1999年10月01日(金)
ラーメン
お墓参りの帰りに、インターネットで習った御徒町の「えぞ菊」という札幌ラーメンの店に家族で行った。
このお店は御徒町のアメ横と反対方向のガード下にあって、誰も入ったことがない。
場所を知っているのも当然私だけ。
「ラーメンを食べて帰ろう」と言い出しっぺの私が一番最初に店に入った。(総勢5人)
一番カウンターの奥の方の席まで進んで、座って、落ち着いてふと横を見ると、思いもかけずに隣に座っているのは甥1であった。
甥1は、どういうわけか、私と妹のWおばちゃんの間にいた。
思わず、「アラ?なんで、私の隣にこの子がいるのだろう、親がいるときには、親の隣にいる筈なのに」と思う。(親は相当離れたところにいた。)
確か、お墓参りの時は親にくっついていて、私には近寄ってこなかった筈だ。
ラーメンを専門店のカウンターで食べるときは、子供の面倒を見ながら食べたら美味しくないじゃないか、やっぱり、一心不乱に自分の世界に浸りながら食べたい。
でも、当然のように私の隣に座っている甥を見ると、そうは言えないのが辛い。
この子は、食事をするときに、おばあちゃん、おばちゃん、親がいたら、おばちゃんあたりの隣にいれば、一番自由度は高いし、融通がきくと、思っているのではないか。
もう字が読めるから、メニューを決める時には、世話は焼けない。
甥1は、当てずっぽうに、「塩」を選ぶ。
「美味しいかな?」というので、「気に入らなかったら、おばちゃんのお味噌と取り替えてあげるから」と言う。
待っている間に、メニューの中の「バター」という文字と席の前に置いてあったすりにんにくの容器に気付いたようだ。
「バターを入れると美味しいの?」というので、「うん、きっと、美味しいよ。でも、今日は、初めて塩を食べるのだから、塩だけで食べたり、にんにくを入れてみて、どっちが美味しいか比べてみたら?今度のときにバターを頼めばいい」と軽くいなす。(バターは50円増し)
甥1は、おばちゃんのアドバイスに素直に従う、納得したようだ。
(甥1は、割と素直で、どうしてもバターが食べたいとか、固執しないところが、良い)
はてさて、そんな話しをしていると、大きなどんぶりに、たっぷりの野菜を乗せたラーメンが出来上がった。
猫舌の甥1には、どんぶりから、食べるのは無理かも。
「ちいさいどんぶりありますか?」とお店の人に頼み、小さなどんぶりとスープを小分けしてあげながら、食べさせた。(だから、子供の隣はいやなのだよね)
甥1は、ときたま、小さなどんぶりにすったにんにくを入れて、味の変化を楽しんでいたようだ。
(おばちゃんの教育の成果か、味を工夫して楽しむことは身についているようだ。)
「にんにくを入れたのと、入れないのではどっちが美味しい?」との問には、「どっちも美味しい」とのことであった。
ふと離れた席に目をやると、両親に挟まれた席で、大きなどんぶりから、器用に自力でラーメンを上手に食べている幼稚園児程度の男の子が見える。
すごいな、あの年で、大きなどんぶりからラーメンを上手に食べるなんて、ラーメン好きの両親に小さい時から鍛えられたのか、遺伝子の中に、ラーメン好きがすりこまれて生まれたに違いないと思う。
そんなことを考えながら、自分の分もしっかり食べる。
私の食べた味噌ラーメンもにんにくの味がきいて美味しかったが、細かく分析する余裕がなかった。
特段美味しいというわけではないが、割とまとまっていて、難が少ないラーメンだと思った。
甥1を見ると、麺ばかり食べていて野菜を殆ど食べていない。
「甥1、野菜も食べなくてはだめよ」というと、「まりが入れないからだよ」と言われてしまい、ギャフンである。
おばちゃんは、自分が食べるのに忙しい合間に、甥1のラーメンを小さなどんぶりに移していたので、余り野菜を入れていなかったようだ。
しかし、おばちゃんも忙しいのだ、おばちゃんが野菜を入れなかったら、自分で野菜くらい取りなさいよね、と思うけれど、ま、通じないか。
甥1は、この塩ラーメンがとても気に入って、「美味しい」と言いながら良く食べた。
夜に会ったときにも、「今日食べたものの中で一番美味しかったのは、塩ラーメン」と言っていた。
おばちゃんも今度塩ラーメンを食べてみようと思う。
(家に帰って、インターネットの評価を見ると、この店の塩ラーメンは評価が高いようであった。)
世の中の子連れのお父さん、お母さんは、殆ど毎回子供と一緒にラーメン屋に行くのだから、大変ですね。
慣れれば、子連れでも味がわかるようになるのかな。
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