1999年04月01日(木)
押し寿司
宇野千代さんの「私の作ったお惣菜」(集英社文庫)の一番最初のお料理が「岩国寿司」という押し寿司であった。
色とりどりで、宇野千代さんデザインの着物のように、とてもきれいで私も作りたいと思った。
宇野さんのは、ピンクをでんぶで表現し、他に、錦糸玉子、青みの野菜を使って、規則性なしに、風景やプリント柄を描くように、押し寿司をデザインしている。
その写真が余りにきれいなので、本当は、でんぶが嫌いなのだが、築地場外で買ってしまった。
しかし、家に帰ってから、良く見たら、それは、でんぶではなく「海老おぼろ」と書いてあった。
それを見て、「そうだ、ピンクは海老でも出せる」ことに気付き、でんぶより好きな海老を表面に出すことにし、でんぶは、寿司の合間合間に入れようと方針を変えた。
前の日のお昼は、まぐろ丼にすることにし、二回分の寿司飯を作っておいて、その晩、酢蓮やさやえんどう、椎茸の煮物、錦糸玉子を作っておき、翌日の朝、仕上げた。
型の一番底に、ラップを敷き、一番てっぺんに来るものを並べた、しかし、海老を全面に使ったのは、デザイン的には失敗であった。
どうも、海老をデザインの中心においた場合、規則正しく並べるしかないのだ。
海老から順番に錦糸玉子、さやえんどうと、彩りを考えて並べてみた。
その上にご飯を詰め、その上に、椎茸と酢蓮を乗せる。
また、ご飯を詰め、海老そぼろをうっすらまぶして、さやえんどう、錦糸玉子など、残ったもの全てを並べ、また、ご飯を乗せて、押し板をあてた。
その上に、ボウルを置き、その中に、缶詰を置いて、重石としたが、待ちきれなくて、30分くらいで、外してしまった。
型から出すと、できあがりの見栄えは、まあまあだった。
海老だと、宇野千代さんの押し寿司のように、木々の間に間にピンクが見えると言うデザインは、作れないのだ。
やはり、海老おぼろで一番上を飾れば、良かったと後悔した。
海老おぼろは、味的にもお寿司の味をグレードアップしてくれたと思う。
50gで170円だったのだが、ちらし寿司にはとても良いと思った。
残りは凍らせてある、また、ちらしや、五目寿司を作る時に使ってみようと思う。
|