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「美味しい!」が好き

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1998年10月1日(木)

ポトフまとめ


我が家で、家の外で、ポトフを食べたことのあるのは、どうも妹だけらしい。
なんでも、昔、麹町のお金持ちの家庭教師先のお母さんが作ってくれたそうだ。
その後パリでも食べたけど、麹町のとあまり変わらなかったと思う、でも、余り良く覚えていないわ、とのこと。

妹:「スープも野菜・肉も同じ深皿に入って出てきた。西洋風おでんですな。フランス
  でも、素朴な料理ではないかしら」
妹:(私のポトフを見て)「私が食べたのは、もっと、人参もじゃがいもも丸ごとで、お
  肉が大きかった。きっと、半日煮たこ〜んなに大きいお肉を(手が広がる)、切っ
  たものだと思う。」
私:「私のポトフはポトフに見える?」(謙虚でしょ?)
妹:「じゃがいもと人参がゴロゴロしているから、大丈夫、ポトフに見える」     (妹の分には、豚肉嫌いなので、ベーコンを入れなかったのだ。)
妹:「余所ではね、マスタードが添えられていて、好みで、マスタードを付けながら、
   食べるのよ」

ふむ、ふむ、妹の話しを聞いてから、色々な西洋料理の本を読んでみる。
王様のキッチン「大満足シチュー」には地鶏を1羽使ったポトフが載っている。
この程度なら、作るのは可能かも知れない。

すごいものになると、使用する肉の量が4人前で、「牛バラ肉の塊500g、牛スネ肉の塊500g、牛もも肉塊500g、牛の骨髄入り骨2個」である。(NHKきょうの料理シリーズ「西井郁の家庭でつくる軽やかフランス料理」である。
(ただ、そりゃあこれだけ使えばおいしいでしょうけれどね.....、ただ、ため息。)

暮らしの手帖の常原久弥著「一皿の料理」は牛肉一人100gである。

私の大好きな本の一つである佐藤雅子著「私の保存食ノート」(文化出版局)に、まず、牛バラ肉を塩漬けにしてコンビーフを作り、これを水から2時間茹でてその後野菜を足して煮るというのが載っていて、昔から、美味しそうだなと思っていた。
これが、佐藤雅子さんのお家のポトフとのこと。

入江真樹さんの「お料理はお好き」にも、まず牛バラ肉でコンビーフを作って、コンビーフと野菜を煮るものが載っている。

塩漬けした肉というのは、ベーコンを作るときに何度か作ったことがある。
また、ある居酒屋で「塩漬け豚バラ肉のグリル」を食べたことがあるが、これもとても美味しかった。

肉の塩漬けというのは、一旦、一晩塩でまぶして血抜きをし、その後一週間くらい、塩水に色々な味を付けたものの中に寝かせておくのだ。
これについて詳しくないが、多分、肉を熟成させるし、味を良くする効果があると思う。

これらを読んで色々次の手を考えていたが、牛はバラでも高いから、豚バラの塩漬けを作り、豚だけでは味が薄いだろうから、鶏ガラのブイヨンも加えて、ポトフを作ってみたい。



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1998年10月2日(金)

キャベツ使い切り法


ポトフを作るためにキャベツを丸ごと買った。
傷んでいる葉を2,3枚捨て、ポトフ用に、3つ折りにした後、ぐるぐるに巻いて楊枝で止めたものを7つ作った。(このキャベツのまとめ方は煮る場合とても便利だと思う。)
このとき、葉を傷めないようにと、大鍋にお湯を沸かして、その中にキャベツを丸ごと入れ、外の茹だった葉から、切り取っては、また、お湯につけを繰り返した。(このときに、中華の道具であるジャーレンがとても役に立った。)
一応必要枚数が取れたのだが、使い終わった後のキャベツは、中の方まで、お湯が入っているようであった。

ふ〜ん、これをこの後どのように使うか?
そうだ、少しくらい火が通ってしまったキャベツなら、「コールスロー」が良いだろうと、コールスローを作った。
丸ごとキャベツの半分くらいの葉を取り、厚い筋をこそげ落として、ざく切りにした。
また、ポトフに使った人参の残りを少し千切りにし、塩で軽く揉んでおく。
玉ねぎも半分程度を、薄切りにして、軽く塩を揉んでおく。
キャベツのざく切りに、重さの1%弱の塩とその3倍のお砂糖を入れて、軽く、まんべんなくそれらの調味料が回るように混ぜる。
しんなりしたら、砂糖の4〜5倍程度の量のお酢とサラダ油と、軽く絞った人参と玉ねぎをあわせ混ぜる。
その上に、器のボウルより一回り小さいボウルなり、お皿なりを乗せ、その上に缶詰でも乗せて、重石にする。
そのままの状態で、30分以上冷蔵庫で冷やしておく。
今回は、翌日のお昼までこの状態だった。
お昼に、急に大勢に食事を出すことになり、買ってきて温め直したから揚げと一緒に出したら、大変好評だった。
取り敢えず、塩と砂糖の分量を計るのに自信がなかったら(というか、秤を持っていない、持っていて一々面倒だと思う人は)、塩・砂糖を少な目で作っておいて、最後、出来上がりに味を見て、調整しても十分美味しい(実験済み)。

これは、日本橋のたいめいけん風のコールスローの作り方なのだ。(参考:「あの店のあの料理を真似したい」マガジンハウス刊)


それでも、キャベツは残った。
しょうがないから、陳建一の「毎日のおかず」にある丸ごとキャベツの蒸し煮スープを真似た。
要は、水の中に鶏の骨付きももを一本入れて、残りのキャベツを4つ切りにして、紹興酒と塩を入れて、そのまま、オーブンで130度で2時間煮た。
そして、冷めてから一晩冷蔵庫に入れておいた。
が、次の日、献立の関係で出番がなくなり、結局その次の日に、食べる前に温めて味を直して出した。
ふーむ、オリジナルレシピには、スープで煮るとあったのを、私は勘違いして、下ごしらえで、鶏を5分茹でてあくを取るのだが、その茹でた汁をスープと言っているのかと思い、その茹で汁を使ってしまった。
道理で、味がちょっと薄いから、またまた、鶏がらスープの素を少し入れて、塩を入れて、味を調えた。

結果、やはり、これも美味しいと評判だった。
家族から「柔らかく煮たキャベツって、本当に美味しいわね」との声が上がった。
私も、ことこと柔らかく煮たキャベツがこんなに美味しいとは思わなかった。

鶏の骨付きももも良く煮えていて、スープから取り出すときに、持ち上げるだけで骨から肉が簡単に離れた。
本当に柔らかくによく煮えていた。
骨ともう食べる価値がなくなった皮を取り除いて、適当な大きさに裁いた。
今度からキャベツガ余りそうになったら、何はともあれ、適当なスープで煮てしまうのがいいのかも知れない。

キャベツというのも一年中あるけれど、旬はいつなのだろう?

やはり、煮込みに使うキャベツは冬のものが一番良いかしらと思いながら、食材の本を見ると、何種類かキャベツの種類はあるようだが、その他に、春玉(新キャベツ)と寒玉とあって、やはり、冬に採れる寒玉が煮込むのに適しているとことだった。



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1998年10月3日(土)

浅草 洋食屋 ヨシカミ


昨日は東京地方、一週間振りの晴天となった。
雨が止み、視界が開けたら、京王線沿線の柿の木には、オレンジ色の柿がたわわにぶら下がっているのが目に付くようになっていた。

では、本題です。

先日、所用があって会社を1日休んだときに、昼に、浅草のヨシカミで、名物の「ハヤシライス」を食べた。

浅草は、本当に食べ物屋だらけだ。
よくこれだけ食べ物屋があって、皆、成り立っているものだと、呆れるくらい店がある。

雷門まで歩いたら20分弱程度のところに住んでいるのだが、私は、浅草はそんなに詳しくない、家から浅草へは交通の便が良くないのだ。
また、通っていた学校や勤務先が全て浅草の反対方面であったし、御徒町にはバスの便があるので、浅草は、余り行かなかった。
若い時は、食べ物よりもファッションに興味があったし、映画を見たり友人と遊ぶには、銀座や上野広小路方面がいい。

浅草に行くようになったのは、自分で食料を自転車で調達するようになってからだ。
御徒町・上野方面は、多慶屋・アメ横があるとは言え、老舗とか、「ここにしかないこれ」と言った類では、やはり、浅草の方が魅力が大きい。
浅草では、ちんやと松喜という、老舗のすきやき店が肉屋をやっており、安い小間切れでも美味しいので、ジモティにとっては、とても魅力的だ。(上野方面、良い老舗の肉屋はなかったと思う。)
そうだ、もう10年になると思うが、ROXという複合施設に、「リブロ」という西武系の今までの台東区にはなかった大型本屋ができたことも、浅草に行くようになった大きな要因だ。

今まで食べたことがあるのは、「尾張屋」「大宮」「十和田」「並木の薮」「中清」「大黒家」「暮れ六つ」「ぱいち」くらいかな、そうだ、小さい時は、じゅ楽(「じゅ」が変換できない)に良く連れていってもらったし、セキネのシュウマイも良く食べたような気がする。
行きたい店は沢山ある、「弁天山美家古」・「天丼のまさる」・「焼き肉の金楽」・「紀文寿司」・「寺方長浦蕎麦」「ステーキの松波」「鳥多古」「マノス」「フジキッチン」などなど。
ラーメンが美味しい店や、カレーも美味しい店があると場所だけは聞いてある。
そうだ、浅草寺の先の方に、大黒家がやっているお蕎麦屋があって、そこが美味しいとも聞いていて是非行きたいのだが、浅草寺の裏手のずっと先は、とても遠いのだ。
ヨシカミはそういう行ってみたい店の一つだった。(比較的西浅草に近い浅草にある。)

名物の「ハヤシライス」を食べたのだが、大変美味しかった。
ドミグラスソースが、甘くなく、トマト臭くなく、どちらかと言うと苦め系の味だが、苦くなく、とても美味しいのだ。
このドミグラス作るのは、相当手間だと思う。
食べて少し経っても、舌にグルタミン酸ソーダが残っているということもなく、すっきりした味わいだった。
さすが、自慢料理という感じがする。

ドミグラスは、私の腕では家で作るのはとてもとてもできないことだ。
本格的なドミグラスのレシピは何個か持っているが、普通の家庭では無理ではないかという感じだ。
しかし、今度、弟と甥が夕食に来る時には、タンシチューを作ろうと考えている。
果たしてどうなることやら。

ヨシカミのお店の雰囲気は「活気のあるレトロ」である。
昔のモダン思う。(本を見たら昭和25年からの店とか、比較的新しい店である。)
繁盛している店で、土日は多分行列ができる店だと思う。
建物も内装も昔のままだが、活気があって良い。

待っている間に、店の壁に、お持ち帰りのローストビーフの案内を発見。
「いいわね」と思う。
浅草近辺には、それなりに収入はあるが、家族全員で働いていて、忙しい家が多い。
そういうお母さんが、子供のお誕生日やクリスマスに注文するのかな?
私も簡単にここのローストビーフを注文してしまうくらいの、小金持ちになりたいなとか、サラリーマンのままでは無理だなとか、考えていた。(私が商売やったらもっと無理かも)

店の中央にオープンキッチンがあって、カウンターの目の前に、火力の強いガス代が6個程度あって、そこでコックさんが何人も料理している様子を見ることができる。
がんがんに、火力を強くして調理しているコックさんたちは、汗だくで料理している。
ここのコックさんは、余程体力がないと勤まらない感じがする。

ハヤシライスは1100円と手頃であるが、1日限定50食とか60食だそうだ。
ここのドミグラスを味わおうとしたら、他、ビーフシチューかタンシチューになるのであろうが、これは1980円と、ハヤシライスに比して価格が高い。(当たり前ですね)

ここのドミグラスならシチューも美味しいと思う。
以前、ビーフシチューを名物料理としている他の店で食べたことがある。
そこもグツグツ煮ているのがカウンターから見えて、待っている間、美味しそうだなと期待していたのだが、最後、仕上げにパラパラというか割と大量に白い粉を入れるのを見てしまった。
「やめて!」と叫びたかったが、やはり、声は出なかった。
見てしまったからそう感じたのではないと思うが、食べるとやはり、相当グルタミン酸ソーダの味がした。
ヨシカミは、多分そういうものが入っていないと思う。

初夏に、ヨシカミの前を横浜在住の友人と歩いたときに、彼女が、「生協で取り寄せるハヤシライスにヨシカミって書いてあるのよ、そうか、このお店なのだ。とても美味しいわよ。」とのことだった。
ヨシカミは良く雑誌等で紹介される店であるので、以前から行ってみたいなとは思ったけれど、周囲にこの店で食べた経験のある人がいないので、不安だった。
が、彼女の「とても美味しい」という言葉で、「これは是非行かなくては」と思っていた。
もし、生協のメニューにヨシカミのハヤシライスがあったら、これは試す価値があると思う。

他にたっぷりランチがお得そうだ。(開店から午後5時までの平日)
1480円で、その日は、ポタージュスープと、ビーフシチュウと、皿いっぱいのケチャップ味のスパゲティにコーヒーとアイスクリームだった
これを注文して食べている人が割と多かった。
場所は、国際通りに面しているROXの裏手だ。
ROXの六区の方の出入り口を出ると、ミニサッカー場があるのだが、その先、左前方にある。
建物はとても古く、余りきれいではない、でも一度試す価値はあると思う。
フレンチではなく、活気のあるレトロな洋食屋さんである。
全てがピカピカでないと気が済まない人には向かないが、それ以外の人には、それなりに美味しく味わえると思う。
まだ、一回しか行っていないから、お勧めかどうかわからないが、それなりに楽しめると思う。
この手のレトロ洋食は、やはり、銀座・神田・浅草の東京東半分が得意とするところだ。

洋食屋 ヨシカミ
住所:台東区浅草1−41−4 六区ブロードウェイ
   電話:03−3841−1802
営業:午前11:45〜午後10:30
定休日:毎週木曜日

支店:千葉県市川市市川南1−1−3
   南口一番街 本宮ビル2F
   0473−26−8787



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1998年10月4日(土)

渋谷 ラインガウ 1/2


私は、以前ある料理MLに活発に参加していた。
どのくらい熱心だったかというと、1年半に2000通くらい、投稿したと思う。
今は、そこを辞めている。辞めた代わりに他のMLに参加することとこのエッセイを始めた。
そのMLを辞めた理由は、突き詰めれば、そのMLの性格が料理MLから、交流MLに変わったことによると思う。

以前のMLで一緒だった昔のメンバー(大阪の女性)が東京に来たので、オフしてきた。
明確な日程が決まるのが遅かったので、参加者は、以前からその女性が東京に来たら会いたいわとお話があった方たちで、全部で、女性5人・男性1人と小人数で集まった。
店は、渋谷のラインガウというドイツ料理とドイツワインの店だ。
私は、この店に行くのは20年ぶりだ。
店の内装は変わっていたが、雰囲気とか、お料理がとても良かった。(お料理が昔と同じかどうかは、よくわからない。)
ワインと料理はとても美味しく、また、お料理の話しで盛りあがり、大変楽しかった。
だいたい、お料理好きをキーワードで知り合った人たちなので、オフすると、「良く食べ、良く味わい、お料理とそれにまつわるおしゃべりで」大変楽しい。
普通の会社や学校の仲間では、ここまで、食べることと、味わうことと、食べ物料理の話しに集中することはできない。

メニュー見て、食べたいものをあれもこれも選んでも、「ちょっと、取り過ぎではない?」なんて心配する人はいず、いつも「私も食べたい! あれも食べたい! これも食べたい!」という感じで、色々な食べ物を食べることに圧倒的に肯定的な雰囲気の中で、時間が過ぎていく。

お店の給仕してくれる女性がとても感じが良い人だった。
このお店は、確かドイツワインが好きな人が始めた店だと思う。
そのせいか店の人皆ワインが好きらしく、ワインを勧めるときに、「このワインは、昨日、お店の人たちで、開けて少しずつ試飲したのですけれど、やっぱり、ちょっとでは足りなくて、もっと飲みたいねと話した程、美味しかったですよ」と言うのだ。
こういう勧め方をされると、「そりゃあ、飲んでみなくては」と思ってしまう。

お料理もすべて美味しかった。
特に美味しかったもののご紹介を。

<ホワイトソース>
ここのホワイトソースを使ったお料理は最高である。
何が違うのか?
一人が、バターが違うのではないかとのことで、皆、納得。
やはり、バターは良いものを使わなくてはね。
(次の日、合羽橋で買ってしまった、カルピスバターの無塩)

<チーズ>
トルコペパーとブルーチーズとカマンベールが円の1/3程度、パンとともに出された。
私はトルコペッパーが気に入った。(初めて食べた。)
胡椒なのに、それ程胡椒臭くないし、中のチーズもほんのちょっと酸味があって美味しい。
家に帰ってから本を見ると、同じようなものが、「クリームチーズペッパー」という名前で載っていた。
そして、次の日、浅草ROXの地下のスーパーマーケットのチーズ売り場を見たら、「トルコ○○」というチーズが並んでいた。
トルコって、国の名前かと思ったら、どうも、メーカーの名前かも知れないと思うが、確かなことは分からない。
他の人たちには、ブルーチーズが評判が良かった。
私も食べたが、余り青かびの入った部分を取らなかったらしく、まあまあと思った。
(もう、相当お腹ができあがっていたので、もう一切れとは手が伸びなかった、残念。)

<デザート>
もう一つ、飛び切り美味しいのがデザートのザッハトルテだった。
ラストオーダーのときに、「ザッハトルテ以外は、後でも注文できます」と言われた。
ザッハトルテは生クリームをホイップする関係で、時間がかかるのだと言う。(私にやらせれば、電動ミキサーでガーだが、この店は手で泡立てるのだろうか)
そうなると、全員、デザートはザッハトルテに決まってしまった。
そして、ザッハトルテを食べるときに、男性が「デザートワイン」を注文するので、真似をしてみた。
そうしたら、良く冷えたザッハトルテに軽くてお砂糖の入っていない生クリーム、冷たいデザートワインがとても合うのだ、とてもとても美味しい、なんていう幸せ!
黒一点の男性が格好良いことを言った、「ドイツワインの真骨頂はデザートワインだからね」
(このセリフを覚えておくと、将来役に立ちそうだと思った。)

お酒は、初めにちょっとビールで、その後、ドイツワインを白2本と、赤1本を飲み干した。
皆、それぞれに異なった個性を持っていて、それなりにすべて美味しい。
簡単に書くと、甘くてフルーティな白、甘くなくてフルーティな白、軽くてすっきりした赤を飲んだ。
フランス系統のものに比べて、味の深みが少ないかも知れないが、これはこれ、軽くて若々しくて、フルーティで、美味しい、気に入ってしまった。
そういえば、ドイツワインと聞くと今まで反射的に白ばかり飲んで、赤は余り飲んだ覚えがない。
ドイツワインって、本当にフルーティーで軽さが気持ちが良い。

私はお酒は好きなのだが、銘柄を覚える気持ちと能力が全然ないようだ。
飲んでいるときは、そんなことを覚えようという気が起きないで飲んでいるのが楽しく、きっと、一生、覚えないに違いない。
お酒は、人にお任せしたい。
どうせなら、お店で、私が飲んだワインの名前を順番に日付毎にコンピュータにインプットしてくれるサービスをしてくれたら、どんなに助かるだろうと思う。
次のときに、「この前飲んだ、最初から3番目のあれと同じもの」とか注文できたらどんなに良いだろう。

こういうワインとチーズが美味しい食事をすると、家でもやってみたくなる。
でも、我が家はそういうものを受け付けないメンバーなので、とても残念だ。
ワインやチーズも好きという人と暮らしたくなる。(今日、家で聞いたら、チーズは1名受け入れるようだ、「私は洋行帰りよ!」だ。そうだ、忘れておりました。)

ラインガウのお店のカードをもらってくるのを忘れてしまった。
場所は、渋谷駅東口を出て、六本木通り(首都高が上に走っている)をずっと、青学のほうに登っていく、7分程度かな、渋谷2丁目という信号があるのだが、その信号のところのビルの地下である。
白地に茶色いぶどうの看板が目印。
電話番号:03−3406−4407
四谷三丁目交差点近くの富士銀行裏にも支店がある。

20年前に渋谷店に行ったら、やはり、とても感じの良い女性がワインや料理の説明をしてくれた覚えがある。
確かショートカットだったことしか覚えていない。今回、同じようにとても感じ良く説明してくれたあの女性は、昔と同じ人なのだろうか?
あそこまで、ドイツワイン・ドイツ料理に、愛情を持って語れる人は少ないだろうから、同じ人かも知れない。

四谷三丁目店は、今はわからないが、そういう女性がいなかった、メニューを頼りに自分で色々選択しなくてはいけなかったと思う。

今はどうなっているのだろう、四谷三丁目では、今、ワイン教室が催されているとのことだった。

ドイツワインは嫌い、という人でなければ、楽しめる店である。



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1998年10月5日(月)

渋谷 ラインガウ 2/2


さて、昨日書いたラインガウでの話しだが、お料理好きが集まると、食材・道具・技術から、どこで食べた何が美味しかったの、家族の好みから、家族の料理好き度まで、話しが尽きない。
また、皆それぞれに色々多方面にわたってこだわりを持つ人ばかりで、しかも知識が深い。
話している間に、「私は、HPを持っていて、文章考えるのが好きだから、エッセイなぞと言って色々書いているが、食べ物に対するこだわり度は、料理好きとしては、並み程度」と思った。(そう思えて、嬉しい面もある。)
本当に、皆、詳しいのだ、全てのことに。
皆、それぞれ、HPを作ってエッセイ書いてくれたら、面白いと思う。
私は自他ともに認める凝り性ではあるが、自分と同じくらいか、自分以上に、凝り性の人や食に興味を持っている人たちと久々話せてとても嬉しかった。
料理好きや美味しいもの好きは、世の中沢山いるのだ。

食は三代といわれるが、やはり、料理や食べ物が好きな人は、そういう環境で育っている場合が多いと思う。
突然変異で料理が好きになることもあるだろうが、元々、食べることが好きで、大切にしていて、美味しいものが出ると反応が良い家に生まれついたことが大きいのではないか。
(そういえば、昔は、「しゃべらないで、静かに食べなさい」とよく言われた、食卓で文句や愚痴は言ってはいけないかも知れないけれど、美味しいものを「美味しい」と言いながら、育つことは必要かも知れない。)
そういう家に育つか、もしくはそういう家庭に育った人と結婚すると、必要に応じて、料理をするようになってしまう、また、料理を始めると、素材の重要さに気づき、買い物に力を入れるようになる、
と、私は思う。

色々お話した中から何点かを書きます。(本当にもっともっと、沢山の話題があった。)

<美味しい料理を作るコツ>
・やはり、素材が良くないと美味しくない。
・素材が良いと、余り手をかけずに料理できて、しかも美味しい。
・旬を覚えないと美味しいものは食べられない。
 (素材が良くても塩加減を間違えたら終わりとの意見あり、そりゃあそうです。)

普通のバターより、上等なバターが美味しいに決まっている、お米だってそうだ、そこらへんで売っているお米より、産地直送でそれなりのルートで仕入れたほうが美味しい。
他の人たちは、お米の産地直送ルートを持っているようだ。
私の家だって、米不足が起きる前まで、新潟の酒造メーカーに産地直送ルートを持っていて、本当に美味しいお米を食べていたのだ。
あの米不足騒動でそのルートが途絶えてしまい、今は、米に関しては、流浪の民である。(涙、涙)

全てに、どこまで凝るか、う〜〜ん、わからない、もう、その人のポリシーとお財布によるしかないのだ。
この問題は、難しい。

帰ってから考えたのだが、魚柄仁之助さんのように、家庭でしか食事をしないと決めて無駄無く使えば、パン・味醂・米・バターのグレードアップはそんなにはもったいなくないのかも知れない。
中途半端に、ファミレスへ行ったり、出来合いのものを買ったりが混ざると、エンゲル係数はあがりっ放しになってしまうかもね。
外食・出来合いのものは、家賃や人件費・設備投資代が含まれているから、どうしたって、自分で作るのに比べたら、高くなると思う。

それにしても、安くて美味しいものを揃えたいと思う。
世の中、探せば、安くて良いものも相当ある。
じゃこだって、デパートで値段を見たら、とてつもなく高い、築地に行けば、安い。
出汁とか乾物だって、アメ横・築地は安い。
そう考えると、料理に凝る場合、買い物も含めた時間をどうやって確保するか、また、お料理に関する情報をどうやって集めるか、これができるかどうかが美味しいものを食べられるかどうかの分かれ目のような気がする。
インターネットができたおかげで、個人が個人レベルで色々な情報を全国ベースで集めたり、交換できるようになったのだ。
今は本当に美味しいもの好きには、良い時代なのだ。
ただ、まだ、一般化が始まって間もないので、もっと、効率の良い利用の仕方を考えねばと思う。
(勿論、私は一般化した後のWindows95以降の参加者です。)
意識するにしろ、無意識にしろ、他の楽しみに向ける時間を削って、食材とその情報収集に時間をかける人がお料理好きであり、美味しいもの好きなのだろう。

<カルピスバター>
そのときに話題に出たカルピスバターなのだが、上野のデパートで見たら、無塩が1250円で、有塩が1200円とのこと。
合羽橋だったら、無塩が730円で、有塩が720円だ。
この違いはすごいと思う、ただ、デパートのカルピスバターは箱に入っていて、合羽橋のは、銀紙で包んだだけのものだ。(中味は同じだと思う、合羽橋のは、業務用かも知れない。同じかどうか試すためにデパートで買うことはしないと思う。)
2つ買ったら、1000円の差が出る。
宇田川商店で聞いたら、家が遠い場合は、有り合わせの発泡スチロールの箱をくれるとのことだった。(氷は用意していないとのこと)
自分で、銀色の断熱性の袋を持ってくれば、氷は、近くのスーパーにあるから、私が、もらってきてあげられる。
カルピスバターを買うなら合羽橋だ。
蔓藤・本間商店・宇田川商店、全て取り扱っているが、価格に若干差がある。

お昼にトーストに塗って食べてみた、銀紙を剥くと、普通のバターより色白できれいである。
そして、パンに塗って食べると、脂っぽくなくてくどくない。
いつも買うバターより、145円高いだけだから、今度から、カルピスバター派になってしまいそうだ、こうして、また、エンゲル係数が上がるのだ。

<誰が料理するか>
私も常々、誰かに料理を変わって欲しいとは思うのだが、「真理子さんより下手な人の料理では嫌でしょ?」と言われ、それはそうだと思った。
でも、手をかけないで、美味しいパンとバターを買ってきて、焼き立てのトーストと熱いコーヒーを用意してくれるだけでも嬉しいと思う。
全部とは言わないけれど、誰か簡単なところを少し肩代わりしてくれる人がいると良いかなとも思うけれど、結局、美味しいものが好きで、技術を持っていると、手慣れているほうがつい動いてしまうというのが結論か。
美味しいものが食べたいばかりに手と頭を動かすと料理が上手になってしまう、そうすると、また、料理の仕事が回ってくる、悪循環ではある。
一生、ご飯作りからは、離れられないかもね。

<料理色々>
本当に料理方法・レシピは、料理好きの数程ある。
家族構成・食べ手の嗜好で得意料理も決まってくる。
簡単なことに着目すれば、簡単で美味しいものが発見できる。
凝れば凝っただけの美味しさもあるのだ。
それに、和食・中華・フレンチ・イタリアン・いわゆる洋食・インド・その他諸々国の数だけ色々な料理がある。
違う発想の人や、自分の不得手の分野が得意な人と話していても、色々な発見があって嬉しいし、同じ発想の人と話していても「そうなのよね」と心からうなづけるから、楽しい。
6人集まってもこれだけ色々話題が尽きないのだから、世の中、料理の本が沢山あるはずだと思う。

<山形庄内平野>
これは、私ともう一人山形に縁のある方とお話したことであるが、やはり、山形庄内平野はすごいということになった。
私もだだっ茶豆をいただいたときに、改めてじっくり日本地図を見たのだが、庄内平野は本当に大きいのだ、そして、隣が日本海、ここで、山の幸・海の幸が悪いはずはないと思った。
小さいとき、岐阜の親戚が自分の家の米で作ったお餅を送ってくれた。
食べてみると、山間部で採れたお米で作ったお餅より、相当、瑞々しくて味があって、美味しかったのだ。(今でもそれをはっきり覚えている。)
その直後に、岐阜の親戚に行くことがあった。見ると、濃尾平野のど真ん中の大きな長良川の近くに親戚の家があった。
そうか、大きな川がある大きな平野のお米は美味しいのだと、子供心に理解した。
東京では新潟や秋田のお米が有名だけれど、山形米は有名でないだけで、同じように美味しいとのこと。
あの庄内平野の広さが頭に入っていた私は、庄内平野のお米を買ってみることに決心した。(大きい川は最上川だ)
この文章を書いていて思ったのだが、山形のお米に「どまんなか」というのがあるが、あれは、「大きな平野の真ん中で採れたお米だから美味しいよ」という意味かも知れない。
そうだとすると、大きな平野の真ん中で採れたお米が美味しいということがピンと来る人でないと、意味がわからないと思う。

楽しいオフは、「死ぬまでの食事の回数は決まっているのだから、美味しく食べなくちゃ損」という男性の言葉にうなずいて、終わった。
これが結論かも知れない。
他人や経済問題に摩擦を起こさない範囲で、皆、これからも美味しいものにこだわって生きていくしかないのだ。
そして、時々、お料理好きが秘密結社のように集まって、視点や価値観や環境は異なりながらも、心行くまで、それぞれの立場で、お料理と食べ物の話題を語り合うのだ、そう考えると、これからの私の人生、まだ、まだ、楽しそうだと思える。



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1998年10月6日(火)

簡単キャベツのスパゲティ


私のキャベツのポトフの話しを見て、お便りをいただいた。
簡単で美味しそうなんで、許可をもらってUPします。
「簡単で美味しい」は私も含めて根強い需要があるから、大歓迎です。

<簡単キャベツスパゲティ>

我が家で良く作るキャベツ料理を紹介します。
それは、[キャベツと○○のスパゲティ]です。
○○には、オイルサーディンやコンビーフ、ツナ、
あまったひき肉、豚バラ肉などなど試してみましたが、
どれもまあまあおいしいですよ!
オススメはオイルサーディンです。

作り方は
1)スバゲティを塩をたっぷり入れてお湯でゆでる
  ※後で塩味をつける必要がないと思えるくらい
   イタリアの家庭では、そうするそうです

2)○○をフライパンで炒める。

3)スパゲティが茹で上がる直前に、ザク切りの
  キャベツ[2人で1/4個くらい]を加え、お湯を切る

4)お湯を切ってる間に○○の入ったフライパンに火をつけ、
  3)をざっとあわせ、こしょうを振って、出来上がり!
  ※ちょこっとしょうゆを加えると、香ばしくなります。

私:これ、おいしそうです。
  やはり、キャベツを茹でるところがポイントなのですね?

教えてくれた方:そうです(^o^)
          キャベツはここまで火の通りがいいのかと驚きますよ。

今度の土日のお昼のメニューが決まった。
キャベツを麺と一緒に茹でてしまうところがいいと思う。
サーディンで作りたいが、やはり、食べ手の関係で、コンビーフが無難かなと思う。
作ったら、報告します。

ところで、私の母が最近、良くキャベツの葉を糠漬けにしている。
キャベツを糠床に入れると、糠床が水っぽくなるので、キャベツと一緒にスポンジを糠床に入れておいて、出てきた水分を吸わせるのだそうだ。
これは、なんとなく面白い。



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1998年10月7日(水)

チャーハンが下手


チャーハンの話しをする前に、私の北京鍋について
私の北京鍋は、いつどこで買ったのか全く覚えていないし、最近全然使っていなかった。
今回、チャーハンを作るのに、久々に出してみたら、ちゃんと、打ち出し鍋であった。
すなわち、取っ手と鍋本体が一体になっており、鋲などで留められていないタイプだった。
取っ手は、木である、確か、取っ手が木であることをポイントに買った覚えはあった。
この前、合羽橋で見ていたら、サカエというお店に私のと同じ持つところが木で、取っ手・鍋一体型を発見した、なんと、山田工業所製である。
エヘン! やっぱり、何も知らないときでもブランド物を買っていたね、と自己満足している。
(自分の目の高さというよりは、選択できる範囲が広い環境にいるという証明かも知れない。)

では、本題に入ります。

私はチャーハンを作るのが下手である。
私としては珍しく、本を見たり、研究して作ったことがないのだ、あんなもの、ごはんを炒めればいいのでしょう、という感じで作っていた。
ずっと、それが悩みという程でもないが、「こなせないもの」であった。
とある日、ある料理雑誌の吊り広告を見ると、チャーハン特集であり、本屋でみたら、作り方が写真入りで詳しく載っており、珍しく買ってしまった。

作り方の写真と文章を眺めていると、私でも上手にできそうな気になってくる。
そうか、卵を先に割りいれて、ほぐしておいた冷やご飯を入れて、一気に炒めるといいのだな。
そして、中華鍋だけではなく、おたまが必需品だと理解した。
(本当は、中華料理用のおたまを使えばいいのだが、そこまで設備投資をしなくても大丈夫、日本のおたまで十分であった、因みに私はどういうわけか、おたまを三個持っている。)
卵は、予め室温に戻しておかないと、きっと、うまく行かないな、とか、頭の中で、色々工夫しながら、スムーズにうまく作っていく自分の姿が浮かぶ。
(ここがお料理の楽しい瞬間のひとつである。)

一度実行しようと、前以って「今度の土曜日のお昼はチャーハン」と告げたら、私の今までのまずいチャーハンに懲りている家人の暗黙の反対で作れなかった。
食べ手には、食べ物の好き嫌いの他に、「あの人のあの料理だけはどうしても食べたくない」というものがあるようである。

だから、作る前日の夕食の時に、お茶碗に1杯ご飯を取っておいて、お昼に自分の分だけを作ることにしようと思う。
他の人たちは、お茶漬けだ。



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1998年10月8日(木)

卵チャーハンの炒め方−こつ−


今まで何か本を見ながら作ったことのないチャーハンだったが、数冊の本を見て、作ってみた。
今までのベチャベチャチャーハンが過去のことに思えるような良い出来であった。
(あくまで、ごはんがバラバラで炒めあがったところの話である、味付けは、若干の工夫がこれからも必要であった)

作ったままの、チャーハンの作り方を書いてみたのだが、細かく説明すると、本当に細かくなる。

★鍋と手の動き
よく熱した鍋と油でまず卵を半熟状態にして、そこにごはんを入れ、手早く、おたまの先で卵とごはんが混ざるようにかき混ぜる。
鍋を持っている左手も前方・手前に動かして、鍋にもかき混ぜる手伝いをさせた方が良い。
両手を逆方向に動かせば、2倍のスピードになるわけだから、両手を動かす場合は、そんなにスピードにこだわらなくて良いと思う。

おたまは、丸い底が上で、いわゆるうつ伏せの形で使う。
(鍋が前方・手前に動くと、おたまは手前・前方と反対方向に動くようにする、おたまの先で、鍋底を掻くような感じ、鍋が前まで行ったら、ちょっと浮かせてから手前に引く動きをしてみる、これが慣れてくると、ご飯が自然にひっくり返るような動きになると思う。)

卵の中にご飯を入れた直後は、ご飯をほぐすというか、ご飯に卵をまぶして、卵がご飯の一粒一粒に吸い付いていくように、まぶすようにかき混ぜるべきである。(あくまでも、「気持ちは」です)
左手で鍋を動かし、右手のおたまも動かしていると、自然とご飯はほぐれていき、中華料理屋のチャーハンのようにバラバラになった。(やったぜ)
ときどき、動きをとめ、おたまの底で、ごはんを軽く抑え、ジュッと炒めることもたまにやった方が良いようだ。
---鍋と手の動き 終わり---

そして、作る量だが、一回に1人前半から2人前程度しか、うまく焼けないと書いてある。中華鍋の大きさ・火力・料理人の腕力を考えると、この言葉に従った方が無難かと思う。

中華料理屋さんでチャーハンを頼むと、ボウルに山積みにしたチャーハンから、一人前屋とって焼き直してくれるから、4、5人家族は、予め、2人分ずつ焼いておいて、後でし上げに温めるしかないかも知れませんね。
味付けや具は、好みがあるから、省略する。
細かく書くと切りがないが、材料を切り揃え、ごはんも卵も全部用意する、一旦、火を付けてから、あれ忘れた!は、命取りである。
(なんて、大袈裟かしら? でも、忘れ物は無用な混乱を招くということははっきり言える。)

そこから先は、鍋に入れる材料の順序だけを覚えて、後は、ひたすらかき混ぜれば、バラバラチャーハンは出来るのだ。
(と思うが、まだ1回だけの成功だから、確たる意見ではない)

とここまで書いて、まとめは、明日、書きます。



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1998年10月9日(金)

卵チャーハンの炒め方−まとめ−


余談その1
昨日、横浜が優勝するかしないかの9回裏のTVを見ていると、監督らしい人が写ったのだ。
私:あれは、横浜の監督?
弟:そう、権藤。
私:権藤って中日ではなかったっけ?
弟:真理ちゃんが、小学校の頃、中日だった。
私:え、中日の権藤って、今、タレントでなかったっけ?
弟:それは、坂東(ばんどう)、全く!

まるで、ボケたことを言ったようだ、しょうがないですよ、最後野球を見たのは、大洋にシピンがいた頃までだから。(この話しは、何歳までの人に通じるだろう?)

余談その2
中華鍋って皆同じに見えるのだが、実は、おおくら型とか、ぷりんす型があるそうだ
初め、聞いたときに、何かなと思ったら、「プリンスホテル」で使う中華鍋とか、ホテルオークラで使う中華鍋とか、微妙に鍋の底の角度が違うらしい。
そういうものを合羽橋で売っているかどうかわからないが、プロはずっと馴染んだ鍋の角度でないとうまく料理できないようである。
ということは、シロウトもひとつの中華鍋を手に馴染むまで使いこなしたほうがいいようだ。

では、一回の成功だけで、教えるのも何ですが、作り方を

★材料と下ごしらえ

卵とごはんと何か蛋白質と葱と何か野菜をチョイスしてください。

二人分

卵       2個
   冷蔵庫から出しておいておくか、割って少しおいておいて、室温に戻す
      炒めはじめる前には、溶き卵になっていること。

チャーシュー  適宜
   初めから火が通っているものは、細かく刻む。

海老・筍等   適宜
   水気のあるものは、軽く湯通しか、油通しをしておく(多分切ってから)

干し椎茸    適宜
   戻してから水を絞って刻む

葱       適宜
     刻んでおく

ごはん     茶碗の大きいので2杯
    冷や飯を平らにするか、ほぐすか、小さな塊に分けておく。(すなわち、鍋に
    入れて、直ぐに火に直にあたる面積が大きいようにしておく)
    但し、冷や飯のままという説と、冷や飯を電子レンジで温めたほうがいいとい
    う説と二つある。
    冷や飯そのまま説は、水分が少なくてチャーハンに向いている。
    電子レンジ説は、中華鍋の中で、ご飯の芯まで熱を通す時間が少なくて済む
    とのこと、ふ〜む、どっちがいいでしょうね。
    今回は、面倒だから、冷やご飯の軽くほぐしたもの。
    (板状になっていたもの、こんもりした冷やご飯は良くない。また、ほぐそうと
    指に水を付けてほぐすのも、セオリー上、良くないと思う。)

★調味料

塩     卵と葱だけの場合、小さじ1杯

しょうゆ       〃   小さじ2杯

胡椒

好みで、牡蠣油とか、化学調味料

★油  サラダオイル、好みでラードと半分とか。(ラードの作り方はそのうち)

ここまでが、手元にちゃんと揃っていることを確認。(これから先、火を付けたら、最後、頭に入っている順序で、材料・調味料を入れていくしかない)
もし、大さじ・小さじを使うなら、それも手元にあるかを確認する。
確認OKですか?(「あ!、あれを忘れたは、命取りです)

作り方
1.中華鍋か北京鍋を強火にかける

2.本によると、煙が立つくらいと書いてある。
  この前、ずっと、火にかけていたら、全然煙が出ないのだ。
  しょうがないから、油を入れたら、油から煙が出た。
  鍋を熱して煙が出るのは、油が染み込んでいるお鍋である、私のように数年振り
  に使う鍋など、油っ気のない鍋は、油を入れないと、煙が立たないと思った。

3.サラダオイルをたっぷりめに入れて、ぐるーっとまわして、鍋肌に馴染ませる。
  その油は一旦、鍋から出す。(本によっては、これをやらないのもあるが、やった
  ことないけれど、多分、これをやったほうが無難なような気がする。)

4.新しい油をさっきよりは、少な目に入れる。

5.ここに溶き卵を入れる。(この時点で、鍋肌に卵がベチャッと張り付かなければ、
  成功の第一段階はクリア

6.大きく数回、鍋底からかき混ぜて、卵に50%から70%火が通ったら、ご飯を
   入れる。
  そして、おたまの先で、卵とご飯が混ざるように、左手で鍋を、右手でお玉を動か
  し、かき混ぜる。

7.だいたい、ほぐれたら、具を入れて、混ぜる。(バラバラになってくる)

8.バラバラになったら、調味料を入れて、混ぜる。(焦げそうだったら、一旦火から
  おろして、調味料を入れる。)

9.味見して、味を調える。

10. 最後に葱を入れて、混ぜて火が通ったら、出来上がり。

私は、頭に入れておいたつもりだが、ご飯がバラバラになってから、葱以外の具を入れたから、全体には炒める時間は5〜7分かかった。ちゃんと順序通りやれば炒める時間はもうちょっと短いと思う。
ちょっと、長過ぎたかも知れないが、ちゃんとできた。(と言っても食べたのは私だけだから、自画自賛かも知れない。)


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1998年10月10日(土)

サザンオールスターズ


甥2人と私の兄弟3人で、最近のヒット曲のカウントダウン番組を見ていた。
おばさんの私からすると、誰が誰だか、どれがなんていうグループかわからないような、最近の若い子たちが、聞いたことはあるような曲を早口で歌うビデオが流れていく。

小2と幼稚園年長の甥たちは、テレビに合わせて、次から次へ歌を歌っていく。
(愛されるより愛したいなんて、意味、わかってんのと私は言いたい。)
大人3人は、「歌詞を全部覚えていて偉いね」と口で誉めながらも、「だって、他にやるべきこと、考えるべきことが少ないものね」と心の中で思う。

すると、何位だっただろう、TVにサザンオールスターズが登場、思わず、「サザンはいいわよね、お化粧もしていないし、髪の毛も染めていないし、真面目でいい」なんて口走ってしまった。

このとき、私が子供の頃、歌番組を見ている隣で、父が、「昔の歌手は良かったね、背筋を伸ばして、真面目な顔をして歌を歌っていた、ニヤニヤしながらなんて絶対歌わなかった。髪の毛が短くてき髪型がきちんとしていたところも昔の方がいい」と言っていたことを思い出した。

私の現代の歌番組に対する感想は、昔の父の感想と全く同じなのだ。
私たち兄弟3人で、我々も年を取ったものだと実感した瞬間だった。

それにつけても、昔は、歌手の服装・ヘアスタイルが、そこらへんの人のものを素敵にしたとか、ちょっと先を行くといった感じの恰好だったが、最近の若い歌手の恰好は、人間社会の延長線上のスタイルというよりも、漫画から出てきたような恰好であることに、呆れている、あー、私はおばさんです。

2,30年後、甥たちは、TVの歌番組を見ながら、何を指して、「昔の歌手は、お化粧と髪の毛を染めるだけだったから、真面目で良かった」って言うのでしょう?
全く、見当がつきません。


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1998年10月11日(日)

合羽橋道具祭 1/2 宇田川商店


昨日の土曜日は、合羽橋道具祭の歩行者天国だった。
歩行者天国のときが、道具祭の一番良いときだ。

しかし、私は、浅草橋に用があったので、先に浅草橋に行った。
知人に頼まれたクッキングガスマットを買いにシモジマに向かう。
祭日の浅草橋は、閉まっている店が多くて淋しい、しかし、シモジマは、1F全部がクリスマス商品で埋まっており、とても華やかだった。
「そうだ、もうすぐ、クリスマスだ」と一瞬思ったが、まだ、2か月半も先ではないか。

6Fに行ってみたが、クッキングガスマット直径20cmは売り切れで来週入荷するとのこと。
やはり、20cmのほうが人気があるようだ。
残念、そのついでに、時間は、まだ、9時半で、歩行者天国は始まっていないけれど、合羽橋に行ってしまった。
もう始まっているかも知れないと思ったが、行ってみたら、皆準備中であり、10時まで、売ってはいけないのがルールであった。
だから、下見をした。

それにしても、私は合羽橋で近所の人に一回もあったことがない、こういったお祭りのときにでも誰にも会わない。
皆、知らないのか、無関心なのか、わからないが、本当に近所には余り知られていない祭だ。

私は、毎年、宇田川商店で小麦粉と香辛料を絶対買う。
お祭りのときの宇田川商店のサービスと元気の良さはぴか一だと私は思う。
合羽橋道具祭のときに、各店色々趣向を凝らすし、この時ばかりと人を集めて売り子がとても多くなる。
宇田川さんもそういう店の一つで、親族一同か、従業員家族かわからないが、人々をかりあつめて楽しそうにやっているのがよい。
この店は、合羽橋祭になると、声が出るのだ。
「安いよ!」とか、「モンゴルの塩がありますよ!」とか、本当に、皆が和気藹々で、しかも元気で、バーゲン風にいかにもお買い得品を沢山揃えました、是非、買ってねという感じが伝わってくる。
こういう店とその周辺を巻き込んだ雰囲気が下町の古くからの大店風で楽しいのだ。

母の親戚が割と大きく問屋を商っており、昔は、一年に一度バーゲンを行った。
母の付録でバーゲンに付いていくと、普段会わない母の従兄弟だのその何とかだのという人が沢山手伝っていて、皆、久し振りに会えたりして、なんとなく忙しいのだけれど、楽しい雰囲気であった覚えがある。
売っている人も楽しんでいるお店がいいですよね。

この店が祭りのとき安いことは有名らしくて、黒山の人だかりである。

では、合羽橋道具祭のときの宇田川商店の商品をご紹介。
と言っても、全部の紹介ではなく、私の関心のある部分だけである。
考えてみれば、この1年、やたらにケーキを作ったが、宇田川さんのこのお祭りのときの奉仕品がなかったら、あんなに沢山ケーキを作らなかったと思う。

★小麦粉
道具祭のときに、宇田川商店は、消費税込みで1kg100円で小麦粉を売るのだ。
小麦粉は、デパートなどで、いくらなのだろう?
この100円に慣れてしまうと、高い小麦粉は買えなくなる。
150円でも、本当は買いたくないのだ。
調布のパルコの地下で、「どこどこの誰それさんが作った小麦粉」と言った特撰素材を高い値段で売っているが、やはり、気楽に使えて、いつでもお菓子を作ろうという小麦粉が私には向いていると思う。

★スパゲティ
スパゲティは、イタリア製で、500g200円のものと100円のものがある。
良く見たら、200円で、ディチェコ社製である。
ま、ここまで凝っても、我が家はきっと、味がわからないだろうと思って100円のにする。
もしかして、ディ・チェコ社のが200円という方に価値があるかも知れない。
100円のスパゲティは割と見かける。

★香辛料
香辛料は、絶対、お祭りのときの宇田川さんがお得。
100g袋入りで200円なのだ。
じっくり見て、下記を買った。
シナモン
ホワイトペッパー
クミンシード(ホール)
クミンパウダー
ターメリック
コリアンダー(パウダー)

お菓子用にシナモン、後はカレーに使えそうなものを買った。
他にイタリアや西洋・中国の香辛料も売っていた。

コリアンダーのホールも売っていたが、実だった。
今まで、葉かと思っていた。

★油
宇田川さんはもともとが油問屋だから、油の種類がすごい。
価格が安いので、下記3つの油を買ってみた。
(玉締めは、平常時に比較して安くなっているという意味です。)

・玉締めしぼりごま油  瓶入り450G  850円
・紅花油          缶入り500CC 200円
・ひまわり油        缶入り500CC 200円

最近、自分の作るドレッシングの味が落ちているような気がする。
多分、油が良くないのではないかと思っている。
(安さに釣られて、スーパーの目玉商品のときにしか、サラダオイルを買わなくなってきているから。)

ドレッシングの油は、どんなものが良いのだろう。
昔、古いdancyuか何かに、くるみ油とピーナッツオイルとなんとかをブレンドしてというのを読んだような記憶がある。
そういうものが良いのだろうか?

お店の人が言うには、「癖のない、サラダオイル、グレープシードに、癖はあるが、オリーブオイルぐらいではないか」とのこと。
オリーブオイルは、家族が苦手としているし、グレープシードは、一度の失敗でこんなことを言うと悪いが、マヨネーズを作るときに使ってみたら、何か貧弱な出来になってしまったのだ、何が原因かわからないけれど、取り敢えず、印象が悪い。
買った後、時間を置いて再び、宇田川商店に行くと、ゲッツという会社の綿実サラダオイル(600gで、550円)を発見。
値段から推測すると、このゲッツのサラダオイルが、ドレッシングを美味しくするかもと思ったが、今回は既に沢山買ってしまったので、見送った。

夕食のとき、紅花油でドレッシングを作ってみたが、いつものスーパー安売りの油より、相当美味しいと思った。
少しくらい高くても、美味しい油で作り過ぎないようにドレッシングを作れば、そんなに負担ではないし、健康にも良いと考えている。

安い小麦粉やスパゲティはいつもはない。(価格を上げて、置いてあるかも知れない)
香辛料は、売り切れるまで、ほんのちょっと価格が高くなって、店に置かれる。

他にも、レトルト食品だの、ピーナッツバターなぞ、飛ぶように売れていた。

道具のことは、明日です。



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1998年10月12日(月)

合羽橋道具祭 2/2 道具編


昨日、書き忘れたが、スーパーの超安いサラダオイルと、我が家が定価で売っているサラダオイルと、同じメーカーでもラベルが違うことには前から気づいていた。
それでも、安いからと買っていたが、ラベルが違うということは、やはり、品質も違って、やはり、バーゲン用の油なのかも知れないと思うが、明確なことはわからない。
同じ品質のものを安く売ってくれるのなら価値はあるが、安い品質のものを安く売っているだけなら、そう思って、買わなくてはと、思う。

では、本題です。

考えてみれば、浅草はお祭りが多いところである。
昔ながらのお祭りも市も多ければ、浅草の皆さんがどんどん新作を作って行く。
その中で、私が参加しているのは、目の前で始まってしまう鳥越祭(生まれたときから参加)と、この合羽橋道具祭だけだ。(合羽橋は、この8年くらい)

話しを合羽橋に戻す。
9時半過ぎから、自転車で時々止まりながら、ワゴンセールの中味をチェックする。
今年の流行は、強いて言えば、「炭」である。
ワゴンで炭を売っている店が多かった。

おもちゃを売っているテキヤのおじさんのような人が、「ただで持っていけ!」とマーガリンを配っていた。
配る手元のマーガリンの賞味期限を見ると、98年8月である。
多分、食べても大丈夫だとは思うが、商品価値が殆どなくなっているものなので、まるで、事業用ゴミを減らすための配布に見えた。(笑)

★デジタル秤 川崎商店
去年は、川崎さんで、防水加工してあるような布の絞り出し袋を買った。
今年はないようだ。
川崎さんも日頃良いものを置いてあるだけに、ワゴンセールが楽しみな店である。
あった!デジタル秤1kgが1,500円だ。
なんて、安いのだ、今まで知っている最安値は、2,600円である。
私は持っているけれど、これは買った方が得なので、親戚へのプレゼントや自分が落としたときのために2つ買う。(電子レンジを置いてある台の後ろに落として取れない経験があるのだ。)
午後に行ったら、案の定、このデジタル秤は売り切れていた。

★キャセロール 東京直輸入センター
東京直輸入センターは、その名の通り、輸入品を販売している。
お料理好きなら誰でも知っている有名海外ブランドのお鍋とやかんが各種半額なのだ。
他のお客さんが質問しているのを聞くと、「展示品」と言っていた。
勿論、圧力鍋もある。
今後、圧力鍋に興味を持つかも知れない、そのときは、道具祭のときに買おうと思った。

私が買ったのは、ガラスセラミック製の直火・オーブン・電子レンジ・食器洗い機・冷凍庫全てに使える、真っ白なフランス製のキャセロール直径21cm2つである。
やってはいけないことは、とても熱くなっている状態を急激に冷やすことだけだそうだ。
今まで、蓋付きのこの手のものは、これら全ての処理に耐えられる材質はないと思っていた。
こなせる材質があるのだ、初めて知った。

また、キャセロールをずっと探してはいたが、ルクルーゼとか、とても高い高級品しかなかったのだ。

買ったものの一方は、1リットル入るくらいの丸い深型で、もう一つは、例えば、ロールキャベツを並べて煮るのに良さそうな正方形の浅型である。
この2つは、それほどに人気はなかったようだ。売れ残っていた。
オーブンに鍋ごと入れたいと考える人は、やはり、少ないのだろうと思った。
それにしても、そのフランス製の商品の箱の写真も、「この通り、直火にかけてから、電子レンジに入れることができます」というものであった。
フランスでも、オーブンより電子レンジが主流になってきているのかと思った。

深型の蓋は、両方に取っ手がついた本体を薄くしたような形で、材質も本体と同じくガラスセラミック製である。(吉岡鍋と同じデザインというと、わかりやすいかな)
箱の写真を見ると、蓋としてだけではなく、グラタン皿として使っている。
そうか、あの形は以前にも見たことがあったが、蓋は、グラタン皿にもなるようにあのようなデザインになっているとは、気がつかなかった。
言われてみれば、吉岡鍋も蓋はフライパンになる。
あのキャセロールにたまに見かけるあのデザインは、そういう発想だったのかとようやく理解できた。

深型は、豚肉の塊を茹でるときにちょうど良さそうな大きさだ。
正方形のほうは、中華風に鶏の骨付きももを水煮するときや、西洋風に蒸し煮するときに役に立ちそうだ。
(グラタンも作りたいが、我が家は、グラタンを作ることができない家なのだ。<涙>)

これで、直径20cmの寸胴鍋1.8リットルと合わせて、私のオーブンに鍋を入れる料理の体制はしっかりした。

今年の新しい発見は、「ワゴンセールは、数量限定の特価品もあるし、傷物半端物や、展示品が安価に並ぶことがある」ことだ。
来年も10時前に行こうと思う。

そう言えば、同じ店にいたお客さんが、店員さんに、「ここいらへんに宅急便屋はない?」と聞いていた。
店員さんが「ないんですよ」と返答。(私もそう思う)
「じゃ、沢山買った店で頼むわ」とのことだった。
その人は、10時前から来て、宅急便で送らざるを得ないほど、買い物をしてしまったようだ。
ムードを味わいたいのなら、午後からでも良いが、とても得をしたいなら、歩行者天国の日に、9時半くらいから、チェックしておいて、希少価値のものを確保したほうがいいと思う
なんて、書くと、来年から競争が厳しくなりそうだ。





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1998年10月13日(火)

色々


細かいことをまとめて書きます。

★アド街ック
多分、来週の土曜日午後9時からの東京12チャンのアド街ックは、「東浅草特集」である。
東浅草という町名を私は知らなかった。
地図でみたら、日本堤より、浅草に近い地域である。
私にとって、浅草寺より奥は余り行ったことないので、殆ど、教科書で習った知識しかない地域である。
どこからも交通の便が悪いところだと思う。(ということは、古いものが沢山残っている地域かも知れない。)
もしかして、昔の吉原かも知れないが、TVを見てみないとわからない。
吉原であれば、お料理には関係ないかも。
ここは、余り行かない地域だから、一応どんなものか見てみようと思う。

★Hanako
これもDMで教えていただいたのだが、今週水曜日発売のHanakoが東京下町特集だそうだ。
門前仲町、森下、両国、神田、合羽橋道具街、浅草橋・蔵前・鳥越、
浅草、向島、上野、日暮里・谷中、根津・千駄木、
日本橋・人形町・茅場町、月島、築地 が載っているとのこと、絶対、目を通したほうがいいと思う。

★東京ウォーカー
金曜日に久々、都心の銀座線に乗ったら、若い女性がこの本を熱心に見ていた。
「アメ横特集」で、全地図掲載とのこと。
で、土曜日に本屋に行ったら、もう、次の週の号になっていた、残念。

★インド料理
インド料理の香辛料を沢山買ったので、ベンガルカレー以降、「アサリのインド風」と「米なすのカレー」を作ったのだが、余り美味しくない。
インド系は今のところ、不調。

★上野コリアンビレッジ
ここにある「東京苑」という店が美味しいと聞いた。
一度、金曜日の8時に行ったら満員で入れなかった、その後、1時間他の店にいた。
食べる気はなかったが、再度、帰りに、店の様子を見に行くと、9時からは入れるようだった。
今回、8時前に電話したら、9時からなら空いているとのこと。
このとき予約をしておけば良かったのに、しなかったのだ。
また、9時に行ったら、今回は、予約が埋まっており、入れなかった。
上野の隠れた人気のある店だ。
コリアンビレッジの路地の中にあって、きれいでない建物で小さな店である。

★鰻の白焼き
上野広小路の鰻屋さんで、白焼きを食べた。
焼く前に、「脂っぽいのと、さっぱりしたのとどちらにしますか?」と聞かれた。
「初めてでわからない」というと、「では、さっぱりした方にしておきましょう」とのこと。
熱々の白焼きを、わさび醤油で食べた。
当たり前だけれど、たれの甘さがなくて、さっぱりしている。
初め、物足りなかったが、口が慣れてきたら、美味しいと思い出した。
その後で、普通の蒲焼きもつまんだが、醤油だれが甘くくどく感じられた。
お酒の肴には、白焼きのほうがいいかも知れない。

★簡単キャベツのスパゲティ
土曜日のお昼に、コンビーフで作ってみた。
教えてくださった方の評価の「まあまあ美味しい」というのと同じ感想だった。
「調理時間10分程度でこれだけできれば上等」という言い方も正しいと思った。
10分を延長して、色々工夫したら、もっと完成度が高くなるかも知れないけれど、これはこのまま置いといて、忙しいときに、残り物としてのキャベツがあれば、簡単に作れるレシピとして覚えておいたほうが良いような気がする。
茹でたキャベツが柔らかくて癖がない、このままでも美味しいが、食べ手の好みで、食べる段になって、醤油を垂らすとか、チーズを混ぜ込むとか好きなようにアレンジしてもらえれば、調理時間を延ばさないで、皆に好まれて作り続けることができるレシピだと思った。

★チャーハン
チャーハン2回目を作った。
今回、茶碗に普通によそって3杯くらいの量を作ったので、べちゃべちゃにならなかったが、この前の茶碗1杯のときより、ばらばら度が低い出来上がりとなった。
う〜ん、私の直径30cmの北京鍋では、茶碗2杯分が限度かも知れない。
アクシデントがあったのだ、お皿にご飯を敷き詰めてラップをかけて、冷蔵庫に入れておいたのだ。
ラップを外して、用意万端、焼きはじめて、ご飯を鍋に入れようとひっくり返したのだが、お皿にひっついていて、鍋に落ちてくれなかったのだ、これで手間取っている間に卵が相当焼けてしまった。
二回目にやってみて、鍋を左手で、手前・前方、おたまを右手で前方・手前に動かすと書いたが、そんなにきれいには動かないなと思った。
ま、両手を動かすのを基本として、自分のかき回しやすいようにかき回すというのが本当かも知れない。
それと、気持ちとしては、鍋を動かすとき、鍋の底の丸みを意識して、丸みを動かすように、左手を、上から前方下へという動きにした方がいいなと思った。(すなわち、鍋が半円を描くような動き)
左手で鍋を動かす動きは、それほど、頻繁でなくて良いと思う。
ま、どちらにしろ、そのうち、レシピ書き直します。

★カルピスバター
カルピスバターは母が気に入ってしまった。
私の母は、油の取り過ぎに注意しなくてはならない状況にある。
(私は少しは気を遣っているが、何しろ、本人がやたらに気を遣っているので、はたは、そんなには、気を遣わなくても良いのだ。)
その母が、じゃがいもを茹でて、バターで食べるときなぞ、カルピスバターのほうが、油の質がさっぱりしていて、くどくなく、上等な気がするとのことである。
やはり、良い油というのは、舌がわかるものかも知れない。



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1998年10月14日(水)

オーブンに鍋を入れる 1/2


去年の秋から、オーブンに鍋ごと入れて作る料理に凝っている。
ふっくら柔らかく煮えて美味しいが、まだ、中華風と西洋風を試しただけである。 また、シチュウのような小麦粉を入れるものも、まだ、作っていない。

ずっと、シチューを作っても満足の行く出来上がりはなかった。
電気の低温の煮込み用の鍋も買ったことがある。
低温で煮ると美味しくできるという宣伝文句で購入したのだが、使いこなせず、何年かして、捨ててしまった。
腕の関係だろうが、電気低温鍋では、確かにお肉は柔らかくなるのだが、シチューとしての出来は良くなかった。
低温のため、ソースがうまくできないのだ。
圧力鍋や保温鍋など、良さそうなお鍋はまだまだ色々あるが、台所の狭さと不況の関係で、高額な新規設備投資を行う意欲もなかった。
「どっちの料理ショー」などの料理番組やフレンチのシェフの料理の紹介記事では、よく鍋ごとオーブンに入れている。
これを見て、やってみようという気になってきた。

普通のアルミの寸胴鍋は、オーブンに入れないでくださいと、注意書きに書いてあることがわかった。
オーブンに入れて、留め金が傷んでも保証や修理の対象にならないらしい。
詳しくは調べていないが、オーブンに入れても大丈夫という寸胴鍋を買い求めたら、きっと3〜4千円では済まないだろうから、壊れるのを覚悟で使うことにした。

また、私のオーブンは割と高い位置にあるので、オーブン用ミトンを両手揃えた。
鍋をオーブンから出し入れする際に、熱さで手が鍋から離れて熱いスープがこぼれて火傷なんていう事故が起きないように万全を期した、痛そうで辛そうだから。
(なんて言いながら、銀色のオーブンミトンは割と熱を通して不満足であるが、買い替えるのも勿体無いので工夫しながら使っている。)
また、初めの頃は、どんな重さでもターンテーブルに乗せて回していたが、重たいと、ターンテーブルの回る機能が壊れるかも知れないので、重い場合は、天板に乗せるようにした。
そうすると、お鍋の高さがぎりぎりで、天井についている熱線と接してしまうのだが、オーブンのときはその熱線が作動しないようなので、そのまま使うことにした。
本当に買い物は難しい。

オーブンを温めておいて、シチューやスープに野菜・肉を入れてガス火で沸騰するまで煮て、あくをとって、ふたをして、そのまま、オーブンに入れて、1、2時間煮ている。
野菜も肉も柔らかくふっくら煮えて、とても良い。
初めに実験したのが確かキャベツの芯で、余った芯を煮たら、とても美味しく煮えた。
(しかし、葉の芯の方は1時間程度で柔らかくなったが、真ん中の芯は、もうちょっと時間がかかると思う。)

やはり、オーブン効果というのはすごいと思う。
ガスの直火と異なり、熱い庫内で、四方八方から熱を鍋に与えるのだから、何でも柔らかく煮える。
多分、四方八方から熱を与えるせいかと思うが、100度以上の熱を与えても、ボコボコ言わないのだ。(ボコボコ泡が立ったり、グラグラ煮えるって、局部的に熱を与えるから起きることかも知れない。)
余り高温だと、やはり、ボコボコ言うが、それが何度だったか、覚えていない。
私見だが、中華料理の蒸しスープも、静かに四方八方から熱を与えてスープを煮たいがための手法だと思う。
もし、中国の台所にオーブンがあったら、当然、オーブンに鍋を入れて煮たのだと勝手に思っている、効果は同じではないかと。(違うかも知れません。)

スポンジやシフォンなどのケーキを焼くだけではもったいない。
オーブンは、オーブンとしての機能を生かした使い方をもっと知りたいと思うが、余り本がない。
オーブンに鍋を入れて温めても、庫内は汚れないし、とても良い使い方だと思っている



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1998年10月15日(木)

Hanako おもしろ下町味づくし


DMで教えていただいた雑誌を発売日の朝に買った。
掲載22か所のうち、台東区が7つだ、シェア率が高いと思う。

泉麻人の本に、「台東区の人は、下町の元祖のように思っている」とかなんとか書いてあった覚えがある。
それにしても、東京のいわゆる下町というのは、この本に今回載っている地域が主だと思う。
他は、明治以降とか、第二次世界大戦以降、街になった下町だと思う。
人に聞いた話しだが、東京下町は、戦前の日本橋区、京橋区、神田区、浅草区、下谷区、本所区、深川区あたりのことを言うという説もある。

東京の下町には、私が思うには、厳然たる序列があるのだ。
一番偉いのが、多分、神田明神の地域だ、この地域はとても広い、日本橋と言えども神田明神のテリトリに入るし、浅草橋の橋を渡ると、そこは、神田明神の地域(地域としては、日本橋)なのだ。
神田の人が、「うちは神田明神の氏子だから」というときに、何か、自慢気に聞こえるのは、私のひがみだろうか?
浅草の中では、鳥越と三社では、やはり、三社の方が格が上なのかな?(浅草の方から「あたりまえだろう!」とか言われそう)
浅草は、浅草海苔という言葉があるくらいで、江戸時代の初めに浅い海だったところを埋め立てたところらしい。
ま、そうは言っても浅草は、江戸中期から都会ではあったと聞いています。(本当かな?)
浅草・上野は、神田に劣ると私も思うが、大して長く住んでいない神田っ子には言われたくないな、と思う。

とにもかくにも、東京はバブルの時代で、都心で地上げが起きて、人口が激減してしまった。
だから、日本橋・神田に今でも住んでいる人って、本当に僅かなのだ。
しかし、僅かな人口だけれど、ビルの上の方に住んでいるらしく、神田明神のお祭りの日に、浅草橋の先から八重洲にかけての大都会の真ん中のビルだらけの地域でお祭りをちゃんと昔通りに執り行っているのだ、それに出くわすと、びっくりしてしまう。
その点、台東区はまだ住んでいる人口があるように思う。
そう言えば、アメ横と言えども昔ながらのお祭りがあって、5月のある土曜日や日曜日に人混みの中、御輿が練り歩くのだ。

Hanakoを読んだ感想はというと、Hanako持って毎日遊び歩けたらいいなということである。
家が、盛り場に近い、こういう本の地図の中に入ってしまうところに住んでいるとは言っても、勤めがあって、生活があると、全然行けないのだ。
あの店もこの店も、昔は良く行ったな、行かなくなって、早何年だろうなんて考えてしまう。
学生の頃から、20代の頃、楽しかったななんて、思い出してしまう。
わ、下町のお金持ちの道楽息子とか、お嬢ちゃんに生まれたかったよ、適当にお店なぞをちょこまかと、手伝いながら、お小遣いもらって友人と一生食べ歩いていたら、楽しいだろうな、と私は言いたい。
次に生まれ変わるなら、下町の大店の末っ子くらいがいいな。

「なんだか、なごんで、なつかしい」、この表紙の言葉が下町には、ぴったりかも知れない。
皆様、何か心がぎすぎすしたり、生活に疲れたなと感じたら、下町に来て、下町の空気と美味しいものを沢山お腹に入れて元気を取り戻してね。



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1998年10月16日(金)

オーブンに鍋を入れる 2/2


オーブンで鶏ガラスープを初め、色々な煮込み物をすると、ガス台は塞がらないし、タイマーが付いているからほうっておけるし、とても良い。
ただ、私も試行錯誤の最中で、適正な温度は何度で何時間程度煮ればいいのかわかっていない。
今は、何となく130度で二時間程度煮ている。
色々な本を読むと、物を柔らかく煮るには、低温が良いと書いてある。
野菜や肉は、100度以下で煮ると柔らかくなるし、味が染み込むのは、沸騰の状態から冷める間だと言う。
そう考えると、オーブンを70度程度に温めておいて、何分間か沸騰状態で煮たものを、オーブンに入れても博士鍋と同じ効果があるのかなと考えるが、まだ、実験していない。
博士鍋も買うと1万円以上かかる。
オーブンなら、既に持っているので、新規で場所を探す必要もないし、電気代はもったいないけれど、このやりかたに、いつ厭きるかも知れないので、当面これでいいかなと思っている。
この前のポトフやキャベツの中華スープも美味しかったし、中華料理に出てくる鶏肉の前菜を作る時も、鍋に骨付きももを入れて、ひたひたのお酒と水(もしくはスープ)、長ねぎ・生姜を入れて、蓋をして、オーブンに入れると、本当にふっくらと柔らかく煮える。
自然と骨から肉が外れる程柔らかく煮えるのである。
鶏肉の前菜風は、ガスの直火で煮るのとは、全然異なった出来具合となる。
働いていて忙しく、コトコト煮物をする暇も圧力鍋も博士鍋もない人は、夜寝る前にこの野菜・肉とスープを入れた鍋をオーブンに入れて、タイマーをかけて眠り、翌朝、オーブンから出したらどうだろう、朝、まだ温かったら、そのまま、室内に放置しておいても夕方まで傷まないと思う。
もし、冷めていたら、冷蔵庫に入れておき、会社から帰ってから煮返して味を整えれば、時間のかかる煮込みシチュー等、美味しいのが食べられるのではないかと思う。

簡単なのは、取り敢えず、ベーコンとか鶏肉とか、人参とジャガイモ・玉ねぎなどのありあわせの肉と野菜と鶏ガラスープの素(あれば液体の濃縮鶏ガラスープの方が美味しそうかな)で煮込んでおけば何にでも転べると思う。(キャベツを入れたら、カレーは無理なような気がする、キャベツを入れたらスープがいいですね)
忙しい人と言っても、お子さんがいたり、家の仕事がわんさかある方には無理かも知れないが、割といい方法だと思う。
時間とオーブン・冷蔵庫に料理してもらうと楽ですよ。

去年は、試しで初めて余り料理らしい料理を作っていない。
今年は、本格的に色々実験してみたい。




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1998年10月17日(土)

お料理好き


自分がお料理が好きだとは自覚しているが、自分でもそれほどうまいとは思っていない。
失敗も多いし、実験も多いから、安定的ではないかも知れない。
お料理を軸に考えたり、実験するのが趣味なのだ。

先日も、オフで「森さんのお料理食べてみたい」といわれて、正直、ギクっとしてしまった。
忙しい最中、荒い料理をしているから、献立の立て方も良くないし、最後、仕上げの盛り付けもいつもいい加減である。
単品なら、どこかのオフに持っていってもいいなとは思うが、全て私の料理というのは、想像できない。

私は家で「料理がうまい」と言われたことがない。
私に対する評価は、「凝り性・料理が好きだった父親似」程度である。
私にとっても「美味しい!」というのは、例えば、築地大和寿司のとろのように、口に入れた途端、口の中が幸せになるとか、全体の献立のバランスが良く、しかも一品一品が個性はあるけれど、ひとつの流れを感じられて、食べ終わった後全てが美味しいと感じられるような食事なのだ、だから、自分が「料理がうまいと言われないこと」について、そんなに異論はない。

私の料理の特徴は、材料が良いことらしい。
ちょっとしくじった料理を作っても、「真理ちゃんの料理は、材料がいいから、食べられる」と言われる。
美味しい料理ができると、「この魚、美味しい!やっぱり、今が旬ね。」とか「お肉が美味しい!やっぱり、あの肉屋の肉は良い」という言われ方をする。

料理好きは、自然の成り行きで、食べ手の舌を成長させているところがあり、食べ手の評価は割と厳しい。
(作り手からすると、「料理に関して、全く身体を動かさないくせして、舌ばかり発達して!」と思うところがないわけではない。)

数年前、私が家の夕食を取り仕切る事態にはまってしまった。
それから色々試行錯誤した。
短い時間で、美味しいものを調達して美味しいおかずを提供するにはどうしたら良いか、が課題であった。
色々やってみたが、どうも、料理以外の趣味に手を出すと、時間の関係で、家族の食事がおろそかになる。
(なんていうと大袈裟、「粗末に輪を重ねてしまう」というのが正しい表現)
家族の食事がおろそかになると、気のせいかも知れないが、人間関係が悪くなるように感じられる。
そんなこんなで、私の余暇を料理関連に集中することが、一週間分の夕食のメインを考えて食料を調達ことや土日の食事を作るという仕事を捨てられない私の生活をスムーズにすることがわかり、全ての他の趣味や勉強を殆ど捨てた。
その代わり、築地へお寿司を食べがてらの買い出しとか、アメ横・合羽橋へフラフラ出かけることが気晴らし兼娯楽になってしまった。
魚だって、肉だって新鮮なものを冷凍したり、冷蔵すれば、美味しいのだ。

また、MLやこのHPのようなインターネットの情報伝達手段を持ち得たことで、自分が買い出ししてきたことや研究したことを文章にすることができるので、またまた、買い出しや料理に集中することに、拍車がかかってしまったところもある。
お料理と言うのは、食材・道具・技術・盛付・買物・歴史、生物学・化学・物理、割と総合的で厭きないところがあるし、家々によって独特な料理があったりして、インターネットを通じて色々な方とそれらのことについてお話できるから楽しい。
お料理の話しは、幅が広いから楽しいのである。

話しは、新鮮な素材に戻るが、プロを見ればわかるように、美味しいと言われるお店は、シェフなり板前さんが自分で築地に仕入に行って、素材を厳選し、しかも腕があるから美味しいのだ。
テレビの番組で、一流のプロに余り良くない素材で料理させて戦わせると面白いと思う、どんな結果が出てくるのだろう。
お寿司の職人さんは、技術の大半が目利きだと聞いたことがある、良い魚を見分ける目が腕なのだそうである。

そんなことを考えると、私の「素材を重視する姿勢」は、料理好きの証拠かなと思う。
弟に言わせると、「お姉ちゃんの料理は、時間がかかっている」とのこと、その時間は、買い物に歩く時間とのこと。
これで、もっと時間があったら、手間暇かけたお料理を作るのにと思わないこともないが、もうちょっと時間ができたら、違う趣味をやりたいなと思う。



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1998年10月18日(日)

下高井戸駅前市場


京王線で通い始めて、1年4か月が過ぎた。
私は、私鉄で通勤すること自体が初めての経験で、窓から見る景色がずっと、珍しかった。
初めのうちは、緑の多さに目を奪われていた。
それも見慣れると、やはり、私が関心を持つのは、「お店」である。
快速で各駅を飛ばして走っているから、それほど、細部にわたってわかっているわけではないが、目の前を流れていく風景から判断すると、下高井戸が面白そうだと思った。

普通、駅前に、ドーんと大きいスーパーがあることが多いが、下高井戸の駅から、スーパーが見えないのである。
しかし、下高井戸というのは、東急世田谷線という三軒茶屋までの電車の始発駅で、乗り換え駅でもあるのだ、それなのに、大きいスーパーがない、これはなんだと、昨年、一度行ってみた。

偶然、北口のほうに降りたのだが、駅から階段を降りたところから、商店街が続いている。
そうか、商店街の生きている街なのだと思った。
一本道の商店街の横に、軒をくっつけたような数軒の市場のようなものが2つもある。
商店街にも横丁の市場にも肉屋・八百屋・魚屋がひしめき合っている。
商店街の皆さんの年齢が、鳥越おかず横丁より、20才くらい若い。

こういうところは、競争が厳しいから、良い品物が安く手に入りそうだなと思う。
ちらちらっと覗いた魚屋の品物は、良さそうに見えたが、電気が、食べ物の発色を良く見せるタイプだから、良くわからない。

内臓を売っている店を発見した、豚の内臓をいつでも扱っている店が成り立っている町は、いいなと思った。

そして、今年の夏に再び、行ってみた。
また、北口に降り立ったのだが、駅前のビルのてっぺんに、「下高井戸駅前市場」という看板を発見した。
そうか、ここは、商店街も賑やかだけれど、「市場」がすごいのだと思った。

軒をくっつけたようなマーケットを新たにもう一つ発見した。
そこが一番面白い。
まず、普通の肉屋の店頭に、ハム・ソーセージが並べられていたのだが、我が家のほうより種類が多いのだ。
それから、確か、「カーティ」という名前だと思うが、食材の店があった。
店が二軒に別れており、一軒が、紅茶・コーヒーを商っている。
もう一軒は、和洋中華の食材(なま物はない)とお菓子の道具の店であった。
コーヒー・紅茶は詳しくないので、なんとなく、今の子がコーヒー・紅茶を買いに来ても満足できそうな感じとしか言えない。
食材のほうは、合羽橋曼藤と、アメ横むら珍を足して、なま物をひいて、品揃えを日本人向きに縮小して、数段に積み上げたような店である。
和洋中華タイ・インド料理の調味料・香辛料で、割と料理が好きな人が使いそうなものは揃っていた。
例えば、杏仁霜もあったし、卵麺もあった。
なんというか、お料理の好きな人が、ちゃんとその感性と情報を生かして、何が売れるか考えて揃えたような品揃えだった。
これだけの店が、家の近所にあったら、幸せだわよねと思う。
カーティの入り口手前の他の店では、かつお節・昆布・煮干しが並んでいた。
う〜ん、下高井戸は、お料理の好きな人が多いのでは、と思った。

下高井戸のジモティに聞いたら、ここは、商店街が強力だから、大型スーパーが進出しない地域なのだそうだ。
確か、7時くらいまで開いているので、お近くの方、京王線沿線に縁がある方は行かれると面白いですよ。
私は、当面、仕事が忙しいので、行けそうもない。



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1998年10月19日(月)

新蕎麦・新米


★新蕎麦
この前、いつも行く鳥越おかず横丁の製麺所で、北海道の地図のポスターを 発見した。
「この店は、ここで取れた新そば粉を使っています」とかなんとか書いてあった。
それを見て、ご主人に、「今、新蕎麦の季節ですか?」と尋ねたところ、「先月から新の蕎麦粉が入っているよ」とのことであった。
9月から10月にかけては、新蕎麦の季節なのだ。
こういうものって、蕎麦屋さんや製麺所で、わざわざ、新蕎麦が食べたいと言わなくても、この季節、自然に口に入るものかしらと思う、よく、わからない。
ただ、「今は、新蕎麦の季節」と頭にインプットしておけば、何かの折りに味わえるかも知れないと思う。

★新米
人に紹介してもらって、山形の農家から、精米したばかりの新米を送ってもらった、お試しの見本である。
この話しは、また、後日に書くが、新米は、とても美味しかった。
亀田製菓のHPを見ると、新米も10月から出回るとあった、これも意識してgetしたほうが良いと思う。
それにしても、食材がお米になると、さすが、年の功で、母の知識はすごい。
「お米は一升が700gだから」とか、「もみの状態でお米を保存しておけば、味が落ちない」とかいう言葉がぽんぽん出てくる。
昔から、「何がなくともご飯だけは炊かなくては、ご飯だけは美味しくなくては」という姿勢の人であったが、本当に詳しい、尊敬。

久々、産地直送のお米でしかも新米を食べたのだが、感激ものである。
まず、炊き上がり時の色艶が違うのだ、つやつや光輝いている、そうだ、お米ってこういう輝くようなものなのだと、思い出した。
数年前の米不足騒動の前までは、こういうごはんを当たり前に食べていたのだ。
そして味わう。(味については、現在、4種類を食べ比べているから、今回は触れない。)
それにしても、新米は水加減が難しい。
食べ終わった後、2,3時間、胃の中に、瑞々しいご飯が、とどまっているのが感じられてとても幸せだった。
他の人に聞いたら、食べてすぐ眠くなったので、そんな感じはしなかったとのこと、何ともったいないと思う。
胃の感じ方は、個人差があるものだろうか?
この表現が正しいかどうか良く分からないが、胃にも神経があって、胃は胃なりに感じた美味しさや食べ物の味を私の脳に伝えるときがある。
瑞々しいご飯が、胃にある状態を表現すれば、「胃の中が温かくて、胃にあるご飯に水分が十分行き渡っていることが感じられて、心地良い」という感じだろうと思う。
他に、私の胃は、余り有難くない感触だが、油の強い揚げ物を食べたときに、胃に油が残った感じを適確に伝える。
新米と油以外は、お腹がいっぱい・空いているとか、もたれるくらいの情報しか、私の胃には、伝える能力はないように思う。

とにもかくにも、新米の季節に新米を食べると幸せということを思い出した。
いつまで新米の季節が続くのだろう、もし、お米を買うなら、「新米」を意識した方がお得ですよ。
スーパーで見たら、別に新米と書いて売っているわけでもなさそうだ。
袋を見ると、精米した日付が載っていた、これで新米かどうかわかるのであろうか?
家に戻って以来、お米調達は私の係りではないので、良く分からない。

★余談
今が旬だと思うが、干物ではない生のかますを最近良く食べる。
当たり前だが、生のほうが美味しい。



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1998年10月20日(火)

ジューシーな豚カツの研究


実は、私の低温で揚げる豚カツに、チャレンジしてくださっている方がいるのだ。
その方の一回目のレポートは、

---実験レポート第1回目---
クッキングガスマット無しでも、温度計とにらめっこで頑張りました。
結果は、ジューシーでやわらかい豚カツになりました。
主人も「肉が柔らかい」とご機嫌でした。

第一回目にしては、まあまあのできだと思うのですが、衣のカラッと感 は高温で揚げた方がいいような気がしました。
私のオーブントースターの焼き方が甘かったせいかもしれませんが、 改良の余地ありですね。
---実験レポート第1回目終わり---

とのことだった。確かに低温で揚げると、豚肉は美味しい、但し、衣はソフトになってしまう。
それが気になる人と、ならない人がある。
気にならなくても、もし、改良できるものなら、「衣はからっとしている」を実現すべきである。
それで、二回目も、私より早くチャレンジしてくださった。

---実験レポート第2回目---
先週末に「低温で揚げる豚カツ」の第2回をやってみました。
結果は.....

今回は、低温で森さんのレシピ通り豚肉を揚げた後、一度油を切ってから 高温で(衣をカラッとさせるために)揚げてみました。
あんまり、しっかりと揚げてしまうと折角低温で揚げた豚肉のジューシーさ が逃げてしまうようで...むずかしいですね。

衣をカラッとさせるのは、オーブントースタ−で焼いた方が上手にできたよ うに思います。(ちょっと油っぽくなってしまったし)

今度は電子レンジで揚げ物をカラッと温めるシート(袋)でやってみますね。
結局はオーブントースターに戻るような気がするのですが、相変わらず私は チャレンジャーです。
---実験レポート第2回目終わり---

どうも有難うございます。
私も今週末か、来週末には、甥たちが夕食に来るので、豚カツが揚げられます。
色々試してくださったから、私は、「電気オーブングリル機能で仕上げる」にチャレンジします。

低温で揚げる豚カツ



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1998年10月21日(水)

神田まつや


「まつや」の評判を聞くと、行ったことのある人は、皆、「美味しい」と言う。
私はどういうわけか、まつやに行ったことがなかった。
何度も前は通るし、評判は良いことは聞いていたが、入りそびれていた。
ま、お蕎麦は、わざわざ神田まで行かなくても(神田と行っても秋葉原に近い)、勤務先や台東区にも、美味しい店があるからと思う。
で、都心で飲む話しがあり、まつやに行ってきた。
感想は、一言で言って、「なんでも、安定的に美味しい。」ということだ。
特段、飛びっきり美味しいというのではないのだが、何を口に入れても、不愉快なものがないのだ。
全部、それなりに美味しい。
お蕎麦も、固めの茹で上がりで、とてもこしがある、あそこのお蕎麦は、品質から言ったら、相当、お得でないかと思う。(天ぷらがつくと高くなってしまうが)

蕎麦味噌...お通しで出てきた、美味しい、固めに練ってあって、甘い。
焼き鳥...肉が良質と評判。
天ぷら...海老の大きいのが出てきた。
      さすが、揚げ方も良いし、海老の質も良かった。
湯葉の刺し身...ぱくっと食べ終わってしまうが、美味しい。
         今度、豆乳から、湯葉を作ってみようという気になった。
         (その後、TVで、普通のお店でお客さんがくみ上げ湯葉を作りなが
         ら、食べている様子を見て、決定的に、自分で作りたくなった。ただ、
         やはり、浸けるのはそばつゆが美味しそうだから、まず、かえしを仕
         込んで、1か月後に実験することになる。)

最後に、お蕎麦ということになり、天もりを取った。
いわゆる天ざるだ、天ざるは、皆さんは、どうやって食べますか?
私は昔は、天ぷらとおそばを交互に食べていた。
大きくなってから、父親とお蕎麦屋に何度か一緒に行った時に、いつも、父は、「天ぷら蕎麦や天ざるは嫌いだ、何故なら、油が蕎麦の美味しさも汁の美味しさを濁すから」と言っていた。
それを吹き込まれたせいで、以前のような交互に食べる食べ方をすると、本当に油がないほうが美味しいような気になってしまったのだ。
それ以来、天ざるを取ると、まず、お蕎麦だけを味わい、お蕎麦を食べ終わった段階で、天ぷらを食べるようになってしまった。
これを「洗脳」というのだろうか。(笑)
もしも、父が何度も「油が、蕎麦・そばつゆ本来の美味しさを濁す」と言わなければ、今でも交互に食べていたような気がする。
きっと、交互に食べていたときに、その食べ方が決定的に美味しいものではないと、どこかで感じていたから、洗脳されてしまったのかも知れない。
決して、私流の食べ方は、粋ではないと思うので、このエッセイ読んでも洗脳されないように。(笑)
(天ぷら蕎麦は、元々、温かいお蕎麦より、冷たいお蕎麦が好きなので、殆ど食べたことがない)

で、話しはまつやに戻る。
天もりが出てきたら、汁が熱いタイプだった。
本当は、お蕎麦には冷たい汁が好きだと思ったが、お店でそれを黙って出すということは、まつやの天もりには、熱い汁がベストだとお店の人が考えているのだろうと思い、そのまま食べた。
まつやの腰のあるお蕎麦は、熱い御汁に全然影響を受けずに、固いまま、美味しくいただけた。
そして、天ぷらを食べ、最後に残った汁を飲み干したら、口の中にゆずが入って、それも美味しかった。
後で、まつやの天もりのつけづゆを飲み干したというと、「僕にはできない、あんな濃い味を良く飲める」という人が二人も現われた。
え、冷たいざる蕎麦用の濃いのではない、どちらかと薄めの天つゆなのにと思う。
私は、相当、濃い味でも大丈夫な舌のようだ。

お店の人に聞いたら、注文するときに、「冷たいそばつゆで」と言えば、冷たいほうを出してくれるとのこと。
そう言えば、浅草並木の薮でも、確か、天ざるには、熱い汁が出てきた、天ざるには、熱い汁が本当なのだろうか?
私としては、できれば、天ぷらには熱い汁、蕎麦には、冷たい汁を別々に出してくれたら一番嬉しい。

お品書きにはないが、頼めば玉子焼きを焼いてくれて、それが美味しいと何かに書いてあったのを、すっかり忘れていて、玉子焼きを食べてくるのを忘れてしまった。

まつやは、昔ながらの天井の高い木造家屋で、とても素敵だけれど、気取りがなく、とても感じが良い。
よそ行きに着替えていかなくても良さそうな気がするので、たまには、秋葉原電気街に寄った帰りに、食べて帰りたいが、日祝日は休みである、残念。

まつやの近所に、万惣がある。
通勤途中の地下鉄の駅に、万惣のホットケーキの大きな写真があり、いつも駅に着くと見てしまう。
最近、何故か、久々万惣のホットケーキも食べたくなってきている。
これも洗脳だろうか。

神田まつや
営業時間:11:00〜8:00
休業日:日祭日
住所:千代田区神田須田町1−13
電話:3251−1556


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1998年10月22日(木)

浅草の肉屋


ポトフの話しのことで、DMをいただいた。
牛肉だと高いから、牛スジが良いとのこと。
そして、浅草や人形町の牛肉の老舗の牛スジは安くて美味しいとのこと。
浅草の肉屋の牛スジが安くて美味しいと聞けば、当然、私は直ぐに買いに行ってしまう。
浅草の肉屋は、雷門に、「松喜」と「ちんや」がある。
一番安いこま肉ベースでは、松喜のほうが安いこともあり、松喜はいつも行列ができている。
まあまあの400円程度のこま肉だとだいたい似たようなものなので、私は混んでいないちんやに行くことが多い。
ちんやは、初めに500円也を払って、会員になると、割引が受けられる。

で、スジを見に行った。
まず、松喜に行ってショーウィンドウをしげしげと見るが、牛スジはない。
松喜にはないのだと思った瞬間、お客とお店の人が品物をやり取りする窓のようなところに、「牛スジ1kg 500円」という文字を見つけた。
ショウウィンドウには並んでいないのだ。
無事買えた。

並んでいるときに、店の中を見ると、奥のほうに、牛の半身がぶら下げられて、店員さんが、スライスしている。
「そうか、こういう自分のところで、半身から肉を部位毎に切り出して、スライスしている店に、牛スジがあるのだ、品物が良いだろう」と思った。
それならば、浅草までこなくても、私がいつも買う鳥越おかず横丁の肉屋さんにも実はあるのかも知れないと思ったが、まだ、確かめていない。
その後、ちんやに行ったら、「牛スジ」という商品はなかったが、やはり、店の奥で同じように肉を処理しているから、聞けばあるかも知れない。

松喜とちんやを比較すると、肉ベースでは、どちらが美味しいか好みもあるだろうし、私もそんなにしょっちゅう買っていないので、よくわからない。
ただ、言えるのは、どちらで買っても、同じ価格でも余所より品質の良い肉が手に入ることである。
欠点は、確かこま肉のとき、牛脂をくれないことだと思った。(違っていたらごめんなさい。)

生肉以外でのお勧めについて。
松喜の白滝は、「宮内庁御用達」とあった。
普通のものより美味しいのかなとは思うが、よくわからない。
今度、買って試してみます。
ちんやのお勧めは、「昔造りハム」である。
ちんやのハムは2種類あって、高いほうなのだが、これが本当に昔乍らのロースハムの味がして美味しい。
ちんやは、他に、焼き豚が美味しいので有名である。
浅草方面の焼き豚は、神戸や中華街の焼き豚と違って、どちらかというと、醤油味の煮豚に近いものである。
我が豚肉研究家の弟に言わせると、家の近所で美味しい焼き豚は、「浅草のちんやと、鳥越おかず横丁の肉屋のものが最高」だそうだ。
暮れになると、ちんやでは、焼き豚をお正月用に買い求める人で、行列ができる。
松喜には、焼き豚があったかどうか、良く覚えていない。

鳥越おかず横丁の焼き豚も、近所の人から、山形・北海道・四国の親戚に、クール宅急便で送ってくれとちょくちょく頼まれるそうだ。
親戚に、東京から何か送ろうかというと、その店の焼き豚と指名されることが多いとのこと。
どうも、地方のお肉屋さんは、焼き豚を手作りしている店がなく、大メーカーが大量生産したハムのような焼き豚しか売っていないらしいとのこと。
言われてみれば、煮豚に近いけれど、東京の肉屋は割と、焼き豚に力を入れている店が多いと思う。
醤油味の焼き豚は、薄味の人には、濃いかも知れないが、焼き豚を煮たタレをつけてくれるので、その量を調整すれば、美味しく食べられるのではないか。

鳥越おかず横丁の私のひいきの肉屋さんは、まだ、マスコミに登場していない。
(おじさんは、この前、テレビのおかず横丁の特集のときに、野次馬としてうつったそうだが)
この前、聞いたら、おかず横丁の肉屋さんは、有名になりたくないそうである。
お店は、おじさんとおばさんの二人でやっているから、「お客さんがこれ以上増えても手が回らないし、常連さんに迷惑かけるかも知れないし」ということであった。
ふ〜む、築地ばかりでなく、おかず横丁にも、常連対シロウト問題があったのだ。
(おかず横丁の場合は、常連の立場で物が言えて嬉しい。)
常連の末席を汚す私もあの店がこれ以上混んだら嫌やだなと思う。

この店は、予め切ってあるものはこま肉だけで、後は、客のオーダーを聞いて、スライスするし、挽肉を作る。
だから、一人一人の注文をこなすのに時間がかかる。
運が悪いときには、5人くらい並んでいるときもあり、買物に時間がかかる店なのだ。
店には、椅子が3つと女性週刊誌が置いてあり、ゆっくり待って、一言二言、おじさん・おばさんと世間話をするのが当たり前の店である。(と書くと、やはり、下町っぽいですね。)
電話や店に来て、注文をして、後で取りに来る人も多い。

でも、肉が大好きなおじさんが選んで、丁寧に処理して、スライスしてくれる肉は、どこよりも安くて美味しく、この店から離れられない。
ちんや・松喜の老舗タイプとは、また違った美味しさの味なのだ。



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1998年10月23日(金)

牛スジ


浅草松喜の牛スジを買ってきて、どうしようかと思い、本を見た。
DMでじっくり4時間くらい煮れば良いと教えてもらっていた。

袋から出して、まず、水で洗った。
その次に、水から茹でた後、冷水に取り、汚いところを掃除した。
スジと行っても、肉と肉を分け隔てるような膜のようなものもあれば、脂身の塊のようなところ、軟骨になりかけたような部分とか、色々な部位が混ざっていることがわかった。
それにしても、牛スジは、肉に比べたら、見慣れないせいか、臓物に近いような雰囲気がある。

取り敢えず、全部を鍋に入れて、ガス火で沸騰するまで煮て、オーブンに130度で二時間煮て、一晩そのまま放っておいた。
翌朝、見ると、大体柔らかく煮えていたが、骨っぽいところはまだ固かった。
もう一度、その部分だけ煮るのは面倒だったので、骨っぽいところでまだ固くて食べられないところは取り除いた。
取り除いたところを量ってみると、300gあり、全体の3割を捨てたが、きっと、これは、下手な下処理法ではないかと思う。
で、夕方まで冷蔵庫に入れておいた。
夕方に、ふたを取ると、ぷりんぷりんの煮こごりになっていた。
今まで、鶏がらスープとか、豚の茹でたものを同じように冷蔵庫に入れておいたことはあったが、ここまでぷりんぷりんになるなんて、すごいゼラチン質である。

さて、これをどうやって料理するか、考えた。
おでんに入れるというのが美味しいというのはわかっているが、家風に合わず。
ま、牛スジを根野菜とともに、味噌味で煮る煮込み程度が無難だと思ったが、我が家は、私と弟以外は、見た目が、割と臓物っぽいものは、多分、食べてくれないと思う。
そのときは、良い考えが浮かばなかったので、取り敢えず、3袋に分けて凍らせてしまった。
牛スジを食べてくれる人ばかりだったら、エンゲル係数が下がるはずなのに、残念である。



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1998年10月24日(土)

タンシチュウ


半年ほど前、知り合いの方から、私の顔程もある大きな茹でたタンをいただいた。
この舌の持ち主の牛は、どんなに大きいのだろう。
私が牧場に遊びに行って、他のことに夢中になっているときに、こんな舌の持ち主の牛さんがぬっと後ろから現れて、顔でもなめられたら、気絶してしまうだろうなと思う程、大きいタンだ。
どうにか、スモークタンにできないか、色々調べたが、スモークタンにする場合は、初めから、塩水で茹でないとできないことがわかり、秋になったら、タンシチュウを作ろうと、ずっと、冷凍していた。
(というか、普通に茹でたタンでスモークタンを作る方法が見つからなかった、失敗するのももったいないから、止めておいた。)
タンは、我が家の女性陣は食べないので、また、弟と甥が食事に来る時を狙った。
ドミグラスソースを自分で上手に作れたら良いが、本格的レシピは、手間と時間がかかるし、シロウトが手を出しても、熟練の味は出せないと踏んでいる。
(というか、昔、骨を焼いてというやりかたで一度作ったことがあるが、うまく行かなかった。)
料理研究家の簡単ドミグラスソース的レシピもいくつか持っているが、あれも、本当に美味しいのかしらね、と、割と疑いの目を持っている。
確信が持てないまま、手間暇かけるよりは、缶詰がやはり楽よねと、缶詰のドミグラスソースを使うことにした。

今まで、缶詰のドミグラスソースを使ってビーフシチュウを作ったことは、何回かあったが、いかにも缶詰のドミグラスで作りましたという範疇を越したことがなかった。
肉だって、もともとがけちだから、そんなに沢山入れない、ということは、今まで、そんなに美味しくなかったのである。
そんな折り、「牛スジ」をキーワードに、インターネットで検索したら、牛スジを煮込んで、ミキサーにかけて粉々にしてカレーを作るレシピを発見した。
なるほど、この前、牛スジを煮込んで、冷蔵庫に入れたら、プリンプリンの弾力のあるゼラチンになったので、これを、スープにしたら、きっと、味の補強になるだろうと思った。 確か、ジャルディーノのシェフの本のスープストックの材料は、牛骨と豚骨と牛スジだった。
それで、肉の部分だけ、フードプロセサーで粉々にしたが、出来上がりは相当粗かった。
しかし、面倒なので、粗いまま使うことにした。
それとゼリー状になったスープをベースに、ドミグラス缶詰2缶と、トマトピューレ400cc、赤ワイン200cc(だと思った)、砂糖大さじ2杯、タンを切ったもの、水・野菜を、直径30cmの鍋に入れて火をつけた。
沸騰させてあくを取った後は、クッキングガスマットに乗せて、とろ火で二時間煮た。
クッキングガスマットに乗せて弱火なら、焦げ付く心配はない。
ときどき見に行ったが、コトコト煮ると、あくは余り出ない。
そして、脂分が、とてもはっきりきれいに分離して、上に浮いてくる。
それをすくい取ってしまった。
この分離具合がとても良い。
最後に塩・胡椒で味を整えて、出来上がり。
今までよりもコクのあるシチュウができた。
肉をけちするなら、牛スジをけちしなければ良いようだ。

私以外の女性陣は、やはり、タンを食べようとしなかったが、私と、男性陣(甥を含む)で「柔らかくて、美味しい、美味しい」と沢山食べた。

タンさえ嫌がる人に、牛スジを粉々にしたものを食べさせたことが発覚したら、後で、きゃあきゃあ言われそうなので、後々の人間関係を考慮して、今後は、粉々にして更に煮た後、漉して、スープだけ使おうかと思う。
この牛スジで出汁を取れば、相当の味の補いになるという発見は、嬉しい。
ただ、牛スジは、食べ慣れない人によって気味悪がるから、面倒だ。



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1998年10月25日(日)

料理を探検する


「ま〜り〜! 真理が生まれて初めて料理したのは、プリンなの?」
と甥2が、たまに聞くようになった。(未だに、おばちゃんとは呼んでくれない)
「そうよ、小学校3年生か4年生くらいのときに、目黒のおばちゃんの家で、おばちゃんの作ったプリンを食べたら、美味しかったのよ。
家に帰ってから、もう一度あのプリンが食べたくなって、おばちゃんに電話で作り方を聞いて、作ったの。甥2ちゃんは、最初は、何を作るの?」
甥2は、「まだ、決めていない」と答える。

最近、こんな会話を何回かした。
以前、私が子供の時に、一番最初に作ったのが、プリンで、次がカレーだったという話しをして以来、その話しが気に入って、どうも、時々、「自分の場合はどうしようかな?」と考えている様子だ。

目黒のおばさんというのは、父の姉で、サラリーマンの家庭に嫁いだ専業主婦だった。
お裁縫もできたし、お料理も上手だった。
元々、出身が浅草の商売家の娘(しかし、私より数段お嬢さん育ち)だし、性格も明るくて、天性の座持ちの才能とユーモアのセンスがあり、伯母がいるといないでは、親戚の集まりの盛り上がり方が違った。
伯母と話していると、天性の才能もあるけれど、戦前の我が家って、明るくて、家族が仲が良くて、楽しい家だったのだなと思った。

伯母の家と私の家は、私が小さい時は、相当盛んに行き来していて、いつも、目黒に行くと、伯母が色々な手料理を作ってくれた。
私の家は、小さい時は、確か休日も、隔週日曜日休んだだけだった。(今考えると信じられない気がする)
ずっと小売業を営んでいるので、私の暮らしている家庭の上には、いつも、家庭より大切にしなくてはいけない重たい「お店」があった。
ずっと、お店は忙しかったので、お店にお客さんが立て込むと、食事の時間は遅れるし、丁寧に作ったお料理とか、きれいに盛り付けしたお料理なぞ、出なかった。
(そして、商売家は、忙しくて、力仕事の面があるから、どうも食事の内容は男性的である。)
それが、サラリーマン家庭である目黒の伯母の家に行くと、家庭が静かで、ちゃんと時間になれば、おばさんが手をかけた美味しくて見た目もきれいなお料理を楽しそうに丁寧に出してくれたので、とても嬉しかった。
おばちゃんは、食事の時間から逆算してそろそろ準備しなくてはという時間になると、義務というより、楽しそうに、席を立った。
「料理はこうでなくては」と子供心に思ったが、今の私は、やはり、伯母ほどはできない。

そんな中、生まれて初めて、おばちゃんのプリンを食べた。
きっと、出来合いのプリンは食べたことはあったとは思う、しかし、伯母の手作りのプリンの美味しさが私の舌に感激を生んだ。
そして、その感激が忘れられなかったのか、後日、目黒に電話して、作り方を聞いて、きっと親は反対しただろうが、とにかく作ったことを覚えている。
電話で、卵が何個かとか、砂糖がカップどのくらいとか聞きながら、メモした覚えがある。
多分、プリン型は、アルミで安いから自分のお小遣いで十分の値段だったのだろう。
プリン型は、近所の金物屋に行けば手に入ることも伯母に習ったと思う、近くの商店街の金物屋で買った、ふ〜ん、こんなものも家の近所で売っているのだと発見した。(もしかして、計量カップも買ったかも知れない。)

牛乳・卵・砂糖は、家にあるものばかりだ。
蒸したのは、多分、蒸し器である。
カラメルソースも曲がりなりに作ったと思う。
とにかく、作って、おばちゃんのと同じ味だったこと、自分で作ると、型にバターを塗るせいか、手作りのプリンは、バターの味がするから美味しいのだと、思ったことなどを覚えている。

しかし、子供のときにプリンを作った記憶は一回限りである。
きっと、片付けなどしなかったから、親に嫌われて二度とできなかったのかも知れない。

生クリームは牛乳屋で売っていて、それを買ってきて、家に泡立て器があれば、自分の家で、美味しい生クリームを作ることができることを教えてくれたのも、目黒の伯母さんだと思う。
それまで、生クリームが自分の家で作れることなんて、考えたこともなかった。
生クリームは、今と違って、牛乳瓶に入っていた。
確か、何かのときに、「あんたんちは、忙しくて、作る暇がないだろうから」と言って、スポンジケーキと泡立て器・絞り出し袋を持ってきて、家の近所の牛乳屋さんで生クリームを買って、私の家で泡立て器でホイップして、デコレートしてくれた憶えがある。
目黒の伯母は、私にこのようなモダン(昔のモダン?)で子供の喜ぶようなお料理についての刺激を与えてくれた。

甥2は、私がいるから、私が意識して引かないと、レシピとお小遣い片手に、器を金物屋やスーパーに買いに行ったり、誰にも口を挟まれないで、自由にお料理を探検することはできないかも知れない。
その点、気をつけてあげなくてはと思う。
(重々、「プリンの型を買うなら、そこらへんの金物屋に行かないで、多慶屋とシモジマと合羽橋を見て値段と材質を比べてみたら。あ、それからね、多慶屋は消費税込みで、シモジマは消費税抜きの値段よ、材質や型の大きさで色々比較したいなら、合羽橋ね、わかった!」なんて、言わないようにしないと、小学生にとっては、大変、重たい、うるさい、嫌なおばちゃんに分類されてしまいそうだ。)

初めは、気ままに思うように作らせて、自分で考えることを覚えさせなくてはとも思うし、初めっから、基本を教えた方がいいのか、ちょっと迷うところがある。
基本がわからないで、変なものを作ったときだけ、「こうやったら?」とアドバイスする手もあるな?
想像力を育てるには、「料理探検コース」が良いし、将来、サラリーマンや公務員になるなら、「規則を徹底的に守るコース」がいいかな、なんて、考える。(考え過ぎかも)
どうしようか、おばちゃんも甥にお料理を教えることになるのは、初めてのことで、全ての方針は、「まだ、決めていない」である。



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1998年10月26日(月)

浅草色々


先々週の土曜日にテレビで、「東浅草」を見た。
東浅草と言っても、今の町名で、浅草3丁目から6丁目のいわゆる「観音裏」や「千束通り」であった。
なんだ、もろ吉原ではなく、その手前までね、と思うが、ここいらへんも余り詳しくはない。
浅草と言う町名は、1〜7丁目まである、普通の人が「浅草」と言って思い浮かべるのは、1〜2丁目である。
しかし、浅草と言う地名には、もう一つ意味があり、戦前の「浅草区」だった地域も「浅草」という。
ここがややこしい。

観音裏あたりは、アド街ックで紹介する「第四番目の浅草」だそうだ。
まだ、紹介されていない我が家の方は、そうすると、「第五番目の浅草」で最後の浅草かな?とも思うが、ベスト30を作るほどの名物はないから、永遠に紹介されないかも知れない。
もしかしたら、我が家の方は、第6か、第7の浅草かも知れない、私は、北の方では、どの地域までが昔の浅草区だったか、良く知らないのだ。

観音様の奥のほうは、年に一回くらい、何やかやの用のついでに足を踏み入れる程度である。
確か最後に行ったのは、今年の春に、向島に長命寺桜餅を買いに行った帰りに、フラフラ雑誌に良く載っているお店を探しに行ったときだ。

あのテレビ番組を見た感想は、「浅草の旦那衆や下町を売り物にしている芸能人はここで遊んでいるのか」というものであった。
「観音様の裏の方」という言われ方をするが、「浅草の奥座敷」と言ったほうがぴったりかもしれない。
「裏」とか「奥」という言葉が良くないという話しもあるが、浅草寺の正面がどちらで、裏手がどちらかが厳然とあるので、どうしてもこういう言い方になる。
テレビを見ているうちに、出てきたお蕎麦が食べたくなり、湯葉は自分で作るぞという気になった。

浅草の言問通りの向こう側の話しをする前に、その手前の話しを。
去年、知り合いの人に、TVにも出てきた餡パンで有名な「あんです的場」という店を紹介してもらった。
そこは、今は、パン屋さんだが、昔は製餡所で、浅草にあった工場を千葉県に移し、そこでパン屋さんを始めたそうだ。
だから、ここで、生の白餡が手に入るそうだ。

自転車で店を探しに行ったのだが、住所と小さな地図を頼りに浅草を自転車で走り回るのは初めての経験で、色々道に迷い、浅草は、広いのだとわかった。
今まで、私は、観音様をお参りしたって、そのまま、横のほうに流れて、どこか良く行く食べ物屋で食べて帰るだけである。
どこへ行くにも知っているポイント・ポイントだけ回って、うろちょろ見物することは殆どない。
それが、初めて、自転車で、観音さまの横から裏のほうまで、うろちょろ走り回ったら、今まで全然気が付かなかった浅草を色々発見した。
JRAの馬券売り場があるのだが、その裏には、路上に椅子とテーブルを並べて、牛丼だの煮込み、おでんを売っている店が数多くあるのを発見した。
朝から、競馬新聞片手にお酒飲んでいるおじさんたちが沢山いるのだ。
ふ〜ん、すごいね、朝からお酒飲んでいて、へ〜っというのが感想。
とにかく今まで知らなかった浅草の一面に触れたような気がした。

その後、観音さまの裏手に回ると、これまた、大きな駐車場を新たに発見、ずらっと、はとバスが並んでいた。
なんだ、こりゃ。
観光客として、はとバスツアーに参加すると、観音さまの裏手でバスを降りて、観音様をお参りすることを知った。
駐車場の言問通りを挟んだ向い側には、5656(ゴロコロ)会館があって、最後、ここで、雷おこしを買って帰るのか、これまた、「ふ〜ん、知らなかった」である。

5656会館も初めてそのとき存在を知ったが、とても大きくて高いビルである。
雷おこしというのは、雷門の正面の土産物屋さんかと思いきや、こんなところにこんな大きいビルを持って、はとバスのお客さん相手に大量な商売をしているのだ、ただのお土産屋さんではない、大きな企業(台東区としてはです)だと初めて知った。

浅草寺の裏に行くと、立ち入り禁止だが、浅草寺所有の庭があり、木がうっそうとしている、ここが散歩できたら良いのにと思うが、ま、開放してしまうと、色々な人が住みついてしまうかも知れないし、難しいところである。
庭といえば、浅草寺の隣に伝法院というお寺があり、ここのお庭もとても素敵だ。
立ち入り禁止なのだが、昔、大学生のときに、友人が外人を浅草見物に連れて行くのに付き合ったときに、入ったことがある。
外人さんが一緒だったせいかも知れないが、「庭を見たい」と言ったら、見せてくれた。
ここも純和風で広く、浅草のイメージから程遠い立派な庭であった。

浅草は、広くて、古くて、雑多な町である。
それは、まるで、浅草の肉屋の老舗の松喜やちんやの品揃えと似ている。
松喜やちんやは、100gウン千円もするようなお肉から、100g150円まで買いに来た人の予算に合わせてそれなりに美味しいものが買えるよう、各種取り揃えてある。
浅草の街は、楽しさ・食べ物の品揃えは、肉屋さんと同じなのだが、肉屋のショーウィンドウと違って、価格順に並んではないから、ごちゃごちゃなのである。
お金持ちはお金持ちなりに、お金がない人はない人なりに、楽しめるのだけれど、お店はお肉と違って、人為的に並べられないので、街が雑多になっているのだと考えれば、浅草を理解しやすいと思う。
浅草に来た人は、他人を羨ましがりもしないし、けなしもしないで、それなりに楽しめばいいのだ。

そう書いているうちに、ふと、考えがまとまった。
そうだ、何せ、浅草で一番偉い中心人物(人ではないが)で、スーパースターは、「観音様」なのだから、観音様が気に入るような乗りで楽しむのが、一番だ。
観音様は、生きとし生ける者全てに慈愛を注ぐ。
「浅草で遊ぶ」ということは、「観音様の手のひらの上に乗って、観音様の慈愛を受ける立場の一人になる」ということかも知れない。
(なんて、ちょっと、大袈裟かしら?)
やはり、浅草は、東京の他の盛り場と違って、単なる盛り場でなく、浅草寺の門前町である色合いが濃い。
どうせなら、地名を「浅草」にしないで、善光寺のように、「浅草寺」(せんそうじ)とか、「浅草寺前」にすれば、このことが明確になったのにと思う。

浅草の色は、一色(ひといろ)でないから煩わしいと思うか、雑多だから楽しいと思うか、人それぞれではあるが。



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1998年10月27日(火)

浅草の奥座敷 観音裏 食べ物屋


最近、残業が続いており、帰りが遅い日が続いている。
私は自然に触れなくても生きていけるのだが、いわゆる娑婆の空気欠乏症になりやすく、残業が続くと、無性に街に行きたくなる。
別に飲み歩くというのでもなく、雑多な街の空気を定期的に吸うことが、私が快適に生きていく上には、不可欠なように育ってしまったようだ。
その空気は、飲み屋街の人々の楽しそうな雰囲気でもいいし、我が家の回りの問屋街の忙しそうに働く空気でも良い。
(私が刑務所に入ったら、その手の空気が吸えなくなってさぞかし辛いだろう、と思うと、悪いことをするのはよそうと思う)(笑)

それで、この前の土曜日の午前中、小雨の中、観音裏見物に行ってきた。
私の家から交通の便が悪いとか、遠いとか散々書いたが、行ってみれば、合羽橋の真ん中あたりから、自転車で7,8分のところである。
我が家の方は、殆ど碁盤の目状態に区画整理が完璧にされているので、直線距離では近いのだが、浅草方面は、直線では行けなくて、三角形の二辺を行かなくてはいけないのだ。
それもあって、何だか、いつも、行くのが面倒なのだ。
きっと、価値がわかっていないからかもと思う。

観光で行くとしたら、雷門から観音様を抜けてそのまま、まっすぐ進んで言問通りを渡れば良い。
(横道に外れるが、多分、地元民は、「浅草寺」を「浅草寺」と言わないで、「観音様」と呼ぶことが多いと思う。
私も相当大きくなってから、観音様の正式名が浅草寺と習った覚えがある、それまでは、観音様と言っていたように記憶する。
または、境内や五重塔全体を含めて「浅草寺」といい、観音様が奉られている本堂を指して「観音様」と言うのかも知れない。)
観音裏は、TVで見たとおり、粋な飲食店を初め、粋でないものも含め、沢山の食べ物屋、飲み屋さんだらけの地域である。
碁盤の目状の区割りで、我が家の方と似ているが、やはり、料亭や食べ物屋が多い分、風情がある。

まだ、料亭が数多く残っていて生きていた。
料亭の外観というのは、皆、和風でしかも洗練された趣があってきれいなものだ。
こういうところで遊んだら楽しいだろうなと思う。

5656会館から北へ入ると、柳並木が続き、下町らしい風情が色濃くなる。
テレビにも出てきた「三業会館」というビルがあり、「見番」(けんばん)という文字が見えた。
確か、見番という言葉は、春に向島に行ったときに、「見番通り」というのがあったときに、初めて知った。
どうも、芸者さんのいる地域の何かの仕事の名前らしい。
向島より浅草の方が賑やかな感じがしたのは、地元びいきの見方だろうか。
柳橋も芸者さんがいなくなったと思うが、浅草には芸者さんがまだいることをこの前のテレビ番組で知った。

★大黒屋
テレビの東浅草特集を見たとき、この大黒屋だけは、絶対行くのだと思った。
蕎麦の実から粉にするところまでも、自分の店の二階でやっているらしい。
地元出身の友人が一緒に行くということで話しが進んでいるので、場所を確かめてきた。
とても小さな店だった、間口が狭いだけで、中は広いかも知れないが、開いていない時間だったので良くわからない。場所は完璧に理解した。

今年の春に、地図を片手に、お昼ご飯は、大黒屋でお蕎麦を食べようと部屋を出た瞬間に、学校から帰ってきた我が甥1に運悪く会ってしまい、「まりと一緒にホカホカ弁当が食べたい」と言われたおかげで、行けなかったのだ。あの時は、泣いたな。
あれさえ、なければ、もう、食べていたのにと思う。
今度は、絶対に行きたい。

大黒屋
住所:     台東区浅草4−39−2
電話番号:   3874−2986
営業時間:   12:00〜14:00 17:00〜22:00
休み:     日曜・月曜

★徳太桜
ここの金つばも有名だけれど、食べたことがない。
徳太桜の金つばが有名とは言っても、我が家のほうからわざわざ金つばを買いに、言問通りを越すかというと、地元民感覚では、行かないのが普通だと思う。
だって、その手前の浅草や上野に美味しいお菓子は沢山あるから。
そうだ、おがわという有名などら焼き屋さんが田原町の先にあると教えていただいているが、ここも予約しないと買えないため、まだ、食べていないのだ。
我が家に近いお菓子屋さえ、まだ、制覇していない。

徳太桜も、数年前、買いに行ったのだが、折悪しく、三社祭の日だったのだ。
お店は開いていたけれど、今日は金つばは作りませんとのことだった。
このような老舗のお店でも、御神輿に出すお菓子の手配や袋詰めをするのかな。

店は、本当に古い木造である、戦争で燃えなかったのかしらと思うが、戦後の建物かも知れない。
今回は、店の中に先客が10人ほどいた。
言葉を聞くと、大阪の人たちらしい。
私が京都にお菓子を買いに行き、大阪の人たちが浅草に金つばを買いに来る。
私に限らず、関西の人も、「自分の日常生活や近所には見当たらない、遠い土地の甘いものに、目がなく、一度は食べてみたいと思い、こんな遠くまで買いにきてしまうのだ」と思うと仲間に会えたようで嬉しい。
「東京に来たら、下町の老舗に来て、お団子や金つば、桜餅を買うのは大正解ですよ」、と話しかけたかったが、止めておいた。
そりゃ、東京と関西を比べれば、練り切りなぞは、京都のほうが美味しいけれど、この庶民ベースのお団子系統は、東京下町の老舗のものがダントツ繊細で美味しいと思う。
浅草のお菓子が大阪の方々の口に合うと良いのだが。
なんて考えていたが、先客の買い物が中々終わらず、しょうがないので、梅村はどこかと探しに行った。
すぐ場所が確認できて戻ってくると、ちょうど、その人たちが店から出て行くところだった。
私が入っていくと、午前の金つばは、今のお客さんたちが全部買っていってしまったとのこと、残念、また、買えなかった。
この店、この前テレビに出たばかりだから、買いに行くなら、電話で予約していったほうがいいと思う。
私も、三回目の正直で次回は、是非とも買いたい。

徳太桜
住所  :台東区浅草3−36−2
電話番号:3874−4073
営業時間:10:00〜19:00
休み:  日曜日



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1998年10月28日(水)

中華麺


一口に中華麺と言っても沢山の種類がある。
茹でる麺は、いわゆるそこらへんで売っている麺が、生と乾麺である。
デパートに行くと、中華街の卵麺の生がある。
焼きそばも、何種類かあるだろう。
焼きそばで、思い出すのが、銀座アスターの柔らかい焼きそばである。
あれは、一体、何なのだろうと思う、余所の店では食べたことがない。
私は、時々、銀座アスターの柔らかい焼きそば禁断症状になることがあるくらい、この麺が好きである。
大阪で暮らしていたとき、毎日食べる関西の味と自分の作る適当な食事に飽きると、時々、ホテル阪神地下に、「東京の味〜、東京の味〜」と食べに行って満足していた。
多分、生の卵麺を蒸してから、焼いたものかと思うが、自分で真似したが、うまく行っていない。

他に、日本橋に小洞天という中華料理の店があって、ここの柔らかい焼きそばもこの店独特で美味しい。
こちらは、色々な本を読んだ結果、広東麺ではないかと思う。
広東麺を使った焼きそばのレシピも持っており、試したが、うまく行かない。
思うに、私は、牡蠣油の使い方が下手なのと、牡蠣油の濃厚さが家風に合わないのかもと思う。
どこか、お店で食べれば、牡蠣油味の焼きそばは美味しいと思うのに、我が家で食べるとしつこく感じてしまう。
広東麺は、そう言えば、最近、余り売っていないと思う。

今は知らないけれど、昔、西宮に住んでいたときに、関西のブランド、いかりスーパーで出来合いの柔らかい焼きそばを買ってきて食べたことがある。
焼きそばをフライパンでピーナッツ油で炒め、ついてきた肉と野菜のあんを温めてかけたら、とても美味しかった。
高級スーパーなら、こういうものがあるのかしらと、成城の石井に行ったときに、期待してしまったが、成城の石井のは、焼いた焼きそばに、あんをかけたものを売っていた。
買って帰って電子レンジでチンすればいいのかも知れないけれど、ちょっと、やはり、美味しさは劣ってしまうのではないかと思った。(試していないから確かなことではない。)
ここいらへんの繊細さは、関西の勝ち!(但し、今はどうなっているかわからない。)

で、今日は、陳健一の「家庭料理」で卵麺の乾麺で昔風タンタン麺を作ってみた。
卵麺は、先日、アメ横で乾麺を入手しておいた。
乾麺の卵麺自体も味があり、素材としては、良いものだと思う。
結局、干し海老とざー菜、豚挽き肉を炒めて、おしょうゆと紹興酒で味付けし、麺と絡めるときに、他に練り胡麻やラー油等と和える料理だ。
皆、麺の味が干し海老の味とマッチして美味しいという、ただ、卵麺自体がパサパサのものだから、和えるよりは、冷やし中華のように中途半端に汁を浸しながら食べる形にした方が美味しいだろうとのこと。
なるほどね、今度はそうしてみようと思う。
完成したら、また、書きますね。
乾麺の卵麺は面白い素材であるので、今後も使ってみようと思う。
乾麺の卵麺の袋には、日本のインスタントラーメンのようなスープの素が入っていた。
美味しいのかわからないので、まだ、袋の後ろにあるレシピは試していない。



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1998年10月29日(木)

マスコミ・デビュー


今日の題は、はっきり言って大袈裟である。
実は、昔MLで一緒だった人からDMが入り、雑誌で合羽橋特集を行うので、コラムで私のHPを紹介したいという申し出があったのだ。
わ、こんなこともあるのだ、なんと、写真入りだとのこと。
私が、写真と名前入りで、雑誌に載るなんて、最初で最後だと思い、青春の記念(笑)に応じることにした。

なんで、20年前に来てくれなかったの!と初めは思ったが、今より10年遅くに来るよりはましだろうと、度胸を決めた。

いざとなると、私にも見栄があり、雑誌に載る写真の出来具合で、その雑誌に載っていることをこのエッセイや知人・親戚に紹介しようと考えている。
沢山写真を撮っていった、そのうちの一番いいのを使うとのこと。
それで、変な写真が載っていったら、私は、本当にひどいということになるではないか、と思う。

知人に話したら、「普通は、『長年の努力が報われて』というところだが、あんたの場合は、『長年の道楽が認められ』だよ」と言われた。
ま、道楽というよりは、生活密着型知識だけれど、何も苦労していないから、この言葉はあたっていると思った。
世の中、いかにも苦労したということよりも、楽しそうにやっていることのほうが認められることが多いのさ、と思う。

ちゃんと市販されている雑誌だけれど、その雑誌を売っているのを余り見かけない。
取材の話しが来てから、私がその雑誌の名前を見たのは、一度京王線の吊革広告でその雑誌の宣伝を見かけたのと、今日、日本橋の丸善に行ったら、山積みされていたのを見た2回限りである。

合羽橋特集をするという雑誌だから、もしかして、関東圏でしか、売っていない雑誌かも知れない。
まだ、1か月以上先の話しだが、写真が本人のお眼鏡にかなったら、雑誌の名前を発表するので、是非、見てね。




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1998年10月30日(金)

きりたんぽ


ようやく、先週くらいから、すっかり秋めいてきた。
おかずを考えるのに、困っている私が献立を決めている我が家では、もうお鍋は、すっかり、初秋より、食卓に馴染んでいる。
お鍋の季節は嬉しい。
そりゃ、作らない人は四の五の言うけれど、作り手からすると、お鍋の季節は本当に有り難い、こんな楽なことはない。

そう言えば、不思議なのは、一人暮らしをしているときや、自分が献立を考えるときには、二度でも三度でも、同じおかずを食べられるのに、他人が作ってくれるという環境では、これができない。
どうしたって、他の人に作ってもらうときには、ちゃんと、食べ手のことを考えて、毎回、飽きのこない献立を考えて欲しいと思う。(笑)
自分で一週間メニューを考える立場になると、鍋が何日続いても美味しいと思うのに、他の人たちはそんなことないらしい。
ま、反対の立場の気持ちがわかるので、せめて、鍋は、一日置きにしている。

で、ここ数年我が家で人気のあるニューフェース鍋を。
と言っても、普通、良く食べているのかも知れない。
しかし、私の記憶では、きりたんぽを東京で売り出したのは、そんなに古いことではないと思う、ここ10年くらいではないか。

人によっては、きりたんぽから手作りをする人もいるのかも知れない。
しかし、私は、本場ものとか、手作りのきりたんぽを食べたことがないので、スーパーで売っているもので十分満足。
それに、特製比内鶏スープ(醤油味なのだが、ごぼうの風味も入っているのではないか)の液体を買ってくる。
今まで、それらを浅草のスーパーで買い求めていたのだが、ある日、調布のパルコの地下で違うメーカーのスープを買ったら、そちらの方が断然美味しかった。
それ以来、調布まで行くと、賞味期限を確かめて、4つくらい買いだめしてくる。
なんで、同じ値段なのに、ここまで違うのという感じである。

そのメーカーのは、
「比内鶏スープ」
株式会社比内鶏
秋田県大館市芦田子字芦田子南
表面に「秋田特産美味地鶏」と書いてある。

パルコのお店の人も、きりたんぽよりも、このスープは良く売れると言っていた。
調布の人たちは、他の煮物に使うのかしら?

それを袋に書いてある割合のお水で割って、鶏肉といわゆる鍋の材料と、笹がきごぼうを加えて煮る。
本当は、三人前で二袋使ったほうが汁に余裕があって良いが、けちして、一袋で使い、最後のほうは、お湯とお醤油を足して、薄めて食べる。(けちかな、やはり)。 
皆が食べ終わった後、帰ってくると、本来の味が味わえない。(涙)

鶏のスープとごぼうと鶏肉がうまくマッチして美味しい。
ごぼうは、茹でると時間がかかるというので、我が家では、一旦、下茹でをしている。

きりたんぽもなくても良いような気もするが、あったほうが美味しい。
鍋に、うどんや餅を入れるのと同じ感覚だと思う。

鶏のお鍋というと、我が家は水炊きオンリーであったが、きりたんぽが受け入れられて、交互に食べるようになった。



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1998年10月31日(土)

塩漬け豚バラ肉のポトフ


以前ポトフのことで書いたような、豚バラ肉を塩漬けして、ポトフにしてみた。
食べた感想は、やはり、スモークしたベーコンには劣るけれども、ま、それなりに良いのではないかと思った。
食べた人たちには、好評だった。(元々、ベーコンが苦手な人たちだ。ベーコン苦手なんて、余計なお世話だが、もったいないと思う)
ただ、スモークしない場合は、塩漬けの段階で色々な香辛料を効かせたほうがいいかも知れないと思う。

失敗策ではあるが、レシピを

塩漬け豚肉は、下記要領で作る。(興味ある人はいるだろうか)

材料:豚バラ肉塊 500g
   血抜き用 粗塩         1/2カップ
   塩漬け用 粗塩          35g
        パセリ(茎ごと)   2、3本程度
        セロリの葉      1本分程度
        黒胡椒        5粒程度

★血抜き
1. 豚バラ肉に粗塩を刷り込んで、ビニール袋に入れて、空気を抜いて口を縛る。
2. 冷蔵庫に寝かせて、上から500gくらいの重り(例えばヨーグルトや缶詰)を
   置く。
3. 一晩から、一昼夜おいたところで、袋から出して水洗いをする。
  (本当に、血が抜ける。)

★塩漬け
(血抜きの作業をするのと同時に液を作って冷ましておくと良い)
1. 血抜きと同時並行的に、塩水を作り、パセリ・セロリ・黒胡椒を入れて、火に
  かけ、5分程度、沸騰させる。
2. そのまま、冷ます
3. ビニール袋にできた液体を入れ、血抜きした豚肉がまんべんなく、漬かるように
  して、空気を抜いて、口を止める。(たこ糸で縛る、輪ゴムで止めるなど)
4. 冷蔵庫の中に、置いて、上からまた、500g程度の重石を置き、1週間から10
  日間寝かせておく。(間一回くらい、天地を逆にする)

★塩抜き

ここからは、レシピではなく、失敗談を。
参考にした本を見たら、水で洗ってことこと茹でれば良いようなことが書いてあったので、真似をしてみたら、できあがり、スープがしょっぱいのだ。
しょうがないから、1/2程スープを捨てて水で薄めた。
損をしてしまった。
やはり、2,3回茹でこぼすか、5〜6時間程度、ちょろちょろの水に当てたほうがいいのかも知れないと思った。

後は、量が多かったので、大鍋に入れてクッキングガスマットの上でことこと、野菜と共に煮た。
また、チャレンジしてみるかどうか、悩むところである。



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