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「美味しい!」が好き

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1999年01月01日(金)

鳴門巻き


お雑煮こそ、地域や家で異なり、こんなに楽しくバラエティに飛んだものはないと思う。
去年、料理MLで、お雑煮自慢大会を行ったら、全国各地から、本当に、美味しそうなお雑煮が出てくるは、出てくるは、とても楽しかった。
ぶり味とか、いくらを入れるとか、きっと、美味しいのだろうなと思ったが、こういうお母さんの味的なものをレシピだけで、仕上がりの味がわからないまま作るのは、ちょっと、無謀のような気がした。
作り慣れた人の作を食べたら、自分で作ろうという気になるだろうなと思う。

そんな中で、親以前の代から東京に住んでいる3名の家のお雑煮に、共通点があったのだ。
それがなんと、「鳴門巻き」がお雑煮に入ることであったのだ。
(他にも、三つ葉を入れる、柚子を入れる、小松菜を入れる、餅は角で、汁はすまし汁とか、共通点はあるのだが、それらは、お正月料理用の雑誌にも載っているありきたりの共通点である。
今まで、想像したこともない「東京地元っ子」の共通点が「鳴門巻き」だったのである。)
そうか、戦前から東京に住んでいた証拠は、「このお雑煮の中の鳴門巻きが見えないのか!」ということになるのかと思った。

鳴門巻きは、いつ発明されたもので、どこの名物なのだろう。 江戸時代なのか、明治なのか、全くわからない。
昔は、流行した食べ物だったのかも知れないが、今や、すたれつつある食材である(と、私は思っている)。
考えてみれば、生まれて初めて食べた鳴門巻は、ラーメンに浮いていたと思う。
だから、日本古来の食材ではなく、ラーメン用に開発されたものとの、私の勝手なイメージができてしまったのだと思う。

鳴門巻きについて、昔「貧乏臭いし、美味しくないから、入れるのをやめよう」と父に提案したが、受け入れられなかった。
「うちのお雑煮には、昔から鳴門巻きが入っているのが当たり前なのだ。」とのこと。
そういう思い出があると、父が亡くなった今、余計に、鳴門巻きを外したら、父が頑なに守っていたものを捨てるような気がして外せなくなった。

去年のMLのお雑煮大会で、我が家のお雑煮は、東京風に岐阜が加わったものと判明した。
どこが東京風かというと、小松菜と鳴門巻きにお餅、三つ葉、柚子、お澄ましである。 岐阜風はその上に、もみ海苔と削りかつおを入れるのだ。
岐阜は、祖母の出身地である。

とてもさっぱりしている、昔、雑誌で見た東京風雑煮に鶏肉が入っていたので、入れたかったが、これも父に蹴られた。(お正月から生臭いとのことだった。なんでかつお節が生臭くなくて、鶏が生臭いのか?などという理屈は、戦前生まれには通じない。)
鶏を入れない代わりに、もみ海苔と削りかつおで味を補っているので、美味しい。
削り節を入れることは、追いかつおに通ずるから、美味しいのはわかると思う、海苔もいい味を汁に与える。

2日目は、母のふるさとである山梨風となる。(しかし、ここにも、もみ海苔とけずり節と柚子と三つ葉を椀に盛った後、入れるから、東京・岐阜に影響を受けた山梨風である。)
山梨は、大根・人参・里芋を出汁で煮た醤油味の中に焼いた餅を入れる。
野菜たっぷりで、ここにも肉っ気はない。
これは、これで美味しい。

甥たちは、元旦、一緒に食事をしないので、我が家のお雑煮を食べるチャンスがない。
いつの日か、このエッセイで、我が家のお雑煮の作り方を読んで興味を持ってくれたらなと思う。



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1999年01月02日(土)

年の暮れに燃え尽きる


私にとって、お正月は、取り敢えず、皆が無事でまた、元旦を迎え、今年も同じようなおせち料理を揃えて、揃って食べて、朝からお酒を飲んで眠ってしまうところに、価値がある。
1月1日の午前12時から、1月2日の午前6時までは、どうも24時間眠ってしまったようだ。
起きていた時間何をしていたのかといえば、2時間は、メール関係をやり、後の4時間は、遅い朝食と夕食の準備・食事をしただけである。
朝食と夕食のときに飲んだお酒が利いたのか、やたらに良く眠れた。

考えてみれば、暮れに風邪気味だった上に、お正月の用意で、体力と神経を使い果たしたのかも知れない。
どこで、いつ、何を買えば安いのか、なんて、考えながら、動き過ぎたような気がする。
程々にしておけば良かったというのは、後の祭。
でも、年末の買物は、燃えるものがある。
今年は、いつもは行かない大晦日の築地とアメ横が余計だったかも知れない。

来年は、お正月を目を開けて楽しむべく、体力を取っておこうと思うが、きっと、暮れになったら、また、張り切って買物をしてしまうような気がする。(持って生まれた性分だと思う。少し、気取る性格に生まれたかった。)
お正月の用意で、疲れて眠るお正月もまた平和でいいかも知れないとも思うが、反省して、今回のお正月用の買物と作ったスケジュールについて、まとめておこうと思う。



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1999年01月03日(日)

三浦大根となます


今年、なますを手作りして成功した。
成功の要因は、多分、三浦大根を使い、お酢に、玄米酢を使ったことによると思う。
三浦大根は、調布の八百屋さんに「なます用」と書かれて売られていた。
お店の人によると、「なますは三浦でなくてはだめ、青首だと、べちゃべちゃしてしまう」とのこと。
それで、500円で買ってきた、とてもとても高いけれど、それだけ、大きくて太い大根であった。
(それを、調布から我が家まで、1時間かけて運んで帰ってきたのだ。)
この三浦大根を4,5cmの輪切りに切って、縦に薄切り、そして、千切りにした。
人参も同じように切った。
多分であるが、この千切りをフードプロセサーで切ったら、味は不味くなると思う。
細く切れ過ぎるのだ。
手で切る道具もあるが、あれで切った場合は、包丁で切るのと同じ仕上がりになるのだろうか。

ところで、親戚の人が来て、やはり、三浦大根で、なますを作ったら、大成功だったとのこと。
それも私より上を行っていて、「三浦半島で取れた三浦大根を買ってきたのよ、同じ三浦大根でも、三浦半島以外で作ったものでなくてはだめと、八百屋さんが言うのよ」とのこと。
言われてみれば、私の三浦大根は、どこで取れたものかは書いていなかったし、八百屋さんは何も言わなかった。
ということは、きっと、三浦半島以外の三浦大根に違いないけれど、ま、これだって、私としては、広範囲に買物に行って、調布の八百屋でしか見かけなかったから、ま、青首を使うよりは、良しとしようというところだ。
そりゃあ、三浦半島で採れた三浦大根が使いたいが、それは、望み過ぎである。

私のナマスレシピ
玄米酢は、1/2カップ、お砂糖1/3カップ、お塩小さじ1はい、昆布を10cm×5,6cmを小鍋に入れて煮立てて、火を止め、置いておいた。
最後、これでは酸っぱいかもという気になって、本の少々お水を入れた。

大根も人参も塩本当に少々でまぶして、10分程置いておく。
水を一生懸命絞って、冷めたお酢の中に漬け込む。
塩をまぶす前の大根と人参は、直径21cmのボウル一杯あったが、水を絞ったら、直径15cmのボウルで足りる量になった。

レシピによっては、大根や人参にまぶす塩の量を多くして、酢には、塩を入れないレシピもある。
私は、今回は、大根や人参にまぶす塩の量を減らして、酢にお塩を混ぜてみた、その方が味のめりはりがはっきりするような気がしたからだ。
でも、どちらのやり方がいいのかは、わからない。

そうだ、店で買うナマスには、細い昆布が入っていることを思い出し、手持ちの細切りの昆布を入れてみる。
柚子の皮も適当な量、細切りにして、入れる。
ラップにかけて一晩置いて出来上がり。
とっても、とっても、評判が良かった。

今、改めて、4冊の本のなますの作り方を比べてみると、細かい点様々である。
昆布を使うもの、削り節を使うもの、出汁類は全く使わないもの、う〜ん、やはり、そこはかとなく、昆布か、削り節の味がついているほうが美味しそうな気がする。

しかし、なますの出来は、腕やレシピより、材料次第だ。
玄米酢はともかく、今年の暮れも三浦大根が手に入る保証はない。
築地に行ったついでに、三浦大根を扱う店でも探しておこうかと思う。



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1999年01月04日(月)

黒豆の研究 1/4 手作りの黒豆


3日に、池袋西武の地下2階に行ったら、三浦半島で作った有機栽培三浦大根を売っていた。
しかも、調布より、2割程度安かったのだ。(涙)

では、本題に入ります。

おせちに入っている黒豆を美味しいと思ったことがなかった。
それが、私がおせちを揃えるようになり、上野の酒悦でおせちの黒豆を買ったら、やたらに美味しかったのだ。
一体何なのだろうと、思った。
同じ「黒豆」でも、どうして酒悦のと今まで食べてきたものでは味が違うのだろうと、そのときは思った。
お正月以外に、酒悦で「黒豆」を買ってみた。
美味しくないのだ、これも何故だか不思議だった。

色々人に習ったり、研究した結果、丹波篠山の黒豆を使うか、それ以外を使うかで味が全然違うということがわかった。
こんなに産地によって、味が違うなんて、信じられない気がする。
丹波篠山の黒豆は、合羽橋・アメ横・築地、どこでも手に入る。
聞いた話しでは、丹波篠山でも「小田垣商店」のものが、ブランドとのこと。 言われてみれば、12月になると、乾物屋さんの軒先に、「小田垣商店」の旗が立つことが多い。

料理本によると、黒豆も新豆を使うか、それ以前のものを使うかで、水に浸けたり、煮る時間が違うらしい。
12月になると、新豆が出始めるので、お店で、新豆かどうか確認して、新豆を買うといいと思う。

また、築地のお豆屋さんで習ったのだが、年中、その店で売っている黒豆も、小田垣商店のものだが、暮れになると、「お正月用」として、特別に、小田垣商店の名前の入った袋入りで新豆が売り出されるとのこと。(勿論、秤売りの新豆もある。)
この小田垣商店の名前の入った袋の新豆の黒豆は、そんなに多くの地域では販売されないようだったが、今年から、蔓藤さんと組んで、蔓藤・小田垣と書いた袋入りが売り出されたようである。
これで、全国津々浦々とまでとは行かないまでも、蔓藤さんは、東京中のデパートの地下に売り場を持っているので、東京の人は、築地・アメ横に行かなくても小田垣さんの新豆を買うことができるようになったと思う。(が、今日、池袋西武にはなかった。)

去年、この丹波篠山の豆を煮たら、酒悦のお正月用の黒豆と同じくらい美味しくできたので、もう、買わずに今後は自分で作ろうと考えた。
そう言えば、暮れに、日本橋の乾物の老舗の八木長を覗いたら、そこの取扱う黒豆は、「京都丹波」産であった。
丹波篠山と、京都丹波ではどう違うのか興味はあるが、京都丹波産は丹波篠山より2割程度高い。
普通の黒豆に比したら、2倍の値段である。
来年、お財布に余裕があったら、京都丹波の豆を使ってみようと思うが、下手に手を出して、味を覚えたら最後だから、やめておこうかなと迷う。



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1999年01月05日(火)

黒豆の研究 2/4 油断大敵


料理は、初めて作る時の方が慎重を期すので、失敗しない。
失敗するのは、2、3回目が多いのではないか。

今年は、黒豆作り第2回目である。
去年は、初めての作とは思えない出来であったので、今年は、もううまくなったつもりで、ついいい加減になってしまった。
まず、何も考えずに、買ってきた豆を前の晩、お水に浸けておいた。
いざ煮始める時に初めてレシピをみたら、水に砂糖・醤油・重曹等を加えて一旦煮立てた汁に一晩漬けておくとのこと。
「やってしまった! 去年こんなことしたっけ?」と、不思議であった。
レシピに反して、水に浸けてしまった豆は、ふっくらはしたが、皮がはじけたものも多かった。(今年の黒豆は不作であるという話しもあるので、浸し方のせいではないかも知れない)
ま、味が良ければいいのだからと、醤油・重曹・砂糖(中ざら)と鉄の小さな塊を入れて煮始める。
沸騰したところで、火を弱めて、クッキングガスマットをかませて、あくを数回取った。
浮かないように、鍋蓋を二つも乗せるのだ。
この状態で、うたた寝を3時間もしてしまった。
目が覚めて鍋の様子を見ると、水から、豆が顔を出すようなこともなく、ちゃんと柔らかく煮えていたので、安心。
火を止めて蓋をして、また、眠った。
朝、起きて味見すると、砂糖味が去年に比べてさっぱりしているように思った。

その日の夜、「そうだ、豆を引き上げて、煮汁だけ煮詰めて、その中にまた、豆を漬けておけば、甘くなる」と思い付いて、そのとおりにした。
が、結果、ひと手間が抜けていた。
その煮詰めた汁を冷ましてから、豆を戻せば良かったのに、熱い中に冷めた豆を入れたものだから、翌日味見してみたら、ほんのちょっとであるが、豆にしわが寄ってしまった。
ま、失敗を重ねて、突発事項に対処できてこその料理の腕だと思えば、ほんのちょっとのしわも良い経験になったと思う。

この失敗の後、柴田書店の「こつの科学」を読んだら、黒豆のしわの原因は、「グラグラ煮ること」と「濃度の濃い砂糖液に急激につけること」とあった。
きっと、冷たい濃い濃度の砂糖液に冷たい黒豆を入れれば、しわは寄らなかったと思う。
熱いと冷たいの温度差は、しわの原因だ。



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1999年01月06日(水)

黒豆の研究 3/4 道具色々・煮方色々


今回、小さな失敗を犯した黒豆作りであった。
しかし、二回目となると余裕ができて、色々な作り方が目に入ってきた。

★煮る道具の種類
 スロークッカー 
 シャトルシェフ
 魔法瓶
 圧力鍋
 普通のお鍋でガス火

★豆の処理には、探しただけで、5通りあった。

 1.水に一晩浸けておいて、柔らかくなるまで煮てから、徐々に味付け
 2.お湯に一晩つけておいて、柔らかくなった時点で、徐々に味付け
 3.漬け汁をひと煮立ちさせてから、豆を入れ一晩漬け汁に浸けてから、柔らかく
   煮る
 4.材料を混ぜただけの漬け汁に豆を入れ一晩浸けてから、柔らかく煮る
 5.水に一晩浸けた後、柔らかく煮てから、徐々に味付けをしていく


以上全て上手に作れば、下記ポイントは外していない作り方のようである

1.グラグラ煮ない
2.急激に濃い砂糖液に漬けない

その他、豆が汁から顔を出さないように煮る、煮あがったら、ふたをしたまま、一晩置くというのも、共通のポイントだ。

持っているのであれば、低温クッキングができるスロークッカー・シャトルシェフ・魔法瓶は黒豆を煮るのにうってつけだと思う。
圧力鍋は、大きなものを持っていれば、使用できるだろうが、何せ、豆を煮るときは、圧力鍋の1/3の高さまでしか物を入れられないので、小型では、実質、使えないと思う。
ということは、スロークッカーやシャトルシェフ・大きな魔法瓶を持っていない場合は、やはり、クッキングガスマットを使った普通のお鍋で黒豆作りというのが、妥当だと思う。



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1999年01月07日(木)

黒豆の研究 4/4
私の手前黒豆レシピ 


黒豆は、何かのきっかけで知ったレシピで成功すると、ずっとそのレシピになると思う。
私も、前の晩に汁を沸かしてその中に豆を入れるやり方で成功したから、今後もこのやり方でやっていくと思う。
この方法のいいところは、徐々に砂糖を加えなくて良いことだ。
もっと、良い方法があるかも知れないですが、「手前黒豆製造法」を。

分量
黒豆   300g      丹波篠山の新豆(もしかして京都丹波のほうがい
                いかも)
砂糖   300g      普通の砂糖、グラニュー糖など色々な説がある。
               私の場合は、三温糖が一番美味しいと思う。
しょうゆ 大さじ4杯
重曹   小さじ1/3杯
水    1500cc

道具
大きい鍋
錆びた釘         錆びた釘が一番であるが、ない場合は、鉄玉子という名称
              で、売られている鉄分補給用の鉄の塊が役に立つ
クッキングガスマット

作り方
1.豆をざっと洗う

2.分量の水・砂糖・醤油・重曹をひと煮立ちさせて、その中に豆を漬けて一晩置く
  (確か一回目は、一晩どころか、一昼夜浸けておいた気がするが、今となって
  は、わからない。どの本を見ても「一晩」と書いてあるので、会社に通いながら
  作る人で、「一晩」が気になる人は、会社に行く前にこの作業をすればいいと思
  う。)

3.釘か鉄をガーゼでくるんで鍋に入れ、火を付ける。(強火)

4.煮立ってきたら、弱火にし、浮いてくるあくを取る。(数回かかる)

5.この段階で、クッキングガスマットをガス火と鍋の間に入れる。

6.その後、落とし蓋をした上に、鍋より小さな直径の蓋をし、豆が、汁より上に顔
  を出さないようにする。
  (もし、重さが足りないようだったら、豆が潰れない程度の重さであることを
  気にしつつ、もう一つ鍋蓋を乗せても良い、)
  もしくは、二重ガーゼで豆を覆い、更にその上をアルミホイルで覆う。
  煮えていない豆は軽く、浮いてくる力が強いので、それをどうにか、汁に浸す
  工夫が必要。

7.煮る時間は、新豆で3時間から4時間程度で十分だと思う。
  良く料理本には、5〜6時間と書いてあるが、これは、古い豆を煮る場合の時間
  だと思う。

  一粒つまんで、簡単に潰れるようになったら、出来上がり。
  (勿論、食べてみて、柔らかいと思ったら、出来上がり)
  但し、経験で思うのだが、豆は、煮てから時間が経てば経つ程、固くなるような
  ので、大量に煮る場合は、柔らか目のほうがいいと思う。)
  一回目のときは、レシピに5〜6時間煮ると書いてあったのに、3時間半で柔ら
  かくなった。
  しかし、自信がなかったので、5時間煮続けてしまったが、それはそれで別に煮
  崩れなかった。
  二回目は、3時間煮て柔らかくなったので、その時点で煮るのを止めたが、3日
  くらいしたら、ちょっと固めになってきたので、後、1時間煮ておけば良かった
  と思っている。

8.そのままの状態で蓋をしたまま、一晩置いて冷ます。

9.釘や鉄を取り出して出来上がり。

私の場合、最初に入れる水の量が多いし、クッキングガスマットで煮る分には、なしで煮るより、水分の蒸発が少ないので、差し水は殆どしないでできあがってしまう。
差し水は、あくまでも、豆が汁から顔を出さないために入れるものだと思う。
ま、豆が汁から顔を出しそうになったら、差すしかないと思う。

長時間続けて煮られない場合は、一旦火からおろし、再び煮ても良いと書いてある本もあったので、大丈夫だと思うが、これはやったことがないので、なんとも言えない。
濃度が足りなかったら、豆を引き上げて、茹で汁を煮詰める。
これはあくまで経験で、そのとおりかどうかはっきりは言えないが、煮詰めている間に豆が冷めていたら、煮汁も冷まして、合体させた方がしわが寄らないと思う。
ま、ちょっとしわは寄ったが、今年の黒豆も評判が良く、来年は、他の親戚にも配れるように沢山作るよう、指示が出た。
来年は、500g作ることになる。



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1999年01月08日(金)

圧力鍋 1/2


10年程前に圧力鍋を買った。
西宮で一人暮らしをしている頃に、健康のため、玄米を食べようと思って購入したのだ。
私のは、フィスラーの片手である。(一番上まで水が3リットル入るタイプ) ただ、一人暮らしだったので、小さ目の圧力鍋を買ったら、いくら玄米の量を減らしても、火をつけると、吹き零れることが多くて、段々使わなくなり、ずっと、しまってあった。
料理のMLで、圧力鍋の素晴らしさが語られることが多く、久々使ってみようかなという気になった。
で、注意書きを読んで、使ったら、簡単ではないか、私だって使えると思った。
考えてみれば、10年くらい前は、一人暮らしだったし、そんなに料理に熱心ではなかったのかも知れない。
何せ、一人暮らしで、誰かのために食事を作っていたわけではないので、何でも諦らめが早かったのかも知れない。
また、その頃は、インターネットなどという手段がなかったので、圧力鍋の使いこなしに失敗しても相談する相手もなく、面倒だから、使わなくなったのだろう。
確か、蓋のしめかたのコツまで覚えて、そこから先、ふきこぼさずに使うことができずにしまったのだ。(さすが、高かったので、捨てないで取ってあった。)

では、圧力鍋は誰にでもお勧めかというと、価格が高いことが難点である。(特にステンレス製は高い)
もし、安かったら、買ってみたいというのだったら、来年の合羽橋道具祭りまで待った方が得だと思う。
確か、展示品とのことで、安い圧力鍋が出ていたと思う。
ただ、来年も確実に圧力鍋が売り出されるかどうかは、確約できないが、待てるなら、待った方が得である。(できるだけ、歩行者天国の日の朝から行った方がいい)
または、何かのバーゲンを狙うかがいいと思う。
今すぐ使わないにしろ、安い圧力鍋があったら、取り敢えず、しまう場所が確保できるのなら、買っておいた方が得だと言いたい。
やはり、人それぞれ、使いやすい大きさというものがあるだろう。
しかし、大きいのを買っても、小さいものを買っても、結局、不満は残ると思う。

取り敢えず、家族が3人程度だったら、3リットルで、それ以上の人数だったら、それ以上の大きさを買うのがお勧めかと思うが、どんなものだろう。



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1999年01月09日(土)

圧力鍋 2/2


まだ、圧力鍋を5回程度しか使っていない。
茶碗蒸しもできるらしいが、私の圧力鍋は小さいので、茶碗蒸しを家族分同時に作るのは無理そうなのでやっていない。
また、付属の蒸す道具を紛失しているので、蒸すこともできない。

ひと言で言って、「圧力鍋は、調理時間短縮で、とても役に立つ」というのが、感想である。

★ ご飯を炊く
柔らかめになるとのことだったが、お米を洗ったそのまま、お鍋に水とともにセットし、圧をかけること3分、火を消して、10分置いておくと、ご飯ができあがるのだ。
圧がかかるまでの時間を6分と見ても、洗ってから、20分以内に、ご飯が炊き上がるなんて、夢のようである。

ただ、現在、試行錯誤中で、まだ、普通のご飯と同じように炊けるという段階まで行っていない。
お米に対する水の割合をどの程度にするかと圧何分放置何分のどの組み合わせが、最適なご飯を作るか、もうちょっと、研究しないとわからないのだが、家族がそろそろ圧力鍋のご飯を嫌がり出している、困ったものだ。

★ 牛スジを茹でる。
MLで習ったのだが、牛スジを、油を入れて熱した中華鍋に入れて、軽く炒め、水で洗っうと、煮ている間にあくが出ないとのこと。
この下処理をした後、圧で20分、火を消して15分置いておく。
殆ど、これで、柔らかくなる。
場所によって、上記の時間では柔らかくならない箇所があったので、固い部分だけ、後5分、圧をかけて、10分置いておいた。
それでもまだ、固い。
また、圧5分の放置10分だ、これで、最後の固い部分まで、完全に柔らかくなった。
圧力鍋の威力を、圧倒的に、「すご〜い」と実感したのは、この牛スジを茹でたときである。
なんていっても、ガスやオーブンのとろ火では、スジは、柔らかくなりきれず、「きっと、この部分は、スジというより、骨に近いものだ」と思い込んで捨てていた部分までもが、実は、柔らかくすれば、食料になることがわかった。
但し、牛スジは、とことん煮ると溶けてしまうので、その点要注意である。

★ 野菜を茹でる
本を見ないで、丸ごとのジャガイモを20分圧15分放置で茹でた。
なんと、ちいさいめのジャガイモは、見事、形がなくなっていた。
改めて本を見ると、ジャガイモの丸茹では、圧3分の放置が10分だそうだ。
二回目は、太さの半分に切った人参とともに、丸ごとジャガイモを圧3分10分放置で茹でてみた。
ジャガイモは若干固く、人参は、柔らかすぎてできあがった。
ただ、茹で過ぎた人参であったが、甘みが出てとても美味しかった。
ジャガイモは、引き続き、火にかけて煮たら、柔らかくなった。
これで、ポテトサラダを作った、

そうか、圧力鍋で完全に一回で料理しようとしないで、本に書いてあるより若干短い時間で使ってみて、(できることなら固めに圧力鍋で茹で上げて)固さを自分で確認してから、もうちょっと圧をかけてみるなり、ガス火で煮るなりすれば良いのだと思った。
要は、私を助ける道具の一つであり、魔法のお鍋ではないのだから、(相当、魔法のお鍋には近いとは思う)使いこなせばいいのだ。
圧力鍋は、煮物の時間短縮で圧倒的なパワーがあるから、この点をうまく活かして、味を落とさないように、自分の料理に組み入れていきたい。



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1999年01月10日(日)

栗の甘露煮


栗の甘露煮は、とても高い。
大瓶で、安くても、アメ横で950円、品質による違いはあるとは思うが、高いもので、1,500円程度する。
950円の大瓶を買って、お菓子にそのまま使ってみた。
食べると、「固い」と思った。
固いというと大袈裟であるが、柔らかくないのだ、歯でしっとり噛めるというよりも、何か茹で方が足りないような感じがした。
そのときは、「安物を買うものではない」と後悔した。
その後、人から習った栗と豚肉の煮物に使って、豚肉とともに、お醤油味の出汁の中で煮たら、その栗は柔らかくなって美味しくなったことを発見した。
もしかして、安物の栗の甘露煮を買ってきて、シロップとともに煮返せば、問題無く使えるかなとも思うが、固さを見るために、つまんでいるうちに、量が減りそうだ。

栗の甘露煮は、お菓子にも日本料理にも使える上、この前、小さなフライパンの中に栗の甘露煮を入れた中に、グラニュー糖をまぶすように入れ、火をかけ、焦がし、焦げを水で延ばしたもの(結局は、カラメルソース)の中で、煮て、ドミグラス系の料理の付け合わせにしたらうまくマッチングした。

先日、アメ横をふらふらしていたら、「国内産栗の甘露煮」と書いてある札を発見。
そこのお店のおじさんの話しでは、最近の栗の甘露煮は中国産の栗が多く、輸入した栗を日本でシロップ漬けするとのこと。
だから、一応国内で生産されていることになるのだ。
アメ横で、色々な瓶の裏のラベルを見たが、皆、原料に「栗」としか書いていないので、中国産の栗か国内産の栗かは、ラベルだけではわからなかった。

アメ横のおじさんの話しを信じて、1200円の国内産の栗と思えるものを、お正月用に買い求めたが、やはり、950円のより柔らかくて美味しかった。

築地に行くと、「京都丹波の栗」とちゃんと書いた瓶詰めもあるが、栗の甘露煮は、当分、色々な瓶をじっと見て、名もない中から、安くて美味しい栗のメーカーを発見できないかなと思う。



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1999年01月11日(月)

築地の冗談


築地場内は、朝早くて、お店の人が忙しいときは、冗談が飛ばないが、土曜日の9時過ぎに行くと、結構、冗談が飛び交って、とても面白い。
皆、ユーモアのセンスがあって、さっぱりしている。陰湿ではない。
小さいとき、我が家で店番をしているときに、通りかかりや近所のお客さんたちが私をからかったときのことを思い出す。
昔の下町の皆知り合いの世界で飛んでいた冗談や軽口である。

この前の土曜日、まだ、お正月明けの土曜日だったせいか、場内はそんなに混んでいなかった。

<魚売り場での冗談>
女性6名で行ったのだが、お客が混んでいないということは、6名、列になって歩く姿がお店の人たちから見て、目立ったらしい。
私たちは、何かいいものないかと魚を見ながら、場内の狭い通路を歩いていたのだが、あるお店の奥のほうから、大将らしき人が、大きな声で、「あんたたち、見学かい? 一番先頭が先生?」と声をかけてきた。
私たちは、めだかの学校ではないと、爆笑する。
(でも、先頭は私だったから、ま、外れてはいない。)
この人面白くて、座布団1枚だ。
、 場内も早朝のプロ相手の商売のときは、気が抜けないが、時間が遅くなって、シロウトが多くなる頃、ほっとして、向うも客を見学しているようだ。

<野菜のところの冗談>
野菜売り場をうろうろしていたら、場内で働いている姿のおじいさんが寄ってきて、「あんたたち、何探しているの?」と聞く。
「男を探しているのだったら、僕でどう?71才なんだけど」と来た。
皆、にやにやである。
その後、若い女性に「肌がきれいになる薬あげようか?」とのこと。
このおじいさん、ちゃんと、新聞読んで、社会の事件(伝言ダイヤルの事件)を知って冗談に取り入れている、皆、大笑いであった。

<塩屋での冗談>
塩屋さんで、一人の20代後半と思われるお店の男性を取り囲んで、どれがいいかな、どれが美味しいの?と聞いていた。
それを見ていた常連さんらしい男の人が、そのお店の男の人の肩をぽんと叩いて、「な、悪いこと言わないから、こんなかから、一人、嫁さんにきてもらえ」と行って、その場をすぐ離れた。
そのお店の男性は、とても恥ずかしそうであった。
とっても面白い。

場内というのは、本当に、男の人と魚が圧倒的な数を占めているから、若い女性と行くと、華やかな冗談が出て来て、とても、楽しい。



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1999年01月12日(火)

料理における甘さ


塩の味付けについては、減塩が流行の世の中、うるさい人が多い。
私も昔は相当塩辛いものを食べていたが、それでも、世の中の影響を受けて 少しは塩や醤油が控えめになった。
控えめに慣れると、「昔の料理は、本当に醤油が濃かったな」と思う。

塩加減についてうるさい人は多いが、料理の甘さには、余り一言ある人は少ない。
塩辛い」の反対は、「甘い」のではないと思う。
「塩辛い」の反対は、「塩辛くない」が正解ではないか。
(「塩がきつい」の反対は、「塩がきつくない」であり、「甘い」ではない。)

我が家は、先祖や親戚が、中部・関東圏の出身で、しかも東京に住み始めて100年以上なので、どうしても甘いおかずが苦手だ。
甘さが勝つものをおかずにご飯を食べることができないのだ。

関西にいたとき、関西風の味付けについて、「薄味はどう?美味しいやろ?」と聞かれることが多かった。
正直に言うと、ちゃんと出汁の味で、塩の少なさを補った料理は美味しいと思ったが、ややもすれば、砂糖の甘さで薄味を補った料理も多く、閉口した。
確かに、塩加減が薄くても、出汁の味・素材本来の味を引き出している料理は素晴らしく、とても、とても、美味しい。

また、神戸の中華街で、評判の店に入って食べたら、甘くはなかったのだが、薄味過ぎて私には味がなかったことがあった。
塩味もしなければ、砂糖の味もしなくて、味がないのだ。
でも、回りの関西の人たちは、美味しそうに食べていた。
う〜ん、私は、本当に素材だけの味でも美味しく感じられない舌だとわかった。

街の名もない店で料理を食べる時は、やはり、食べ慣れた味付けや塩加減の方が、少しは美味しく感じると思う。
私の場合、関西で、おざなりの料理を食べると、口が慣れていない薄味の上に、甘さが強すぎてどうもだめだった。
東京の人は、関西ですぐうどんなどにお醤油を入れると言われるが、あれは、味を濃くするためではなく、甘さを打ち消すためだと私は思う。
私は、初めの頃、関西の薄味うどんをそのまま、食べることができたが、それは慣れていなくて、口がまだ緊張していたからだと思う。
慣れてくると、やはり、うどん屋によって、ちゃんと天然出汁の店、化学調味料の出汁の店、甘さで味を補っている店など、舌が判別するようになってしまった。
会社の食堂のうどんなど、周囲の関西の人たちの視線も気にすることなく、お醤油をじゃーっと入れないと食べられなかった。
しかし、美々卯のうどんなどは、そのまま美味しく食べることができる。
街の普通の洋食屋で食べるハンバーグも甘かった。

変な言い方だが、関西の人が塩味に敏感なのと同じで、関東の人は、おかずの甘さに敏感なのだと思う。
よく関東の味付けは、甘辛いと言われるが、甘いだけより、甘辛い方が、まだ、ましだと感じる人々が多く住んでいるからだろうと思う。
関西の人は、甘辛いより、甘い方を美味しく感じるのであろう。

私は詳しくないし、そんなに老舗にも行ったこともない私が言うのも適当かどうかわからないが、本当の江戸料理は、多分、甘辛いのではなく、醤油味が美味しい料理なのだ。



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1999年01月13日(水)

焼きがき 1/2


焼きがきといっても、私の甥の丸焼きではない。
牡蠣を炭火で焼くのだ。
この話しを聞いた時に、とても美味しそうだと思った。

この前の土曜日、築地で、30個買ってきたのだ。
で、結論は、ひと言でいうと「美味しかった」である。
だったら、誰にでも勧めるのと行ったら、やはり、持って帰るのが重いのが欠点だ。
築地で、重さを考えずに買って、渡された後、やはり、相当重かった。
それも、食べる量はこの重さの数十分の一であり、殆ど殻の重さなのである。

味は重いものを持って帰っただけのことはあった。
生牡蠣もいいが、生牡蠣を食べる時は、殆ど、ツルッと、口を通り越して喉に行ってしまう。
あっという間に食べ終わってしまう。(ま、それなりに美味しい余韻もあるが)
それに高校生のときに、家で、広島のおみやげの生牡蠣を食べて食中毒になり、ひどい目に合っているので、家で生牡蠣を食べる機にはなれない。
(この食中毒だが、広島で買った牡蠣を冷蔵の手当もせずに、新幹線で東京まで運んだものを食べたのだと思う、牡蠣が悪いというより、運搬方法に問題があったらし。)
ちょうど11月に買ったバーベキューコンロの新品を使ってみたかったのだ。
サンマの季節も終わったので、ちょうど、牡蠣が手頃である。

味から、言うと、「本当に美味しい」
口の中に、海が広がるのだ。
剥き身と殻付きの牡蠣では、こんなにも新鮮さが違うものかと驚いた。

私の場合、炭火で焼いたが、もしかして、ホットプレートにアルミホイルを敷いてその上に並べてから蓋をして焼くのが一番正解かいも知れない。
何せ、30個買ってきた牡蠣のうちひとつが爆発したのだ。
爆発すると、蠣殻が飛び散って大変である。
ホットプレートの蓋つきなら、万が一、牡蠣が爆発しても、殻のかけらが四方八方に飛ぶのを防いでくれると思う。
甥2なぞ、怖がって、「もう、やめよう、こわいからいやだよ」とうるさかった。
確かに、身体が小さい子供は、恐いだろう。
飛び散る小さな破片は、どこをめがけて飛ぶかわからないから。

MLでならって、トマトケチャップ+トウバンジャン、レモン汁、ぽん酢で食べた。
思いのほか美味しくなかったのが、ぽん酢であった。
他の二つは、とても気に入った。

また、やるかというと、重さを考えて、年に1回の楽しみとして、お正月明けにでも 毎年やりたいと思った。
殻付きの牡蠣は、普通のお店で買うと高いけれど、ま、あの重さを持って帰ってくるのだから、しょうがないかなと思う。




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1999年01月14日(木)

焼きがき 2/2


以下、人から習いながら、牡蠣を焼いた手順

1. 牡蠣はきれいにたわしなどでごしごし洗う
  割と海草がまとわりついていた
2.牡蠣には上下があり、ふっくらした方が下側だから、下側を網に置く
  人間の口に喩えたら、受け口に見える形が、上下正しいと思う。
3. 炭火に置いて5分くらいすると、「シュー!」という音で、牡蠣の内部の水に
  火が通り、沸騰しつつあるのがわかる。
4. お利口さんの牡蠣は、ひとりでに口を開けてくれる。
  こういう優等生タイプは少なく、皆、頃合いを見計らって、ナイフを差し込んで
  口を開けなくてはいけない。
  口は堅くない、但し、熱いのだ。
  軍手では足りなくて、軍手を二つ折りしたものを使って牡蠣を押さえた。
  開け方が悪いと、軍手がびしょびしょになってしまうし、ここいらへんのやり方
  はもうちょっと工夫する余地がある。
  ボウルに受けざるをセットしておいて、その上で、牡蠣の殻を開けると、ざるに、
  殻のゴミが落ち、その下のボウルに汁が落ちるので、うまく行くと思う。
5. 牡蠣を開けた瞬間、蠣殻の中は、とてもきれいだ。
  そしてふっくらした牡蠣の身がふくふくと煮えている。
  食べる分には熱くはないが、汁は相当熱い、汁を飲むのは、ちょっと置いて
冷ましてからの方が正解である。



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1999年01月15日(金)

たらこ屋のおじさん


「東京の手みやげ」という本で、築地場外の田中商店を知った。
たらこと鮭の専門店である。
ここは、どうも名高い料亭がたらこや鮭を仕入れる店のようだ。(お店のおじさんには聞いていない、私がそう思っているだけかも知れない。)

たらこも本当に品質がピンからキリまであって、様々である。
同じたらこと名がついても、名ばかりのものも多い。
私としては、安くてまずいたらこを沢山食べるより、高くて美味しいたらこを少量食べたいと思っている。
それで、一年半前に、この店に買いに行った。

「国内産の一度も冷凍していないたらこの上等なのが欲しいのだけれど」と言って買いに行ったような気がする。
おじさん曰く、「あるよ、でも、家庭用にはもったいないよ」とのことであった。
しかし、そのときは、それを買った、確かに美味しかった。
北海道で採れたたらこをそのまま、漬け汁に漬けるのが最高だとのこと。
そのたらこは凍っていた、漬けるときまでは、凍らせていなくても、東京に運んでくるときは凍らせるそうだ。
たらこの殆どは、ロシアで採れて凍らせたたらこを北海道に輸入して漬けるとのことである。

それから、たらこがなくなると、4〜500gずつ買いに行っているので、おじさんは、私の顔を覚えてくれた。
買ってきたたらこが、小さ目のときは、ひと腹ごと、大き目のときは、1/2腹ごとラップに包んで凍らせる。
おかずが足りないとき重宝である。

夏場になると、たらこの価格は上がるそうだ。(そりゃ、冬場に採れたものを冷蔵か冷凍保存しておかなくてはならないからしょうがないが)
夏場になって、国内産のたらこを買うのは止めて、おじさんのお勧めの「家庭用ならこの程度で十分」というたらこを買うようになった。
それでも我が家では、大変評判がよい。

先日、知り合いを連れていったときに、「うちには、料亭用の最高級と家庭用の最高級と、最高級にも2種類あるのだ」とのこと。

このお店は、鮭の粕漬けが有名で、色々な雑誌に紹介されるそうである。
一度、鮭の粕漬けを買ってみたのだが、そのときもおじさんは、「家庭用か、お使い物用か」を聞いてくれた。
(勿論、粕漬けは美味しかった。)

このおじさんの商売に対する姿勢がとても嬉しい。
シロウトが使う食材と、料亭が使う食材が同じものである必要がないからだ。
料亭はどんなぜいたくな人が食べても、見た目も味にも落ち度のないものを使う必要があるが、家庭で食べるときは、そこまで要求されないし、見た目にまでお金をかけるのは、もったいないのだ。

ここのたらこを買うと必ず、家人が誉めてくれるのと、このおじさんが気持ちの良い人だから、いつも、ここで、たらこを買ってしまう。



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1999年01月16日(土)

我が家のカレー


数年前、友人とカレーの話しをしたときに、私の家のカレーの作り方が、世の中の進歩から隔絶されていることに気づいた。
世の中の一般は、市販のカレールーを使うことが普通であることを知った。
考えてみれば、友人とカレーについて、話すこともなく、友人の家でカレーを食べることもなく、我が家のカレーが旧態然としていることに気づかなくても、不思議はない。

本当に我が家は、カレー界のガラパゴス諸島で、進化しないままのカレーが残っている。
カレーを手軽に食べるなら、ほっかほっかで買ってきてしまうし、家のご飯として食べるなら、このレシピか、香辛料を合わせたインド風を作る。
きっと、何度か、カレールーを買って使ったこともあったのだが、どうも口に合わず、昔の作り方に戻ってしまったのだと思う。

では、レシピを

<だいたいの分量>  小麦粉  大さじ3
           カレー粉 大さじ 1+1/2〜2
            スープ  カップ4  
           油(もし、小麦粉を油で炒める場合は、割とたっぷりめ、
           大さじ2〜3)

<作り方>
1.野菜・肉を切って、炒めて、鶏がらスープやチキンブイヨンで煮る
2.小麦粉を炒る  母のやり方を見ていると、油っ気のないフライパンで小麦
  粉を煎るようだ。
  私は母のやり方だと自信がないので、油を入れて炒める。
  小麦粉が茶色くなるところまで炒める。
  炒め方が足りないと、美味しくないし、炒め過ぎると、焦げ臭くなる。
  薄茶色になってきた時点かな、薄茶から茶色になったくらいでよいと思う。
  最近、作っていないので、曖昧だが、多分、10分から15分程度炒める。。
3.カレー粉を入れて一緒に炒める
4.(母のやり方)新聞紙に2を広げて冷ます
5.(母の場合)4を鶏がらスープで溶かす
  (私の場合)3をチキンブイヨンスープで溶かす
6.野菜・肉と合わせて、少し煮る
7.塩・胡椒で味を調える

豚肉のロースの薄切りが早く煮えて、しかも良い出汁が取れるので。肉は、豚ロースの薄切りを使う。
カレーの本を読んでいたら、この小麦粉の炒めたのに、さらにま茶色に炒めた玉ねぎを炒めたのを入れたのが、英国式と載っていたのを見たことがあった。
初め、英国式で伝わってきたものが、日本庶民が真似している間に、玉ねぎを省略しても小麦粉の炒めた香ばしさだけで十分美味しいことを発見して、このような形になってしまったのではないかと思う。



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1999年01月17日(日)

ドレッシングのかき混ぜ方 1/2


カレーと同じで、市販のドレッシングを買ってきても使い切ったことがなく、これまた、手作りを続けている。(と言っても一週間に一度程度)
化学調味料に強いはずの家族も、結局手作りのドレッシングがいいと言う。
最初にドレッシングの作り方を覚えたときは、ボウルに塩・胡椒・マスタードとお酢を入れ、泡立て器でかき混ぜて塩を溶かす。
その後、泡立てながら、徐々にサラダオイルを入れる。
なんて、今から考えればずいぶん流暢なことをずっと長く続けていた。

もうどのくらい前になるだろう、友人の妹が女子大の食物科に行っており、「泡立て器でドレッシングを混ぜるのは、混ざり過ぎで美味しくない、正しくは、スプーンで規則正しいスピードで混ぜるのだ」と言った。
正直、「そこまで、やってられないわい」と思った。(だから、一度も真似したことはない)

その後は、シェイク方法に切り替わった。
使った容器は、アフタヌーンティで売っていたプラスチックのふたの付いている、ガラスのコップだ。
これに、塩・胡椒・お酢を入れて、がちゃがちゃ振って塩を溶かすのだ。
その後、油を2,3回に分けていれて振る。
これは、ふたのプラスチックが弱くて、亀裂が入いること多く、長続きしなかった。
弱い材質なら、ふたのレフィルを10個単位で売ればいいのにと思う。

その後は、本当に小さい泡立て器をパイレックスの200ccの計量カップに、突き刺し、錐を回すように、両手の甲で挟んで回してかき混ぜていた。
これも、結局、泡立て器を洗うのが嫌になった。
そして、この正月に新たな新兵器を発見したけれど、このことは、また、明日。



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1999年01月18日(月)

ドレッシングのかき混ぜ方 2/2


ドレッシングは作り置きしないほうが美味しいから、少量ずつ簡単に作れて、容器が簡単に洗えるのが一番良い。
ドレッシングのシェイクの瓶で適当なものを探すのはとても難しい。
例えば、佃煮などの瓶は、蓋が金属だから、ドレッシングに何回か使うと、金属部分が錆びてしまう。
ドレッシング専用の瓶も、1、2種類、売られているのを良く見かける。
しかし、どうして、皆、細長い形なのだろうと不思議である。
多分、料理も片付けもしない人が考えた形ではないかと思う。
狭くて細長い瓶なんて、きれいに洗おうと思ったら、手間がかかって実用的ではないのだ。

で、お正月に池袋東急ハンズで、パイレックスの「レンジで混ぜるポット」がドレッシングシェイクに向いているようなので、買ってきた。
ガラス製で口が大きいから、洗いやすく、しかも蓋にパッキングが付いているので、完全密封で、がちゃがちゃ振るのにちょうどいい。
全体の形は、ミルクピッチャーを肥らせた感じである。
値段が高いのがたまに傷で、確か750円だった。
多慶屋に行ったら、同じパイレックスで「耐熱性保存容器 パック&レンジ」というものがあった。(確か350円。)
こちらは、本来の目的として、蓋をすれば、ラップをかけなくてレンジにかけられる、冷めてからそのまま保存できるために作られたものである。
こちらは安いので、実験するために買ってみた。
両方でドレッシングを作ってみたが、やはり、値段が高い方が密封性が高くて、シェイクするのに適していた。
安いほうは、振ると少し、液体がこぼれてしまう。
そうは言ってもガラスだから、落としたら終わりだし、パッキングの部分は、使いこむとどうしても油っぽくなって、きれいに洗うことが難しくなる。
どうして、ドレッシングシェイク用の容器をメーカーは、工夫して作ってくれないのか。
ま、そうは言っても、「レンジで混ぜるポット」が一番、ドレッシングシェイクに向いていそうなので、当面は、このポットを使いながら、これが多慶屋でも扱われるのを待つしかないかと思う。



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1999年01月19日(火)

究極のケーキレシピ 補足


とうとう、スポンジケーキが不満なく焼けるようになった。
最後、悩みであった下の方に火が入り過ぎて、上に比べて固く焼けてしまうこともどうにかクリアできたのだ。

原因は、下火が強いこと。
石綿のついた餅網をなぜか会社近くの薬局で発見して、買ってきた。
アルミの縁のあるお盆のような器の底に石綿が張ってあり、その上、1.5cm程上の縁に、金網の餅網を乗せるタイプであった。
これに乗せてケーキを焼いたら、全然固まらなかった、この状態では、下火が弱すぎるらしい。
次に、上の餅網を外し、石綿の上に直接ケーキを置いて焼いたら、今度は、160度の温度では、熱が弱すぎるらしく、ケーキのタネが中々固まらない。

それで、170度にしてみた。
これでどうにか思うように、下の方も、上の方と同じ柔らかさで焼けるようになった。
しかし、今度は、170度で10分焼くと、上の方が、こんがりきつね色になってしまうので、アルミで覆うことになった。
今度は、アルミのかぶせ方で問題が生じた。
アルミのかぶせ方が悪いのか、膨らむケーキの上面にアルミが接触してしまい、上の部分がアルミにくっついてしまうのだ。
何回か失敗を繰り返しているうちに、アルミのかぶせかた自体よりも、ケーキ型か側面の紙の高さが低いことが原因だとわかった。
すなわち、膨らむケーキにアルミが接触しないようにアルミの天井を作ることもコツの一つであるようだ。
さて、柔らかさでは殆ど完璧のスポンジが焼けるようになったので、今度は、どこまで砂糖が減らせるかを研究してみようと思う。



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1999年01月20日(水)

バネのついたケーキ型


合羽橋のお菓子道具の店に行くと、色々な材質・色々な種類のケーキの型が揃っていて圧倒される。
スポンジケーキの型の高さは、5.5cm程度のものが多い。
私の場合、多分、泡立てがうまくなり過ぎたのか、卵大3個を泡立てて、5.5cmの高さで焼くと、焼いている最中に、容器から溢れそうになることが多い。
これは、側面に敷く紙を高くすれば防げるかも知れないが、焼くたびにそのことを気にするのは面倒だ。
それで、高さ7cm程度の直径18cmのスポンジの型を探しに合羽橋へ行った。
スポンジケーキはそんなに高く焼くものではないらしく、高さのある型は、余りなかった。
二軒めの馬嶋屋さんで、高さ7.5cmを発見。
但し、側面にバネのついた高級品で1600円程度の値段だ。(何の工夫もないスポンジケーキ型は、この1/3程度の値段で買える。)
今まで値段が高いから避けていたバネ付きであるが、ま、メーカーが私の好きなクッキングガスマットを作っているタイガークラウン社だったので、試しに買ってみた。

早速使ってみた。
側面にあるバネを止めると、普通のケーキ型になり、バネを外すと、側面が外れ、底と分かれる。
確かに焼きあがったときに、バネを外すと、即、スポンジケーキが現れるので、楽は楽だ。
焼きあがったら、台に置き、側面のバネを外す、そして、側面の紙をはがす(側面紙はそのうち省略することになると思う。)
底取れタイプの普通のスポンジの型だと、片手を型の底に当てて、もう一方の手で、側面の型を反対の腕に落として側面を取るのだ、そして、側面の型が腕に落ちたら、もう一方の手にケーキを持ち替える。
これに比べたら、本当に楽だ。
底の金属の板と、スポンジケーキの底の間に包丁を入れると、型崩れすることもなく、スポンジケーキを型から、完全に外すことができる。
底取れのバネなしに比べると底板の周囲が若干盛り上がっているが、これは、焼き上がりにそんなに影響はない。

確かに優れものは優れものだけれど、やはり、値段は高い。
(但し、バネが付いているだけではなく、高いだけあって、ステンレス製で、持ったときなどにステンレスの端で指を切ったりしないように端が処理されている。
本当に安い物は、この処理がずさんなものもあり、確かに何かの拍子にアルミやステンレスの端で指を切ることがある。)
ケーキ作るのが大好きで、これからも作り続けるであろう人には勧めるが、たまにしか使わない人は、普通の価格の安いタイプで十分だと思う。

それより、ケーキの型を買うときは、どのくらいの高さのケーキが焼きたいかが基準だと思う。
不二家のショートケーキのようなものを焼きたい人には、高さ7.5cmは、絶対のお勧めである。



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1999年01月21日(木)

揚げ物の油切り


高温で揚げ物をした場合の油切りは、簡単であるが、低温の揚げ物の場合は、中々難しい。
先日、100度以下で揚げたトンカツを一旦、網に取って油を切った後、熱いうちに、新聞紙の上に広げ、両面の油を新聞紙に吸い取らせた。
油を吸うということにおいて、新聞紙は中々のパワーがある。

これで完全に冷ましてから、食べる直前にオーブントースターで温め、食べる時には、半紙の上にトンカツを乗せた。
半紙も、油を吸い取るという意味では、大変適している。
ここまで油切りを徹底的に行ったら、全然美味しくないのだ。
油っぽい揚げ物も不味いが、油分を殆ど持っていない揚げ物というのも不味いことがわかった。
次は、新聞紙の油切りを片面だけにするか、時間を短くしてやってみようと思う。



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1999年01月22日(金)

鶏のコンフィ


鶏とか鴨のコンフィという料理がある。
ラードを溶かした中に、鶏や鴨の骨付きももをつけて、2時間半、80度の温度で静かに煮るのだ。
そして、食べる時に油を切り、両面をフライパンで焦げ目を付けて、ドミグラスソースをかけて出来上がり。
我が家は、普通に焼いた鶏は固いと食べてくれない人がいるので、クリスマスにこの料理を作った。
時間をかけた甲斐があって、鶏肉はとても柔らかく、皆、全部食べてくれた。

今後も80度で2時間半もラードで煮て柔らかくする手間を行うかどうか悩んでしまう。
別の料理本で見たら、やはり、ローストチキンを焼く時に、回りに野菜・水やバターを置き、常に、鶏肉に水分や油分を補給しながら焼くと、パサつかなくて柔らかく焼けると書いてあった。
今年のクリスマスには、80度で1時間程度、油半分、水半分で鶏肉を煮て、それで焼いてみようと思う。
鶏肉のコンフィのレシピはいつもプロのフレンチのシェフが書いたものばかりである。
家庭で食べるコンフィは、フレンチのレストランで食べるほどでなくても十分だから、工夫して今後も作っていきたい。



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1999年01月23日(土)

削り粉 1/2


和食の本を見ると、割と思いっきり削り鰹を入れないと、良い出汁は取れないように書いてある。
確かに、だしは沢山使った方が美味しいに決まっている。
でも、安くて品物がいいと言われる築地で、大量に買ってきても保存する場所の問題もあるし、だいたい、保存しているうちに品質が劣化してしまう心配がある。
そんなときに、「削り粉」の評判を聞いた。
築地の削り粉は、料理屋さんたちがつかう削り節を削った粉だから、品質がいいとのこと。
また、削り粉自体、普通の削り節より油分を含んでいるので、濃い出汁が取れるとのことであった。
値段も普通の削り節に比べて格段に安い。
それで、今まで2回、削り粉を築地で買ってきた。

★ 削り粉の利点
1. 安いので、思いっきり、使える。
  (削り節を和食のレシピどおりに使おうとすると、思わず「もったいない」と
  思ってしまう、そう思わない分、気楽に使える)
2.保存の場所を取らない。
  築地の削り粉は大袋だし、やはり、常温で置いておいたら、品質の劣化は避け
  られない。
  一度目にそれで懲りたので、二回目は、初めから、3つに分け、2袋は、冷凍し
  てしまった。
  冷凍したものは、確かに買ってきたばかりのものに比べて、出汁を取ったときの
  良い匂いはしないが、味は別に悪くなっていないと思う。

料亭の料理を作るわけではないのだし、高い削り節をけちけち使うより削り粉がいいと思う。



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1999年01月24日(日)

削り粉 2/2


削り粉の欠点は、出汁を取った後、始末がちょっと厄介なことである。
色々やってみたが、下記やり方に落ち着いた。
昆布を静かに煮出して、引き上げた後、ガス火を強くして、沸騰させる。
(これは、昆布くささを取ると本に書いてあったから、やっているのだ、私にはおまじないのような気がしないでもない。)
そこに手で削り粉を握ってパッと入れて、かき混ぜて、火から降ろす。
沈むのを待っている間に、浮いたあくを取る。
沈んだ段階で、上澄みはそのまま、違うお鍋か、ボウルに取り、最後の削り粉を含んだ部分は、目の細かいあく取りで濾す。
量は、600ccで、手にいっぱいくらいで、20g弱だと思う。
こういうしっかりした出汁で取ったお味噌汁は本当に美味しい。

余談であるが、解凍した削り粉で上記のやり方で出汁を取って、お豆腐となめこのお味噌汁を作ったが、とても美味しくできた。
出汁の取り方もあるだろうけれど、お豆腐を細かく切った後、一旦、お湯に入れて、ぐらっと沸かし、水切りをしたので、味噌汁が水っぽくならずに美味しくできた。



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1999年01月25日(月)

マイペースな手前味噌


味噌を手作りすると、本当に美味しい。
だいたい、材料がいい(国内産の新大豆・神田明神天野屋の米麹・粗塩)し、余計な化学的なものが入っていないから、味がすっきりしている。
そうわかっていても、今年は作ろうかどうか悩んでしまう。
味噌を作るとなると、買い物も入れて、1日はつぶれてしまう。

従来、私の味噌は、樽に詰めて、重石を乗せて、たまりをあげるやり方だった。
去年、人の勧めで、重石をしないで、たまりを味噌の中に残すやり方で作ってみた。
出来上がりはというと、たまりを混ぜ込んだ方の味噌の方が、母たちには評判が良い。
「田舎のお味噌の味がする」そうだ。
そう言われればそういう気がしないでもないが、たまりを切った味噌もすっきりしていて美味しい、捨て難いと思う。
ただ、私が味噌を仕込むと、非力なので、大豆と麹・塩を混ぜる時に、相当、水分が多くなってしまうのだ。(水分が多い方が、力が不要だから)
それで、今年の味噌は相当ゆるゆるのものができてしまった。
この反省に基づいて、今度から、従来の重石の半分の重さを1か月、味噌玉に乗せ、今までの半分の量のたまりを出るように仕向けようかと考えている。

また、私のやり方が悪かったせいだろうが、表面に塩を振らないものだとのことだったので、そのとおりにやったら、出来上がる2,3か月前から、表面がかびだらけになってしまった。
そして、去年は、「お味噌は2月に漬けるのが一番」と習ったが、やってみたら、従来の11月と味は変わらなかったと思う。

例年、2月から忙しくなるので、今年はお味噌の仕込みをやめて、近所の手作り味噌屋の味噌を味わってみることにしよう。
そして、11月になったら、仕込む自分のペースに戻ろうと思う、味噌づくりもマイペースというか、自分の生活のカレンダーに合わせるのが一番である。



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1999年01月26日(月)

子供の悩み


会社で営業斡旋があり、子供用のタオル地のハンカチを買うことになり、甥1にハンカチをあげた。
「ハンカチは何に使うの?」と聞くと、「学校で、涙が出た時に使うの」とのことだ。
その言葉を聞いて、大人たちは、「ギクッ!」である。
涙が出る理由を聞けば、なんと、「いじめられたとき」と言うのだ。
また、大人全員「ギクッ!」である。

ギクッの後、すぐに、私より早く妹が反応した。
「甥1ちゃん、イジメにあったら、おばちゃんにすぐに言いなさいね、おばちゃんがどうにかするから」と真顔で言う。
甥1は、知らん顔をしていた。
恥ずかしいことを話してしまったと思ったのだろうか。

ま、彼の場合、一年中楽しそうな顔をしているし、お風呂も親と一緒に入っているから、暴行など加えられたら、すぐにチェックできるであろう。
ま、本人がイジメと感じているだけで、割と本人にも落ち度がある場合があるから、やはり、冷静に対応するしかない。
しかし、「イジメ」という言葉を聞いただけで、こんなに心配してしまうなんて、嫌な時代だ。



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1999年01月27日(火)

汚い!


ある日、甥2がおばあちゃんの家からの帰り際に、「今日、僕、嫌なことがあったの」という。
大人たちは、口々に、
「誰かにデブと言われた」
「おかあさんに『もう、沢山ごはん食べちゃだめ』と言われた」と言う。
「違うもん、今日の嫌なことは太っていることと関係ないの!」だそうである。
そこで、また、大人は、
「わかった、好きな女の子に、冷たくされた!」
甥2は無視して、帰ってしまった。(大人の軽さに呆れたのだろうか)

次の日、情報通のおばあちゃんによると、どうも公園仲間に、きかない女の子がいて、その子にいじめられたのではないかとのこと。
おばあちゃんは、それとなく、「○子ちゃんって、乱暴なんだって?」と甥2に聞く。
甥2は、「よくぞ聞いてくれた」とまでは行かないけれど、「そのことを話したかったんだ」という感じで、○子ちゃんについて、割と夢中になって話し始めた。
「○子ちゃんって、汚いんだよ」
私は、「何?態度が汚いの?不潔なの?」と聞く
「あのね、○子ちゃんは、持っている鍵を口に入れて、つばつけて、それを僕ともう一人の子のほっぺたにくっつけようとするの。だから、僕、一生懸命逃げちゃったよ。」とF憤懣やる方ないという風に話す。

「そりゃあ、態度も汚いし、不潔!」と私はいう。
やっぱり、逃げるしかないよね、
けんかだったらやり返したらと言えるけれど、こりゃあ、逃げるしかないよね、お願いだから、こんなことやり返さないでねと思う。
彼の嫌なことがそんなことで良かったと安心する。
甥たちが「いじめられた」とか「嫌なことがあった」と言うのを聞くと、つい、暗く陰湿な目にあったのではと心の中で一瞬心配する私は、根が暗いのだろうか?それとも、甥を愛しているのだろうか?



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1999年01月28日(水)

新海苔 その後


甥2が新海苔をやたらに気に入ってしまった。
先日など、自分の家を出る時、「今日は、おばあちゃんの家でまりの海苔を食べるんだ」と楽しみにしていたそうだ。
おばあちゃんちに着くや否や、「まり、海苔は?」である。
「今日は持ってきていないの、まりの部屋にある」というと、「取ってきてよ」とのこと。
私も食べたいから、わざわざ階段を2階も降りて、取ってきてあげた。

「美味しい! まりの作った海苔、余所で売れると思うよ」などとお世辞を言いながら、ぱくぱく食べる。(海苔は肥らないから、親からストップがかからない)
誰かが、「まりがあぶる」ということを、「まりが作る」と教えたらしい。
私が海草を干して海苔作っていると思っているのだ。(この下町の狭い家のどこに、海苔を干す場所があるというのだ)
私がここで生海苔を買って来て、薄く延ばして干したら、「浅草海苔」が名乗れるかも知れない。
私が海苔を焼いて、甥と二人で海苔を売り歩く姿を想像すると結構面白い。
失業したら、この商売を考えてみよう。

しかし、本当に甥2は新海苔の味を覚えてしまい、ことごとく、「新海苔」を要求するようになってしまった。
私が美味しいと思うものを同じように美味しがってくれる子供というのは、本当に可愛い。(本当に「もっと、お食べ、たんとお食べ」と言ってしまう。)
余りに美味しがってくれるので、先日、築地に行ったときに、新海苔が切れたら、甥2が可哀相な気がして、予備に新海苔をもう3帖買ってしまった。
こうなると、今度の12月からは、初めから、10帖買おうと思う。



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1999年01月29日(金)

味がわかる


また、甥ネタでごめんなさい。
我が家には、2週間に一度くらい、甥2人と私の弟が夕食を食べに来る。
その他、毎日、我が家の夕食の途中で、食事を終えたその3人がきて、我が家の食事の残りとかを「それ、おいしそう」とつまんでいく。
私は、割とそれが嬉しい。

私は父が死ぬという経験をしている。
そのときに、感じたのは、家族の誰かが死ぬと、家庭にぽっかり穴が開いてしまって、それ以前のムードに何か隙間風が吹くような感じになるということだった。
父がいたとき当たり前だった明るいムードに、どうやって戻るか、私なりに考えた。
色々試行錯誤しているうちに、父がいたときには当たり前で気がつかなかったのだが、我が家にとって、美味しいものを家族で食べることが、我が家のムードを作っていることに、気づいた。
築地に行ったり、誰かの好きなものを嬉しそうに楽しそうに作ったり、その手のことをする人がいるからこそ、我が家なのである。
我が家の人間関係の基礎は、美味しい食べ物なのだ。

甥たちには、本当は、お料理を作る人になって欲しいし、おじいちゃんや私が作る料理を覚えて欲しいとも思う。
でも、今は別世帯だし、我が家の味は、きっと中々思うようには伝えられないと思う。
だから、今は、私たちのおかずをつまんだり、夕食を食べに来るとき、「美味しい?どういうふうに美味しい?」と聞き、食べ物のことをお話するようにしている。
そして、ちゃんと、適確なことを言うと、「えらい!」「すご〜い!君も大人になったね」などと、ほめたたえている。

そうやって、育つことで、将来、「やっぱり、美味しい食べ物がなくちゃね」という人間に育つようにおばちゃんは仕向けているのだ。
せめて、味のわかる人間になって欲しいのだ。
美味しいものが好きなことが、我が家に育った子の特徴なのだから。
(本当に我が家の父方の親戚には、驚くほど、築地に通う物が多いのだ。)



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1999年01月30日(土)

芝海老


大きな中華料理屋さんに行くと、海老のチリソースは、海老の種類により、数種類用意されている。
勿論、一番高いのは、伊勢海老、次が車海老、その次は、きっと、大正海老ではないかと思う。
どん尻は、決まっていて、芝海老である。
芝海老は、なんでも、江戸の芝浜で沢山取れたから、芝海老と名づけられたとか。
きっと、芝浜というのは、今の芝浦のことだろうから、江戸時代は、港区で、海老が取れたことに驚く。

芝海老は値段が安いから、まずいのかといえば、そんなことはない。
芝海老は、芝海老の味があり、私は大好きで、魚屋で見かけると、つい、買ってしまう。
今、食材の本で確認したら、芝海老は、車海老科だそうだ、そうか、だから、美味しいのだと、納得。

余談であるが、最近は、殻付の芝海老を買ってくると、頭で味噌汁を作る。
量が多いときは、固まらないように頭も凍らせてしまう。
昆布出汁を取って、その後に、この殻を入れて、海老の味噌の出汁をとり、味噌汁にすると、本当に美味しい。
そうか、車海老科の海老だったから、美味しかったのだと、初めて気づいた。
通常は、殻を剥いてかき揚げに使ったり、殻のまま、唐揚げされる。
しかし、我が家には、揚げ物嫌いがいて、この2つは、作ることができない。
この欲求不満をどこではらすかというと、八重洲に、「豊月」というお蕎麦屋さんがあって、ここで、かき揚げ天ざるを食べてしまう。
芝海老と、小さく切った厚いイカとのかき揚げは、たまに食べたくなるほど、美味しい。

私の芝海老利用法は、平凡でオムレツ・焼きそばの具に使ってもいいし、塩湯でして、冷まして、サラダに載せて、海老サラダにもいい。
海老の炒め物のレシピは、2,3日後に。



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1999年01月31日(日)

食材の下処理


私の料理は、凝り性と言われている。
料理好きには、2タイプいて、簡単に手早く美味しいものを作るタイプと、凝ってしまうタイプだ。
私のどこが凝り性かというと、食材の下処理が割と好きなことだと思う。
(手早い料理の人は、そこまでの作業を行う料理をしようとは思わないかも知れない。)
海老の背腸取り、イカの皮むきなんて、本当に好きだ。
量が多いときは、台所に椅子を持ち込んで、ボケっと、下処理をしている。
手先だけ、動かして、頭は、思い付くまま、色々なことを考えている。
ボケっとした時間が過ごせて、しかも、天然素材に触っていると、ストレスが解消されて、気がつくと、美味しい素材が料理できる状況になっているのである。
人の価値観であろうが、私は、この下処理のボケっとした時間が大好きだ。
最近は、築地でまとめ買いをして、まとめて、下処理をして、凍らせてしまう。

しかし、下処理の中で、どうしても、好きになれないのが、もやしのひげ取りだ。
一年に一度程度であるが、気が向いて、「もやしも、ひげを取った方が美味しいから」なんて、手を出すと、もう、いくらやっても終わらないことに気づく。
いつも、もやしのひげ取りに手を出してから後悔してしまう。
そして、いつも、途中で、「全部ひげ付よりは、少しでも少ないほうがまだマシだから」と止めてしまう、考えてみたら、最後までひげを取りきったことはないかも知れない。
それなのに、なんで始めてしまうのかというと、一年に一回程度だから、それがどんなに大変か忘れているのだ。
これだけ、科学の進んだ世の中になったのだから、安全で、ひげのないもやしを作ってくれたら、どんなに嬉しいだろう。

芝海老も、背腸まで考えると面倒だが、頭を取って、尻尾と殻を剥くくらいなら、1kg1時間弱で出来上がる。
背腸は、料理するときに、気づいた範囲で再度取るというふうに、手を抜いている。



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