と波の浮世絵を思い出した。(萬有製薬のコマーシャルでテレビで見ることができる)
それは本当に有名な浮世絵で、確か、教科書にも必ず載っているし、切手にもこの図柄があったと記憶している作品で、図の左側に大きな波がざばーざばーっと立っていて、その波の先が砕けるところに、富士山の絵がある構図だ。(正式名称は、「富岳三十六景」の「神奈川沖浪裏」とのこと。)
(この絵は確か、遠近法が日本には江戸時代からあったことを証明するために使われることが多いと思う。)
この絵を思い浮かべながら、メレンゲの出来具合を説明するとわかりやすいことを発見、本人としては、「ヒット!」と喜んだ。(笑)

加藤千恵さんのお菓子まるごと大全集の写真のメレンゲは、このザバっと波のように、弧を描いているのはだめで、富士山のよう裾野の広くて、先が尖っている山のようになるのが、「固くてコシのあるメレンゲ」で成功の図である。

赤堀さんのは、反対に、富士山型は、泡立て過ぎで、ざばっと力強く砕ける波の形が成功という感じに説明ができる。
ふ〜ん、プロの研究家が自分のメレンゲと発表しているものにも、大分差があるのだとわかった。

で、弓田さんの「冷えた卵白128g 中速1分、高速3分 砂糖は初めから1/3、残りは高速2分30秒の時点で」でメレンゲを作ると、本当に固くて力強いメレンゲになった。
入道雲のような力強いメレンゲを泡立て器で持ち上げると、裾野が広くて、先が細い富士山型の山ができるのだが、てっぺんが少し折れてしまう。
加藤さんの先が折れない山型に比べたら、多少弱い感じがしたし、赤堀さんのよりは、力強過ぎる感じに出来上がった。

もし赤堀さんのような波形のメレンゲを作りたかったら、30秒程度泡立てる時間を短くすればいいのだし、加藤さんのような山型にしたかったら、後30秒泡立てる時間を長くすれば、メレンゲの出来具合をコントロールできるのではないかと思った。

まだ、これから、シフォンを沢山作るので、その時々に、泡立て方を続けて研究してみようと思う。



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2001年01月24日(水)

江ノ島のしらす


私は、小さいときから、しらすを食べ続けている。
朝ご飯のときに、湯通しして水を切ったしらすを、小鉢に入っている大根おろしの上に乗せ、お醤油をかけて混ぜたものを、炊き立てのご飯に乗せて食べるのだ。
これがとても美味しい。
しらすの味、甘さ、柔かさと、大根の辛味、お醤油の味が熱々のご飯の上で一体となる。

大根おろしとしらすの割合は、半々くらいだろうか、でも、気持ち、大根おろしを食べるのではなくて、しらすを食べるために大根を添えるという感じだと思う。
今は、朝ご飯は、皆個別に食べるようになったので、夕飯にときたま、しらすを食べる。
しらすと大根おろしがあれば、ご飯の一膳や二膳、楽なものである。

世の中、最近は、保存性の高くて、色々なものに合わせられるじゃこの方が人気があるようだが、我が家では、圧倒的にしらすの方が人気がある。(私は、どちらでも良い。別にじゃこが嫌いではない。)
じゃこは、何度か買って冷凍して、色々な局面で使ってみたが、我が家では受けないので、最近は、手を出さないでいる。

今年のお正月、弟一家が2日に江ノ島に遊びに行き、おみやげにしらすを買ってきてくれた。
このしらすが新鮮でとても美味しかった。
きっと江ノ島で獲れたしらすなのだろうが、産地直送のしらすは新鮮でおいしく、比べてしまうと東京で売っているしらすは実は、新鮮ではなく不味いことが歴然とした。

この前の日曜日に、弟が所用で伊東に行くことになった。
当然、「おみやげは、しらすがいい」という声が飛んだ。
弟は、忙しかったとのことで、伊東の駅のキオスクで売っている冷凍のしらすを買ってきてくれた。
食べてみると、味はこちらの方がいいけれど、いかんせん、冷凍物、ちょっと柔かくなってしまっていた。
値段も、伊東の冷凍物は、江ノ島の数倍高いようである。

もし、江ノ島や海岸方面に行くことがあったら、安くて新鮮なしらすがお土産にいいと思う。



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2001年01月25日(木)

まり、悪いんだけど


いつものように、夕食の後、おばあちゃんちにやってきて、テレビを見ていた甥1が突然、「まり、わるいんだけどね...」と奥歯に物が挟まったように言い出した。
何かなとその後を聞くと、「この前のケーキに乗っていたゼリー、美味しくなかったんだ。ケーキの部分はいつもと同じだから美味しかったけれどね...」と悪そうに、人の顔を見ないようにしながら、もじもじとゆっくりと言葉を続ける。

おばちゃんは、「悪いんだけれど」とわざわざ断りを言ってから「美味しくない」という言葉を聞いて、そこまで気を遣ってくれることもないと思い、「お料理の感想だったら、別に、『美味しくない』というのは悪くないよ」と言ってしまった。

しかし、これは、間違いだと直ぐに気づいた。
今まで、家の者が、甥1に、「不味い」とか「美味しくない」というときに、「悪いんだけれど」と前置きしてから言うようになんて、教育したことはなかったのに、甥1は、おばさんが一生懸命作ったのだろうし、甥1が喜ぶことを想像しながらケーキを焼いたことを感じて、それを「美味しくない」というのは、良くないことなのかな〜と、自発的に「悪いんだけれど」と前置きすることを思いついたのだろう。
甥1が幼児期を抜けたくらいに成長して、作る人に気を遣えるようになったから、このような大人っぽい言い回しができたのだということに気付いた。
(もしかしたら、自分でケーキを飾ることができるようになったことも影響しているかも)

このまま、こういう言い回しをさりげなくできるように習慣づけたら、きっと色々な人とうまくコミュニケーションを取れるようになるだろうし、他人を怒らせる可能性が少ないのではと思う。
この言い方を身に付ければ、甥1に、将来恋人や奥さんができて、その人の作ってくれたものを嬉しいと思いながら、好みではないと思ったとき、その人を傷つけないで、しかも自分の感想もちゃんと伝えることができることになるのだと思った。

今度、このような場面があったら、「甥1ちゃんて、良い言い方、知っているね。気を遣ってくれて有難うね」と嬉しそうに言って、この言い方を続けるように誉めようと思っている。



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2001年01月26日(金)

ナツメッグおろし


香辛料は、粉で買うより、ホールで購入して、使う度におろした方が、味も香りも良いという。
そうは言っても面倒だと思い、今まで、粉で買うことが多かったのだ。

しかし、去年10月の合羽橋道具祭で、宇田川商店で、ナツメッグのホールが、100gで200円だったので、買ってみた。
ナツメッグ自体は、直径2cm程度のボウル型で、結構柔かく、簡単にすりおろせる。
おろすのに、自分が持っている、横9cm、持つところまでの縦の長さが20cmで、おろす面が半円に湾曲したチーズおろしを使ってみた。
ホワイトソースや、野菜の煮込みに、ガリガリとナツメッグをおろして入れると、香りも味も良いような気がする。
良くわからないけれど、粉のナツメッグの味と香りというのは、しつこいのだと思う。
自分で、ナツメッグの実をすると、なんと言うか、内に秘めたる力を感じるような、濃縮された味と香りで、ナツメッグ本来の香りがするというより、牛乳や野菜の甘さを抑える役目を果たしてくれるような気がする。
ファスナーのついたビニール袋にナツメッグを一粒とチーズおろしを入れて、常備するようになったのだが、ビニール袋に比して、チーズおろしが大き過ぎ、ファスナーが閉まらない。

そこで、もっと小さいナツメッグ専用のおろし金を、合羽橋に探しに行った。

こういうものは、どこをどう贔屓目に見ても、川崎商店さんが一番揃っていると思い、入って、店員さんに聞いてみた。
「ナツメッグおろしは、今、切れているのですよ。発注は、去年の11月にしたのですが、まだ、入荷されていないのです」とのこと。
去年発注して、まだ、入荷されないなんて、きっと、海外の製品だと思い、聞いてみたら、その通りだった。
きっと、輸入品だったら高いかなと思い、「どんなものですか?」と聞いたら、カタログを見せてくれた。
直径は1cm程度だろうか、長さは5cm程度の円錐形の金属で、表面におろすギザギザが沢山ついた道具の写真の下に、「ナツメッグおろし」とあり、値段は、何と1200円と書いてあった。
私は、ただの何にでも使える長方形のおろし金を考えて買いに行ったのだが、世の中には、「ナツメッグおろし」という道具が存在することを知った。
それにしても高いので(チーズおろしで250円程度なので、その程度を考えて合羽橋に行ったのだ)、切れていることをいいことに、「もっと、手にすっぽり納まるくらいの普通のおろし金はないですか?」と聞いたところ、姉妹店のDr.Goodsには2,3種類あるとのことで、そちらに行ってみた。

Dr.Goodsで聞いたところ、横4cm、縦9cm(おろし金の付いている面はもっと小さい)の大きさで、すり金の目が粗いのと、細かいのが出てきた。
どちらにしようか迷ったが、目が細かい方がいいような気がして、そちらにした。
家に帰って、今までのチーズおろしと比べたら、目の粗い方でもいいようであった。
お値段は、消費税込みで、210円。
これだったら、勿体無くないし、気楽にナツメッグおろし専用とすることができる。

実は、白胡椒も挽いて使いたくて、妹がニュージーランドに行ったときに、プラスチックの胡椒挽きを買ってきてもらったが、うまく使えないでいる。
胡椒挽きは、木の方がいいかも知れないと思うが、日本で買うとやたらに高く、手が出せない。
その点、ナツメッグは、200円の道具で簡単にすることができるし、やはり、粉に比べて味がいいから、お勧め。(ナツメッグは、やはり、合羽橋道具祭のときに宇田川さんで買うのが絶対のお勧め。何個入っていたか数えていないが、多分、23,4個入っていたと思う。2,3年分はある。)



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2001年01月27日(土)

ブロッコリーのポタージュ


最近、我が家の方で売られている国産ブロッコリーは、葉付きとか言って、やたらに大きい。
で、上の花の部分は、茹でてサラダとして食べるとして、下の結構柔かい茎はどうしようかなと考えた。
薄く切って、炒めものにするのもいいけれど、とりあえず、ポタージュを作ってみた。

いざ、作る段になったら、勿体無いからと、葉がついている枝の部分もそのまま使ったが、これは、やはり、固い皮を取ってから使った方がいいと思う。(ミキサーで粉々にしても、短いわらのような断片が口に入ることになってしまった、多分、これは枝の固い皮だと思う。)

分量
ブロッコリー  160g(ぶつ切り)
キャベツ    100g(ざく切り)
タマネギ    1/2個(スライス)

本当はまだ、色々材料はあるけれど、とりあえずは、これだけで始めた。

ブロッコリーやキャベツにはあくがあるから、塩をしたり、塩水で茹でてアク出しをした方がいいらしいが、おっちょこちょいなので、真水で茹でてしまった。
で、真水で茹でると全然アクは上がってこなかった。

ひたひたのお水に白胡椒と、ナツメッグのすりおろしを入れて、ことこと煮て、竹串が通るようになったら、ミキサーで砕く。
この時点で味見したら、美味しいのである。
まだ、チキンブイヨンも入れていないし、生クリームも入っていない、でも、味があって、美味しい。
国産ブロッコリーは味があるから、当然と言えば当然だが、とても良い味にできた。
これでも十分だと思ったが、生クリームが100cc余っていたので、チキンブイヨンの素とともに入れて、塩味を整えて、出来上がり。
浮き実は、適当なものでもいいし、なくても美味しい。

ミキサーがなくて、ポタージュが無理な場合は、ミネストローネなどの野菜スープにブロッコリーを加えるといいのではないかと思う。



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2001年01月28日(日)

雪の東京


金曜日のうちに、天気予報が「東京地方、今日の夜中から雪になり、土曜日は1日雪」と言っていた。
雪のやっかいなところは、一度降ると、道がぐじゃぐじゃになり、次の日も自転車に乗れない可能性が高いことだ。
家の近所では揃えられない食料を3日分程度買っておかなかったら、食事がつまらなくなると、金曜日は、2時間くらいかけて、浅草から上野から、お気に入りの食料を買いに走ってしまった。
こういう天変地異に備えた買物というのは、結構わくわくする。
山ごもりするわけでもなく、家の近所にあるスーパーには雪が降っていても歩いて5分で行けるというのに、「あれも買っておこう、これも買っておこう」なんて、結構楽しかった。

台風と大雨というのは、突然来て、突然去っていく、我が家の方は、標高が低いので、浸水が心配で、びくびくして楽しめない。
その点、東京の雪は、予め「行きますわよ〜」という予告があり、ゆっくりやってきて、とても静かな時を与えてくれる。
後に残るのは、雪かき仕事だけ。
(勿論、雪の日に足を滑らせて怪我したりすることもあるから、一概には言えないが)
ま〜、東京の雪は、北国の雪に比べて軽いもので、私としては、今のところ、楽しみたいと思っている。
雪に閉じ込められた日、まずい料理を食べるのではなくて、家族で、温かくて美味しい物が食べたいのだ。

で、予想通り、土曜日は雪が一日中降っていた。
雪が音を吸収するので、車が通る音もしない静かな一日となった。
「窓から雪が降るのが見える静かな午後には、熱々のココアが似合うな」なんて思ったが、ココアがなかったので、飲めなかった。
今回の雪に備えた買いだめは、動物性蛋白質に偏ってしまったが、今度からは、「雪に合う飲み物とお菓子」なんていう優雅な路線でも買物をしたいと思った。

雪は、夕方には止んだ。
雪が降り終わると、雪かきが待っている。
2,3年前の雪が降ったとき、我が家の男手は弟ひとりだからと、私が雪かきを手伝ったので、今回も、やらなくてはと思っていた。
しかし、意外なことに、次の日の午前中、我が甥たちが、お父さんについて雪かきを手伝ってみたら面白かったとのことで、二人で殆どやってしまったとのこと。
(で、私に声がかからなかったのだ。<ラッキー!>)
本当に大きくなった。
小学校4年生と2年生だけれど、体重が43kgと60kgだから、身体がしっかりして、力もついたのだろう。(柔道習っていることも役に立っているかも)
人間、いつから、雪かきが一人前にできるかというと、年齢ではない、体重だと思った。

甥たちが大きくなってくれて良かった。
これで、彼らが大人になって、家を出るようなことが起きるまでは、おばちゃんは、雪かきから解放されたようだ。



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2001年01月28日(日)



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2001年01月29日(月)

八丁味噌


弟によると、「八丁味噌」という言葉は、2つの会社しか名乗れない登録商標で、赤出汁の味噌汁の材料を指す言葉ではないとのこである。
「八丁味噌」で、yahooで検索したら、「カクキュー」「まるや」と会社が抽出されたから、この2つの会社が「八丁味噌」を名乗ることができるのかと思う。

私の記憶に間違いなければ、カクキューさんの方が宮内庁御用達の八丁味噌で、東京でも手に入るが、まるやさんのは、見たことが無いと思う。
我が家では、親戚から、まるやさんの「八丁味噌 赤だしゴールド」というのをいただいたことがあり、これがすこぶる評判が良かった。

で、今回、また、いただき、家族全員喜んでいる。
味の特徴は、普通の赤出汁より、苦味が少なくてまろやかな感じかなと思う。
(原材料を見たら、豆味噌<所謂八丁味噌>と米味噌をブレンドしているもののようである。)

そうか、そうか、普通の豆味噌だけの八丁味噌だったら、米味噌と混ぜればマイルドになって美味しいのだと気付く。

これで、濃い目の出汁で豆腐になめこの味噌汁を作ると、あっという間に売れてしまう。
我が家は3人なので、味噌汁は500cc程度つくれば、3人分足りるのだが、この赤出汁の味噌汁を作るときには、800cc程度作って、お代わりに備えなければ、ブーイングが起きる程人気である。
また、普通のお味噌汁を作るときにこのお味噌を加えると、また、違った味になって美味しい。

昨年2月に作ったお味噌が、実は余り上手く行かなかった。
塩をゲラントの粗塩にしたのだが、ゲラントの粗塩の塩分は普通の塩の塩分より、弱いことを考慮しないで、普通の塩と同じ分量で作ったせいか、いまいち、味がピっとしないのだ。
このお味噌で味噌汁を作ると、不味くは無いのだが、「塩味弱し」という印象を味わってしまうせいか、「このお味噌でなくては」と言うほどまでには美味しくできないのである。
(塩味の弱いお味噌というのは、割と救いようがない、塩味が弱いと、「出汁って甘いものなのだ、野菜も甘味のあるものだ」とはっきりわかってしまう)
そこに登場してくれた名古屋からの援軍が現れてくれて、本当に嬉しい。
これを混ぜて使えば、私の不作も生きるであろう。



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2001年01月30日(火)

本郷のジャンヌ トロワのプラリーネ・チョコ


以前から、本郷3丁目の交差点のところに、ケーキ屋さんができていたことは知っていた。(以前と言っても、相当前、「私が子供や高校生の頃にはなかった」程度)
が、私の場合、本郷はバスの窓から見ながら通り過ぎる街であり、滅多に歩くことは無い。

ちょうど、本郷を自分の足で歩くことがあったので、友人から、「あそこのオレンジのチョコは有名で美味しい」と教えてもらったその店に行ってみた。
場所は本郷3丁目の和菓子の三原堂と、羊羹の藤むらの、春日通りを挟んだ向かい側になる。(そう言えば、藤むらさんはずっと休業なのである、淋しい。)
ケーキ屋の先角を東大の方に曲がれば、近江屋という昔からの有名で大きな洋菓子店があり、本郷というのは、結構お菓子の激戦区なのだと思った。
その中で、ずっと残っているのだろうから、きっと美味しいに違いないと思って、お店の中に入った。

ケーキのショーケースの反対側に、チョコレートが並んでいた。
オレンジのチョコがどれだかわからないので、お店の人に、「オレンジのチョコはどれですか?友人が美味しいと推薦してくれたので、買いに来たのですけれど」と言ったら、お店の人はとても喜んでくれた。
並んでいるところを指しながら、「では、召し上がったことはないのですか?」と聞かれたので、「全然ないです」と答えた。
そうしたところ、オレンジとレモンのチョコの試供品を食べさせてくれたのだ。
両方とも、オレンジやレモンの皮を細く切って砂糖漬けにしたものをチョコレートでコーティングしたものであった。
お店の人によると、両方にかかっているチョコレートは、それぞれの味に合わせて、違う種類とのこと。
ポッキーの1/3程度の長さのチョコをそれぞれ食べてみる。

両方とも上品な味わいであった。
オレンジも美味しいけれど、レモンの方が好みだと思った。
(レモンと言っても、レモンの味をうまく残しながら、全く酸っぱくなくて、とても美味しかった。)
ということで、レモンの一番小さい箱を買うことにした。
味見してから、どちらかに決めることができるのって、本当に良いと思った。

一番小さな箱で、オレンジで75gで600円
          レモンで60gで600円だったと記憶している。

チョコというのは結構地味なもので、わざわざ遠くから買いに行くのは大変かなと思うところもある。(私は比較的近所なので、これからも買いに行くと思うが)
でも、確実に美味しいし、人へのちょっとしたプレゼントとして良いと思う。
他にも、クラッシクな感じのしゃれたチョコから、色とりどりの現代的チョコまで、色々あった。
でも、バレンタインデーも近いし、デパ地下で探すのもいいけれど、こういう渋くて上品なチョコもいいのではないかと思う。

ジャンヌ トロワ
住  所: 東京都文京区本郷4−1−1
電  話: 03−3811−3874
定休日 : 日曜日
営業時間: 平日 9:00−19:00
      祝日10:00−18:00

このチョコを食べながら、昔、西宮で暮らしていた頃、「神戸にしかないりんごのチョコ」があるとのことで、壱番館(だったと思う)という店に買いに行ったことを思い出した。
やはり、りんごを砂糖で煮たものをチョコレートで包んだものであった。
(これも、確実に美味しかった。)
時は流れ、いつだったか結構最近、壱番館のチョコを東京のデパートで見たことはあるし、東京のメーカーも同じようなものを作って売るようになったと思う。

こういうオレンジやレモンのチョコは、色々なところにあるものなのか、このお店にしかないものなのかは、定かではない。



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2001年01月31日(水)

味を言葉にする


この本郷のチョコレートは、全部で、14本入っていた。
うち2本は家に着くなり、私が味味見して、残りを夕食後に家族に食べさせたところ、全員「美味しい」と好評であった。

私はこういうときになると、「どういう風に美味しい?」と聞いてしまう。
この問いに、誠意を持って、ちゃんと頭を使って感想をどうにかまとめようとするのは、甥2だけ。
この子は、食べるのもまめなら、その感想を言うことにもまめで、食いしん坊と言っても、本当に全身全霊食いしん坊なのだと思う。

甥2は、食べているときの舌の感じを思い出しているかのように、う〜んとばかりに上を向きながら考えて、「あのね、レモンなのに、酸っぱくなくて、甘いんだけれど、ところどころ酸っぱいの!でも、全部では甘くて美味しいの!」とのことであった。
他の人たちは、「食べて美味しいことを思い出して、しゃべるなんて、そんなことしたら、不味くなってしまう」とばかりに、面倒くさがる。
甥2が答えたときに、思わず、外野から、「甥2ちゃんて、本当に偉いね」の声が上がった。
甥2の答えは、傍から見たら、大したことのない、幼い感想かも知れないが、一生懸命どういうふうに美味しかったか考えている姿は、とてもいじらしい。
こういう風に、食べたものがどう美味しかったか感想を言うというのも、生まれながらの素質と環境が必要なのかなと思った。
甥2だけが、素質と環境に恵まれて、う〜ん、う〜ん、言いながら、答えてくれるのだ。

そう言えば、甥2は、小さいときから、「甥2ちゃんは、舌がいいね〜」と誉められて育っているから、味の批評については、良い舌を持つ者の自負心と義務感があるのかも知れない。
(2,3年前、妹に、「みんみんって、舌がいいの?僕の舌はすご〜くいいんだよ。みんみん、味わかる?僕ってすごく良くわかるんだよ」と話しかけていたっけ<笑>)



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