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「美味しい!」が好き

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1998年9月1日(火)

ジューシーな豚肉料理


ジューシーな豚肉料理というと、何を思い浮かべます?
実は、ただの豚カツなのですが、低温で揚げると、本当に肉がジューシーなのですよ。
題名に「ジューシーな豚カツ」と書いても、「あ、そう」で誰も読んでくれない気がしたので、苦肉の題名です。
正確に表現すれば、「低温で揚げるジューシーな豚カツ」です。

先日、私の揚げた豚カツを口に入れた途端、家族から「美味しい!」という声が、続けて3回飛んだ。(本当に、料理選手権に出て、審査員から、「10点!」「10点!」「10点!」と言われたような気分だった)
しつこく「どこが?」と聞くと、「味があって、柔らかい」とのことである。

実は、数ヶ月前に、ある店で、低温で揚げた豚カツを食べて以来、家で美味しく作れないか考えていて、先日はその実験第二回目であった。(二回目にして「大成功!」である)
その店は注文してから揚るまで30分かかるのだが、席がカウンターだったので、じっと、観察してきた。

低温で揚げた豚カツは、中の肉が本当にジューシーなのだ。
高温で揚げたのとは、比べ物にならず、上等なフランス料理か何かの、豚肉のパイ包みと言ってもおかしくないような仕上がりなのだ。

低温で、揚げた豚カツを切ると、豚肉の切り口が水っぽく濡れている。
また、低温で揚げた方が、肉の味が残ってしかも、柔らかい。
但し、欠点もある。
高温で揚げると、衣がカリッとして、油が切れるのだが、低温で揚げると、衣に油が含まれたままになってしまうのだ。
油に強い人ならいいだろうが、私は、食べ終わってから、相当長い時間、胃の中に油が溜まっている感じがしてしまう。

一回目の実験のときに、、豚カツを揚げる時に、低温(100度以下)で揚げて、中の豚肉をジューシーにするところまではできたが、やはり、衣が油っぽかった。
その時に、頭に浮かんだのは、天ぷらを温め直しするときに、オーブントースターを使うとうまく行くことだ。

天ぷらの温め直しの最中に、衣からじゅうじゅう油が浮いてきて、衣からしたたり落ちるのを見た憶えがあるから、豚カツにもオーブントースターを使えばいいのだと思った。
そうだ、そうだ、私は豚カツ屋さんではないのだから、「油で揚げる」という手段にこだわる必要はないのだ。

で、予め、低温で揚げておいた豚カツを、冷ましておいて、食べる直前に、オーブントースターに並べて、2、3分加熱して、温め直して、食卓に出したら、評判がいいのなんのって、すごかった。
口々に、老若男女(と言っても4人で、ただの私の家族のことである、「若」はご存知甥2)が「美味しい、美味しい」と言っていた。
このとき、豚カツだけがおかずではなかったので、沢山は作らなかったこともあり、私の口には一切れしか入らなかった。

オーブントースターの熱は、上から、当たる。
その熱は、まずは、油を含んだ衣が全て吸収するのではなかろうか。
中の豚肉には、衣に伝わった熱が二次的に伝わるのではと思う。
だから、衣は高温になって、含まれている油が排出され、しかも中の豚肉は温まる程度という状態に持っていけるのだ(と、シロウトの私は推測している)。
こうやって出来上がった豚カツの衣は、それでも、高温で揚げたときよりも相当に柔らかい。
(このときに、衣をカリっとさせるところまで持っていったら、中の豚肉に火が通り過ぎてしまいそうなので、今後も実験しないと思う)

次の2点でも、低温で揚げる豚カツはお勧めである。

1.食事の時間を気にしながら揚げるより、予め揚げておいて、食べる段に温め直した方が、時間に追われないし、この点でもお勧めである。

2.揚げ油が殆ど傷まない。
豚カツを揚げた油というのはぶくぶくの泡だらけで、他に使いまわしが考えられないくらい傷むが、この揚げ方だと、全然傷まないのだ、まだ、何回か使えそうである。

この文章で、「試す」という方が現れたら、最高に嬉しいです。

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1998年9月2日(水)

低温で揚げる豚カツ


今日は、昨日の続きで、揚げ方を。

豚カツ屋さんに行くと、本当に、厚さ10cmくらいの豚カツで、あれはあれで美味しいけれど、家では、肉さえ美味しければ、薄いもので、しかも、一口で、十分だと思う。

材料
  一口カツ用の豚肉(厚さ1cm程度を私は良く使う)
  部所は好みだが、ロースか、ヒレでしょうね。
  脂身さえ嫌いでなければ、ロースが一番、肩ロースも、カツに向いていると言われている。

必要な道具
クッキングガスマット

豚カツの作り方

下準備

1. 冷蔵庫から、出して、包装を取り、室温に、10分から20分、置いておく

2. 塩胡椒をして、小麦粉、溶き卵、パン粉の順でつけていく

3. ガス台に、クッキングガスマットを置き、その上に、油を入れたフライパンなり、揚げ物用の鍋を置く。(揚げ物用の鍋の底は、平らなものでないと危険)

4. 火は、弱火。

5. 温度計を持っていたら、計って75度から80度程度になったら、豚肉を入れる。 状態で言ったら、パン粉を落としてみて、沈まない程度。

6. 動かさないでそのままにしておく。(豚カツ全体が油の中に潜っている状態)

100度近くになってくると、ちりちりという音と、細かい泡がほんのちょっと立つようであるが、ここらへんが温度の上限である。

菜箸で触ってみて、衣が固まっていたらそれで良い。

だいたい、2、3分、静かに置いて加熱すれば、そのような感じになっている。

油から引き上げると、全体がクリーム色っぽい感じで、衣は柔らかいけれど、箸で豚カツを挟んでも、衣に傷がつかない程度の硬さだ。

7. 油切りのすのこの上に置いて、冷ましておく。

食べる直前

オーブントースターか、オーブンのグリル機能を使用。

理想形:天板の上にアルミホイルを敷き、その上に、足つきの網を乗せ、その上に豚カツを並べる

理想形ではないけれど、天板に、アルミホイルを敷き、その上に、豚カツを並べても、可。

この状態で、豚カツが熱せられ、じゅうじゅう、油が染み出てきたら、出来上がり。

この豚カツを我が甥2はとても気に入っているが、今、歯がなくて、かみ切れないようだ。
見事、上の前歯4本が生え変わる時期で、口を開けると、犬や鬼の左右の牙の位置まで、ずらっと歯がない。
「鬼の顔してごらん」というと、本当に牙が生えた鬼のような顔をするので、「節分には鬼のお面いらないわね」と誉めてあげると、本当に誉められたかと思うのか嬉しそうな顔をする。
でも、実生活においては、肉がかみ切れないようで可哀相だ、でも2月まで歯が生えなかったら、お面は不要だ。

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1998年9月3日(木)

卓上七輪とサンマ


先日の「サンマ」で七輪を使ったことを書いたら、もう一つの「卓上型七輪」の情報を教えていただきました。

<卓上七輪>

 我が家でも時たま 卓上七輪(勿論炭をおこして)お肉や魚介類を焼いて 戴いています、電気鍋とはまた違った風情と遠赤外線の効果で焦げずに中まで 火が通ってとても美味しく感じます。

そうなのですよね、炭火って、遠赤外線効果というのでしたっけ、火のあたりが違うのですよね。
七輪の火に手をかざしてみると、熱の帯ができているということがわかります。 ガス火は水素を含んでいるとか、その点、炭火はいいですよね。

この卓上七輪って、側面に墨の字で色々書いてあるものですよね?
煙は余り出ないのでしょうか?

はい、そうです通風口などはありませんので火加減の調節は不便ですが 炭の量や置き具合で調節しています。

火は、柄付き片手鍋のそこが格子状の専用品に炭を入れてガステーブル でおこしてからコンロに入れます、煙は焼く物によって違いますが 電気使用の物と大差ありません=たれ浸けの物も焦がさない限り。


煙をそんなに気にしないでいいのなら、使えそうですね。
私は、家の近所の焼き肉屋が炭火でして、ジュージュー焦がした経験しかないので、焦げるのが当たり前かと思っていました。



貝類などは汁が炭に落ちて焦げる香りが何とも海辺で食べているような とても良い雰囲気です・・・・・

わ、とても素敵です。

煙が多いときは我が家では窓に向けて小型扇風機(スタンド式ではなく クリップの付いた物)の風を送っています。
これは日常煙草のみが集まったときも同様です。

テーブル上で使うときは、コンロ付属の敷き板だけではテーブルが熱く なりますので追加の敷き板が必要です。

ということで、合羽橋で見てきました。
大きさは様々でしたが、手頃な大きさのものが1980円で、お値段も手頃でした。 これだったら、買うことができると思いました。

底は、教えていただいたとおり、とても柔にできていて、なるほど、これだったら、追加の敷板が必要だなと思いました。

もうちょっと、秋が深くなったら、買ってみようかなと考えています。

<サンマの焼き方>

CSJのお料理のページをネットサーフィンしていましたら、素敵なページを見つけました。

名前も「炭火の世界」です、七輪クッキングにチャレンジしようとする方には必見です。
「炭火の世界」

なんと、サンマの焼き方もあります、このページを見てから、焼けば良かったと後悔しました。
サンマを焼くときに、煙は大敵で、煙を追うために、団扇が必須とか。
私もこの前焼いたときに、母に団扇を渡され、てっきり、娘が煙りだらけになるのを防ぐように渡されたのだとばかり思い、「お母さんも優しいところがある」って思っていましたが、なんと、あの団扇は、美味しいサンマを焼くためだったってこのページでわかりました。
(勿論私はうちわを自分の身を守るために使いました、だから、余り美味しくなかったようです)

シチリニストの皆様、必見ですよ!

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1998年9月4日(木)

だだっちゃまめの名前の由来


山形の方に「だだっちゃ豆」の名前の由来をお聞きしました。
昨日は、東北は震度6の地震だったとか、大丈夫かな?

だだちゃ豆の名前の由来ですが、、、、、
こちらでは一般的に、下記のようにいわれています。

鶴岡の殿様が、枝豆が好きで、
農民からいつも持ってきてもらっていたんだそうです。
白山(しらやま)というところから持ってきた枝豆が非常においしく、
「これは、どごのだだちゃのまめだ?」
(「これは、どこのおやじの家のまめだ?
「だだちゃ」というのは方言で「おやじ」という意味があります。
ちなみに、「ががちゃ」というのが、その反対です。)
というのから
だだちゃまめという名前がついたいという説です。

ちなみに、仙台の「ちゃまめ」は
「だだちゃまめ」といって売っていたのを
白山の人たちから、クレームをうけ、名前を変えたということです。

しかし、HPで調べてみると新潟にも同じような豆が有り、説明がかいてありました。しかし「しらやま」を「しろやま」と間違えている点、直したいです。(苦笑)

****以下参照******

「だだ茶豆」の本場鶴岡市農協では「白山(しろやま)だだ 茶豆」として販売され ているようです。「だだ茶豆の由来を 探りますと、福島県の伊達地方から持 参し、伊達の茶豆がな まってだだ茶豆になったという説、新潟の茶香り豆が庄内に 来て、栽培されるようになったという説がある」と地元の 「大泉村史」に あると言います。

***************以下参考ページより*********************

だだちゃ豆の由来

だだちゃ豆の由来を探りますと、福島県の伊達地方から持参した 「伊達の茶豆」が 訛って「だだちゃ豆」になったのだ・・・と唱える 人、又、新潟県で栽培され ている「茶香り豆」が庄内に入って 栽培されるようになったのだ・・・と唱える人 がおります。

 何時頃入って来たかは定かでありませんが、当地区の白山 地域の森屋藤次郎さん の母(初)が、寺山地区より「娘だだ ちゃ豆」という豆を貰い受けて、植 えられ、その後毎年、丹 念に厳選されて栽培されたのが、現在の「白山だだちゃ 豆」の 始まりです。(大泉村 史より)

以上

***********************
ここに出てきた大泉村というのは白山を含む、昔「むら」だったところだそうで、 下記URLを見た方がわかりやすいと思います。

「だだっちゃ豆について」

白山という場所でとれた豆を「だだっちゃ豆」と呼び、それ以外は、同じ品種でも「だだちゃまめもどき」になります。 「茶豆」という名前は枝豆の品種の一部が茶豆であることからついた名前でしょう。
その茶豆の種のブランドの一つが「だだちゃ豆」になるのです。

あなたもこの話しを覚えたら、相当の「枝豆・だだっちゃ豆通」ですよ。


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1998年9月5日(土)



9月2日に、調布の八百屋で栗を発見、購入した。
1袋500円と300円があり、500円は某東京郊外産の栗である表示があった。(名前を書かないのは、実は、良い栗でなかったからなのだ、涙)
「300円のは、どこの栗?」と八百屋さんに聞くと、「ほら、店を出た道路から山が見えるだろ、あの読売ランドのある山で採れたものだよ。ちょっと、虫食いだから安いんだ」とのこと。
「ん?」、私は、ここに通って1年になるが、道から山が見えたことは一度もない。

きっと、この八百屋のおじさんは、ここで生まれて育った人なのだろう、おじさんが小さい時、調布が畑だらけだったので、山が毎日見えたのかも知れない。
その思い出がおじさんの頭の中に残っていて、「ほら、あっちに山が見えるだろう」という会話になったのだ。
郊外と言えども、大きなマンションや団地もところどころにあるし、ここ10年くらいで、平屋建から、4階建くらいの高層化が進んでいるのだなと思った。

会社の人に聞いてみると、私の会社も最上階(4階)に行けば、読売ランドの観覧車が見えるとのこと。
見に行ったら、観覧車はわからなかったが、遠くに小高い山が連なっているのが見えた、ここは、関東平野の果てなのかしら。
山が見えると行ったので期待したが、そんなに高い山らしい山ではなく、丘の大きくなったようなものが連なって見えただけだった、残念。
(「山が見える」と聞いて、本格的な山を想像してしまった。)

話しは栗に戻るが、買ってきた栗を母に渡すと、すかさず、「新しいか?」と聞く。
新しいかどうか見分ける方法も知らなければ、確かめもしなかったので、「昨日は店に並んでいなかったから、新しい栗だと思う」と答えた。
しかし、買ってきた栗は、剥いてみたら、1/3くらい黒くなっていて使い物にならないという。
「ま、普通は一袋800円くらいはするものだから、しょうがないでしょ」とのことであった。
栗が新しいかどうか、って、どうやって見分けるのでしょうか?

食物図鑑を見ると、栗には、日本栗・ヨーロッパ栗・アメリカ栗・中国栗があるのだそうだ。
日本の栗の特徴は、大粒で肉が締まっていて調理向き、中国の栗は、焼き栗に向いているそうだ。(そりゃあそうですよね)
ということは、ヨーロッパ栗はモンブランに向いているのかな?

この栗は、我が家の栗ご飯になった、やはり美味しい。
我が家の栗ご飯は、お醤油とお酒をお水に混ぜ込んで炊き、出来上がりに塩で調整するとのこと。(担当は母)
甘くなくて、栗の味がしてとても美味しい。
栗の季節は短いから、1シーズンに2回食べられればいいとのこと。
甥たちの喜ぶ顔が嬉しい。
「きみたち、くいしんぼのおばさんとおばあさんを持って幸せだわね」です。

私も今年こそは、栗を茹でて、フードプロセサーにかけて砂糖と混ぜて何回分か凍らせるのだ。
昨年、一回分だけ作っておいたものを、半年後プリンに混ぜてみたら、やはり、美味しかった。
栗と砂糖だけを混ぜておけば、洋菓子・和菓子どちらにも使えるし、忙しくて使い切らなかったら、プリンかアイスクリームに混ぜ込んでしまえばいい。
栗のお菓子って美味しいですよね、全て。

余談であるが、調布の柿が、緑から黄色に変ってきた。秋になったようだ。

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1998年9月6日(日)

ぶどう園・梨園


金曜日、会社の帰りに、京王線急行停車駅(調布市)前のぶどう園に行ってきた。
会社の行き帰りに、窓から、ちびまる子ちゃん風の女の子が梨もぎをしている絵に「梨もぎ・ぶどう即売」と書いてある看板を見て、一度行ってみたかったのだ。

場所は定かにはわからなかったけれど、取り敢えず、その駅で降りて、看板のある方へ歩いて行った。
大通りの脇に、舗装されていない、人が二人並んで通れるかどうかの幅の道があったので曲がる。
横を見ると、大きな立派な門と家の農家、その続きに生け垣が続いている。
生け垣についても、全く無知なので、よくわからないが、一種類の植物ではなく、雑木の生け垣である。その後ろはぶどうの棚かも知れない。
何せ、背の低い棚だから、何があるのかよくわからず、雑木の生け垣の合間から、白い袋が見えるのみである。

新宿から急行で20分足らずでこんな田舎の風景があるのだ、ここなら、東京ではなく、どこかもっと遠くの農村と言っても通じる風景なのだ。
その道沿いに建っている家は、皆、大きな門に大きな家の農家ばかりだ、せせこましい下町出身の私は心から羨ましく思う。(こういう場所に農家の親戚が欲しいな)

道は長さ150m程度だろうか、向うから来る人もいず、私の後を歩く人もいない。
静寂の中で目の前に広がるのは、無邪気に子猫が三匹跳ね回って遊んでいる光景だけである。
ここいらへんに飼猫で生まれたら、人間に邪魔されない遊び場だらけで、さぞ、幸せだろうなと思う。
人間にとっては、誰かさんのぶどう園でも、猫にとっては、自分のテリトリーで遊び場以外の何物でもないだろう。

道の行き止まりの方向が明るい、どうも、そこが看板の持ち主の家らしい。
生け垣が終わり、視界が開けると、そこには、大きな立派な門の戸を開けて、門の真下に商品を並べる机を置き、裸電球で机を照らしている家があった。
この大きな立派な門と、果物の即売が、アンマッチングである。
門から玄関までは相当距離があって、玄関脇の縁側で、男の人が二人お話をしていた。
(お友達と縁側でお話しながら、梨とぶどうを売っているなんて、なんて羨ましい風景でしょ、縁側も私の憧れである。)

私に気づくと、ひとりのおじさんが立ち上がって出てきてくれた。
机の上には、立派なぶどうが一房しか残っておらず、それを買うことにした。
「本当に、立派な門ですね」と門の天井を見上げながら私が言う。
「電車の窓から、看板見て一度来てみたかった」とも言った。
そうしたら、おじさんが机の下から、もう一房ぶどうを出してきて、「ひとつ食べてみて、美味しかったら、持って行っていいよ」とのこと。
洗ってもいないぶどうを一粒取って食べてみると、甘く美味しいので、もらえることになった。
さらに、小粒の梨を二つサービスしてくれた。(ラッキー、ラッキー、超ラッキーである)
梨は今日は売り切れであるが、「明日くれば、梨もぎができるよ」とのことである。

その農家では、暗くて、売り物のぶどうと、もらったぶどうの違いが見た目でわからなかったので、家に帰って、その二つを見比べた。
もらったぶどうは、買ったぶどうより古く、昨日の売れ残りであろう。
多分、種類は巨峰で、手で皮を剥かずに、枝豆感覚で食べられ、甘くて美味しかった。
買ったぶどうも食べてみたが、皮を手で剥かなくては食べられない種類だった。
形は甲斐路で、色は巨峰と同じ色だ、なんていう種類だろう。
私には、鮮度が落ちた巨峰のほうが、食べやすくて甘くて、美味しい。
余程、ぶどうの味にうるさい人以外、食べやすいぶどうが一番だ、と面倒くさがり屋の私は思う。

ぶどう園と梨園の話しをすると、出不精の母親が珍しく行ってみたいと言い出した。
(「梨もぎ」より「ぶどう狩り」に興味を示すのは、やはり、山梨出身だからだろうか)
どうも、9月の祭日のどちらかは、ぶどう狩りに行くことになりそうだ。
(買ったぶどうの種類が良くわからないが、ぶどう狩りのときに聞くことにしよう)

勤務先が調布になったとき、遠くて余り気が乗らなかったが、今は、本当に気に入っている
美味しい茄子や茗荷・トマトを分けてくれる農家、バジルを安く売っている八百屋さん、大きな通りには、梨の販売所、そして、ぶどう園・梨園だ。
(もう暫くすると、これでもかというくらいに、大量に柿が売られる、柿大量生産地でもある。)

築地やアメ横と違って、調布市は、私の家からとても遠いから、転勤になったり、会社を辞めれば行かなくなってしまうだろうと思うと、とても淋しい。
でも、こんなに新鮮で美味しい野菜や果物を手に入れることのできる地域を東京で発見できたことは、とても嬉しい。
東京の他の郊外も同じような感じなのだろうか、他は知らないので、全くわからない。
調布市と縁があるうち、沢山買って帰りたい。

先日、調布駅近くの梨販売所で買った梨も、我が家の近所で買う梨と比べ物にならない程、水々しく、美味しかった。

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1998年9月7日(月)

築地でお買い物


先週の土曜日は、朝6時半に出かけて築地に行ってきた。
私が築地に買い物に行くと言っても、目利きでもなんでもない、シロウトが面白半分で買い物に行っている様子を書いているだけと思って読んでくださいね。

以前、「寿司大も、美味しかった」と話したら、出不精の母がついてきた。
「美味しい寿司屋はどんな人をも動かす」、と私は思う。(お寿司の話しはまた別に)
今ごろの築地は、サンマが安くなって、ヤリイカが出てきた。
八百屋さんには、松茸と栗と、ご存知だだっちゃ豆が売られ始めていた。
「秋の築地は、秋の味覚で溢れています」という感じだった。
本日は、母がついてきたので、お財布が二つだったから、買い物が豪華であった。
いつもは、もっと貧しいとお断りしておこう。(お寿司も食べず、あさりだけ買って帰るという時もある)

私の買い物

★松茸
プロらしき人が松茸を買うのを観察していたら、匂いを嗅いで品物の良し悪しを判断していた。
我が家は、場外の八百屋で、おじさんがしゃがんで、秤で計りながら、籠に1500円分ずつ松茸を分けていたが、最後分量が少し足りないものを「1000円でいいよ」と言ったのをすかさず、getしてきた。
我が家の松茸を選ぶ基準は、「香り」ではなく、「気兼ねなく食べることができる価格」である。
私は松茸を見る目がないが、母が「小さいけれど、中々良いもの」と言っていた。
たまには、私より人生の長い人と一緒にくると、助かる。
これで、今年も、松茸ごはんと、ほうれん草のおひたしにマツタケの焼いたものを裂いて並べ、酢橘とお醤油で食べることができることになった。
(ほうれん草のおひたしは、既に食べてみたが、香りは弱いが、松茸がぷりぷりしていて美味しかった。)
TVで、本来は、今年は北朝鮮の松茸が豊作で例年の半分の値段で手に入るところだったが、ミサイルのことで、輸入禁止になってしまったということだ。
しょうがないですね。

★栗
栗は、母が言うには、つやつやして新鮮なものがいいとのこと。
しかも安い物が場外にあったので、get。
但し、栗ご飯は食べたばかりなので、私がお菓子用にすることとした。
帰って本を見ると、栗は茹でるよりも、一晩水に浸けておいて蒸す方が風味があると書いてあった。
勿論、この方法で処理する気になった。

★サンマ
サンマは沢山売っていたので、選ぶのが面倒になり、よく見ないで、三匹単位で売っていると思って購入したら、5匹だった。
これで、また、七輪でサンマを焼くことに決定した。
安いサンマだから、良くないかも知れない、家に帰ってみたら、片目が充血している、ありゃ、こりゃだめかもねと思うが食べてみよう。
サンマは、青目に限る。
今度は、前回の失敗を活かし、うちわを持って、頑張るのだ。
東京の人は、一部かも知れないが、今ごろのサンマと聞くと、嬉しそうな顔をする人間が沢山いるが、他の地方でも同じであろうか?
私の回りでは、「サンマを食べるということは、今の季節のサンマを食べることを言う」という感覚の人が多い、そのくらい、秋のサンマは人気がある。
私も、献立に困ったとき以外は、他の季節のサンマに手を出さない。
だって、漢字で書くと、「秋刀魚」だものね。

★ヤリイカ
9月になってヤリイカさんが出てきてくれた。
ヤリイカは柔らかくて美味しい。
今の季節のヤリイカは子供を持っていない。
子供を持っていると、魚屋さんに、「煮付けると美味しいよ」といわれるが、我が家はイカを煮付けて食べないで、細く切って酒で煮てサラダに入れるから、子供を捨てることになり、料理をしているときに、もったいないことをする後ろめたさがある。

家に帰ってヤリイカのわたを取ったり皮を剥いたら、一匹のお腹から、体長7cm程度の赤っぽい、口先が長い魚がそのままの形で出てきた。
あんな小さなイカがこんな大きな魚を食べてしまうなんて、驚きである。
どうも、このイカさんは、魚を呑み込んだときに、釣られてしまったようである。
私と同じくらい、食いしんぼで呑気なようだ。


★だだっちゃまめ
先日、沢山、新鮮な自家用の本場物をいただいたので、買わなかったが、だだっちゃ豆は、「だだちゃまめ」(庄内JA)とただの「ちゃまめ」と「みちのくちゃまめ」というものが売られていた。
昔から、この感じの豆は見たことがあったが、「ちゃまめ」という名前で売られていなかったような気がする。
私は、秋に出回る枝豆の一種だと思っていた。
だいたい、豆が緑色か、茶色いは、塩茹でにして、さや毎、口の中に入れてしまう食べ方だと、気づかないものだ。
ずんだ餅ファンの皆様、ずんだ餅には、茶豆が必須材料ということですから、今なら手に入るようですよ。
味が濃くて、美味しいですよ。

取り敢えず、その日は、美味しいお寿司を食べ、秋の味覚を大量に仕入れた幸せな土曜日であった。

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1998年9月8日(火)

酸っぱくないヨーグルトゼリー


自分の好き嫌いを言って申し訳ないのだが、私はババロワが好きでない。
なぜかというと、食べ終わった後、ババロワの生クリームの味と脂肪が中途半端に舌に残る感じがするのだ。
ヨーグルトゼリーの作り方を教えてもらったが、ヨーグルトゼリーは酸っぱさが舌に残る。

そこで、工夫したのが、「ココナッツヨーグルトゼリー」である。
私は、これを食べて余りヨーグルトを感じないのだが、妹が、「やはり、ヨーグルトの味」と言っていた。
ココナッツミルクの風味は、ヨーグルトの酸っぱさを抑えるのに回るのか、しないと思うが、私は、何せ、味に鈍感なところがある。
この程度の脂肪の濃さと甘さが好きである。
ココナッツミルクは、アメ横で安く買って常備しているし、ヨーグルトが安く売られている時に買ってきては、よく作る。
家族は、アンコールは言ってくれないが、作れば、「あら、いいわね」と瞬く間になくなる。
勿論、甥たちも、「チョベリグー」だそうだ。
アイスの季節も終わり、まだ、涼しいというまで行かない、これからに向いていると思う。
これからゼラチンを抜いてアイスクリームを作っても美味しかも知れない。

直径18cmの丸型1個分
(固める容器は何でもよい、下記の分量で1100ccから1200ccの量だと思う。
固める容器に水を入れて、計量カップで図って、1100cc入るか計ってね)
材料 
   ヨーグルト     500cc
   ココナッツミルク  400cc
   ゼラチン      23g(きっちり23gでなくても可)
   砂糖        1/2カップ
   水         1/3カップ
   果物        生でも缶詰でも可能、なんでも良い。
             苺なら1パックがちょうど良い量
             ゼリーの中に混ぜ込んでしまうので、格安で小粒のも
             のを使うことが多い。)
             苺の季節でないときは、缶詰で作ることが多い
             缶詰のミカン、パイナップル、洋梨、生ではバナナがいい
             すね。
             果物の量が少ないと出来上がりの高さがないだけの話であ
             る。

作り方

 1. 果物を用意しておく(缶詰は開けて水気を切り、食べ良い大きさに切る。生の
    果物は洗って食べ良い大きさに切る)
 2. 小さな鍋にゼラチンと水に入れて、ふやかしておく
 3. ヨーグルトとココナッツミルクを混ぜて、ヨーグルトを液体状にして人肌に温
   める
 4. 2を火にかけ、沸騰させないようにして、かき混ぜながら煮溶かす
 5. 3と4を混ぜて、一度、濾す
 6. 氷水にあてて、粗熱を取って、室温以下にする。
 7. 固める容器の内側を水で湿らす
 8. 5に果物を入れる
 9. 冷凍庫に2時間程度入れて、固める。
    (2時間以上入れると凍ってしまうので注意)
    (昨日は、氷水で余熱を取っている間に寝込んでしまい、その状態に3時間
    置いたら、割とトロっとしていたので、そこに果物を混ぜ込んで、冷蔵庫にて
    入れ寝た。
   今日、会社から帰ってくるとちゃんと固まっていた、12時間以上時間があ
   るときはこの方法がいいかも知れない。)
10. 型から出す時、竹串やナイフを容器側面内側とゼリーの境に入れる。
   ぬるま湯に容疑の底をつけて、底のゼリーをちょっと溶かす。
11. 盛り付けるお皿を逆さにかぶせ、固める容器とお皿を密着させながら持ち、
   エイっとひっくり返して、お皿に乗せる。

注意
1. ゼラチンは沸騰させないこと
2. 粗熱を取って果物を入れると書いたが、この段階で入れると、固まったときに、
   「果物が型の下の方(盛り付けた場合は上の方)に沈んでしまう。
   丁寧にやるならば、冷凍庫で液体を冷やし、30分から1時間経って、とろみ
   がついてきた段階で、混ぜ込むと散らばると思う。
   (私は、暇な時は、途中で、急いでいる時は、最初から入れてしまう。)

一度2時間経って、冷凍庫から出すのを忘れたことがあった。
ガチガチに凍ってしまい、解凍して食べたが、水分が抜けてしまい、スカスカになって美味しくない。(でも、食べたぞ)

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1998年9月9日(水)

経験的七輪の使い方


日曜日の夕方、第二回目のサンマを焼いた。
やはり、うちわを使う効果は大きく、今回は、美味しく焼けた。
油が落ちて、焦げる煙は食欲をそそるが、食べ物に対しては、余り良い効果がないようだ。
今回は、煙を追って焼いたため、サンマに油が残ったが、同時に、ひっくり返す時に、添えた手が油っぽくなった。
すごい油である。
まだ、七輪クッキング2回目でまとめるのも、何ですが、一応経験談を書きます。

★七輪を使うのに必要な道具

火おこし
合羽橋で1000円以下だから購入、これは家庭で火をガス台で起こす場合必須である。

火おこしを受けるもの
合羽橋で1000円以上だったので、買わなかった。
火をガス台でおこした後、離れた七輪まで炭を運ぶのに、お菓子の缶を下に添えて運んでいる。
(火おこしにお菓子の缶を当てて運ぶと、熱くてたまらない)

火を消すもの(火消し壷?)
昔は家にあったが、今はない。
母が言うには、バケツに水を入れて、その中に焼けている炭を入れて、火を消し、乾かせばまた使えるというので、その方法を使っている。

火箸
これも必須アイテムだ。熱い炭を動かすのに必要。


炭は長いので、折る必要がある。
正しい方法ではないかも知れないが、思い付いたまま、私は、家の横の道で、たたきと道に斜めに炭を置き、足で割った。
(お行儀悪いですが、楽です。でも、その場所が、相当の期間、黒かったが、いつのまにか、きれいになった。雨のおかげです。)

★火の起こし方

火起こしに、炭を入れて、ガス台に乗せ、強火で熱する。
火がつくまで、「パチッ!」と鋭い音がして、火の粉が飛ぶことがある。
どうも以前の水につけて消して乾かした炭が混じるとこうなるようだ。
どうせ、こういう炭は、直ぐには火がつかないから、ガス台の上では使わないようにした方が良い。(パチッ!は恐いが、ある程度、時間が経てば、安定する)
炭の1割・2割が赤くなれば良い。

★七輪準備

以前、水で消して乾かした炭なぞは、底の七輪のすのこの上に置く。(火がつけば、「めっけもの」という感じですね。)
その上に、火のついた炭を置く。
このとき、まんべんなく火が七輪の中から起こるように、炭の置き方に配慮する。
(先日、何も考えないでやったら、七輪の半分にしか火がない状態が長く続いてしまった。
この状態で、網を置き、魚を置くと、もう直すのが面倒になるから要注意)
効率的に焼こうと思ったら、全部から、火があがるようにまず配慮する必要がある。
網を置いて熱する。
この下準備が割と大切です。

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1998年9月10日(木)

おでん


秋になって、風が涼しくなると、秋葉原へは、土曜日に行くようになる。
末広町に、我が家が戦前から買い続けているおでんの種屋がある。
(と言うと恰好が良いが、店の人は、私の家が戦前から買い続けているなんて全く気が付いていない、祖母、父、私と買いに行く人も変り、途切れ途切れだから、全く、常連さんではない。)
日曜日は休みだし、普段の日も閉まるのが早い店である。
場所は、末広町の交差点の秋葉原寄りの駅側の通りの角から二軒めの「構」(かまえ)という店である。
ここは鰻の寝床のようなお店で、奥で練り物や揚げ物を作り、店頭で売っている。
ここのタネを使うかどうかでおでんの味が全然違う。
大量生産ではなく、少量生産のきめの細かさが嬉しい。
さつまあげは、生でわさび醤油で食べても、絶対美味しい。
プリプリしている。

弟が結婚し別世帯になり、父が他界したら、練り物・揚げ物が好きな人が減ってしまった。
私を除く食卓のレギュラーメンバーは、練り物・揚げ物をに見向きもしないで、せっせと大根とジャガイモと生揚げと白滝ばかり食べるのである。
そうなると、おでんに入れる練り物・揚げ物の量を減らさないと残ってしまうことになるから、一頃に比べたら、随分減った。
本来、おでんは、こういう魚肉系統の種から出る味で作るものだと思うが、それができなくなってしまった。
しょうがないから、出汁を豪華に取ることで補っている。
私のおでんは、関東風で牛筋を入れない他、ウインナ巻きとかシュウマイ巻きと言った肉系統の新種をまるで入れない、昔風海系統と野菜のおでんである。

秋になって初めておでんをつくり、食べたのだが、甥たちが面白かった。
(甥たちは、既に夕食を済ませてきており、ちょっとつまむ程度だった)
甥1は猫舌なので、小鉢に、「茹で卵と〜、ちくわぶと〜、生揚げ」「そうだ、おでんにははんぺんが付き物だよ」なんて生意気なことを言って取ってもらっていた。
(君もずいぶん大きくなったね。)
食べる段になって、観察していると、おでんをほうばりながら、ときどき、きゅうりの漬物を口に入れていた。
「甥1も、食べ方が大人になってきた」と誉めたら、甥2が真似をして急にきゅうりに手を出した。
おつゆを全て残したので、「ちょっと、飲んでごらん、おいしいよ」というと、素直に一口口に入れ、「うめえ」と一言言って、そのまま、全て飲み干し、また、自分で、おでんの鍋からつゆをついでいた。(小学校に入ってから言葉が悪くなってしまった)
この光景を見て、おばちゃんは、「私の野望が実現しつつある」と心の中でほくそえむ。
何を考えているのかというと、甥たちには、ちゃんと取った出汁の味を覚えさせたいのだ。
インスタントの出汁の素と、天然の出汁の違いをちゃんと覚えさせるのが、おばちゃんの役割だと心に誓っている。
こういう味がわかる舌に育てておけば、将来、大きくなって、友人の家を泊まり歩いて、冷凍ピザの夕食を取ることが楽しい時期になっても、それが長続きしないに違いない。
二日続けて工場で作った夕食を食べると、自然に、天然の味が恋しくなるような身体にしてしまうのである。
(私の知り合いに、「子供の舌を家に戻らざるを得ないように育てた」と言い切る人がいた、かっこいいのである、私はその真似をしているのだ)
長期にわたる、おばちゃんの愛情溢れる不良化防止対策、または、餌付けと呼ぶことができる行動なのである。
が、別に自分が寂しいからそうするわけではなく、将来、彼らが大人になったとき、健康な生活を送れるよう、そして、良いお父さんになれるような配慮だと思うが、余計なお節介かも知れない。
そうだ、このエッセイも最低1年は続けて、紙に印刷して、綴って、甥たちが大きくなったら、手渡そう。
(有り難迷惑かも知れないし、重荷かも知れないが、それはそれ、こちらがおばさんで、あの子たちは甥なのだから、押し付けてしまおう。)

お料理好きな方が読むことを考えたら、私のエッセイの内容は、ありきたりのものが多くて、お恥ずかしい限りであるが、甥に伝えることを考えるとなると、堂々と書くことができる。

ところで、皆さんは、おでんのつゆを飲み干しますか?
おでんやでおでんを入れてくれる器は、ちょっと深目のお皿であり、おつゆを飲むような器では食べない。
(でも、これは、おでんやさんが、つゆばかり飲まれたら、商売あがったりになってしまうから、余り飲ませないようにしているのではないかと思っている)
他の人とおでんを食べに行っても、おつゆまで飲む人は少ないような気がする。
でも、私は小さい時からおでんのつゆは飲むものだと思っているので、おでんやさんの皿に口を持っていって、つい、飲んでしまう。
お行儀悪いかも知れないけれど、おでんは、つゆが美味しいから、飲まないなんて信じられないと思う。
家では、おでんを食べた仕上げに、ごはんにおでんのつゆをかけて、漬物を齧りながら、食べることもある。
(ごはんが炊き立てでなかった場合なぞ、絶対この方法が美味しい)
やはり、おでんのつゆは、最後の一滴まで利用しなければ、もったいない。

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1998年9月11日(金)

おでんの作り方 1/2


材料:
揚げ物各種少量
(好みであるが、イカ巻きとゴボウ巻きは、つゆを美味しくすると思う。ウインナ巻きやシュウマイ巻きは、家風に合わないので、入れない。銀杏巻きは大好きだ、勝手なことを書いてごめんなさい、お好みで自由に)
練り物(つみれ、はんぺん)
(本当は、魚肉の筋も大好きなのだが、他の人が食べないので、いつも涙を飲んでいる)
ちくわぶ(いつもおでんの種屋さんのにしようか、豆腐屋さんのにしようか迷う)
白滝の小結
大根
ジャガイモ(できれば煮崩れないメイクイーンが良い、男爵でも可)
卵(面倒だが、茹で卵の揚げ物を買わないで、自分で茹で卵にするとコストが安くなる)
油揚げの開いたもの+餅(福袋も市販のものを買うと高いから自分で作る)
生揚げ
(好みで、がんもどきでも、両方でも可。)

おでんの種は、おでんの種屋さんのもの1/3とお豆腐屋さんで売っているもの1/3と野菜と卵で1/3程度の割合である。
おでんを作るのに、何が面倒かというと、卵と大根とジャガイモの下茹でですね。

★出汁を取る
直径23cm程度の大鍋に良い量
水1700ccに昆布と、煮干しをつけておく。
(付けておく時間は、30分からまる1日でも可能、一日前から付けて置く場合は、冷蔵庫に入れておく)
ガス台にクッキングガスマットを敷いてその上に、鍋を置き、弱火で15分程度かけて沸騰させないように温めていく。
(昆布を長くつけたときは、時間を短くする)
昆布が水を吸ってつやつやしてきたら、昆布だけ引き上げる。
クッキングガスマットを外し、強火にして一旦沸騰させる。
また、火を弱めて、厚削りの削り節を入れる。
(かつお節でも混合削りでもどちらでも可能、でも、この場合は、混合の方が合っているかも知れない)
それから、5分間程度、煮出す。
出汁がらを全部とって、薄口醤油70ccと、みりん30ccを入れて味を見る、味が薄かったら、薄口醤油を足す
(薄口醤油70ccから始めるが、この程度だと、味がはっきりしないので、自然と足している。しょっぱくなるのは避けるが、これから色々なものを煮るのであるから、ある程度、はっきりさせた味にすると良いと思う。)

注意:
1. 煮干しは、暇なときに、頭とはらわたを取って二つに裂いて、ビニール袋に入
  れ、冷蔵庫に入れておくと便利。
2. 出汁の量であるが、理想は、1700ccの水に、昆布30g、混合厚削り30g
   煮干しの割いたもの14gであるが、これだと、コストが高いので、こだわることは
  ない。
  今回私は、築地の吹田商店の利尻昆布のお徳用を2枚と、煮干し軽く一握り、
  厚削りも一握りちょっとで作ってみた。
  そりゃあ、理想より、落ちたけれど、家族は「美味しい」と食べていた。
3. みりんはできたらこだわりたい。
  「福来純」が最高、三河みりんも美味しいと聞いている。
  私は「福来純」しか使わない。
  それ程、そこらへんで売っている味醂と味が違う。

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1998年9月12日(土)

おでんの作り方 2/2


★大根
1. 大根は、3cm程度の厚さに切って、大きければ、二つに割り、面取りをする。
2. 小鍋に入れて、片栗粉かぬかを入れて15分程度茹でる
3. 水に取り、洗う

★じゃがいも
1.男爵より、メイクイーンの方が煮崩れなくて良い
2. 食べ良い大きさに切り、面取りをして、水にさらし、固めに茹でる。
★茹で卵
1. 常温に戻しておいて、水から18分茹でる
2. 茹で上がったら、水の中に落とし、熱いうちに、水の中で剥く
★福袋を作る
1. お餅を半分に切って、オーブントースター等でこんがり焼く
2. 油揚げの中に入れて、口を楊子で止める。(本にはかんぴょうで縛るとある場
   合が多いが、そこまでやってられません、ひどいときは、口を止めないで、
   お鍋の一番上に置いて煮てしまうこともある、要は、とにかく作ることが肝心
   です。)
★揚げ物・練り物
1. 揚げ物と、生揚げと油揚げは、鍋の中のお湯に沸かし、ほんのちょっと煮て、
   油が浮いてきたら、引き上げる。
2. イカ巻きとか、さつま揚げ類は、予算と人数に合わせて、二つくらいに切って
   しまうことが多い。
3.生揚げとちくわぶとはんぺんも切る。


2日に分けて作るとしたら、
1日目:野菜の下ごしらえ
    茹で卵を茹でる
    種を切る
    出汁の準備(本当は翌日の方がいいが、忙しい時は、前日に作って冷蔵庫
     に入れておいても十分美味しい)
    福袋(できたら、これは食べる前の方がいい、お餅が固くなってしまう。
    でも、前日に作っておいても、ちょっと、固いが食べられないことはない)
2日目:鍋に出汁を入れて、温め、野菜・卵を底にして種を並べる。
    そのまま、火にかけるのだが、全部を100度程度に持っていた後は、ことこ
    、味を含ませるように煮るのが良いのではないだろうか。(時間は30分程度      かな)
    ちくわぶとはんぺんは余り長く煮ない。
    はんぺんは嫌いだから、どの程度が美味しいか分からないが、ちょっと煮て
    色がつけば良いそうだ。
    ちくわぶは、はんぺんより煮る時間は長いが、強火で煮ると、膨らんでしまっ     まずくなる。

おでんに溶き芥子が必須。
私は、日曜日の夜に下拵えをしておいて、月曜日に食べることが多い。

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1998年9月13日(日)

応援団



ある日の昼間、甥1が公園から泣きながら帰ってきたそうである。
何でも、公園で、甥1の振ったバットが、偶然、余所の子にあたってしまい、その子が、余程痛くてびっくりしたのか、泣き出し、甥1がいくら謝っても泣き止まないし、返事をしてくれないので、たまらなくなり、泣きながら家に戻ったそうだ。
(相手の子に、怪我はなかったそうだ、良かった、良かった。)

その日の夜、甥1は、いつものように、おばあさんの家に上がってきたが、元気がない。
態度も悪い、こりゃ、昼間の件が尾を引いていると思った。
甥1は部屋の隅でおばあさんの布団にもぐり、黙ってTVを見ている。
こういうときの子供って、いじけた猫と同じだと思う。
猫は、家族団欒していると、そこから離れた隅の方に足を折って座って、団欒なんか興味もないという顔をして知らん顔をしている。
それに気付いた時、「あら、可愛い猫ちゃんがいるわね、なんていう名前かしら」なんて大きな声で、優しく言ってあげると、耳とかしっぽがひくひくするのだ。
離れているところに身を置いていても、回りの話しを、聞いていないようで、聞いているのだ。
「別に、仲間には入りたくないけれど、誰か僕のことを気にしてくれないかな」という気持ちを態度で示すのはプライドが許さないが、「そちらから気付いてくれる分には迷惑ではない」という感じなのだろう。

それを思い出して、妹に話しかける振りをしながら、わざと大きい声で
「甥1はえらいわよね。
自分が悪いと思って、ちゃんと、謝ったのでしょう?
いくら謝っても許さないで泣いている子がいたら、おばちゃんだったら、『いいかげんにしろ!』と言って、ぶって、けっとばして、帰ってきちゃう。
でも甥1は、その子にひどいことをしたり、言ったりしないで、謝るだけ謝って、我慢して帰ってきたんだわよね。エライナ〜!おばちゃんよりエライ!ね、そう、思わない」と言った。
(「泣かないで帰ってきたら、もっとエライ」と言いたかったが、こらえた。)
(これは慰めのために子供用に言っていることであって、私だって実際こんなことはやらない、念のため。)

そんなこんなで、おばちゃん二人のいい加減な慰めには、返事もしなかったけれど、甥1は、帰る時間になると、ぶすっとしながらも、いつものように、おばあちゃんと若い方のおばちゃんに「大好き!」と言って、ほっぺたをくっつけて挨拶していった。
この動作は、甥1のすさんだ気持ちが少し和らいだ証拠に思えた。
きっと、甥1は、昼間のショックで、全ての自信をなくし、自分をどう扱っていいかわからなくなってしまっていたのだろう。
早く忘れて、元気になってね、世の中、ままならないことはこれからも沢山あるからね。
あんたが反対の立場になってしまうこともあるのだからね。

おばちゃんとしては、おばちゃんの応援団機能が、今後ともうまく機能することを神様・仏様に祈るばかりだ。
世の中厳しいから、「いつも、黙っていても慰めてくれる人がいる」と思い込まれても困るけれど、ま、当分は、応援団として面倒を見てあげよう。
(応援団でもあり、一部、ドラエモン的機能も果たしているから、おばちゃん型ロボットかもね。)

後で聞いたのだが、その日の夜に、相手のおかあさんから、「うちの子が『痛かったので、甥1ちゃんが謝っているのに、返事ができなくてごめんね』と言っている」との電話があったそうだ、めでたし、めでたし。

余談ではあるが、我が妹は、アメリカ帰りなので、ほっぺたをくっつけて挨拶をする習慣を我が家に持ち込んだ。
赤ちゃんの甥たちに、おばあちゃんの家から帰る時には、「大好き」と言って、ほっぺたとほっぺたをくっつけることを覚えさせたのだ、それがまだ続いている。
何才まで続くのだろうか。
私の母は、純粋日本風のおばあさんではあるが、孫可愛さに、すんなり、この外国の習慣に便乗した。
私は、この手の習慣に違和感を憶え、乗らなかった。
習慣で、「大好き!」と言われても価値がないような気がするし、一々、言葉と態度で「大好き」と確認し合うような関係なんて、大したものではないと思う私は古いタイプの日本人です。

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1998年9月14日(月)

合羽橋


本題とは無関係ですが、9月8日の「酸っぱくないヨーグルトゼリー」の作り方の一部、違っていたので、若干書き換えました。

この前の土曜日に、久々ゆっくり合羽橋へ行ってきた。
最近は、買うものを買ってしまったせいか、合羽橋にゆっくり行くことは滅多になくなった。
私はときたま、合羽橋の案内を行っている。
今回は、既に知り合いの女性一人と初めて会う女性三人だったが、料理の好きな方々と訪れる合羽橋は、発見も多いし、楽しい。

合羽橋で気づいたことと私の買い物について。

★七輪
サンマが一匹乗る横長七輪は、二種類あって、5千円後半のものと、7千円後半のものがあった。
買おうかどうか迷うところである。

★クッキングガスマット
川崎商店で、18cmのものを発見、とうとう、合羽橋でも買えるようになった。
他にも類似品で、「ゆっくりマット」(?)というような名称の類似品を発見した。
浅草橋シモジマ五号館6Fにはクッキングガスマットの大きさが二種類揃っている。
シモジマでどこにあるかわからない場合は、店員さんに聞けば教えてくれる。

★オーブントースター用焼きアミプレート
合羽橋に行く前に、浅草橋シモジマに行ったついでに、上記商品を買った。
浅いシルバーストーンの受け皿に、足がついたアミが付属しているものである。
これだと、天ぷら・豚カツの温め直しが理想的にできる気がした。

★卓上型七輪
新たに釜浅商店で、「三河七輪」なるものを発見。
卓上型ながら、多分、回りに熱くなっても触れるような配慮と思われる加工が側面にしてあったし、ちゃんと、空気穴がついていた。
こっちの方が、この前見たものより、優れものだが、値段も3倍高い。
これも迷ってしまう。

★テラコッタのにんにく保存器
ユニオンにテラコッタのにんにく入れ・玉ねぎ入れ・紅茶入れがあって、前から欲しいのだが、物にしては高いので買っていない。
今回ご一緒した方が持っているとのことで、確かにこの容器に入れておくと、「にんにくが成長して芽が出るようなことがない」とのこと。
ん〜、迷ってしまう、まだ、買っていないが、そのうち、買ってしまいそうだ。

★青海苔
先週のお昼に、鉄板を出して、牛肉とヤリイカの焼きそばを焼き、にんにく醤油で食べたのだが、何かが物足りない。
(話しは、外れるが、前日の夕食のかに玉が残ったので、ほぐして焼きそばに入れたら、それはそれなりに美味しく食べられた。)
そうだ、青海苔だ、と思い、今日は、蔓藤さんで、「青海苔」を買う。
種類は3種類
蔓藤オリジナルは、川の海苔だそうだ。
海の海苔は、やたらに安い、同じ値段で川の海苔の10倍以上の量が買える。
蔓藤の店に置いてある最上品は、四万十川で採れたものだそうだ。
「味にうるさい人なら、川海苔で十分ですよ、海海苔は、お好み焼き屋さんやたこ焼き屋さんが無造作に惜しげもなく使うもの」とのこと。
青海苔は滅多に使わないと思い、少量で高い四万十川のものを買ってみた(と言っても300円)、私に味の違いがわかるかしら。

その前の日に買ったグラフ社の素敵ブックス「陳健一 毎日のおかず」に『グリーンアスパラガスの青海苔炒め』というのがあって、この料理にも使えると思ったが、帰ってよく見ると、青海苔大さじ4杯も必要とのこと、この料理を作るためには、海海苔のほうがいいかも知れない。
日曜日のお昼に焼きそばを焼いて、四万十川の青海苔をかけたが、全然味の違いがわからなかった。
にんにくしょうゆとか、ウスターソースで濃い味付けをする料理は、海海苔の青海苔で十分かもと思った。
残りの四万十川の海苔は、とろろに入れるとか、即青海苔の香りが生きる使い方をしてみようと思う。

★ストロバヤ
お昼はストロバヤで食べた。
フランス風ロシア料理のお店で、私の美容師さん絶賛の店である。
今回3回目だが、評判良く、この店で食事をすると、皆が誉める。
サラダ+ボルシチ+かにの海老巻きクリームコロッケ(?)+ロールキャベツ+デザート(カボチャプリンと、何かのタルトの薄切り)+コーヒー or 紅茶で、 2,400円である。

味付けに統一性があり、味が薄いわけではないのだが、しつこくなく、次から次に出てくる料理が平気でお腹に入っていく。
塩加減がちょうど良いのだろう。

ボルシチは、全く肉もサワークリームも入っておらず野菜だけだからとても軽い。
かにの海老巻きクリームコロッケも、衣はカリッと揚っているのに、中のホワイトソースはあくまで柔らかく、優しい味だ。
ロールキャベツも、芯から煮えており、ナイフを入れると、力を入れなくても切れてしまう。
かにの海老巻きクリームコロッケとロールキャベツについては、食べる前に、「こういうものって、家で作る気がしないから、こういう店で食べられると嬉しいわよね」と言ったが、食べながら「家で作っても、こうは作れるはずがないから、こういうお店で食べるしかないわよね」と発言した方が正しいことに気がついた。
ロールキャベツは、多分、鍋をオーブンに入れて煮込んだのだろうと思うのだが、給仕の女性に聞いてもよく分からなかった。
ロールキャベツの煮込みについては、冬になったら研究してみようと思う。
ランチの所要時間は、1時間半から2時間の間であった。

★ラ・シェーブル
今週か先週のHanakoの東京版に、ラ・シェーブルのシェフが載っていた。
この方は、このストロバヤで修業していたと聞いていたが、記事によると、そのときに、誰か有名なフランス料理のシェフが気に入ってその追っかけをしていたとのこと。
だから、このシェフの料理は、ロシア料理ではなく、フランス風家庭料理だ。
この店も美味しいけれど、お昼のコースを食べるのに2時間半かかったことがあり、なんとなく足が遠のいている。

私の聞いた話しでは、浅草ロシア料理の発祥は、雷門の「マノス」、そこで修業した人が開いたのが、「ストロバヤ」であり、ストロバヤで修業していた人が開いたのが「ラ・シェーブル」だそうだ。
おじいさんから孫になるほど、どんどん、ロシアを離れて、フランスっぽくなるのは面白い。
ラ・シェーブルもとても美味しい店である。
マノスは、残念ながら行ったことないのだ、いつか行きたいと思いながら、雷門まで行くのが億劫である。

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1998年9月15日(火)

クッキングガスマット(豚しゃぶ編)


私は道具が大好きである。
非力で怠け者の性格のせいか、道具を使って楽をするのが好きだ。
汗水垂らして、料理をするのは好きでない。
最近のヒットは、偶然に浅草橋で買った「クッキングガスマット」で、手放せなくなっている。(2枚持っている)
もっと、宣伝すればいいのにと思うが、宣伝を見たことがない。
私が料理研究家だったら、この道具を宣伝したり、この道具を使って作る美味しい料理を発表するのにと思ってしまうくらい気に入っている。

簡単に言うと、ガス火だけだと煮物のつゆがぐらぐらするが、この道具を使えば、ガス火で、とろ火クッキングが可能になる道具なのだ。
ある年代以上は「煮物をするときに、ガス火よりストーブの上で煮ると良い」と習ったことがあると思うが、その状態がガス台で実現するのだ。
出るあくも少ないか、殆どない。
金属の円盤に工夫がしてあり、下から当ったガス火が円盤にまんべんなく均一な温度で、行き渡るようになっているのだと思う。
だから、特定の場所だけが集中的に温められるのではなく、鍋底全体同じ温度で温められるのだ。
また、円盤事態の保温力も強い。
不器用な私でも、とろ火クッキングが簡単にできるようになった。
これこそ、「道具」というものである、なんちゃって、一人で喜んでいる。

一番気に入っているのが、昆布出汁で、次が、豚肉料理だ。

で、今回は、豚肉料理の話しを。

低温で揚げる豚カツ成功で気をよくして、豚しゃぶ肉を、クッキングガスマットを使用した弱火の蒸し器で蒸し、火を通して、にんにく醤油たれをかけて出したところ、好評であった。
料理本に書いてあるしゃぶ肉の処理は、「熱湯でゆがいて、冷水に取る」という方法が多いと思うが、「熱湯でゆがく」より「蒸す」方が味が逃げないし、上がり過ぎた温度を冷やすために冷水にとるのだろうが、それなら、初めから低温で調理して、冷水にさらさない方が、味が逃げないと思った。
また、味ばかりでなく、低温で蒸せば、柔らかく仕上がるはずだと、計算をした。

蒸し方(私がやってみた手順):
1. 豚しゃぶ肉は冷蔵庫で、塊状に保存されているので、なるべくほぐしておく
2. 蒸し器が沸騰したら、クッキングガスマットをガス台との間にかませて、弱火に
  する。
3. 私の場合は普通のお鍋に、鍋用の蒸し道具を使っているので、その上に豚肉
  を広げた。
  (お皿を使った方がいいかも知れない。)
  (いっぺんに200gを蒸したが、半分ずつとか、1/4ずつに分けて蒸した方が、
  きれいにできるかも知れないと思った。)
4. ふたをして蒸し、時々、白く蒸しあがったところとまだ赤いところの位置を変え
  る。
  だいたい、5分から10分の間だろうか、全部が白くなったところで、さっさと、引
  き上げた。
  (もしかして、これは、クッキングガスマットがなくてもできるかも知れないと書いて
  いるうちに気が付いた)
5. この後は、自然に冷ました。(下味をつけるなら、この段階で)

結果、思惑通り、柔らかく、味があり、大成功である。(バンザイ!)
豚肉大好き人間にも試食させたが、「どうして、こんなに柔らかく煮えるの?」との感想だった。
豚肉嫌いも、脂肉は避けていたものの、ちゃんと食べていた。

こういう工夫をすれば、豚肉料理も我が家に普通に出せるようになるかも知れない、もっと、研究しようと思う。(「目指せ!エンゲル係数の低下」、です。)
我が家の豚肉嫌いを観察していると、豚肉嫌いの三大原因は、「固い・臭みがある・脂肉が多い」ことだと思う。
このうち、調理すると固くなることは、クッキングガスマットを使うことによって、ほぼ完全に解決するのだ。
脂肉はしょうがないから、嫌いな人の分から外す。
臭みは、臭みのない豚肉を売っている肉屋で購入しているが、にんにく・生姜などの香味野菜を使えばなお良い。

今度は、柔らかいポークステーキにでも挑戦してみよう。

(余談であるが、先日、私の行く肉屋で順番を待っていたとき、他のお客さんが、ステーキ肉を買いながら、「牛脂を沢山付けてちょうだい、おたくで牛脂もらって凍らせておいて、余所の肉屋の肉を料理するときに使うとおいしくなるから」と言っていた。
これには、肉屋のおじさんも苦笑いしていた。
それ程に美味しい肉屋さんなのだ。)

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1998年9月16日(水)

クッキングガスマット(昆布出汁編)


本題とは関係ありませんが、浅草橋シモジマ(ラッピングと台所道具の店)が、合羽橋中央に進出するのではとの話しがあります。
(現在更地とか、「更地、あったっけ?」とは、思います。)
バンザイ! もしそうなれば、浅草橋方面にはほぼ行かなくて済むことになりますが、合羽橋を案内するのに、1日では終わらなくなりそうで恐いです。(笑)。
合羽橋の各店より、個人客に狙いを置いているシモジマ出現は、合羽橋にとって、脅威でもありますが、きっと、良い刺激を与えてくれると思います、合羽橋地元の皆さん、是非、頑張ってね、です。
多慶屋も西浅草に引っ越してきて欲しいけれど、上野方面はアメ横もあるし、我慢します。

では、気分転換して、本題に入ります。

我が家の、削り節か、煮干しを使った出汁の取り方というのが、お料理学校のそれとは全く違い、やたらに少量の煮干しや削り節をしっかり煮出して出汁をとる。
(特に削り節の出汁の取り方は、料理学校のそれと全然違う。
「戦争や戦後の物のない時代を経験しているから、こういう取り方になるのかな」と勝手に考えている。
でも、それはそれなりに美味しいことを付け加えておく)

その違いの中で、私はどのように出汁を取るか、結局、「料理の本を見ながら、適当」になってしまった。

お料理の本の基本出汁の取り方というところを見ると、たいていは、「昆布とかつお節の出汁」ということになっている。
料理の本どおりに作っても美味しいと思ったことはなく、昆布はおまじないの役目しか果たさなかったので、段々使わなくなった。
(おそらくではあるが、「何度のお湯に何分程度昆布を浸けておくことが昆布の旨みを引き出すことになるのか」という記述がないせいだと思う。
そんな記述をしてもクッキングガスマットがない限り難しいので、書いても無駄かも知れない。)
かつお節だけで取ってもそれはそれなりに美味しい。

美味しい料理店で美味しい出汁に巡り合ったとき以外は、出汁そのものが美味しいという覚えは少ない。

自分で作る出汁でも美味しくできるとわかったのは、某お料理学校の麺打ちクラスに入って、そこで、関西風うどんつゆを習ったときだった。
昆布と煮干しと厚削りの混合節なのだけれども、『自分で作ってもこんなに美味しい出汁が取れるのか』と感激した。
ただ、材料を沢山使うから、「『これだけ、材料を多量に使えば、自分で作っても美味しい出汁になるのか』と思った」と書き換えても間違いではない。)

そこで、昆布と煮干しを30分以上水につけておき、15分かけて沸騰寸前に持っていく技を習った。
が、うどんつゆを大量に作るときは良いが、日常の500CC程度取る場合、沸騰直前まで15分もかからないのだ、すぐに沸騰寸前まで行ってしまう。

だから、クッキングガスマットを買うまで、私のお料理は、うどんすきのときだけ、美味しい出汁で、他は普通という状態であった。
クッキングガスマットを使うようになったら、少量の分量でもうまく行くのだ。
ちゃんと昆布の味が引き出せるようになったのだ。
(「出汁を引く」という言葉があるが、昆布は、旨みを「煮出す」のでも、「取る」のでもなく、「引き出す」というのがぴったりだと実感している。)

★昆布出汁の引き方
1.お鍋に分量の水と昆布を入れて、ガス台の上にクッキングガスマットを置き、弱
  火で火をつける。
  (こうすれば、15分経っても沸騰しないはずである。15分経っても沸騰しない
  で、ぬるま湯になっていれば問題ない。)
2.そのままの状態で、10分程度から様子を見る。
  15分前後で良い出汁が取れる。
3.昆布がお湯の中で色艶良く戻っていて、昆布の端に泡がついていたらもう良い
  頃かも、昆布の回りにネバネバが出ていたら、引き上げて遅くない頃なのであ
  る。
  (中々こういう状態にならなかったら、ガス火をちょっと強くしてみると良いと思
  う。)
  別に15分にこだわることはない、水出汁だって美味しいのだから、20分でも30
  分でも構わないのだ、要は、沸騰させないお湯にゆらゆらさせておくことだと思
  う。
4.この後、削り節を入れる場合は、昆布を出し、クッキングガスマットを外して、
  一旦沸騰させてから、削り節を入れる。(削り節も沸騰したお湯で煮ないほうが
  良いようだ。)

★注意
1.火にかけて出汁を取るときでも、暇なとき、忘れないときは、予め昆布を水につ
  けておくが、それを忘れて忘れてしまうことも多い。しかし、それでも美味しい。
2.引き上げるタイミングは慣れであるし、細かいことを気にしないほうがいいと思う
  が、敢えて書けば、『昆布がお湯の中で色艶良く戻っている』ことかと思う。
  (いつもいつも同じ味に作れるのがベストではあるが、プロではないのだから、薄
  かったり濃かったりを楽しんだほうがいいと思う。
  そのうち、慣れてきたら多分引き上げるタイミングとか時間が決まってくると思
  う。)
3.一言で表現すれば、「熱いお風呂に入れないで、昆布にまず水風呂に入ってもら
  い、徐々に温度を上げてぬるいお風呂にゆっくりと浸かって、身も心もリラックス
  してもらう」感じだと思う。

昆布を入れると、出汁が言いようもなくふくよかになる。
かつお節だけよりも圧倒的に美味しくなるのだ。
昆布出汁だけで使うことは滅多になく、あさりやしじみのおみおつけのときくらいだが、そのときも、あさりやしじみの味の邪魔をせず、かつ、ふくよかな風味を与えて、本当に、昆布はお利口さんなのだ。

水に長くつけておいただけの出汁も確かに爽やかで美味しい
(水につけておくだけのときは、半日程度かな?はっきりわかりません)
クッキングガスマットを使うようになってから、いわゆる汚いあくが出たことがなく、それだけでも昆布出汁がいかにうまく引き出せているかを示すものだと、自己満足してしる。

昆布の種類はまた別の機会に書くが、『昆布は、出汁の引き方がうまく行くと本当に美味しい出汁になる』と私は強調したい。

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1998年9月17日(木)

どぜう 飯田屋 シラフ編


本題とは無関係ですが、調布の八百屋で「山栗」という小粒の栗が、1kg180円でした、新しそうな栗だし、値段に魅かれるものはあるのですが、今日は見送りました。
どなたか、「山栗」とそれ以外の栗の違いが分かる方、DMで教えていただけたら、有り難いです。

では、本題です。

敬老の日なので、母親を合羽橋のどぜう飯田屋に連れていった。
1か月前に、「どじょうを食べたいから、買ってきて料理してくれ」と言うのだ。
どじょうは、食べるのは好きだが、やっぱり、料理はちょっとねと思った。

で、今回は、下戸二人と飯田屋で味わった話しをば。

11時半に着いて、お昼一番乗りだったので、1Fに一個所だけある、堀ごたつのように足を伸ばせる席を確保することができた。
一緒に行った二人がお酒飲めないので、私も我慢した。

柳川を食べたことがないので、柳川に白いご飯、どぜう汁に、漬物を注文した。
どじょうが食べられない妹は、なんと、柳川の代わりに、やまかけであった。
柳川は、柳川専用の大きな土のお皿の上でフツフツ言いながら登場、さっぱりしていて美味しかった。
ただ、「柳川とどぜう鍋とどっちが好き?」と聞かれたら、やはり、どぜう鍋かなと思う。
ところで、柳川の場合は、原則、裂いたどじょうの料理で、好みで、丸のままの柳川も作ってくれるそうだ。
どぜう鍋は、丸ごとと裂いたどじょうと両方がお品書きに載っている。
私の好きなのは、丸ごとのどぜう鍋である。
裂いたどじょうのどぜう鍋はまだ食べたことないが、まるのままのほうが美味しいのではないかと想像している。
多人数で行ったら、全部取ってみて比べると面白いと思う、要は好みだから。

前回大変美味しいと思ったどぜう汁だが、シラフで飲むと、やたらに味噌の味が濃かった。
(面白いことに、味噌の味は濃いのだが、しょっぱくないので、飲めてしまうのだ、食事の後に、喉が渇くということもなかった。)
シラフのときは、ごはんにこの味噌汁かけて食べたら、他におかずが何もいらないし、それが一番美味しそうと思ったが、やっぱり、私でも、お店でそれはできなかった。
どうも、この味付けは、お酒を飲んだ後に、美味しいと感じる濃さなのかなとは思ったがよくわからない。
お酒飲んでいるときって、相当、舌が鈍くなっているのかも知れない。
他の二人は、豆腐になめこの味噌汁を取ったので、見たが、味噌の入れ具合は同じようだ。

どじょうも評判が良かったが、最高に人気があったのが、漬物の盛り合わせである。
全部適度に冷やされ、全部が美味しい。
(キュウリ・小茄子・らっきょう・大根・たくわん・きゃべつの千切りに紫蘇・茗荷を混ぜたもの)
「やはり、糠床が全然普通の家のものと違うし、きっと、とても古くて、ものすごく大量だから、こういう漬物ができるのでは」というのが、母の感想であった。
私の家の糠床だって、2か月前まで、前の八百屋さんで品物としての漬物を漬けていた糠床である、でも、全然、違うとのこと。

糠床がいいだけではなく、野菜そのものも良い質の物を使っているらしい。
歯が余り良くない母が言うには、「家でつけるキュウリでは、本当に薄いのでないと、噛むことができないのに、ここの厚切りのきゅうりの漬物なら、噛んで食べることができる」とのことであった。

お酒を飲まないでお昼ご飯を食べに行くのなら、「白いご飯に漬物と味噌汁だけでも十分美味しく食べられる」ということになったが、「そういう注文は、やっぱり、できないわね」と、笑いながら話した。
漬物は、お品書きに載っていないけれど、注文すれば出てくる。
3人で一皿で十分の量であった、値段は600円。
飯田屋に行ったら、お新香の盛り合わせをお忘れなく。

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1998年9月18日(金)

最近読んだ本


余談ですが、昨晩12チャンの8時からの「甘味女王選手権」は、ご覧になりました?
なんだ、あの子達は、「どうして、あんなに東京中の美味しいお菓子を知っているのだ!」というのが、おばさんの頭にフツフツと沸いてきた疑問でした。
私が答えられたのは、シュークリームの包み紙を見て、「神保町の店!」(柏水堂が正解です、神保町は当たっています)というのと、「シブーストを初めて日本に紹介した店は?」に「吉田菊次郎の店!」(ブールミッシェが正解です、オーナーが吉田菊次郎というところでは正解でした。)
他、何もわかりませんでした、以前、下町チャンピオンのときも答えられたのは、「長命寺の桜餅の葉の枚数は?」「3枚!」だけでした。みんなすごいなと思う今日この頃です。

さて、本題です。

1、2年前は、お料理以外の本も相当読んでいたのに、最近はとんと料理に関係する本ばかり買うようになってしまった。
最近、読んだ本で良かったものの紹介です。

「陳建一 毎日のおかず」
グラフ社  素敵ブックス マイライフシリーズ特集版 \1.476
私は中華料理の本については、これぞという本を持っていない。
(一番見るのが、○十年前のNHKの「中国風きょうの料理」だ。全て網羅されているから便利。)
陳さんのこの本を書店で見ていたら、私にもうまく作れそうな気がしてきたし、美味しそうなものが沢山載っていたので、買ってしまった。
この本が手放せない1冊になってくれないかと期待している。
陳さんの家で日常作っている料理だから、本当に家庭的な感じがするのだ。
(でも、写真を見る限り、陳家のガス台は、火力の強いタイプでないかと思う。)
家庭で使う基本の中華風スープの取り方が載っているのも良い。
(これは作ってみたが、癖が少なく中々良いと思った。)
使う食材に特殊なものが少ない、また、調味料が私の持っているものと殆ど重なっていたから、買った。
だいたい、大きなデパートに行けば揃っているような調味料だ。
中華の名店に行かなくては食べられないものは作れなくても良いから、家庭で作って食べて美味しい中華を作れるようになりたい。

陳建一「父からもらったごちそう帖」
幻冬舎 \1,456
陳建一さんの家庭向け料理の本を見て、なんとなく陳建一さんが真面目で良さそうな人に思えて、この本を敬老の日に買って読んだ。
要は、陳建一さんとお父さんの交流・お父さんの生涯・料理の話しである。
期待しないで読み始めたのだが、中々面白くて、直ぐに読んでしまった。
一言でいうと、お父さんの陳建民さんの生涯が小説にしたらさぞ面白いだろうなと思う程波瀾万丈なものだから、それだけでも面白い。
陳建民さんは、10才から働き始めて、四川省・香港・台湾と渡って、最後日本で花開く人なのだ。(どこの国でも腕を認められていたようだ)
陳建民さんの生涯を記した本が出てもおかしくないが、故人となってしまった今、日本人が中国人の気持ちになって小説や読み物に構築するのは無理が大きいかも知れない。(もしかして、既に出版されているのかも知れない。)

最後に、陳建一さんがお父さんに習った教えをまとめてあるのだが、それがとても良い。
主旨は、「料理人である前に、真面目で善良な人間であれ、料理の技術は練習すれば上手になるけれど、良い人間になるには、いつも、そう心かげなくてはなれないし、また、難しい」ということ。
「幸せな人間でないと、美味しい料理は作れないから、幸せになるように」と言う言葉も素敵だ。
他にも胸に響くような言葉が沢山載っている。
こんなお父さんがいたら幸せだなと思わせる本である。
陳建一さんが、まじめで良い人に見えたのは、このお父さんの教えがあったからこそなのだと納得した。
でも、この本を読む限り、陳建民さんは、陳建一さん個人のお父さんというより、「料理好き皆のお父さん」という感じがした。

キャサリン サンソム 「東京で暮らす 1928-1936」
岩波文庫 \560
第二次世界大戦勃発前に、東京で数年にわたり、生活していたイギリス人の外交官夫人の東京での作者の暮らし振りや日本人・日本の習慣を本国イギリス人に解説する本である。

話しに登場する日本人は、その家の使用人を初め、全て庶民である。
淡々と書かれていて、盛り上がりには欠けて、退屈なところもあるが、「イギリス人から見ると、日本庶民の生活や性格はこのように見えるのか?」とか、「イギリス人から見た日本人特有の美意識」について語っているところが面白い。
日本人は、「黙って自然と向かい合うだけで、自然を楽しめる、そして、どんな小さな自然、例えば、枯れた花、溶ける雪にも美を感じることができる感受性を持つ民族だ」(原文通りではありません)とあり、「言われてみれば、そうかも知れない、他の民族はそれができないのか?」と思ってしまった。
そういう細かい発見のある本である。

勿論、耳の痛いことも書いてある。
しかし、基本的に、日本人全般や、自分の使用人の考え方・風習・家族に対する接し方などに対して、冷静ながらも、思いやりを持って理解しようと、観察している様子が感じられるし、この作者自身が、生活を楽しむことが好きな人だと感じられるところが気持ちが良い。
その頃の日本で手に入った西洋料理の材料のことや、日本の食べ物を試したときの話しも少しであるが、書かれている。
戦前の東京で暮らしていたイギリス人でも、「もし、5,60年前に来日していたら、珍しくて魅力的な暮らし振りや錦絵さながらの生活を目のあたりにできただろう」と思うとのことであり、江戸時代の江戸や明治時代の東京に、私も行ってみたいと思った。
イギリスで出版されている本の翻訳なので、外国人のお友達で、日本について興味のある人がいたら、この本の英語版を紹介すると良いと思う。
(でも、あくまでも、戦前の日本の話しと断らないと誤解されると思います。)

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1998年9月19日(土)

森流鯛茶漬け


余談であるが、調布あたりで、色は、葉と同じ濃い緑色で、固い、みかんらしき実がぶら下がり始めたのが目に入るようになった、冬も近いかも知れない。
今年は、柿の実とかみかん、ある程度大きくなっったときに、その存在に気付いたが、来年は、赤ちゃんの時はどんな感じかを、是非見てみたいと思う。

で、ここから、本題です。

10年程前までは、近所・親戚や商売の仲間にお祝い事(建前・結婚式など)があると、父が招待され、折詰をおみやげにもらってくることが多かった。
折詰の中味は、鯛のお頭付きと、煮しめと、羊羹といったところだった。
それに別折りでお赤飯が付く。
この折詰をもらってくると、翌日の夕飯には、これらがお皿に移され、食卓に並んだ。(鯛は焼き直して温められて登場する)
弟の記憶では、これらのものが食卓に並ぶと、嬉しそうに食べるのは、父だけで、他の者は、「しょうがないな」という感じだったそうだ。
私が勤めて、まもなくだっただろうか、皆が夕食を食べ終わった頃、お腹を空かして帰ると、ちょうどその日のおかずは、折詰料理で、食卓には、鯛のお頭付きが相当残っていた。
私はそれを見て、突然閃き、「そうだ、鯛茶漬けという手がある」と、お湯を沸かして、自分なりに鯛茶漬けにして食べ出したのである。
弟がこのときの様子を本当に良く記憶している。
私は、やおら、お湯を沸かして、沢山残っていた鯛の身をほぐしてご飯に並べ、お湯をかけ、「美味しい、美味しい、お、わさびを入れると益々美味しい、海苔も合う」などと言いながら一人で食べ始めたらしい。
あっけに取られながら、弟は眺めていたそうだ。
きっと真似したいと思ったのだろうが、あらかたの鯛は私が取ってしまったらしい。
(「味見させて」と声をかけてくれれば、少しは分けてあげたのだが、何も言わなかったし、欲しいような様子もなかったので、あげた記憶もない。)

それが美味しかったので、その時以来、鯛のお頭付きは、「しょうがない」と思う対象ではなく、「あら、良いものをもらって」という物に格上げになった。

そのときの私は、「鯛茶漬け」という名前は知っていたが、どういうものかは、見たことも食べたことも、知識もなかった。
私の考えたのは、炊き立てのご飯に焼いた鯛を好みの量ほぐして乗せ、生ワサビのすったのと、もみ海苔・切りみつばを乗せ、お湯をかけたものだ。
ここまで作って一口味を見て、塩を入れる。
鯛のお吸い物が美味しいのだから、このお茶漬けが美味しくないはずはない。
その後、改良して、昆布でとった出しをかけるようになった。

鯛茶漬けは本物は、、生の鯛を薄く切って、すり胡麻を入れたお醤油に付けておいて、それをご飯に乗せ、熱い出汁をかけるものらしい。
神戸の三宮に専門店があったが、入り損ねてしまった。
一度、箱根の魚料理の店で、食べたことがある。
箱根で食べた感想は、「お醤油味がきつくて、そんなに美味しいものではない、私の鯛茶漬けの方が、薄味で、鯛の味が良く味わえて美味しい」というものであった。
ま、一回だけの経験で、自分の料理の方が美味しいというのも言い過ぎかも知れないが、やはり、鯛のお吸い物だって薄味なのだから、薄味の方が持ち味を味わえると思う。
この店のが美味しくないだけの話しかも知れないので、「鯛茶漬け」が美味しいという店があったら、是非、行って味わってみたい、。

お料理と言う程でもないが、一応、レシピを。

高級な鮭茶漬けの鮭を鯛に変えただけではないかと思われるかも知れないが、このお茶漬けの価値は、夕食がこれだけでもの足りるという点である。(我が家だけかも知れないが)
我が家では、夕飯のとき、この料理のときは、後はお新香程度で十分だ。

★材料
真鯛1匹の塩焼き
(焼き立てでなくても良いが、温かい方が良い。
勿論一人一匹ではなく、皆で1匹である。
どういうわけか、真鯛の切り身の焼いたものだと、味が落ちるような気がする。
一人暮らしのときは切り身でないと無理だろうが、できたら、一匹単位で焼いたもののほうが美味しい。
何人でどのくらいの大きさの鯛であるかとかは、考えたことがないので、よくわからない。3人だったら、小さ目で、5人だったら、中くらいとか、そんな感じだ)

生ワサビ(粉ワサビや練りわさびでも代用できるが、やはり、生ワサビにはかなわない)

切りみつば(糸みつばで代用できる。切りみつばは高いから、糸みつばで我慢することが多い)

もみ海苔

好みで、白胡麻なぞを入れても良いかも。柚子も少し浮かべたら美味しいかもね

昆布出汁(15分間、クッキングガスマットをつかって、出汁をひく、だいたい1000ccで昆布8cm角が標準かな? この前3人で1000ccは多かった。)
炊き立てご飯(炊き立てが一番美味しいと思うが、温かいご飯ならなんでもいいかも知れない。)

炊き立てのご飯に、好みの量の鯛をほぐして並べ、生ワサビを割とたっぷりめ乗せ、もみ海苔・みつばも乗せて、熱い出汁をかける。
その後、塩を振って味を整える。(好みで醤油をちょっと入れても良い)

出汁を取るのが面倒なときは、お湯で代用するが、お湯のときは、塩味よりも、醤油味の方が美味しい。
先日、久々、昆布出汁で食べたが、「やはり、お湯より、昆布出汁の方が美味しい」との評判であった。
甥2が面白くて、このお茶漬けを見るなり、「これは絶対美味しい、僕、見ただけでわかる」と言った。
変な奴、幼稚園年長児にしては、「大人みたいなセリフ」と思ったが、きっと環境が言わせる言葉であろう。
少し味見をさせたが、やはり、「美味しい、お代わり!」であった。

ご飯に、出汁なり、お湯の熱々をかけて、食べ出すのだが、味はちょっと冷めてからの方が出汁の中に鯛の味が引き出されて美味しい。
(ということは、そんなに熱々をかけない方がいいのかも知れないが、たまにしか作らないので、つい、いつも熱々をかけてしまう)
初めから、出汁に塩味をつけても良いのかも知れないが、試したことがない。
予め、お吸い物の塩の適切な濃度と言われている0.7%で味付けてしても良いと思う。
(塩の入った熱湯なり、出汁なりをかけると、鯛が固くなるかとも思ったが、もう、既に鯛に火が通っているので、大丈夫ではないかとは思うが、何せやったことがないのだ。
何故やらないかというと、塩分まで考えないで、出汁をとった段階で食卓に上らせた方が料理をする方が楽であるし、塩加減は、めいめい好みがあるから、それはそれで誰からも、塩味をつけて出してくれと言われたこともないからだ。
でも、どちらが正しい方法でしょうか?)

安い真鯛を見つけたときか、お祝いの折りをもらったとき(ないかな?)に、試すと美味しいと思います。

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1998年9月20日(日)

かぼちゃココナッツプリン


秋になってから調布の農家から、小さなかぼちゃ1個を買った。
かぼちゃは、初夏の7月のものが実がしまっていて、美味しい。
これを「もとなり」と良い、反対語に「うらなり」というのがあって、これが8月末から9月のものだとのこと。
買うときに、「これはうらなりか?」と聞いたが、「うらなりではないが、相当水っぽくて、お菓子やパンに混ぜ込むのに良い」とのことだった。

それで、適当な大きさに切って蒸して、ペーストにしてしまった。
初め20分蒸したが、場所によっては、竹串がスーっと刺さらないところがあり、そういうところは「竹串がスーっと」状態になるまで、蒸しつづけた。
かぼちゃは蒸した後、まな板の上に取り、熱いので、包丁の先で皮をこそげ取り、その後、ボウルに入れて、荒く、泡立て器でつぶす。
その後、ビニール袋に入れる頃には、少しは、冷めているので、ビニール袋の上から揉んでもきれいなペーストにする。
2,3日中に使うなら冷蔵庫、それ以上先に使うなら、冷凍庫で保管する。
21cmの直径のプリンで、小玉1/2で十分だった。(だいたい、これで250g程度のペーストが作れる。)
18cmなら、その2/3だから、小さい玉、1/3程度だと思う。

プリンは凝れば凝れるのだろうが、基本的には、簡単だから、好きなのであって、今後とも凝るつもりはない。

料理の本を見ると、このような果物・野菜が練り込まれるプリンは、割と固めのものが多い。
これは、多分中に入れたかぼちゃなり、何なりを分離させないための工夫だろうと思う。
が、私としては、プリンは柔らか目が好きなので、普通のカスタードプリンの柔らかさにかぼちゃの裏ごしを混ぜて作る。
(それでも、当然、普通のプリンよりは固めになる。)
そうすると、何が問題かというと、蒸しているうちに混ぜ込んだものが下に沈んでしまうことだ。
1回目の栗プリンのときには、見事沈んで、栗が入った部分とカスタードの部分の二重層となったが、皆美味しいと言ってくれた。 2回目のかぼちゃココナッツプリンのときは、初めて分離させないで、全て一様にかぼちゃとプリン種が混ざったプリンができた。
(栗プリンについては、一回でも成功したら、書きますね。)

コツは、牛乳・卵・かぼちゃの裏ごしを混ぜてから、再度、火にかけて相当熱くすること、(沸騰寸前くらいまで)
天火も予め点火しておいたし、天板に張るお湯も沸騰したものを使うことかと思う。


何で、プリン作りが簡単に思えるかというと、昔は、カスタードプリンを作る時には、必ずアルミの型の中にバターを薄く塗って面倒だったが、今は、テフロン加工のケーキ型で、ケーキを焼くのには使わなくなった、底の取れないものを使っているので、何もしない。これが楽で良い。

まだ、これが最終とは言えないが、下記分量を覚えると楽かなと考えている。
プリンを極めてもいいが、「作のが簡単で、適当に美味しい」方が、回数多く作る気がすると思う。

−−−カスタードプリンの基本レシピ---


★キャラメルソース分量

          直径21cm型    直径18cm型
グラニュー糖      50g          30g
水        大さじ1はい   大さじ2/3はい
             15cc         10cc
プリン
          直径21cm型    直径18cm型    卵1個あたり分量
卵            6個         4個         1個
牛乳        750cc       500cc       125cc
砂糖         150g        100g         25g

★かぼちゃココナッツプリン分量

上記牛乳の分量を牛乳+ココナッツミルク半々程度に替える。
(全部牛乳で作ったらどうなるかは、やったことがないから、わからないけれど、軽くなるだけで、食べられるのではないかと思う。)

かぼちゃの   直径21cm型    直径18cm型     卵1個あたり分量
ペースト      250g程度     170g程度        40g程度

あれば、バニラエッセンスか、本物のバニラ棒
シナモンを入れても合うと思う。

かぼちゃココナッツプリンの21cmの場合、牛乳750ccをちココナッツミルク缶400cc+牛乳300〜350ccにすると、ココナッツミルクが余らなくて良い。
ココナッツミルクと牛乳の割合は適当でも美味しいと思う。

キャラメルソースは、あってもなくてもいいような気がする。
子供の中は「ないほうが美味しい」と言う子もいる、大人より苦さに敏感なようだ。
(が、「苦手!」と言いながらも食べるようだったら、外さない方が良いと思う、味に慣れさせなければ、余計、苦手になってしまいそうだ。)

★キャラメルソース作り方
1. 小さなフライパンに分量の砂糖と水を入れ、火をつける。

2. 量が少ないから、火は、弱火で十分だと思う。

3. 砂糖が溶けて、全て砂糖水に変った後、小さな泡がぶくぶく立ってくる。

4. この状態を続けながら、時々、フライパンの柄を持ってぐるっと回し、液体を動
  かす。

5. 少し経つと、色が付いてくる、そのうち、火の強い部分から茶色になってくる。

6. 薄めが好きな人は、だいたい薄い茶色になったら、少し理想より薄い色の段階
  で、火から外した方が良い。
  この後、少しフライパンの柄を動かして、ぐるぐるさせると、余熱でもう少し濃い色
  になる。、

  (深い茶色が好きな場合、火からおろした後も茶色くなるので、その分を計算し
  て早め、早めに火から外した方が良い)

7. 用意した型に入れると、ジュッと音がしてはねるかも知れない。(ちょっと恐い)

8. 全部入れたら、固まる前に、なるべく、底全体に行き渡らせる。

9. 8が終わるまでに、全部固まってしまうが、蒸しているうちにまた、液体に戻るの
  で、気にしない。

★かぼちゃココナッツプリン作り方

 1. 天板に張るお湯を沸かしておく

 2. 天火は、180度に温めておく

 3. 卵はボウルに入れて、ほぐしておく

 4. 牛乳(場合によってはココナッツミルク)と砂糖をお鍋に入れて、砂糖を溶かす
   ように火にかける。

   (バニラエッセンスなどを入れるならこのタイミング)

 5. 熱いまま、卵と混ぜて、濾して、鍋に戻し、かぼちゃや栗の裏ごしを入れて、火
   をつけ、弱火で温め、プリン液と裏ごし果物をなじませる。

   (沸騰させる必要はないけれど、蒸す間に沈ませないことを考えたら、この時点
   で相当高い温度にしておくのは得策だ。)

 5. 4を型に入れて、天飯の上に熾き、天飯に熱いお湯を張る。

 6. 20分のタイマーに合わせておき、20分後に竹串を指してみる。

 7. 液体が付いてくるようだったら、後5分蒸すを繰り返す。

 8. できあがったら、天板から出して、水を張ったボウルに浮かばせて、熱を取
   る。

   (天板から取り出す時、熱いお湯がこぼれることに要注意)

 9. 粗熱を取る段階で、表面にラップを張って、乾燥を防ぐ。

10. 熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

11. 冷えたら、竹串で回りを指し、型とプリンを分離させる。

12. 型を盛り付けるお皿で覆い、エイっとひっくりかえす。

13. 落ちてこないようだったら、ゆっくり、左右や上下に揺すると良い。

    (ゼリーと違って、底にはキャラメルソースの液体があるはずなので、側面さ
   え、きれいに分離してあれば、型から外すときに、崩れることは少ない。)

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1998年9月21日(月)

肥満


我が甥2は、幼稚園年長で、体重が、とうとう40kgを超してしまった。
なんで、こんなに太ったか、彼が生まれてからずっと見ている私としては、遺伝子のせいとしか言いようがないと思う。
生まれた時も大きい方だったし、赤ちゃんの時からミルクをごくごく飲んでいたし、赤ちゃんのときの好物は、炭水化物系だと、弟夫婦が良く言っていた。
言葉を覚えた頃、「好きな食べ物は?」ときくと、「ラーメンとカレー」と答えた。
同じ環境に育ったお兄ちゃんは痩せているから、環境のせいではない。
生まれながらに、炭水化物を見れば食べるように、ラーメンとカレーは美味しいと思えと命令する遺伝子が彼の中に、住み着いているように思う。
太る遺伝子を持って生まれてきてしまったのだ。

彼は、自分の体型を気にしていないし、大食いであることを自慢に思っている。
でも、人に「でぶ」と言われることは、嫌やなそうだ。
食べ過ぎることと、肥満の因果関係がわかったときに、彼は、減量できると思う、それまでは、無理だから、言われても気にしないでね。
甥2に、「『でぶ』って言われるの嫌やなの?」と聞くと、「うん」と素直に答える。
9月の始業式の日に、「今日は、『でぶ』と言われた?」と聞いたら、「今日はなかった。」と嬉しそうであった。

通勤の途中の乗り換え駅で、私の家の甥2を大きくしたような小学校の高学年の男の子2人組といつも一緒になる。
夏休みが終わって久々に見かけたら、二人とも、背も伸びたが、本当に今まで以上に、まるまる太って、学校に行かなかったせいか、とても表情が優しくなっていた。
しゃべったこともない二人組であるが、「ぼうやたち、ちょっと見ない間に大きくなったわね」と声をかけたかった。
(定期的に会うことのできる子供というのは、その成長がわかるだけに可愛いものである、この二人はなんとなく親戚の子のように思える。)
丸々太っていて、表情の柔らかい子供って、何か平和の象徴のようで可愛いと思うおばちゃんは、身びいきでしょうか?(ただ、見慣れているだけかも知れません)

この2人組は、夏休み前は、表情が険しくて、いつも駅の階段をにらみ合いしながら、前後の状態で、降りたり、登ったりしている。(すなわち、一人は後ろ向きに歩く。)
夏休み直前には、駅のホームで馬乗りになってけんかしていた。
そのときは、さすが、ちゃんと、サラリーマンのおじさんが二人、「やめなさい!」と仲裁に入ったが、全然そんな大人の注意を無視して馬乗りのままけんかしている嫌やな子供たちだったのだ。

あの二人の、夏休み前の険しい表情を思い出すと、あの頃は、学校や生活に疲れてイライラしていたのかなとも思えるが、本当の原因は何なのでしょうね。
大人並みに、ストレスかな?
学校が始まって早20日、この2人組の表情が心なしか険しくなってきて、また睨み合いしながらの階段の上り下りが始まった。
最近の小学生も色々苦労があるのかな?

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1998年9月22日(火)

調布でぶどう狩り


ある日曜日、母親を連れて、調布に行った。
甥たちは、9月の新学期が始まって、自分たちが夏休みにぐーたらし過ぎたことと、運動会の練習が始まったことなど、学校関連で割と疲れているらしく、「自動車で行くなら、行く、電車で行くなら、行かない」と、贅沢なことを行ったので、当然、連れて行かなかった。
が、結果的に、連れていかなくて正解であった。

着いてみると、残念なことに、ぶどう狩りは、9月の初めまでで、もう、やっていないそうで、できなかった。
言われてみれば、女の子がぶどうを採っている看板が外されている、あの看板が、ぶどう狩りができる、できないの合図だとは気付かなかった。

仕方がないので、一駅電車に乗って、私の勤め先のある品川通りに出て、沿道を散歩した。
勤務先の近所に、立ち入り禁止なのだが、相当広い一角、樹木がうっそうとしていてとてもきれいなところがある。

手入れした美しさでなく、本当にさまざまな種類の草木が、思い思いに暮らしている自然の美しさなのだ。
日向にある草木は、太陽に向かって伸び伸び大きくなっているし、葉もいかにも太陽を浴びましたという緑色である、太陽の光線が余り届かない場所の草木は、暗い緑色の葉っぱで呼吸しながら、そんなに大きくならずに、静かに生きている、勿論、枯れている草木もある。
それぞれが、草木の種類や、元気の度合いによって、さまざまな緑色を作っている。
そのさまざまな緑の葉が、雑然と、重なり合ったり、広がっているところが素敵なのだ。
これがもしかして、武蔵野の面影かしらと思うが、どうなのでしょう。

秋になると雑木林の中での紅葉がきれいで、そこだけが、東京ではなく、京都のお寺のお庭や避暑地の秋を思い起こさせるような風情になる。
京都のお寺のお庭との違いは、苔があるかないかだ。

ここの木の成長の良いものは、本当に大きくて高いのだ、樹齢は100年以上ではないかと母が言う。
一番大きい木は、何メートルの高さがあるのだろう、20m以上はあるのではないかと思う。
雑木林に面した道路から、顔を上げて、空を見上げると、ずっと遠くに、枝いっぱいに広がる葉の隙間から、青空が見える。

雑木林見物が終わって、バス通りに出て調布駅の方に向かうと、道に沿って、畑が多くあるし、梨の販売所がところどころにあるのだ。
信号を待ちながら、ふと横に目をやると、里芋の葉っぱの大きいのが、道にはみ出ていたりする。
里芋は、あんな小さなお芋を成長させるために、どうしてあんなに大きな葉が必要かと思うほど、葉が不必要に大きい。
母が思い出したように言う、「山梨ではかんぴょうが取れないので、昔は、里芋の茎でかんぴょうの代わりのものを作っていた。」とのこと。
祖母のお寿司には、それが使われていたとのことで、きっと、私は食べたことがあるのだろう。

バス停一つ歩くと、梨の販売所があったので、まず、梨を買った。
青い柚子は3個100円だ、
2個だったらおまけにただであげるということ、理屈はよくわからないが、もらった方が得だから、2個もらった。(青柚子って、酢橘と似ている)
青い柚子って、素麺の薬味にいいとの憶えがある。
確か、京都には、青柚子が薬味につく有名な蕎麦屋があると、本で読んだ憶えがある。
何かの薬味に使ってみたい、今まで使ったことがないのだ。

また、暫く歩くと、もう1軒梨の販売所があった。
こちらはぶどうも置いてあったので、ぶどうを買った。
稲城市名産「高尾」という種類だとのこと。
値段を聞いたら、割と高い。
でも、まあいいやと母が2房買うことに決めたら、もう1房、おまけにつけてくれた。(初めから、おまけ込みの値段ではないかと思った。)
家に帰って食べると、甘くて美味しい、ただ、皮と実が密着していて、食べにくいタイプだった。
ぶどう評論家の甥2が「美味しい」と喜んでいた。
梨もそうだが、両方とも新鮮で瑞々しく、美味しかった。

この後、疲れたので、パスに乗ったが、調布駅までの道のり、窓から見ると、ところどころ、本当に広い畑が広がっているところもあるのだ。
自動車で来て、もっと奥まで入って行ったら、楽しいだろうと思うが、我が家には、現在自動車がないし、第一私が免許を持っていないのだ。

調布駅に着くと、そこは落ち着いた繁華街だ。
調布では、スリジェというケーキ屋が有名なので、そこまで行きたかったが、母はこれ以上歩きたくないとのことだったので、パルコの喫茶店で休んで、また、京王線に乗って帰った。

母が言うには、「調布は、木が多くて、しかも立派。畑も沢山あって、空気がおいしくて良いところ。空気に草の匂いがして、台東区の空気とは大違い」とのことで、気に入ったようだった。
朝の8時に我が家を出発、11時半には、家に戻ったので、本当に、小さな旅だった。
東京23区内というのは、割と公園が多く、ちょっとした自然はいくらでもあるのだが、我が家の好みは、やはり、畑とか農作物付きの自然であり、好みの森・林と言ったら雑木林なのだ。
それが、23区の一番端の世田谷区の隣にあるのだ。(世田谷もまだ農家が沢山残っているはずだ、農協があるのだから。)

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1998年9月23日(水)

中華スープ


私は基本的に、出し汁とかスープが大好きである。
風邪で調子が悪いとき、「美味しいスープだったら飲めるのに、誰か作ってくれないかな」と思うのだが、誰も作ってくれないので、ちょっと、元気が出ると、コトコト自分で作ることになる。
(風邪引いたときは、鶏ガラでスープをとって、ミネストローネにすることが多い。)
だからと言って、スープの取り方はそんなにうまくない。
特に中華スープなんてどうやってとっていいか今までよくわからなかった。

先日買ったグラフ社の陳建一の「毎日のおかず」で中華の基本スープを作り、この本に載っていた海老のワンタンを作った。
ワンタンはまあまあだったが、スープがとても美味しかった。
いわゆる見た目、味の感じともに、いわゆるラーメン屋のチャーハンについてくるようなものなのだが、なんの化学調味料も入っていない、すっきりした味わいで、ふくよかで、とても気に入ってしまった。
チャーハンについてくるスープのようなものがどうしてこんなに美味しいの?という感じであった。
もしかして、あれは何かの間違いで美味しかったのではと、今日は、ワンタンを入れずに長葱を輪切りを浮かべただけのスープにしてみたが、やはり、美味しかった。
こういうお醤油ベースの単純な料理で美味しいと言うことは、他の色々な中華スープに使っても味も引き立ててくれそうで、うれしい。

では、レシピはということになるのだけれど、やはり、インターネットで流すのは、悪いような気がするので、ヒントだけ。
以前、ワンタンを作るときに、焼き豚についてくるたれをお湯で伸ばしたか、鶏がらスープの素も入れて作ったが、その作り方でそんなに美味しくなかった。
何が足りなかったのかというと、紹興酒だったのだ、それとちょっとのゴマ油だ。
焼き豚のたれということは、焼き豚を煮たたれだから、豚肉の味がする、そして、そこに鶏のスープというところまでは正解だったようだ。
本物の作り方は、本屋さんで見てね、そして、気に入ったら、買ってね。

話しは、陳さんの本当のレシピで作ったスープに戻ります。

先週に、陳さんの基本のスープを作って500ccずつわけて凍らせておいた。
その500ccのスープに水を300cc足して火にかけて、味を見たら、この程度伸ばしてもまだ、十分に味が良いことがわかった。
でも、気休めに鶏がらスープの素をほんのちょっと加えて、醤油大さじ2杯、塩小さじ1/2はい、ごま油、胡椒少々を入れてできあがりだ。

弟も、「美味しい」とのこと。
これをどうやってラーメンスープにまで進化させるか、二人で考えてみた。
弟曰く、「もっとスープの濃度を濃くした方がいい」(鋭い、私が水で薄めたの、わかっているようだと、驚いた。)
私としては、魚柄仁之助の本に、「昆布に蛋白質のサポートをさせるとすごい」とあったので、昆布も入れてみたらと思っている。
これが成功したら、ラーメンスープも手作りができるかも知れない。
最後の一滴まで飲めるラーメンスープに近々挑戦することになりそうだ。

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1998年9月24日(木)

最高の栗のお菓子


余談ですが、今年の合羽橋祭の日程が発表されました。
10月5日〜11日だそうです。
まだ、ポスターだけで、詳細が載っているパンフレットはできていないそうです。
パンフレットが入手できたら、詳細をこのエッセイに載せる予定です。
今年は、10月10、11日にワゴンセール、10月10日に、5000食の無料配布、とのことですから、ピークは10月10日のようです。

では、本題に入ります。

今日の題名は、「私が、栗のお菓子で最高に美味しかったと思うもの」を省略したものです。

栗のお菓子は美味しい。
マロングラッセ・モンブラン・栗餅・栗かのこ・栗しぐれ・栗羊羹・栗饅頭・栗かのこ等、色々ある。
栗餅は、私の知っている限り東京では売っていない、京都なら、普通の街のお菓子屋さんで売っていて、美味しいのに、何故東京では売っていないのかと思う。
先日、レシピを手に入れた、そんなに難しいお菓子ではないから、東京の和菓子屋さんはこれをつくればいいのにと思う。
(栗餅のレシピは、中央公論社 暮らしの設計シリーズ「京都・末富 山口富蔵の京菓子読本」に載っている。これもそのうち作ろうと考えている)
値段の設定は、練り切りより安く、大福より安いところだったら売れるのではないか。
苺大福まで飛ばなくても、栗餅を真似ればいいのにと思っている。

去年、初心者用のケーキの本を買ったら、「マロンシャンテリー」が載っていて、「秋にしか味わえない旬の味」とあった。
普段、食べる栗のお菓子は、栗の甘露煮か、缶詰のマロンペーストを使ったものが殆どで、生の栗から作るお菓子は、そんなに食べた覚えがないから、作ってみたくなった。

去年は、栗を茹でて、裏ごしをして砂糖・牛乳などを混ぜたマロンクリームまでは作ったのだが、土台のスポンジケーキを作るのが面倒だったので、結局作らなかった。
冷凍させたマロンクリームは、プリンに入れて半年後に食べた。

この前、築地で買ってきた栗は、蒸して、スプーンで掻き出して、裏ごしした後、1割程度の砂糖を混ぜて凍らせておいた。
出来上がり1.2kg程度あり、スプーンで掻き出す作業は、小一時間ほどかかった。
余程、栗の好きな人でないとやらないかな、とか、そうではなくて、二袋もいっぺんに蒸した作戦が悪いとか、考えながら、掻き出した。

先週、別立てで天板いっぱいに薄いスポンジを焼き、冷まし、その上に生クリームを薄く伸ばした。
解凍した栗の裏ごしに牛乳・卵黄等を加え、練り直し、冷めてから、生クリームを加えてできたマロンクリームをマッシャーで、モンブランのように、蕎麦状に広げて出来上がりだ。(栗を練るとき、またまた、クッキングガスマットが役に立った。)

食べてみる、中々美味しい。
ちょっと甘くて、もうちょっと、甘さ控えめにした方が栗の風味が活かされたかもと思った。
家族にも評判が良く、とてもとてもすご〜〜く美味しかったとの声があった。
しかし、作り手としては、手間の割には、「この程度?」かなと思った。
私もこのケーキを誰かが作ってくれてただ食べるだけだったら、絶賛したと思う。
「どうしてこのケーキのクリームは薄茶なの?」という質問には、「栗もくちなしを入れて煮れば黄色くなるけれど、入れないと茶色なのだ」と教えてあげた。

それに、やはり、栗のケーキだったら、カスタードクリームも入っていた方が美味しいと思う。
(そのレシピの名前は「マロンシャンテリー」だからそれはそれで正解だが、「やはり、栗のケーキなら、カスタードクリムが少し入ったモンブランの方が美味しい」と食べていて思ったのだ。)

そのレシピは使う栗の量が殻つきで500g割と量が多い。
(と、ここまで書いて、私はこれを正味500gと間違えて作ったかもしれないという気がしてきた。)
スポンジは共立てにして、二段にし、間にカスタードを挟んで、マロンクリームの量を半分にした方が美味しいし、経済的ではないかと思った。
もう一度、作るか、考えたが、やはり、面倒が先に立つケーキである。

だいたい、栗を蒸して裏ごし、牛乳等を加えて練り上げる、で二工程。
ケーキを焼いて飾り付けをする、これで三工程、いくら、土日には時間があるという私でも、ちょっと、手間かなと思う。
一工程ずつだって、相当の時間が必要だ。
後、1回分栗が残っている、もう一度、自分が考えたモンブランを作ろうか、和菓子に転ぼうか迷っている。

ところで、「最高の栗のお菓子」なのだが、私の自己最高は、ずっと昔に食べた京都の生風庵の栗のお菓子だ。
生風庵は、よく京都の老舗ということで、本で紹介されている。
本には、「茶の湯の主菓子を主に作っている小さな菓子司」とあるが、本当に小さいお店である。
少量のお菓子を手作りで丁寧に作っているお店なのだ。
このお店は、京都の都心から外れているし、予約しないと買えない。(それも確か前日までのほうが良かったと記憶している。)
売れるかどうかわからないお菓子は作らないようである。
しかも店では食べられないし、買ったその日に食べないと固くなるという、旅行者には最悪の条件の店だ。
(というか、旅行者向けなぞ、考えたことないのではないか。本当に地元の人の茶の湯向けお菓子司である、言い方を変えれば、「だから、価値がある」とも言える。)

偶然、秋に京都に行ったときがあり、電話で、「今の季節にしか作っていないお菓子」と予約したら、この栗を裏ごしして固めたお菓子が手に入った。
なんていうのか、その裏ごしの滑らかさ、甘さの上品さ、栗の風味の活かし方、全てが完璧だった。
京都の人はこのお菓子を食べようと思えば買いに行けるところに住んでいて本当に羨ましいと思う。
また、遠くの人は、これを買って、ホテルなり旅館なり、公園で食べるしか手がない。

生風庵
京都市北区烏丸下総町旭通り東入ル
電話 075−441−5694
休み 年中無休
交通:地下鉄烏丸線鞍馬口下車で5分くらいだと思った。

他に、1月、2月に作られる「雪餅」(だと思った)もとても美味しい。
昔、この雪餅の写真を雑誌で見て、是非食べてみたいと思っていったのが、きっかけだった。
真っ白いきんとんが芯の餡の回りをふわふわに覆っているお菓子である。
ここの雪餅や栗のお菓子は、買った当日に食べるのが美味しい、1日経つと固くなる。
(先日、向島の長命寺の桜餅を買うときに、日持ちさせるには、冷蔵より冷凍保存と習ったが、これが応用できるかも知れないが、関西の人しか使えない手である。)
私が「京都のお菓子は美味しい」というときに、真っ先に頭に浮かぶのがこのお店のお菓子である。

今回、自分で栗を茹でてお菓子を作ったのは、生風庵の栗のお菓子のような繊細なものができないかなという気持ちがあったからだ。
でも、結論としては、慣れないシロウトが栗を裏ごししてもたかが知れている。
荒い裏ごししかできないのだなと思った。(おまけに冷凍もさせてしまうのだから、初めから、繊細さを期待するところに無理が大きいが、つい、生の栗からつくるお菓子ということで期待してしまったのだ。)
ただ、私は、現在の環境・私の性格だったら、年に一回くらい、二袋の栗を蒸して、二つに割ってスプーンで掻き出すことは厭わないと思うので、来年もきっとここまではやるだろうと思う。
来年はもっと、大変さと美味しさのバランスが取れたものを作ってみたいと思う。

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1998年9月25日(火)

秋色のスパゲティ


余談ですが、祝日明けの昨日の朝、会社に向かう電車の向かい側の座席を見ると、見事に若い子たちが、口を開けたまま、または、口は閉じているけれど、思いのまま、皆、グーグー寝ている、祝日に良く眠った私は目がぱっちり開いていた。
そうか、若い子は祝日に起きて動いて、次の日、会社に行く電車の中で眠る、やっぱり、祝日に良く寝て、次の朝の電車で元気というのは、本当に若くなくなった証拠だと思った。(ショボン)

DMで、下記レシピをいただきました。
とても美味しそうだし、皆さんのお役に立つと思うので、許可をもらって、UPします。

秋のサンマは安くて美味しい、だけれど、塩焼きばかりでは飽きてしまいますよね。
そんなとき、サンマを使ったこのスパゲティはいかがでしょうか?
ほうれん草は、サラダ用のを生で使っても、普通のほうれん草をゆがいたものでも、どちらでも良いそうです。
まつたけのおひたしで、おひたしだけが余った次の日のお昼にも良いなんて、考えてしまいました。

サンマ、まつたけのおひたし、秋ナス、こんな連想が浮かんで、名づけて「秋色のスパゲティ」です。(トマトは、夏の名残が残っている様子を表わす、なんていうのは、こじつけでしょうか?)

こんがり焼けたナスと、熱々のサンマで、熱々の茹でたてのスパゲティを食べたら、美味しだろうなと思うけれど、残念なことに、私の家は、私以外、青魚系統を嫌うのですよ。(サンマの塩焼きは食べるのですが、あれは例外です)

しょうがないから、このトマトソースにほうれん草となすまで真似をして、後は、ヤリイカと小海老を使って作ってみようと思います。

揚げたサンマとトマト・玉ねぎのオーブン焼きの熱々も美味しそうです、こういうレシピを見ると、青魚好きな人と暮らしたくなります。

★秋色のスパゲティ

先日作ったパスタが簡単で美味しかったので...

シンプルなトマトソースに

1.オリーブ油で炒めたなす

2.適当な長さに切ったほうれん草を加えます。

パスタはリングイネを使ったのですが

ゆであがったパスタをソースであえ

最後ににサンマを乗せるだけです。

サンマは三枚におろして、長さを三等分位にして

塩・胡椒で下味、小麦粉をまぶして揚げておきました。

鰯ではやったことがあったのですが

サンマもなかなか美味しかったです。


揚げたサンマとトマトのスライス、タマネギを重ねて

オーブンで焼いても美味しそうですよね。

(バジルやモッツァレラがあるともっとおいしそう)

上にかりかりにしたパン粉(ハーブやパルメジャーノも入れて)を振りかけたり して...

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1998年9月26日(土)

フレッシュバジルを乾燥させる


この前、合羽橋オフでご一緒した方に、丁寧な乾燥バジルの作り方を習いました。
このくらい、丁寧にやれば、きっと、香りも残って、良い乾燥バジルが作れるだろうなと思います。
私は、この話しを聞く前に、我流で、ざるに入れたまま、部屋に放置して、1日に1回、上下をひっくり返すだけで、バジルで4,5日、紫蘇で1週間程度で、いい加減なものを作ってしまいました。
(バジル買う八百屋で、いつも1袋100円なのに、ある日、「2袋100円にしておくよ」といわれたので、つい、使う当てもないのに、買ってしまったのですよ。)

今度、是非、丁寧に作ったドライバジルと私の日数の短いものの違いを是非比べてみたいです。
丁寧なやり方のほうが、香りが沢山残っているような気がします。

★バジルの乾燥のさせかた

超我流だけど参考になればうれしいです。

1.広告(ツルツルしていないもの)で箱をおっていれる。

2.最初の1週間くらいは毎日箱を変える。

  その時に昨日底にあったところは上にくるように入れる。

3.1月くらいしてぱりぱりになったら出来上がり。

去年は家でとれたバジルだったので最初に水洗いしました。

水洗い後3日くらいざるに入れていたんだけど、ざるは他のお料理でも 使うために広告の箱に入れ直しました。

大丈夫だったらざるの方が良いような気がします。(たまに上下入れ替えてね)

新聞紙に広げるという手もあるけどインクがつきそうでちょっと抵抗があります。

なので水気もとってくれて、インクもつかないという理由で広告のツルツルしていない ものにしました。

箱にしたのは風でびゅーんと飛んでいったら嫌だから。

と、いっても家の中に放置してあるから大丈夫なんですけどね。気分で問題です。

特に何もせずに放置していて良いと思います。

ただじめっとしないように気を付けてね。

ちなみに去年はほんとにたくさんバジルがとれたので、
1.ドライバジル
2.ジェノバペースト
3.オリーブオイルとバジルをまぜたもの
を作りました。

2と3は冷凍庫保存してたけどあまり使わなかったのでもったいなかった。

1は1年たった今では現役で使えます。

余談ですが、下記が私のドライバジル・紫蘇を作った感想です。

−−−私の感想−−−

出来上がったら、干す前に、ざるいっぱいだったバジルが本当にちょっとだけになった。
ちゃんと計っていないが、全体の一割くらいの量になったような気がする。
「乾燥バジルは高いはずだ」とか、「いつも、買う野菜の大半は、お水なんだ、私はお水を買って運んでいるのだ」という、感慨があった。
この水分を葉に含んでいる状態が、新鮮であり、生き生きしているということなのでしょうね。
野菜を食べるには、煮て体積を減らした方がいい、生のサラダは量を食べていることにはならないと聞いていたが、本当なのだと、実感した。
茹でるなりして、野菜から水を出してしまわないと、水を食べているようなものなのだ。
色々勉強になった、乾燥バジル作りであった。

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1998年9月27日(日)

じゃこ


本題とは関係ありませんが、ご報告です。
栗をもう一度ひと袋買ってきて、茹でて、裏ごしをした。
今回は、30分茹でた後、割って固さを見た。
まだ、若干固かったので、もう10分茹でてから、裏ごしをしたら、木目細かい裏ごしになった。(裏ごしといっても、フープロです。)
やはり、お料理って、自分の舌で味わいながら、作るものですね。

で、本題です。

先日、ある方から、じゃこをいただいた。
そのちょうど前に買った陳建一の本に、「じゃこピー」という、じゃこを油で炒めて、ピーナッツと赤唐辛子の刻んだものを入れて、ごま油を垂らしてという料理があったので、これを作ってみたら、美味しかった。
じゃこは昔から興味があったが、我が家はじゃこを使う風習がなく、どういうものを買えば良いのか良くわからないで、手が出なかったのだ。
丸元淑生さんの、家庭料理の基本装備には、じゃこが入っているが、どう使うかは、余り書いていない。(私の持っている本では)

いただいて良かった。
カルシウムたっぷりということはわかっていても、買ったことのないものは、中々使えないものだ。
今回いただかなかったら、一生、使うきっかけがなかったかも知れない。
種類とか値段が余りないものだったら、買えるのだろうが、築地に行くと、20種類くらいはあるだろうか、どれを買っていいのかわからないのだ。

場内に一軒、じゃこが沢山並べられている店があるので、そこへ行った。
(場外にも一軒、20種類くらいずらーの店がある。)
場内のその店では、相当色々値段に幅があった。
1kg2000円から4000円程度、色々な段階がある。
店員さんが、2800円のものを勧める、柔らかくて良さそう。
「食べてみて」と店員さんに言われてつまんで食べてみると、臭みもなく柔らかくて美味しい。
ついで、2000円のものをつまむと、味が落ちた。(当たり前ですね)
そうか、じゃこを買うときは、つまんで味見して食べて選べばいいのだ、ということに気づいた、目からうろこである。
買ったこともなければ、食べたこともないものって、こんなものだ。

(私とじゃこの接点は、以前、日本橋勤務のときに、近くの讃岐うどんの店で、じゃこ天うどんなるものがあり、それを気に入っていたことのみである。)
「かえり」というのも売っていた、店員さんが言うには、じゃこの大きくなったものとか、食べてみたら、ちょっと、煮干しに近い味だった。

東京は、しらす干しで、関西がじゃこを食べるものかと思っていたが、築地にあれだけじゃこがあるのだから、我が家が食べない家で、東京でも一般的に食べられているのかも知れないと思う。

で、結果2800円のを500g買って帰ってきた。
(その店では、最低が500gとのこと、冷凍しておけばいいので、買ってしまった。)
帰ってきて、ピーナッツ油で炒めて唐辛子を入れたら、美味しいのではと考えて作ってみた。

作り方
1.サラダオイル(あればピーナッツオイル)をフライパンに少し入れて熱する。
2.そこに、じゃこと、種を取った鷹の爪を入れて炒める。(辛いのが好きな人は鷹
  の爪を刻んだほうがいいかも知れない)
3.パラパラになってきたら、ごま油を少々入れて混ぜて炒めて、できあがり。
4.できあがりをペーパータオルの上においておくと、油が切れて良いかも知れない。
冷めてからのほうが、味が馴染んで美味しい。
食べてみると、昔懐かしい味がモダンになって帰ってきた気がする。
そうだ、たたみいわしの油炒めなのだと思った。
そりゃあ、ピーナッツを入れたほうが美味しいが、ピーナッツを入れると、お腹がいっぱいになってしまうし、残すのはもったいない。
私の胃袋の大きさでは、ピーナッツを酒の肴に食べてしまうと、最後、ご飯が食べられなくなってしまうので、じゃこだけで十分である。
鷹の爪とピーナッツオイル・ごま油で風味をつけることにより、じゃこの魚臭さが抜けて、美味しい味だけ残る。

他の料理本を見たら、「じゃこの当座煮」というのがあって、山椒の佃煮と煮るものである、
やはり、他の風味をつけて、じゃこ臭さを取るのがコツなのかなと思った。
こちらの方は、ご飯のおかずになりそうだ。
もっと、ジャコの使い方を色々知りたい。

じゃこをくださった方には、

「縮緬雑魚の使い方は他に納豆和えやかき揚げ、野菜炒めなども良い。
 私はよくお手軽チャーハンに干しエビや子ねぎと一緒に使います。
 簡単でカルシュームがたくさん入っているので自己満足してしまう1品。」

と習った。

また、ちりめんじゃこというのは乾燥の度合いによって蒸したり、湯で戻したりするとのこと。
しらす干しに慣れている人は柔らか目からスタートすると、良いかも知れない。
まだまだ、沢山あるので、色々試してみたい。

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1998年9月28日(月)

築地でお買い物


本題とは関係ありませんが、秋色のスパゲティを作って食べましたが、美味しかったです。
食べ手の嗜好の問題で、サンマを蟹のフレークとヤリイカ、オリーブオイルをバターに変えましたが、やはり、トマトとほうれん草となすの組み合わせはとても良いと思いました。

では、本題です。

土曜日に3週間ぶりに、築地に行ってきた。(お寿司は食べなかった。)
今回の築地は、前回と同じで、松茸・サンマはあったけれど、この前ほど、目につかなかった。
松茸は、場外で、「一皿2000円!」とおじさんが呼び込んでいたが、買う人は少なく、八百屋の店員さん同士で、「皆、もう、食べ飽きちゃったんだ」と話していた。
食べ飽きてはいないけれど、走りに一度食べると、「ま、一応満足」という感じでしょうか?

<場内>
今回、目新しいものは余り見かけなかったが、鮎が、皆、子持ち鮎になっていた。
値段は、今までより安めに思えたから、子持ちのほうが味が落ちるのかな?

今回、他に目についたのは、珍しく、若い日本の女性の旅行者のグループが二組いたことだ。
時間が9時過ぎということもあって、まぐろ屋のおじさんが嬉しそうに、その女性たちに冷凍の巨大なまぐろの頬杖つきながら、説明していた。
家に帰って話すと、「そりゃあ、そうよ、築地の人たちは、一日中、魚と男の人の顔ばかり見て暮らしているのだから、若い女性には、どうしても親切になるのでは?」とのことだった。
確かにそうかも知れない。
ただ、築地の難しさは、どんな時間帯でも忙しい人は忙しい、暇な人は暇ということで、皆状態が一様ではないということだろう。

かま
私は、築地でプロが買わない屑を買うのが大好きだ。
しかし、築地では、切り身で魚を売っていないので、あらを売っていないのだ。
ま、屑に近いといえば、鯛の頭、まぐろのかまだろうか?
本当は冬になったら、やってみようと思ったのだが、まぐろのかまを買ってきて、ねぎま鍋にしようと考えている。
かま2つで500円、大変安かった。

毛蟹
蟹はまだ、シーズンではないらしい。
余り、なかった。
殆ど、おがくずにまみれた活き蟹であったが、1軒、「浜茹で」を売っていたので、値段を聞いたら、安かった。
当然、買ってしまった。
食材の本に、「おがくずで生き長らえさせている活け蟹よりも、浜茹でが美味」と書いてあったからだ。
美味しかったら嬉しいな。
場外では、「ボイル毛蟹」と言うものを売っていた、もしかして、こちらは、産地で茹でたのではなく、運んできてから茹でたものであろうか?
こういう表示って、正直に書いてあるものだと、感心した。
が、食べてみたら、全然美味しくなかったのだ。
浜茹でだから美味しくないのか、まだ、毛蟹の季節でないから美味しくないからなのか、よくわからない。
それでも、5月の毛蟹よりは美味しいとのこと。
やはり、何にも旬というものがあるようだ。

じゃこ
このことは既に昨日書いてしまった。

<場外>

場外で通りすがりに、乾物屋で目に入ったのは、「白いちじく」のドライフルーツだ。
これって、美味しいのだろうか?
じゃこ屋さんのように、味見させてくれればいいのにと思った。


以前より栗の量が減ったような気がする。
街では、今、栗が安くて大量に出回っているが、もうすぐ、シーズンが終わるのではなかろうか。
そう言えば、海外の方から栗ご飯が食べたいよというメールをいただいた。
確か、明治屋には、栗の甘露煮ではなく、料理用栗という保存食品が売られていたと思う。
日本に来たときに、これを買って帰れば、海外でも栗ご飯を作ることができると思う。
また、その方に栗のポタージュが美味しいと聞いた。
栗のお菓子は、生クリームと和えるのだから、きっと、ポタージュにしても美味しいような気がする。
今回の栗の半分で試してみよう。

車海老

海老を選ぶのは難しい。
場内にも沢山海老は商われているが、値段が出ていなかったり、どの程度の量で売ってくれるか不明なことが多く、場外で買うことにした。
20本で1000円の、小さな車海老を買い求めた。
これを、蒸して、紹興酒とピーナッツオイルと醤油とにんにくで作ったもので和える料理を作りたい。
本には、頭の付いた車海老を、二つに切ってとあるが、小さすぎて、切れないかも知れない。
他にいつものたらこを買ったし、築地に行くといつも色々買ってしまう。



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1998年9月29日(火)

ベーコンのポトフ−レシピ編−


東京地方、日曜日は一日中冷たい雨が降っていたし、月曜日は曇りだが、ずっと今にも雨が降ってきそうな天気であった。
とうとう、Tシャツ1枚で済む季節が終わってしまった、という感じがする。
日曜日の午前中は、雨のせいで、退屈し切った甥1がまとわりつくので、二人で本屋に雑誌を買いに行くことにした。
やはり、雨の日、運動不足で退屈になってしまうのかな?
しかし、人間のペットは、長靴は履けるし、傘は自分でさすし、雨の日に散歩に連れて行くのに便利だ、なんて、考えながら、散歩してきたら、風邪を引いてしまった。(ペットの甥1と私の両方とも)

では、本題です。

ポトフ= pot-au-feu = pot on the fire = 火にかけたナベ、だそうだ。
(英語とフランス語って、親戚ですね。)
元々、冬に、大鍋に肉と野菜と水を入れたものをストーブに朝から一日中かけておいて、それを夕方、仕事を終えて食べるというような感じの料理らしい。

私は、色々な料理本の色々なレシピを持っているのだけれど、牛肉1kg使うようなものも多く、今まで、作ったことがなかった。
私見であるが、牛肉1kgのレシピって、載せたって無駄だと思う。
ま、いつか作ってみたいな、こういうふうにしたら、美味しいだろうなとか、知識にはなるし、想像はできるけれど、絶対に手は動かない。

しかし、ある方から、ベーコンのポトフを教えてもらい、作ったところ、じっくり煮た野菜とベーコン・スープもとても美味しかった。
それに、ベーコンの量がだいたい1人40gでいいのも魅力である。
私の作ったことについては、明日にして、今日は、教えていただいた「ベーコン・ポトフ」のご紹介です。
できたら、ベーコンは良質のものがいいと思う。

★ベーコンポトフ

材料(6人分)

 1:だいたいベーコン250gを厚切り(5ミリぐらい)

 2:馬鈴薯=中位のもの皮を剥き丸のまま(メークインが入手出来ず男爵)

 3:人参=大きめのもの3つに切り面取り

 4:タマネギ=小さめの物、贅沢に上下を落としてそのまま

 5:マッシュルーム=生の大石突きを取ってそのまま

 6:キャベツ=葉を1枚づつにして芯を薄く削り軽く湯に通して縦に三つ折り   葉先からクルクル巻いて楊枝で止める=中身のないロールキャベツ

 7:ブロッコリー=大きめの房に分け芯の部分だけ浸けて先に茹で後全体を茹る

行程

 1:鶏がらと野菜くずで(人参の面取り残、キャベツの芯等)軽くスープを取る

 2:ベーコンとニンニク一片を軽く炒めて香りをだす

 3:濾したスープの中にブロッコリー以外を入れて、

  コトコト煮ながら、あくを取り 塩、白コショウで薄目に味付けする

  (ブロッコリーは鮮やか緑を残  すため煮ない)

 4:途中で馬鈴薯を取り出す(型くずれ防止=メークインがあれば!)

 5:四時間位煮てさます

 6:戴く1時間前にまたコトコト煮る、30分前に馬鈴薯を戻し入れる

 7:10分前にブロッコリーを入れて、最終味見調整

テーブルで取り分けてスープとともに戴く。おいしいーーーーい!(^^)



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1998年9月30日(水)

ベーコンのポトフ−実践編−


私も真似して作ってみた。
ベーコンは余りなかったので、150gとなってしまった。
前の晩、鶏がらでスープを取っていたのだが、うたた寝を4時間もしてしまい、起きると、湯が1/2程度に減っているだけで済んだけれど、起きた途端、とても恐かった。
クッキングガスマットをかませた上で、しかも弱火だったから、助かったようなものの、本当にガスは恐い(ガスが恐いというより、使う人によっては恐いものになり得るというのが正しい表現)。
実はキッチンタイマーをちゃんと1時間後にセットしておいたのに、目が覚めなかったのだ。
今度から、疲れているときに煮込むときには、オーブンに鍋を入れることにしよう。
または、キッチンタイマー程度の音では目が覚めないから、目覚ましをセットするといいかも知れない。(眠たいときは、そこまで気が回らないから、これは無理かも。)

で、翌日の夜に作って次の夕食に出した。
ベーコンは冷凍してあったので、切ることができず、そのまま塊で煮てしまった。
この夜も眠たかったので、ガス火で、材料とスープを入れた鍋を沸騰まで温めた後、130度のオーブンに入れて1時間煮た。
ここまでは、頑張ったけれど、やはり、眠気が勝ち、再度1時間セットして、眠ることにした。
(鍋をオーブンに入れると、煮詰まらないのが、長所でもあり、短所でもあるが、火事は恐いから、多少のことには、目をつぶることにした。)
タイマーが止まっても、誰もオーブンのドアを開けないから、余熱で相当、煮たも同然の効果があることを期待したのだ。

朝、起きてみると、まだ、オーブンもお鍋も温かい状態であった。
お鍋を取り出し、蓋を開けると、「ウッ!」(キャベツの青臭い匂いが、強かったので、これを食べるかなとちと不安になった。)
それを完全に冷まし、冷蔵庫に保管して、でかけてしまった。
また、夜になって、鍋を冷蔵庫から出すと、あら、不思議、キャベツの青臭さが完全に抜けているのだ。
一旦、弱火でコトコト煮た後、長時間置いておくと、野菜にスープの味が染み込むとは聞いていたが、キャベツの青臭さも抜いてくれるようだ。
こういう「時間が料理してくれる」のが、大好きだ。

で、私も食べる1時間前にまた、コトコト煮て食卓に出した。
本当はお昼にパンとともに出したかったのだが、色々な都合で、夕食に、スープのようにして出すことになってしまった。

評判は上々であった。
若干、ベーコンの量が少ないから、薄めの味であったが、美味しかった。
野菜も全て柔らかく煮えていて、スープの味が染み込み、臭みがなく、すっと食べられる。
一番気に入ったのは、よーく煮えたベーコンを口に入れると、脂肪のところが本当に柔らかくなっていて、口当たりも良く、噛みしめた途端に、濃厚な味わいが口に広がり、なんとも言えず美味しかったことである。

多量に作ったのだが、スープは売れ行き良く殆どなくなった。
しかし、野菜が残ってしまった。
これを、どうするか?
満場一致で、水とチキンブイヨンを足して、明日も同じ路線で食べようということに決定したくらい、人気があった。
次の日、チキンブイヨンキューブを足して作ったら、「こっちの方が美味しい」との声あり、がっくり。
やはり、ベーコンが少なかったせいか、初回の分は味が足りなかったのかな?



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