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「美味しい!」が好き

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1999年12月01日(水)

甥2の一泊旅行前後


甥2が長野県に行く前の晩に、私とおばあちゃんは、それぞれ、お餞別にお金を少しあげた。
私もおばあさんも明日の朝は、既に予定があって、見送りができないのだ。
甥2は、明日は旅行だし、二人からお小遣いをもらうはで、嬉しくて、身体中から湯気が出そうな雰囲気であった。
「有難う!おみやげ買ってくるからね」と甥2。
「おみやげはいいから、楽しく過ごしてきてね、あげたお金でお父さんに缶ビールでも買ってあげてね」と、実の弟にはお餞別をあげないおばちゃんは、甥2に言う。

これらの光景を見ていた甥1のその後の行動が面白かった。
甥1は、バス停まで、お父さんと弟を見送りに行ったそうだ。
「昨日の夜、おばあちゃんたちが甥2ちゃんにお小遣いをあげているので、僕もあげようと思ったのに、お金をバス停に持って行くの忘れちゃったの。
『あ! 甥2ちゃんにお小遣いあげようと思ったのに、持ってくるの忘れちゃった!』と言ったら、甥2ちゃんは、『家に戻って取ってこい!』って言ったんだ。
でも、バスが来ちゃって、取りに行けなかったんだ。

お小遣いあげると言っても、100円だよ、だって、僕、貧乏なんだもの」とのことであった。
(パーパー使うからよ、たまには、もらったお年玉、12月まで持っていてごらんと、おばちゃんは思ったのであった。)

大人たちが弟にお小遣いを渡すのを見て、「僕も」と考えた甥1も可愛いが、お金を持ってくるのを忘れたお兄ちゃんに、ただ一言、「戻って取って来い」と言った甥2も面白い。

甥2が無事に帰ってきた。
心ばかりのおみやげがあったが、何でも、甘いものが好きなお兄ちゃんにだけ、「お菓子」のおみやげがあるとのこと。
甥1は、弟が自分だけにお菓子をくれたことが嬉しそうだった。
「何のお菓子のおみやげ?」とおばちゃんが聞くと、甥2は、
「ホテルでお茶とお菓子が出たの、余っていたから、僕、甥1ちゃんにもらってきてあげたの」とのこと。
甥2はさすがにしっかりしている。



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1999年12月02日(木)

ヤリイカと芝海老が安い時期


2週間前に築地に行ったのだが、何せ、自分の冷凍庫の中がいっぱいであったので、何も買えなかった。
11月の中旬であったが、我が家族の大好物であるヤリイカと、私が良い素材だと思っている芝海老が安かった。
お正月開けから3月くらいの間に見た値段より、1KGあたり1千円くらい違うような気がするが、定かではない。
で、2週間かけて、冷凍庫の中のものを食べたり、保存食に代えた。
準備OKで、また、築地に行ってみたが、ヤリイカも芝海老も2週間前とほぼ同じ値段だったので、良かった。
沢山取れて値段が安いときが旬だとしたら、ヤリイカと芝海老は、11月下旬くらいが旬かも知れないと思う。
今回の値段を頭に入れて、今後、築地に行った折には、価格の変化を見てみようと思う。



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1999年12月03日(金)

目玉焼き


私は、目玉焼きを焼くのが大変下手である。
どこが下手かと言えば、
(1)白身が広がってしまう
(2)黄身が真中に行かない
(3)フライパンから、お皿に移すとき、黄身を潰してしまう。

昔ながらの洋食屋さんやパン屋のレストランに行くと、本当に美味しそうに、形もきれいな目玉焼きが出てくる。
(昔ながらの洋食屋系統の目玉焼きは、黄身の上の白身が被さって、黄身が黄色ではなく、肌色に見えるところも美味しそうで食欲をそそる。)

余りに下手なので、MLで聞いてみたら、親切に教えてくれた。

(1)卵は新鮮でなくては、白身が広がってしまう
(2)黄身と白身を分けておき、最初は、白身だけを焼き、途中で黄身を真中に乗せ
   ればいい
(3)お水を少し入れるとふっくら焼ける

とのことであった。

そうか、そうか、白身が広がってしまうのは、卵の新鮮さの問題ではないのだ。
新鮮な卵だったら、そのままジャーっとフライパンに卵を割り入れ、古かったら、目玉焼き用の枠を使えばいいのかとわかった。
私の場合、卵は、母親の買い置きをもらってくるので、決して新鮮ではない。
で、枠を使って、作ってみた。
鍋は、銅鍋だ。
鍋に油を染み込ませて、枠を置き、卵黄と卵白と分けた卵白を流しいれる。
ここでジャッ〜という音がしなかったら、鍋の温度が低すぎたのだ、お鍋にくっついてしまう可能性がある。
また、フライパンを焼きすぎていても焦げやすいから、ま、文章に書くとしたら、「静かにジャーっといったら、成功!」という感じか。
オヤッ、どうも、お鍋が水平ではないので、特定の場所から流れ出てしまう。
お鍋やごとくを動かして、平らにする。
大体、形が出来たところで、卵黄を真中に置いたが、やっぱり、少しずれてしまう。
ま、このくらいはいいでしょうと、蓋をした。
火を弱火にする。
水をちょっと入れても良いのだが、私の場合は、水を入れないで、目玉焼きを焼けるのが嬉しい時期なので、お水は入れない。
たまに蓋を取って見てみる。
このやり方だと、「黄身の上に、白身がかぶさって肌色になる」ことは、無理なようだ。
銅のお鍋で焼くと、白身がじわんじわんと焼けた上に、黄身もじわんじわんと固まるようである。
この「黄身にどこまで火を通すか」が難しい。
適当なところで切り上げ、出来あがり、ちょっと油が足りなかったようで、鍋に少し、白身が着いてしまったが、まあまあ、妥当な出来あがりであった。
鍋から皿に移しても、壊れなかったし、私としては良い出来であった。



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1999年12月04日(土)

圧力鍋を無水鍋にする蓋


久しぶりに、合羽橋のアサヒサンライズに行った。
何気なく見ていると、フィスラーの圧力鍋を無水鍋に変える蓋を売っているではないか。
確かに、ステンレスの圧力鍋と、ビタクラフトのような無水鍋は材質も大きさも似ているから、兼用できるのは、便利である。

次の週、私の持っているフィスラーの圧力鍋を2つ持って、また、アサヒサンライズに行った。
アサヒサンライズで、いつも売っているのは、「ロイヤル」というシリーズであるが、私のフィスラーは、ひとつは10年以上前のものだし、大きいほうは、違うシリーズであるから、念のために本体を持って行ったのだ。

本当は、小さい鍋を無水鍋にしたかったのだが、小さいほうの直径は18cmで、その大きさの蓋はなかった。
お店にあった直径22cmの蓋は、私の大きいほうの圧力鍋にぴったりであったので、買ってしまった。

蓋と言っても、5cm程度の高さがある。大きさは、下の鍋と全く同じ大きさだ。
鍋と重なる部分が普通のお鍋の場合よりも、心持ち内側についているような気がする。
一番てっぺんに蓋を持ち上げるためのつまみがついている。
また、てっぺんの持つところ近くに空気穴があって、その開き具合を調整できるようである。

家で使ってみた。
お料理という程ではないが、茹で卵を7つ茹でてみたのと、圧力鍋で、ジャガイモを蒸したものの、レシピどおりの時間では火が通らなかったものをそのまま、蓋を代えて蒸してみた。


別に無水鍋でなくてもうまく行くかも知れないが、茹で卵は、7つとも割れないでうまく茹だった。
黄身も途中で一回ぐるぐる回したのが効を奏したのか、真中になった。
普通の人には、当り前のことかも知れないが、私としては、これは、奇跡に近い。
今まで、1個か、2個は、茹でている途中で、ひびが入って、白身が出てきてしまっていた。
また、黄身は常に片寄り、殻を向いている最中、薄い白身が剥けてしまい、茹であがった黄身が露出してしまったりして、私と茹で卵の相性は悪かった。
それが今回どうしてうまく行ったのか?
鍋が厚底で、無水鍋状態で茹でたので、適度に熱くて、しかも静かなお湯の中で、必要な時間茹でることができたからではないかと思う。
薄いお鍋でも、何の不自由もなく、茹で卵を作れる人もいるのかも知れないが、私には、厚手の鍋が必要なようだ。
ただ、今回は偶然うまくできたのかも知れず、もう1、2度試してみないと、なんとも言えない。

ジャガイモは、圧力鍋で、「圧をかけて4分、放置3分」と本に書いてあったので、そのとおりにやったら、相当芯が残っていた。
ここから先、もう一度、圧をかけることも考えられるが、おでんに使うジャガイモだったので、茹で過ぎたら使い物にならないから、この先は、無水鍋とまで行かなくても、圧力鍋を普通のお鍋に変えることができるふたは、本当に必要だなと実感した。
10分程、弱火で無水蓋をして蒸した。
竹串で刺してみると、3つのうち、2つはちょうど良い具合だけれど、1つがまだ固い。
大きなものだけは、また、5分追加で蒸して、全て出来あがった。
やっぱり、お料理は様子を見ながら作れるのがいいと思った。

さて、フィスラーの無水蓋の、無水鍋機能がどの程度のものか、私にはよくわからない。
沸騰してから弱火にして、蓋をすると、うっすら湯気は出ている。
普通のお鍋よりもやはり、相当湯気の量が少ない。



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1999年12月05日(日)

フィスラー無水鍋との比較


私は女子栄養大学発行の「無水鍋料理」という本を持っている。
この本に載っている無水鍋は、アルミで、蓋がフライパン代わりにもなるものである。
もちろん、鍋に専用の蓋をしてものを茹でると、ふたがかっちりしまるというか、普通の鍋より密封状態に近くなるのか、少量の水でものがゆだるようである。
(これもちゃんと使えれば、そうなると思うのだが、昔、私が買ったときには、使いこなせなかった。
一人暮らしのときに、この鍋を買ったのだが、鍋が大き過ぎたこともあり、段々使わなくなった。)
同じようなタイプは、合羽橋で、「吉岡鍋」というものが今でも手に入る。

また、ビタクラフトは、「無水鍋」とは言わないかも知れないが、「ウォーターシール効果」で、湯気が出てくると、蓋と鍋の間にお湯がはさまって、蓋が取りにくくなるのだ。
その効果で、蒸発する水分が少ないので、少量の水で、野菜などを茹でることができ、野菜の持っている本来の美味しさが生きるというのがうたい文句である。
(実際、使いこなしている人には評判がいい)

さて、現在持っているビタクラフトのフライパンと専用の蓋で、無水鍋状態を作ってみた。
フライパンに少量のお水を入れて蓋をして火にかける。
蒸気が昇ってくると、確かに、鍋本体と蓋が外に出ようとした水蒸気が水に戻るようで、それが粘着剤となって、合体する。
但し、やはり、いくばくかの湯気は外に漏れる。
なるほど、なるほど、ビタクラフトの場合は、湯気が蓋のてっぺんにあたって、そのまま蓋の曲線を伝わって蓋の一番端に来る、それが外に出るときに、隙間が細く、出にくいので、そこで湯気が冷やされてまた水に戻るのかなと思う。
それに比べて、フィスラーは、蓋のてっぺんにあたった湯気が、蓋の曲線を伝わってまた、端の方に行くところまでは同じなのだが、その湯気が、蓋のへりに行かないで、もうちょっと内部に戻るようになっているのだ。
だから、湯気が外に出にくいとわかった。

今まで、ビタクラフトのウォーターシールド効果=無水鍋というイメージが強くて、「無水鍋=ウォーターシール効果=新しい発明」というイメージがあったが、フィスラーの蓋は、そんな感じがなくて、「どうして、これで湯気の出方が少なくなるのであろう?」と不思議に思うような単純なものである。
こんな単純な、蓋の内側にある、鍋と重なる部分を若干普通のお鍋の場合より側に持ってくるだけでも、取りあえず、無水鍋はできるのだ。

どちらが、湯気を逃がさないかはまだわからない。

それにしても、フィスラーの圧力鍋の底の厚さは、ビタクラフトの3倍くらいあって、本当に立派である。
底が厚いので、薄い底のお鍋より、静かにものを茹でることができる=水蒸気の発生が少ないこととがあるので、この単純な蓋でも、無水効果があるかも知れないと思う。



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1999年12月06日(月)

マッシュルームのオリーブオイル煮


今でもあると思うけれど、スペイン料理のビードロというお店(じゅらくがやっているスペイン料理のチェーン店)で、昔、陶器の容器に熱々のマッシュルームと油がじゅくじゅく言いながら、出てきたのを、竹串に刺して食べるのが好きだった。
で、これくらいなら、自分で作れるとずっと思っていたけれど、やるとなると、よくわからなくて、そのままになっていた。
何年か前に、おすぎとピーコのどちらかが料理本を出して、その本にその料理が載っていたけれど、その本も買わないまま、忘れていた。

その本は良い本だったらしく、また、最近本屋さんで見かけるようになり、先週、立ち読みで覚えてきたレシピで作ってみたけれど、全然美味しくなかった。
(サラダオイルで丸ごとのにんにくとマッシュルームを15分煮て作るレシピ)
原因は、お鍋で油で煮たマッシュルームを他の器に移して、母の部屋まで運んだりしたら、冷めてしまったことだと思う。

で、私なりというか、ま、普通はこうではないかなと思うやり方で作ったところ、大正解であった。(ポイントは、熱熱をどうやって食卓に出すか)

材料:マッシュルーム1パックでも2パックでも
   にんにく1かけ(国産がいいかな、でもどちらでもいいかな)
、    オリーブオイル(エキストラバージンのほうがいいかな、どちらでもいいかな)
   パセリのみじん切り(フレッシュがいいかな、ドライでもいいかな)
   粗塩・胡椒少々

作り方
1.マッシュルームは、なるべく良いものを探す
  (難しい話しではない、2つスーパーに行ったのだが、スーパーによっては、い
   しづきが短い=量が少ないものを売っていたり、いしづきが長いものがあった
   りであった。
   やっぱり同じ値段出すなら、量が多いほうがいい。
   それとブラウンマッシュルームが安かったけれど、外国産とのことで、農薬が
   よくわからないと思いまして、日本産のホワイトマッシュルームにした。
   本当は農薬問題ないのかも知れないが、よくわからないので、やめておいた)
   また、マッシュルームは、パックの中を良く覗いて、表から見えない部分が
   傷んでいないかチェックする必要がある。

2.マッシュルームの土がついている部分を切り落とし、濡れたティッシュなど
  で、表面についた土を取る。(洗ってはいけないらしい)
  量が少なかったら、半分に切る、まるのままでも可。

3.にんにくとパセリはみじん切り

4.若干高さのある傷んでも良いお皿か、耐熱皿にマッシュルームを並べ、みじん
  切りのにんにくを上からかけ、オリーブオイルを多目にかける。

5.このまま、オーブンのグリルモードで5分焼く

6.5分立って、ところどころ焦げていて、マッシュルームに火が通っていて、
  (若干しんなりしていて)油がじゅくじゅく言っていたら、オーブンから出す
7.パセリのみじん切りと、粗塩(精製塩でないほうがいい)と胡椒を振って、混ぜる。

8.塩が溶けるように混ぜて、味見して、美味しかったら出来上がり。

マッシュルームも美味しいけれど、にんにくとパセリがとても美味しい。
これが、美味しいの当たり前かも知れない。
アイオリオペペロンチーニとほぼ同じ材料だから、ま、塩加減を間違いなければ成功間違いなし。
我が家では、こういうもの嫌いな母もよく食べていた。
私はお酒のおとも(なんと日本酒)、他の家族は、お肉の付合わせであった。

自分では沢山オリーブオイルを入れたつもりでも、6の段階で見たら、お皿にオリーブオイルが殆ど残っていなかったので、継ぎ足して、1分くらい、熱した。
竹串で刺しながら、食べる。

しかし、これは、オリーブオイルとにんにくとパセリがとても美味しいから、是非、パンを用意して、パンにオリーブオイルをつけながら、ワインを飲むことがいいと思う。(私は今度はそうする予定)

作ってみて思ったのだが、別にオーブンでなくても、オーブントースターでもできるだろうし、直火でフライパンでも構わないと思う。
要は、食卓に出すときに調理したお鍋ごと出して、熱々を食べることがポイントだと思う。

簡単、美味しい、ですので、是非お試しを。



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1999年12月07日(火)

もち米団子


私はやたらにもち米を持っていてどうにか減らしたいと常々考えている。
ある日曜日の夜、夕飯の献立が寂しいので、もち米団子でも作ってみるかと試した。
圧力鍋の本にレシピがあったが、どう考えても醤油分や塩分が多いレシピなのだ。
それを減らして作ってみた。
(しかし、後から考えたら、私のもち米団子は、酢醤油に辛子で食べるのだ。
この圧力鍋のレシピは、何もつけないで食べることを前提としたレシピかも知れない)

材料
もち米    1/2カップ
玉ねぎ    半分(みじん切り)
しょうが   10G程度(汁を絞っておく)
卵      1/2個
豚ひき肉   300G
片栗粉    大さじ4杯

調味料    オリジナルレシピ   私の分量
酒        小匙1杯      小匙1杯
塩        小匙1杯      小匙1/2杯
醤油       小匙2杯      小匙1杯
砂糖       小匙2杯      小匙1杯

作り方
1.もち米は、30分水に漬けておく。
  (ここで食紅を入れるときれいと書いてあったので、天然素材の食紅を入れた
  が、余り色が付かなかった。
  本当にピンクにしたかったら、本当にお水が真っ赤になるまで、食紅を入れなく
  ては行けないなと反省した。)
2.玉ねぎと豚ひき肉・調味料を全部手でこねて、16等分して、丸く丸める。
3.パットに水を切ったもち米を入れ、その中でお団子を転がして、回りにもち米を
  付着させる。
  もち米は後で膨らむから、はげはげで十分。ただ、均等にはげはげであった方
  がいいと思う。
4.これを蒸し器にさらしの布巾を置いた上に並べ、水を張り、圧力鍋で、「圧3分
  放置4分」してから、圧を抜くと、あ〜ら、不思議、もち米がふっくら膨らみ、
  ちゃんともち米団子ができている。

しかし、出来立てで食べると、もち米が落ちやすかった。
翌日、残りにラップをして、電子レンジで温め直して食べたほうが、お米が落ち着いていて美味しかった。
うまく作れば、オシャレだから、パーティの前日などに作って冷蔵しておき、電子レンジで仕上げて出すといいと思う。

圧力鍋を使わない場合の作り方は、現在、探しております。



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1999年12月08日(水)

究極の麻婆豆腐レシピ 反応・特徴


CEFANというこのHPのMLで、麻婆豆腐が得意という方から、「麻婆豆腐」のレシピを習った。
これを作ってみたら、美味しいの何のって、「麻婆豆腐というのは、実は、美味しいものだったのね」という感想であった。
考えてみれば、私は麻婆豆腐の美味しいものを今まで食べたことがなかったのかも知れない。
最近よく食べるのは会社の食堂の化学調味料味であり、中華料理の店に行ったときも余り頼むことはない。
せっかく中華料理屋に行ったら、お豆腐料理ではなく、他の美味しいものを食べたくなり、ま、麻婆豆腐は家庭で作ればいいと思ってしまっていたのだ。
そして、数回、料理本を見ながら作ったことはあったが、今まで参考にした家庭料理の本に載っている麻婆豆腐のレシピに優れたものはなかったと思う。
また、そんな経験から麻婆豆腐に関して、プロの技を研究しようなどという執着心もなかったことも確かである。
そんなこんなで、麻婆豆腐については、良い思い出はなかったのだ。

教えてくださったのは、プロではなく、シロウト(普通のサラリーマンだと思う)のお料理・美味しい物好きの男性(多分、若い)だが、「よくぞ、ここまで完成したものを作った」と、尊敬してしまう。
プロでなくては、美味しいものができないということはなく、やはり、その人のセンスと食歴、努力などで、美味しいものを作ることは可能なのだなと改めて思う。
何でも、ご本人は、美味しい麻婆豆腐が食べたい一心で、研究したのだそうだ。

この麻婆豆腐の作り方を知っていると知らないのでは、人生の楽しさが違うとまで言いたくなるくらい美味しい。

この麻婆豆腐を作って、既に食事を済ませて遊びに来た甥たちに味見をさせた。
(というより、麻婆関係には、二人とも目がなく、目に飛び込んで来た麻婆豆腐を食べたいと申し出てきたのだ。)

まず、先に来た甥2が食べた。
食べた途端、「美味しい!誰が作ったの!天才!」との言葉が出てきた。
「作ったのはまりだけれど、インターネットのお友達に教えてもらったの」と教えてあげた。
小皿に少し分けてあげたのだが、お代わりが5,6回であった。
とまらない、やめられない、という感じであった。
また、最後にお皿をなめあげていた。(笑)
(この子のこのときの反応は、いつもの「最高に美味しいもの」に対する反応であった。)
次にやってきた甥1は、一番好きなものが「永谷園の麻婆春雨」という麻婆専門家である。
私にとっては、食べた後、舌の気持ち悪い感触が残る、麻婆春雨を「一番好き!」と言い切り、甘いものと天然出汁以外には余り反応しない甥1の反応が楽しみだった。
この子も食事が済んだばかりだというのに、小皿の麻婆豆腐をお代わりした。
「永谷園とどちらが美味しい?」と聞くと、即座に、「こっち!」とのことで、どうも、甥1の舌もちゃんと美味しいものが正しくわかるようで、嬉しかった。

しかし、私にはそれほど辛くなかった麻婆豆腐であったが、子供たちにとっては、辛すぎたようで、食べている最中、食べた後、合間に氷をなめたり、柿を食べて、口の中を中和させていた。

中和させながらも、食べるのをやめられなかったようだった。

彼らの希望は、「また、絶対作ってね、そして、今度はもうちょっと辛くしないでね、春雨バージョンもよろしく」とのことであった。
私は自分がこの麻婆豆腐が非常に美味しかったばかりでなく、食べ手からもとても良い反応があったので、とても嬉しかった。

その麻婆豆腐の特徴は、
1.挽き肉は使わず、包丁で肉を細かくする
2.調味料として、最低、豆板醤、甜麺醤、トウチ(もしくはトウチ)を用意する
  こと(にんにくも)
3.スープは、天然のものか、天然のものがなかったら、化学的なものを使わない
  で、水で作ること
であった。

作り方は、また、明日。



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1999年12月09日(木)

究極の麻婆豆腐の作り方


余りに美味しい、しかも簡単なレシピだったので、その方にお願いして、エッセイに載せさせていただくこととなった。
所要時間は、25分程度だと思う。
是非、試して欲しいと思う、本当に美味しいのだから。
「もう、他の麻婆豆腐は食べたくない、作れない」という感じである。

教えていただいたレシピは、お料理好きが考えたレシピだから、お肉にも調味料にも、「家庭で手に入るもの」から「専門店に行って買って来なくてはいけないもの」まで、どちらを使っても良いようになっている。
こういうのが親切なレシピというものだ。(私の「マッシュルームのオリーブオイル煮」もそうなんだけれど、誰も気が付いてくれない。<笑>)

第一回目だったので、スーパーや近所のお店で手に入るものばかりで作ってみた。
そういう材料だって、とても美味しいのだから、本格材料を使ったら、どうなるのだろうと思う。

その方のオリジナルレシピと私の作った経験とを混ぜて、書きます。

究極の麻婆豆腐−普通バージョン―

材料
お豆腐           1丁
赤身の牛肉の薄切り     100g程度(豚・羊の赤いところでも可)
万能ねぎ          1/2束(葉にんにくでも美味しいとのこと)
にんにく          ひとかけ
豆板醤           大さじ1〜1+1.5杯
甜麺醤           大さじ1〜1+1.5杯
トウチか、トウチ醤     大さじ1〜1+1.5杯
醤油            大さじ1.5杯
紹興酒か老酒        大さじ 1杯
水             200cc
片栗粉           小さじ2杯か、大さじ1杯程度
ごま油           お鍋一回りにかける程度
山椒の粉          少々
炒め油           たっぷり

下準備
豆板醤と甜麺醤
 豆板醤と甜麺醤は分量を量ってひとまとめにしておく
にんにくとトウチ
 にんにくとトウチはみじん切りにして、ひとまとめにしておく
 トウチ醤の場合は、にんにくのみじん切りにしてひとまとめにしておく
豆腐 
 やっこに切ったが、お好みの形で。
  水きりはしないので、買って来たパックの中で、適当に切ればよい。
万能ねぎ 
 1cm程度の長さにざく切り

 薄切りから、脂身をはずし、包丁で細く切った後、細かくする。
 私の場合は、出刃包丁で叩いて、みじん切りにした。
  (しかし、最後は、肉が離れ離れになったか、確認した方が良い。)
 理想は、米粒大とのこと。

使用する道具
  中華鍋や北京鍋が原則であろうが、上記分量程度だったら、中華鍋では大き過
  ぎるし、後で弱火に煮こむときにうまく行かないので、底の直径16cm(全体
  の大きさ22cm)を使用した。
  底16cmのお鍋で豆腐1丁、水200ccでちょうど良いという感じであった。
  鉄製品で炒めることがうまくできるものがいい。

  おたま
  ジャーレンという中華料理の炒めるときにかき混ぜる道具の代わり。

炒める

 1.鉄鍋を強火にかけて熱くする。
   (肉を炒めている間は、火は強火、その後は弱火が基本)
 2.油をたっぷり目に入れて、煙が出るくらいなら、OK。
   出なかったら、油を別皿に移し、もう一度鍋を熱くし、また、油を入れる。
 3.みじんに切ったお肉を一気に入れ、お玉を使って、良くかき混ぜ、焦げない
   ように炒める。
   お玉で、手前から前にかき混ぜるように手早く混ぜるとうまく行く。
 4.お肉から全て赤味が消えたら、豆板醤と甜麺醤を入れて、また、良く炒める。
   「よく炒める」がどんな感じかというと、10回くらい、かき混ぜればよいと思う。
 5.次にトウチとにんにくを入れる。
   これは、「軽く炒める」だから、5回程度かな。
   トウチもにんにくも全体に行き渡り、にんにくのにおいがしたら良いと思う。
 6.紹興酒か、老酒を入れて、かき混ぜる。
 7.水と醤油を入れて、煮立てる。
 8.煮立ったら、お豆腐を入れて、火を弱め、弱火でふつふつと15分煮る。
 9.15分程度経ったら、万能ねぎを入れて、かき混ぜる。
10.その後、片栗粉の水溶きを入れるわけだが、ふつふつと言っている状態で
   入れると、局部的に固まるおそれがあるので、一旦火をとめてから、沸騰して
   いない状態で入れると良い。
   入れた後は、すぐにまんべんなく混ぜて、全体に混ざったら、また、弱火にか
   けて、かき混ぜながら、とろみを確認する。
   とろみがたりなかったら、少量の水溶き片栗粉で同じことを繰り返す。
11.最後にごま油を一回りかけて、山椒を多めに振って、ひと混ぜして出来あが
   り。

煮ている最中に味見するとわかるのだが、初めトウチの塩気がきついのに、最後のほうには、塩気を感じなくなる。
(推測だが、水切りしていない豆腐を入れるので、豆腐から相当水が出るのかも知れない。)
また、最初、そんなにまとまった味ではないのに、最後のほうには、豆板醤・甜麺醤・トウチ・にんにくなどの味が一体となる。
そして、化学調味料が入っていないので、すっきりした味なのだ。
お肉は、包丁でみじん切りにすること、強火でよく炒めることにより、お肉に味が封じこめられ、スープに旨味が逃げて、味がしないなんていうことにはならない。
肉は肉でいい味を保っている。
また、肉の味と回りのスープの強い感じが大変合っている。
牛肉や羊肉が良いと言ったのは、割りと臭みのある肉の臭みが濃いスープにとても合うのだと思う。
豚や鶏肉だと、スープの強さに負けてしまうかも知れないと思う。
また、青みなのだが、そんなに強くなく、そこはかとなく香りがあるような青みがいいと思う。
頭で考えていたときは、長ねぎの青い部分を使おうかとも思ったが、スープが濃厚、肉に臭みと旨味が強いので、青みは、「そこはかとなく香りがあるもの」の方がバランスが取れると思う。
長ねぎの青い部分ではちょっと強いかも知れない。

なんて、解説を色々書いてしまったが、実際作ってみて、美味しさを味わって欲しい。
私の場合は、今回は、豆腐1丁に、豆板醤・甜麺醤・トウチを各大さじ1杯ずつ使ってみた。
今後は、子供が食べることを考えて、豆板醤が少なめになる予定である。
そして、今度から、豆腐2丁で作ろうと思う。

本当に良いレシピを教えていただいたと、感謝、感謝である。
今後、人が来たときにも、「とっておきの麻婆豆腐」として出すことができるし、お昼に麻婆豆腐丼にしても良いかなと思う。(麻婆豆腐丼のときは、てっぺんにうずらの茹で卵を置くと良いと思う。)

しかし、挽肉ではなく、自分で切り刻んだ肉の美味しさというものを味わってしまったので、そのうち、餃子やハンバーグも手で切ってしまうような気がする。(きっと、やるであろう)



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1999年12月10日(金)

東京風玉子焼き


玉子焼きを大好きな家庭なら頻繁に作れるだろうが、我が家はそんなに大好きという家ではないので、余り、作れない。
先日、胴の玉子焼き器の良さはわかったのだが、中々作れずにいる。

その胴の玉子焼き器を使い出す前に、テフロンのフライパンで良く作った玉子焼きの作り方を紹介します。
なんと言っても出汁が全く入らないので、作りやすいのが魅力。

これは、有元葉子さんの「娘に贈る私のレシピ」に載っていたもので、簡単で美味しい。
本によると、目黒の一茶庵と思しきお蕎麦屋さんの玉子焼きが美味しく、有元葉子さんが似たようなものを研究したそうだ。
甘いので、大根おろしにお醤油で食べると美味しい。
また、焼き方なのだが、多少、焦げようと気にすることはない。
細長く焼いて、海苔巻きのように切ると、切れた面に見える焦げ目がプロっぽく見えるらしく、我が食べ手からは、「これ、買ってきた玉子焼き?」とよく聞かれた。
(東京の玉子焼きは、焦げ目があった方が美味しそうに見えるのだ。)
ということで、玉子焼きが下手な人(=私)でも、それ程、焼き加減に気を遣わなくても、見た目がプロっぽいし、美味しいから、お勧め。

オリジナルは、卵6個だが、家族の数に合わせて、卵の数は加減した方が良いと思う。
状況としては、炊き込み御飯のおかずに作ることが多いが、我が家は、3人で3個程度で箸休め程度の量。

砂糖は好みではあるが、少なめの分量のほうで十分ではないかと思う。

★材料

 卵 6個
 砂糖 大さじ4〜6
 みりん・酒 各大さじ2
 塩     小さじ1/2
 サラダ油  少々
 おろし大根・醤油

1.ボウルに、卵をボウルに割りほぐし、砂糖・みりん・酒・塩を入れて菜箸で
  よく混ぜる。
2.小皿に油を入れ、ペーパータオルなどを折って、油を染み込ませておく。
3.フライパンを熱し、熱くなったら、油を含んだペーパータオルで油を全体に行
  き渡らせる。
4.卵液をお玉で流しいれ、焼く。(量は鍋底全体に卵焼きができる程度)
  芯になる部分は、半熟状態でなくしっかり焼いても大丈夫。
  (というか、その方が形が作りやすい)
5.火は、中弱火という感じだと思う。
  焦げやすかったら、火を弱める、火を弱めても強いようだったら、卵液を入れて
  から、鍋を火から離して作業すると良い。
  フライ返し等で、くるくると巻き寄せては、最後、向こうに置き、油の含んだ
  ペーパータオルでフライパンの底を拭き、卵液を流し入れて、巻き寄せ、
  まるまったら、向うへ送るを繰り返す。

  (2回目以降は半熟段階で巻くといい)

火は、中弱火程度で、所々焦げが付くくらいがいいと思う。
出来あがって、形を作りたければ、巻きすに巻いて、形を整えると良いが、私の場合は、時間がないこと多く、その場で、海苔巻きを切る要領で切り、切り口を上にして、お皿に並べて、大根おろしとともに食卓に出す。



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1999年12月11日(土)

カルピス発酵バター 1/2


ある日、聖蹟桜ヶ丘のアートマンの中にある富沢商店に行ってみた。
この店は、町田に本店があって、食材・お菓子材料で有名な店だ。
ここで、初めて、業務用の発酵バターを見た。
450g単位で、銀紙に包まれているだけの、合羽橋で見かける普通の業務用のバターと同じ包装であった。
値段も、カルピスバターが同量で780円であるのに対し、明治と雪印の発酵バターは、それより、ほんのちょっと安かったと思う。
今まで、デパートのバター売り場で、瓶入りや缶入りの仰々しい、高価な発酵バターしか見たことのない私には、「これなら、買いたい」と思ったが、家が遠いので、諦めた。
だいたい、デパートで見る発酵バターは、合羽橋で買う業務用カルピスバターの2,3倍の値段だったと思う。
いつも試したいとは思っていたが、やはり、高過ぎるのだ。

そして、次の土曜日に、カルピスバターを合羽橋へ買いに行ったところ、いつも買う宇田川さんで、「無塩タイプ」が品切れとのこと。
それではと、まんとうさんに行く。
久々、まんとうさんのバター売り場を見ると、見慣れないバターがあった。
その名も「カルピス発酵バター」である。
値段は、カルピスバターより数十円高くて、800円だったので、買うことにした。


色々試した結果
1.家に帰り、母親のところから、カルピス普通バターをもらってきて、食べ
  比べた。
 「う〜ん、よくわからない」というのが率直な感想だ。
  幾分、普通バターの方が、口の中で溶けるのが早いような気がするのと、若干、
  軽い味ではあるが、脂っぽい感じがする。
  でも本当にちょっとの差である。
2.翌朝、トーストに発酵バターと普通バターを両方塗ったが、やはり、違いがよく
  わからなかった。

3.その夜、牛乳が余ったので、発酵バターでホワイトソースを作った。
  これも途中で味見したけれど、よくわからない。
  (冷凍ホワイトソースを解凍したときに、お水を足して、キューブのブイヨン
  を入れ過ぎて、バターの味がわからなくなってしまった。馬鹿ですね)

と、発酵バターの味がわからないでいたが、ある日、突然わかったのだ。
その話しは、明日。



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1999年12月12日(日)

カルピス発酵バター 2/2


柴田書店の「お菓子のこつの科学」には、発酵バターについては、下記のように書いてある。
初版が1987年だから、ちょっと古いけれど、原文のままご紹介。

★★ こ こ か ら ★★

例えば、フランスでは、主に「発酵」させた「無塩」バターが製造されています。
このバターは「クリーム」を分離した段階で、乳酸菌を添加し、発酵を行ったものです。
ですから、乳性分の一部が分解されて発酵独特の芳香とコクが加わっています。
また、塩味がついていないので、お菓子などに大量に用いても全体の風味を損なうことがありません。
但し、この「発酵無塩バター」は保存性が低く劣化しやすい性質も持っております。
ですから、バターの消費量が少ない日本では、殆ど製造されていません。
(クリーム=牛乳を遠心分離機にかけて乳脂肪を濃縮したもの)

★★ こ こ ま で ★★

ここに「独特の芳香とこく」とあったのだが、ここが良くわからない。
色々試してみたけれど、独特の芳香とこくを感じたことがなかった。

が、ある日、突然わかったのだ。
今、図書館から借りている本に、大根をさっと煮て、バターでよく炒めた後、ひたひたのお水で煮ると美味しいとあったのだ。
で、このとおりにやって、5分程茹でた後、水切りした半月切り(厚さ2cm程度)をバターで炒めて、お水と海水塩を入れて、煮たのだ。
大根を柔らかく煮るのは30分以上かかるので、放っておいたら、いつのまにか、部屋中がバターの濃厚な香りでいっぱいになった。
私にとっては、ふくよかな感じがよく出ていて、良い香りであった。
(いわゆるバターの匂いだから、好き嫌いはあるかも知れない)
普通のバターだったら、ここまで匂わないと思う。

これが、発酵バター独特の芳香かと納得、ついでに、汁を飲んでみると、こくがある。
柴田書店の書いていることに間違いはなかったと思う。
(料理自体はそれほど美味しくなかった)

他の香の強い素材と一緒になると薄くなってしまうかも知れないが、確かに発酵バターは普通のバターに比べて、「濃い」と思った。
他の材料と混ざると強くは感じられないとは思うが、確実に風味を下支えする力がある素材だと思う。

日本人には、まだ目新しい発酵バターを、皆さんも試されたらどうかと思う。
カルピス発酵バターは、まだ、本当に新製品で売っている店が少ないらしい。
合羽橋だと、プロショップのマントウさんの他、宇田川商店でも扱い出した。
(宇田川さんの方が安い。)
私も、これから、雪印や明治も使って比べてみようと思う。



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1999年12月13日(月)

甥1の誕生日ケーキ


恒例の秋の甥1のお誕生日のケーキを作る日が来た。
例年は、お誕生日の前の日曜日に作るのだが、今年は、甥2たちがその日に旅行に行っていたので、後ろ倒しとなった。
そうなると、甥1のお父さんとお誕生日が近くなるので、「お父さんと一緒で1つのケーキでいい?」とからかったら、即座に、「イヤ!」と言った。
いくら、大好きなお父さんとは言え、ことケーキに関しては、一緒では嫌やらしい。

スポンジを焼いて、生クリームをホイップして、苺を洗い、チョコペンを用意して、妹の部屋に集合。
私も小さいとき、他の兄弟とお誕生日が近いので、自分一人のお誕生日のごちそうというものを味わったことがなかった。
これは難しいところだと思う。
一度、個人個人でお祝いしてもらう味を覚えたら、二度と、他の人と一緒というのは、嫌だろうと思う。
ま、無理をすることはないけれど、これからのお誕生日は、子供も少ないことだし、一人につき、一回が主流だと思う。

ということで、妹の部屋で、「キャッ、キャッ」言いながらの末にできたケーキの写真です。
甥1は一人でやりたがったが、こんな面白いこと、弟が手を出さないわけはなく、また、難しいところには、私が手を出さないはずはなくで、3人がかりの作品となった。

甥1の自信作で、翌週、我が弟のために地味なデコレートのケーキを作ったのだが、甥1はそれを見るなり、「勝った!僕のケーキの方が素敵だ」とのことであった。

下記の「ケーキの写真」の文字をクリックしてください。
(この写真は縮小してあるので、高さがうまく出ておりません。)

ケーキの写真



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1999年12月14日(火)

餃子スランプ


餃子がうまく焼けなくなってしまった。
原因はよくわからない。

最近は、銅のパエリヤ鍋を使って焼くのだが、最初はそれほど問題なく、パリっと焼けていたのに、最近は、焼け過ぎて、鍋肌と餃子の皮が合体してしまって、はがれなくなってしまった。

初めからうまく行かないのなら、理解できるのだが、「最初の頃はうまく行っていたのに、最近はだめだ」というところがとても気に入らない。

もし、鍋肌と皮の合体さえなければ、銅で焼く餃子というのは、とても美味しい。
焼けた色は、明るい茶色でむらがなく、バリっとしている。
焼けない部分の皮は、適度に水分が抜けていて、他の金属で焼くより、数段、美味しい。(ベッチャとしていないという言い方が正しいかと思う)

なんで、だめなのか、当分、悩みながら、がんばってみようと思う。
それにしても、銅鍋というのは、高級だから、使いこなしの本が全然ないところが困る。

先日、「テフロンがだめになったら、鉄のお鍋を」と書いたけれど、こと餃子に関しては、責任持てないかなと考え出した。
もうちょっと、焼き方を研究してみます。



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1999年12月15日(水)

肉をみじんに切る


先日、麻婆豆腐を作って成功して以来、「挽肉より、手で切った肉の方が味がいいのでは」と思っていた。
土曜日の買い物で、いつものお肉屋さんで、「挽肉にするところを、手で切るから、固まりでください」と頼んだ。
そこのおじさんたちが言うことには、いくら手で挽肉にすると言っても、塊を細かく切るのは、プロでも大変ということで、薄切りにしてくれた。

これを家で、叩いてみた。
「肉を細かく切る」というより、私のやり方は、「ある程度細かく切ったら、最後、出刃膨張で、トントン叩いて、みじんにする」やり方なので、つい、「肉を叩く」と言ってしまう。

やり方
まな板の上に肉を広げ、牛刀か出刃で、千切りにする。(初めから出刃がいいかも知れない)
それをまとめて、90度向きを変えて、また、包丁を入れる。
これを2、3回繰り返した後、お肉をまな板の上に広げ、左手は、まな板に置かないで、切ってしまうのが怖いので、ブラブラさせながら、右手に持った出刃で、トントン、色々なところに包丁を入れて行くのだ。
これは割りと音も大きいし、ストレス発散になる。

そして、出来上がったお肉は、挽肉より、なんというか、うまみが外に出ていないというか、みずみずしくないのだ。
お肉の中にたっぷり肉汁をとじこめたままという風情が大変美味しそうである。

ある日、豚肉の薄切り400Gと牛こまを100G買って来て、豚300Gはギョウザに、残りはハンバーグにすべく叩いた。
出刃包丁さえあれば、絶対手間ではない。(と行っても会社からあたふた帰って来て、取り急ぎ料理をするのには、剥かない)
で、出来上がった餃子は、やはり、「肉が美味しい」という評判であった、ハンバーグは焼いて冷凍しておいたのを今日食べたが、やはり、挽肉で作ったときより、肉の味が濃いと思った。

お時間あるときに、是非、試してみてくださいね。
量が多いと大変だが、2、3人の家族なら楽勝の仕事です。



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1999年12月16日(木)

胡桃のチョコレートケーキ その2


弟のお誕生日にトップス風チョコレートケーキを作った。
スポンジの作り方は、先月載せたまま、久しく作っていなかったので、チョコレートの部分は、最近作っていなかったので、自信がなかったので、今日になってしまった。

材料
         直径21cmの場合   直径18cmの場合
生クリーム      320cc       200cc
うち温める分      70cc        45cc
セミスイートチョコ   70g         45g
胡桃          2つかみ       1つかみ

★作り方

あらかじめ、スポンジは3段に切っておき、一番下の部分をターンテーブルに乗せておく

 1.胡桃は、フライパンで空炒りする。(ちょっと、焦げ目が付く程度)
 2.それを粗く刻み、まとめておく(熱いから気をつけて)
 3.チョコレートも粗く刻んでおく
 4.氷水を入れたボウルと、それより、小さいボウルを用意する。
 5.小鍋に「うち温める分」の生クリームを入れて、沸騰直前まで温める。
   (クリームの表面の端がちょっと泡立ったら、火からおろして、火を消す)
 6.生クリームの中に、刻んだチョコレートを入れて、ゴムベラでかき混ぜ、
   溶かす。
 7.全部溶けたら、空のボウルに入れ、残りの生クリームも入れる。
 8.氷水にボウルを漬けながら、かき混ぜるのだが、泡立て器でゆっくりか、電動
   ミキーサだったら、羽根1本で、弱がいいと思う。
 9.ゆっくり、大きくかき混ぜていて、筋がつくようになったら、氷水から外す。
   (本には、泡立て器で持ち上げると、一瞬止まってから、落ちる程度の柔らか
   さとか、書いてあるが、これは、中々、見極めが難しい。ま、強いて言えば、
   そんな感じがしたら、いいと思う。)
10.今度は、ゴムベラで大きくかき混ぜながら、様子を見る。
   実は、ここが難しいと思う。
   チョコレートの入った生クリームは、入っていないものより、固まるのが早
   いそうである。
   割りと、塗り始めは、「緩めのクリーム」で良いと思うが、ここは経験だ
   と思う。
11.このチョコレートクリームをスポンジの一番下の段に厚めに塗る。
   (少し流れるくらいでも心配なし、空気に触れて、そのうち、固まるから。)
12.その上に胡桃の半量をばらまく。
13.真中の段のスポンジを乗せる。
14.11と12を繰り返す。
   (この間にも、たまにチョコレートクリームを底から大きくゆっくりかき混ぜ
    ることが必要。
    ボウル自体が冷えているので、ボウルの近くのクリームから徐々に硬くなる
    のだ。)
15.一番上のスポンジを乗せて、上からクリームをかけ、伸ばす。
16.最後の脇のところに塗るクリームの段階で、クリームが割りと硬くなっている
   なという感じでいいと思う。
17.デコボコに塗ってしまったら、適当に平らにして、別皿に移してできあがり。



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1999年12月17日(金)

銀杏(ぎんなん)の保存 私流


ある日、築地で大きくて高い銀杏を買ってしまった。
何故かといえば、その前の週に、突然茶碗蒸しが食べたくなり、何軒かスーパー・八百屋に行ったのだが、どこにもなかったからだ。
で、その日のうちに、茶碗蒸しを作るつもりが、色々な事情で、作れなくなった。
銀杏をどうやって保存するのか、全くわからない。
「はじめての台所」的本を見ると、冷凍保存には、殻を剥いて茹でて保存と書いてある。
しかし、他の中期や短期の保存方法は書いてなかった。
(多分、何もしなくても、ラップなどで包んであれば、大丈夫だから、何も書いていないのだとは思う。)
私の場合、ちょっと使わないで置いたのが、長期で使わなかったりすることがあるので、確実に保存したかった。
(茹でて冷凍というのは、イメージとして、缶詰の銀杏のようで、気が進まなかった。)

昨年だったか、銀杏を買って来て、そのまま、部屋に置いたら、どの位経ってからだろう、1、2か月で、中味が干からびてしまったことがあった。
だから、今回は、「干からびさせる」ことだけは避けたかったので、来週使うことを想定して、湿らせたキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて、口を縛り、冷蔵庫のポケットに入れて置いた。

一週間して、ちゃんと覚えていたので、その殻が濡れた銀杏を半分使ってみた。
どちらかというと、炒った銀杏のほうが好きなので、銀杏割り器で、殻に傷を付け、鉄のフライパンで炒った。
いつもと同じように、殻にちょっと焦げ目が付くまで炒ったのだが、炒っている最中に「パチン!」という殻の割れる音もしなかった。
それでもま、いいでしょうと、炒るのをやめて、熱いのを我慢しながら、殻を剥いて、1つ食べてみたが、まだ、生であった。
しょうがないので、殻を剥いた銀杏をもう一度、フライパンで軽く炒めて、薄皮を剥いて仕上げた。
余り、いい出来ではなかった。



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1999年12月18日(土)

銀杏(ぎんなん) 電子レンジで銀杏


次の週まで、銀杏は相変わらず、湿ったキッチンペーパーに包んでおいた。
先週、いつものやり方では余りうまく行かなかったので、新しい手を考えた。
2,3年前、属していたMLで、「電子レンジで銀杏を炒ると楽」というのを読んだ覚えがあったので、真似をしてみることにした。(しかし、そのメールは保存していなかった。)
私は、小さいときから、銀杏は、殻付のまま、炒っていたので、殻を剥いてから、調理するのは、なんとなく、抵抗がある。(理由は化学的ではないが)
殻付のまま、電子レンジに入れたら、きっと、殻が爆発でいたるところに飛ぶことは想像が付いた。
ちょうど、多慶屋で品物を入れてくれる薄茶の紙の袋が目に入ったので、そこに入れることにした。
きっちりではないけれど、空気を抜いて、口を4,5重におり、電子レンジの強モードで5分設定して、スイッチを入れた。

そうすると、ものの15秒もしないうちに、「パチン」「パチン」という連続音がした。
もう、火が通ったのだ、と、パチンという音がしなくなったのを見計らって、電子レンジから出してみた。
紙の袋を開けると、20個中、15個は、殻が割れて、熱が通った銀杏になっていた。
残り5個がまだだったので、それだけ袋に残して、また、口を4,5重に折って、電子レンジに戻した。
また、程なく、「パチン」という音が5回起きて、全部火が通った。

結果、20個中、2個だけ、実が割れたが、後の18個は、とてもうまく行った。
このやり方だったら、殻に傷を付ける必要もなく、簡単に銀杏に火が通る。
なんて、簡単なのだと驚く。

但し、電子レンジ料理だから、焦げ目が付かないで、茹でたのに近い状態になるのだと思う。
こだわって、しかも時間があるときは、この後、フライパンでちょっと炒めれば、ほんのちょっと、焦げ目が付いて、しかも、薄皮が剥けやすくなるのではと思う。

ということで、私流の銀杏の保存方法と、その後の電子レンジでの炒り方は、大成功であった。(が、保存方法はまだ、2週間しか実験していない、それ以上は、わからないが、多分大丈夫だろうと思う。)

また、そのうち、銀杏を買って来て、実験してみる予定。

殻が湿っていなくても、電子レンジでうまく茹でることができるのか?ということも良くわからない。
剥いて、ラップにかけて、電子レンジで茹でてもいいのだが、これは、「割る」という手間がかかるし、何秒電子レンジにかければいいのか、難しいと思うので、やる気はない。
(電子レンジは、ちょうどいいところで、やめないと、すぐに水分が抜け過ぎになるから、私には難しい。)

もし、同じことをやってみようと思うのなら、やっぱり、紙袋に入れて、口をしっかり折ってください。
そうしないと、電子レンジの庫内が、爆発した殻の残骸だらけになってしまうと思うから。



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1999年12月19日(日)

ごくらく気分


甥1は、最近、夜おばあちゃんの家に来るときに、必ず、小学生低学年用の大きなます目の国語のノートと鉛筆を持ってくる。
どうやら、甥1のクラスでは、毎日日記を書いて、先生に提出することになっているようだ。
日記なので、見ないようにしているが、遠くから見た感じでは、赤い字で先生からの返事が書かれているようである。
(甥1のクラスは、35名の生徒ということで、先生も大変だと思うが、先生から毎日返事があるせいか、飽きずに嫌がらずにやっている。)

毎日、毎日、日記を持っておばあちゃんちに来るので、「日記は、家で書いたら?」と聞いてみた。
即座に「だめ、おばあちゃんちの方が書けるの。おばあちゃんちにくると、ごくらく気分になるから、日記が書けるの」という返事だった。
(「ごくらく気分」というのは、おそらく「お気楽気分」の言い間違いではないかと思う。)

まあね、ご飯作って、食べさせて、一旦、甥たちをおばあちゃんちに送りだした後、片付けて、お風呂の用意をして、明日の準備をきちんとさせて、寝かせて、起こして、ご飯食べさせて、学校に送りだすのだから、まあ、お母さんも大変だわよね、と思う。
やはり、自分の家で、なるべく、規則正しく整然と甥たちを動かさなくてはいけないお母さんと、それに従う甥たち、それはそれなりにいい関係だけれど、甥たちにとっては、それなりの緊張感があり、「お気楽」で日記を自由に書きたい環境ではないようである。
日記は、やはり、誰からの精神的支配も受けないで書くものなのだなと思う。
そりゃあ、おばあちゃんちにくれば、ただ、ただ、気楽なお友達気分の大人がいて、あんたたちは好き勝手ができる。(但し、短い時間に限る)
確かに、おばあちゃんちの方が、極楽で、精神状態がフリーかも知れない。

以前、小学校に入学したばかりの甥1は、お友達が毎日午後8時には、布団に入るという話しを聞いてきた。
おばあちゃんが面白がって、「あんたも、明日から8時に寝たら?」とからかった。
(甥たちは、たいてい、8時半近くにおばあちゃんの家に来るから、8時に寝るということは、おばあちゃんの家に夜遊びに行く習慣をなくすということになる)
そのとき、甥1は、即座に、顔の前に手を立てて、手と首を同時に横に振ったそうだ。
(「そんなこと、冗談、冗談、とんでもない」という風だったそうだ。)

彼らがおばあちゃんの家に、夜、遊びに来るのは、いくつまで続くのだろう。
彼らにとっては、おばあちゃんちに来るというのは、彼らなりの「息抜き」の時間であるようだ。

そう言えば、甥2が、幼稚園のときに、風邪引いて、熱で2,3日寝込んだ後、少し元気になると、おばあちゃんちに、パジャマのまま、お気に入りのビデオを持って、やってきたことがあった。
甥2の、おばあちゃんの布団を乗っ取って、ビデオをセット、布団の中でビデオの物語に反応して、「アッ!」「そう、そう」とつぶやいている姿は可愛かった。

ビデオなど、自分の家でも見られると思うのだが、やっぱり、誰にも邪魔されずに、自分の精神をのびのびさせながら、好きなビデオを見ることができる場所は、子供にとっても少ないのかも知れないと思った。



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1999年12月20日(月)

ふいご祭り


夏に、横山大観記念館に行ったら、「ふいご祭り」という題の絵だったか、掛軸があったのだ。
その絵は、江戸時代の風景で、2階の窓から、みかんを巻く大人と、それをもらおうと手を出している下町の子供たちの様子だった。
その絵を見て、「ふいご祭り、あ、知っている」と、小さいとき、近所にあったそのお祭りを思い出した。
我が家の前の家が、「鍛冶屋さん」だったのだ。
「鍛冶屋さんって、何?」と言われても、私も定かではないが、鉄棒などに、火を当てて、曲げたり、くっつけたりする仕事だと思う。
その家の一階は、広い土間になっていて、使用人の人たちが、顔を覆う鉄仮面のようなプロテクターを顔に当てながら、バーナーで、火を鉄材にあてていたことを思いだす。

その絵の解説で、「鍛冶屋などの商売は、火を使う関係で、一年に一度、12月になると、火の神様にその冬の安全祈願(火事など起きないこと)をお願いするために、ふいご祭りを行う」というようなことが書いてあった。
そして、二階から、みかんを子供たちに撒くのが習慣だと書いてあった。

そうなのか、あのふいご祭りは江戸時代か、もっと古くからの習慣だったのだと、始めて知った。
江戸時代は、火を起こすためにふいごを使ったから、ふいご祭りなのだ。
私が子供の頃、見ていた鍛冶屋さんは、時代が進んで、ふいごで火を起こさず、ガスバーナーで仕事をしていたが、ただ、それは時代が変わっただけのことであると理解した。

その鍛冶屋さんは、毎年、クリスマス近くに、多分仕事納めのときだと思う、その鍛冶を行う仕事場を片付け、皆で餅つきをした。
その家の家族と従業員の人、総出で、賑やかな催し物であった。
そして、できたてのお餅とみかんが近所や子供たちに配られ、毎年楽しみであった。

私は、その鍛冶屋さんの前の家の小売商店の娘なので、小さいときの暮れは、忙しいだけで全く面白くなく、「我が家も毎年、暮れには、餅つきをやればいいのに、どうしてうちではやらないのだろう」と思っていた。
そのときにもらった上等で大きなみかんと、あんこと大根おろしでまぶされたつきたての湯気の立っているお餅は、とてもきれいで、こんなきれいなみかんとお餅で始まる新年は、楽しいだろうなと想像できるものであった。
(我が家は忙しいので、お餅は、近所のお菓子屋さんに頼み、大晦日に受け取るものの、元旦開けてから、切るという、忙しいお正月だったのだ。)

こんなことを思い出したが、その前の家も大分前に「鍛冶屋さん」をやめてしまい、今は、我が家の方でもふいご祭りはない。
もう、何十年かすると、本当に横山大観の絵の中の世界、すなわち、江戸時代の行事と皆に記憶されるようになるのかと思う。
でも、実際は、今から20年くらいまでは、確実に東京の下町で行われていた祭りなのだ。



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1999年12月21日(火)

デパートでお買い物


暮れのある日、池袋のデパートに行ってきた。

・京都丹波の黒豆
 これは、東京方面だと、日本橋の八木長という乾物屋さん(日本橋三越
 の前 にある)が扱っているのを、池袋のデパートに置いてあることを
 知っていたので、そこで買ってしまった。
 丹波篠山に比べると300Gあたり、200円、1割強高い。
 何故、今年は、京都の丹波かというと、エッセイのタネがなくて、黒豆の
 産 地でも変えないともう、エッセイをやめるしかないのだ。(笑)

・中国製の春雨
 そのデパートの地下2階に通路に両側中国料理やイタリア料理の食材が
 陳列してあったので、見たら、アメ横で 250円、かっぱばしで300円の
 500Gの春雨が、なんと、「650円」であった。
 ひえ〜、。
 上野までの電車賃が往復で380円かな、だから、計算は合うけれど、それ
 に しても余りに高いので、びっくり。
 アメ横や合羽橋に行く暇のない人は買うのだが、カルピスバターは箱入りかどう
 かで、2倍弱値段が違うところを、この春雨は、まるで同じものなのに、2倍より差
 がある。

・沙茶醤(サーチャージャン)
 こんな高い春雨を見た後、沙茶醤を見たら、アメ横で売っているものと同じ製
 品で、720円か750円であった。
 これだったら、絶対アメ横で買うべきだと思い、帰りにアメ横に寄ったら、や
 っぱり消費税込みで600円。
 池袋のデパートに比べると、人出は多いは、魚臭いけれど、やっぱり、庶民の味
 方だと再認識した。

 とにかく、池袋のデパートは、とてつもなく、物が高いという印象を持った。
 きっと、池袋あたりの人は安いものが欲しくなったら、新大久保に行くのであ
 ろう。
 そういうところが嫌いな人、忙しい人が、デパートで食料品を買うのだろう。

・鉄人プリン
 今、大きいデパートに行くと、坂井宏行の「鉄人プリン」というものが売られ、
 割と行列ができている光景を、新宿伊勢丹、銀座三越などで見た覚えがあった。
 で、その日の夕方甥たちがごはんに来ることになっていたので、デザートに
 買ってみた。
 3個で600円。
 内容は、九州の島原地方で育てたジャージー種という牛の牛乳と、地鶏の卵で
 作られたプリンで味が濃い。
 (これに、袋に入ったカラメルソースがついている。)
 食べた感じ、皆、好評であったが、ま、材料がいいから美味しいのだということ
 は歴然としていた。
 「鉄人坂井宏行の」とつければ、皆が興味を持つからつけたのだろうという感
 じで、名づけたのかしらと思う。
 確かに、今度からプリンを作るときには、材料を選ばなくてはと思った。



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1999年12月22日(水)

甥たちが来た日の夕食


この前の土曜日の夕飯に甥2人とそのお父さんが、食事にやってきた。
作ったのは、ポークソテーとマッシュルームのオリーブオイル煮であった。

1.ポークソテー
  いつも買うお肉屋さんで、ようやく厚さ3cmのロースを手に入れた。
  この方が肉汁がたっぷりでうまく行くと思った通り、美味しくできた。
  いつものように、
  (1)豚肉を室温に戻す。
  (2)塩・胡椒を振って、フライパンで焦げ目をつけた。
  (3)天板にアルミホイルを敷いたものの上に置き、グリルモードで5分
     焼いた。
  (4)最後、竹串で刺しても、何も出てこなかったので、出来上がりと判断。
     少しジュージューが落ち着いてから、切ってみると、ほんのちょっと桜
     色が残っていた。
     もうちょっと焼いても良かったかも知れないと思う。
     理想は、焼いて切ったときに、全面的に白であった方がいいと思う。

   今回は、にんにく醤油か、マスタードで食べることにしたが、甥たちにやたら
   に受けていた。
   一口大にして、一緒盛りにしたのだが、殆ど甥2人で食べた挙げ句、残り少な
   くなったお皿を見て、甥1が、「このおかず、もっとないの?」と言った。
   600g近い豚肉がこんなありさまなので、甥たちの父親が、「今度から、
   1kg買ってきたら」と言うのだ。(大人は殆ど食べられなかったのだ)
   私の作った料理をそこまで気に入ってくれて、食べてくれるのは、嬉しいけれ
   ど、小学生低学年でこれだけ食べるのだから、高校生になったときが、
   「こわい!」と思う。
   ま、焼くのはオーブンがあるからどうにかなるとは思う。
   これだったら、ローストポークにして、塊のまま焼いたら楽かとも思うが、
   やっぱり、ポークソテーの方がおかずになると思うが、どんなものであろう、
   そのうち、やってみたい。

   また、ポークソテーに合う野菜の付合わせを考えねばと思った。
   頭の中では、キャベツをガンガンの火でさっと炒めたものが合いそうな気も
   する。

2.マッシュルームのオリーブオイル焼き
  作るときにうっかり失敗してしまった。
  本来、グリルモードで焼くところを間違えて、オーブンモードにしたのだ。
  と、それだけのことで、全然美味しさが違った。
  グリルで焼くか、オーブンで焼くかでこんなに美味しさが違うのかとびっくり
  した。
  マッシュルームの場合は、グリルで焼かない限りは、水が出やすいのかもと思
  う。
  なんて説明したらよいか、言葉を持たないのだが、グリルモードで焼く方が完全
  に優っている。
  以前、「直火で煮ても」と書いたが、これは、間違っていた。
  オーブントースターで焼くか、オーブンで焼いて欲しい。



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1999年12月23日(水)

冬の築地大和寿司


二週間前に、オフで、築地に行った。
午前7時半に待ち合わせして、大和寿司の中の席についたのが、8時10分であった。
いつもの上を頼む。
大トロとイカが出てきたが、やっぱり、冬の大トロは、とても脂が乗っていて、美味しい。
本当に最高であった。
他、中トロ、寒ぶり、赤貝、海老、穴子と、巻物が出てきた。
どれもこれも、冬ならではの美味しさであった。

ここで、追加を考える。
お店の人のお勧めは、「佐島の一本釣りの鯛」とのこと、これを頼む。
これは、まあまあかな、わざわざ、寿司のご飯に乗せる必要がないような感じがした。
もうひとつということになって、お寿司好きの人から、「大和のこはだを食べてくるように」言われていたので、こはだを頼む。
食べる、口の中で、色々味わいながら、色々考えたが、やっぱり、どう考えても、「魚の味は、魚の味、お酢の味はお酢の味」と分かれているのだ。
ま、やっぱり、大和に行ったら、仕上げは、ウニとか、いくら、白子が無難かなと思う。

一緒に行った人が、「しめさば」を食べたが、問題なく美味しかったとのこと。

真冬に並ぶのは嫌やだけれど、大和に行くなら、真冬だなと思った。
雪が降ったり、道端に雪があると、築地は人がすくから、そのような土曜日を狙って、築地に行こうと思う。



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1999年12月24日(金)

味付け数の子


暮れの日経新聞の夕刊に、築地のマグロ問屋の「海鮮おせち」というセットの広告があった。
母が、「今年は、これがいいかも知れない」と言うので、良く見てみた。
築地の有名なまぐろ屋さんだし、ま、いいかなと思うが、ひとつ気になるものがあるのだ。

「味付け数の子」というものだ。
私は食べたことがないし、名前から言っても、化学調味料漬けのイメージがある。
が、ものには、良いものと悪いものなど、一概にわからない部分があるので、MLで聞いてみた。

しかし、それにしても、本当に味付け数の子の評判は、めちゃくちゃ悪い。
そこまで言われるなら、やっぱり、買う気がなくなる。
母親にも素直に、「味付け数の子が嫌や」というと、母もそこが気になっていたということで、無事、我が家は、味付け数の子入りのセットを買うのをやめた。

一度は味見したいと思い、デパート・アメ横など、買い物に行った折に、どこかで試食で食べさせてくれないか、期待して歩くのに、どこの店も、「味付け数の子」を味見させながら、売っているお店はまだ見ていない。

残念、どんなにまずいか、一度は食べたいと思う。(味付け数の子を好きな人、ごめんなさい。)



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1999年12月25日(土)

しつこく無水鍋もしくは、厚底鍋 1/2


フィスラーの圧力鍋用の無水蓋が気に入っている。
無水効果がどの程度あるものを「無水鍋」と言っていいのか、わからないが、フィスラーの無水鍋も確かにとても良いと思う。

煮物を2,3回したのだが、沸騰してから、弱火にして蓋をしておくと、ほんのちょっとしか、蒸気は上がっていないのだが、しかし、蓋を取ると、割りと勢い良くグツグツ言っている。
煮る力は強いから、蒸気は沢山発生しているのに、外に漏れる分が少ないのだと思う。

これは、鍋の底がものすごく厚いことと、発生した蒸気が蓋にあたってまた中に戻る仕組みによる効果だと思う。

この鍋を使って煮物をしたら、母親に、生まれて初めて煮物を誉められた。
今まで、煮物を作ると、「まずい」とは言わなかったけれど、「水っぽい」だの色々なことを言われた。

母によると、煮物の量と、水分は、同量というか、ひたひたくらいが基本なのだそうである。
その量で、煮始めると、始めは、食材の味が、水分の方に移り、沸騰した後は、反対に、水分+調味料+食材の味が、食材に戻るのが理想とか。

私の煮物は、どうも水分が多いようだった。
何故かというと、途中様子を見ることなく、ずっと煮続けてしまうのと、料理本のとおりにやるので、割りと水分が多いのかも知れないと思う。
母いわく「あんたの煮ものは、煮汁の方に味が行きっぱなしだ」とのこと。

今回、フィスラーの鍋で煮るときは、目分量で、食材の高さに対してヒタヒタ程度の出汁と調味料とした。
(それから、我が母は、煮物の隠し味として、砂糖をいれないとご機嫌が悪いので、ほんのちょっと入れる。)
これなら安全、食材からまず味が出て、また、食材に味が戻って行きそうな雰囲気である。



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1999年12月26日(日)

昆布 築地 伏高 1/3


私は、昆布味が大好きだが、どのようなものを買えばいいのか(=リーズナブルで美味しいものを買えるのか)が、未だにわかっていない。
そして、どの味がどの産地かも、本当には、わかっていない。

出汁オフで色々飲み比べた感じでは、真昆布が一番好みにあった。
味がすっきりしているし、長時間水出ししてても、味が余り濃くならないところも気に入った。
しかし、昆布というのも、他のかつお節の出汁と混ざったときにどうかという問題があるし、用途によっても、どの昆布が美味しいのか違うような気がする。

以前にも書いたかも知れないが、我が家には、昆布で出汁を取るという習慣がなかったように記憶している。
たまに昆布を使っても、別に、日高でもなんでも構わなかったと思う。

そうは言っても、料理に多大な関心を持つ私のこと、本を読みながら、美味しい昆布出汁が取るために行った、それなりの昆布の買い出しの歴史がある。(と言っても、ここ7年くらい)
きっと、昆布出汁への執着は、大阪に住んだことが大きく影響していると思う、やっぱり、大阪の昆布出汁は、美味しい。

初めの頃は、家の近所のアメ横の伊勢音さんというかつお節・昆布屋さんで、「出汁昆布」というものを買っていた。
これは、「尾札部」が産地と言っていたから、真昆布だったのかも知れない。
この昆布はとても味が良かった。(値段はアメ横価格ではない)

そのうち、築地に行くようになって、ガイドブックで見て「吹田商店」で利尻を買っていた時期もあった。
これも美味しい。
そのうち、昆布代がもったいなくなり、最近は、築地の帰り、仲御徒町の多慶屋がというディスカウントストアで、昆布を探したら、ちゃんと、「利尻」だの「羅臼」だのがあったのだ。
で、ここ1年くらいは、多慶屋で、利尻を買うことが多かった。

その間も、築地場外の寿屋というお店で、昆布を干して製品にするときに、端を切るそうで、その切れ端を袋詰して売っていたので、真昆布の切れ端の袋詰も買ったことがある。
黒くなく茶色くなっていたけれど、ちゃんと味があり、これは安価で中々いいと思うが、欠点は、切れ端なので、固くてゴワゴワなので、収納スペースを取ることであった。



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1999年12月27日(月)

昆布 築地 伏高 2/3


今回、暮れの買い出しで、伏高さんで昆布を買うことにした。
(出汁オフで色々教えていただいた縁である。)

伏高さんは、出汁の問屋さんとして、名声高く、東京で、有名な和食のお店の多くは、伏高さんから出汁を購入すると、昔、誰かに聞いたことがあった。
そして、4,5年前に購入した築地案内のガイドブックに、女性記者の実践レポートのようなものが載っており、「伏高さんで昆布を買うと築地ショッピングにあてる予算の8割が消えてしまう」と書いてあったのだ。
その予算がいくらかも書いていなかったが、なんとなく、お得意さんも高級で、値段も高そうだったので、余り近づかなかった。(通りすがりに何があるか横目で見るくらい)

が、出汁オフで、社長さんに色々教えていただいたのだが、本当に、出汁について、詳しいし、熱心だし、本物の出汁の素材が需要が減って滅びることに危機感があり、かつお節と昆布に対する愛情をひしひしと感じた。

すごいなと思いながらも、その後も、なんとなく、多慶屋で買っていた。
何故なら、私が築地に行くのは、一流店と同じ材料を揃えたいのではなく、家の近所のお店より、より安くて、より良い品を手に入れたいからである。
(それか、一流店が使っている残りとか、端切れが好き)
やっぱり、出汁は、けちけちして使いたくないのだ、余り高級なものをいつもいつも買うことはできないから、味を覚えない方がいいかなと、なんとなく、心のどこかで考えていたのだと思う。

しかし、色々教えていただいているので、今回、思い切って、その高級店で昆布を買うことにしたのだ。



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1999年12月28日(火)

昆布 築地 伏高 3/3


オフで知り合いになったので、社長さんに前日から買いに行くことを告げ、昆布について教えてもらった。
築地の鰹節問屋の社長というと、日常的に会うことはない人であり、「一体、どんな人だろう?」と全くイメージも沸かないか、喧騒ざわめく築地で三代目ということは、すご〜い頑固じいさんかなと想像するのではと思う。
しかし、ご本人は、若いし、なんとなく育ちの良い坊っちゃん坊っちゃんした感じもあり(そりゃそうですよね、築地の老舗の三代目なのだから)、現代的であり、決して近寄りがたい人ではない、どちらかというと、「築地のイメージ」とは違うと思う→店と社長の写真←ここをクリック。

出汁オフのときも、それまでの出汁に対する熱情こもったメールのイメージから、皆「どんな築地風頑固おじさんだろう」と想像したが、その期待を見事に裏切られた。
(「根からの築地の人=頑固じいさん」というのは、なんとなく、固定的に頭にへばりついている。
私も「浅草のはじっこの人」だから、簡単に「下町っ子」と決めつけられることが多く、自分のときは「住んでいる地域で、その人を決めつけるのは良くない」と思うのに、やはり、反対の立場になると、簡単に人を地域で決め付けてしまうようである。)

伏高さんは、お店の前の道路に昆布を並べている。
利尻や真昆布の1等級から3等級があった。(食べる昆布もあったが、残念ながら我が家は昆布を食べる習慣がないのだ)

今年は、昆布が不作とのことで、質の良い昆布を揃えるのに、本当に苦労しているとのことであった。
話しを聞くだけで、「昆布の流通ルートは、複雑なのだ」とわかった。
伏高さんは、多くの流通ルートを持っていて、大変だけれど、品質が良くて値段が手頃なものを探せるとのこと、そして、初めて扱う商品については、知り合いの調理のプロなどに頼んで、「使い物になるかどうか」を試すのだそうだ。
だから、どの昆布についても、「これは、どういうルートで手に入れ、どこの産で、使った人の感想はどうだ」という言葉がすらすら出てきた。
すごいなと思った。

昆布なんて、シロウトが見たら、見た感じ、なんでも、同じように見える。
また、味だって、たまに出汁を取る分には、はっきり言って、まずくなければいいと思うときもある。
今回、お話を聞いて、「昆布は、気候によって、また、採れる浜辺(地方ではない)によって、味が違う」と初めて知った。

プロ相手のお店なので、「店の味」というものを看板にして、どの季節もどの年も、一定の水準を保たなくてはいけないお客相手に、昆布屋さんは、毎年、質が一定ではない昆布を、ありとあらゆる情報と時間を使って、値段的にも、味の上でも、食店(=店の客)が納得するものを探さなくてはいけないのだ。

ふ〜!すごいエネルギー。
この姿勢があるからこそ、一流といわれるお店が、伏高さんと長く取引するのだろう。

で、社長さんの迫力に圧倒されたが、最後は冷静に、普段使いに「自分が一番美味しいと思う真昆布」の二等級を1kg4600円と、お正月用に、天然真昆布の一等級100g900円程度を買うことに決めた。
真昆布二等級は、知り合いの調理師さん10人くらいに試してもらって、「使い物になる」と言われたものだそうだ。
昆布は、味見して買うことができないから、こういう使った人の複数の評価が大切だと思った。
(ましてや、1kgである、1000ccに8g使っても、100回以上使うことになるのだ。)

と、買い物を終えて、伏高さんを後にした。
道々思ったのは、やっぱり、昆布のように、「流通が複雑で、しかも、年によって出来不出来が激しくて、しかも、私には何がいいのか全然わからない、しかも、味見しないで購入しなくてはならないもの」については、伏高さんのように、お客の身になって、商品を仕入れて、試してから売ってくれる店で買うべきだということだった。
気候や産地によって味や出来が異なる昆布について、個人の力で、「リーズナブルで美味しい」を探すことは不可能だ。
また、「一流のお店は、高価なものを売っているから一流ではなく、一流のお客が取引したくなるような顧客寄りの努力をするから、一流なのだ」とも思った。

帰りに多慶屋で利尻や羅臼を見たら、少量売りといういうことはあるだろうが、私がさっき買った真昆布より、相当、高かった。

二等の真昆布は、水で取ったら、すっきりしていた、若干、旨味が少なめな気がしないでもないが(二等だもの)、十分普段に使える味で美味しかった。
お正月に使う天然真昆布一等品が楽しみである。

伏高さんのHPは、下記です。(通販もあります)

伏高さんのHP←ここをクリック



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1999年12月29日(水)

もういくつ寝ると...


世の中で、私ほど、平成12年(=西暦2000年)が来るのを心待ちにしている人はいないと思う。

それは、3年前の北千住の出来事であった。
会社の仕事で北千住にいて、お昼を食べるために駅ビルに行った。
で、その頃、別に不幸とも思わないが、父親が死んで4年目で、生活も落ち着いたが、色々、行き詰まっていたし、将来も不安だったので、なんとなく、占いのおばさんに見てもらったのだ。
何人か、占いの女性が並んでいた。
選んだのは適当だった。
(しかし、こんなことをするのは、生まれて初めてだったから、余程、行き詰まっていたのだと思う。)

その占いは、生年月日から割り出した四柱推命という占いではないかと思うが、よくわからない。

占いのおばさんが言うには、

・あなたは、家のお墓を守る運命に生まれている。
・一生、食べるのには、困らないはずである、何故なら、家を守る運命だから、
 ご先祖様が助けてくれる。
・運命的には、若くして結婚する運命である。(しかし、「結婚しなかった」と
 言ったら、「本来は、その筈だった」とのことであった。←思い当たる節あり)

・父親との縁が深く、母親の影響は殆ど受けていない。
・平成10年になると、まず、経済的に楽になる。
・平成12年から、本当の幸せがやってくる、それまでは、何をやってもだめ

とのことであった。

将来のことはわからないが、「父親と縁が深い」ということと「家のお墓を守る」というところは、自分でも妙に納得してしまった。
(お墓を守るというのは、「家を守る」とのことだそうだ)
「家のお墓を守る」なんて言われると、別にこれから結婚したいとも思わないのだが、将来に対する可能性の一つを否定されたような気がして、「一生、独身?」と聞いたら、「それはわからないけれど、結婚したら、結婚した相手の家のお墓を守ってしまうことになる」とのことであった。
どこまでも、私は、お墓と家から離れられないらしい。

現代は、個人の時代で、誰も彼も「個人として生きていくこと、個人の意志や能力が尊重される」時代なのに、なんで、私ばかり、家を背負う運命なのだと思わないわけでもないが、小さいときからの自分が育った環境(自分のことより、家のことや家族のことを考えろと言われ続けてきた)、大人になってからの自分の行動と自分の中の反応(やっぱり、何をしても、家がまず一番になってしまうのだ)、現在の、他の兄弟は全くやらないのに、私ばかりが家族のご飯を作ることになったことを考えれば、私は、我が家の「家というもの」を捨てられないように育ってしまったのだと思うところが多々あった。

え〜い、この際だ、今まで、全く無意識だったけれど、「私は、自分の家を守る運命、これを全うすれば、ご先祖様が助けてくれるのだ」と思いきって、この路線で生きていくことに決めた。

取りあえず、この占いによると、私の将来は、悪くなさそうなので、良い気分になって帰ってきた。
今は良くなくとも、平成12年から「本当の幸せ」が来るとのことだから、ま、気楽に生きていればいいのかなと、気分が楽になった。

そして、詳しいことは言えないが、お金持ちにはならなかったけれど、本当に平成10年から経済的に楽になったのだ。
占いがあたったのだ。
あたった経験があるので、「平成12年になったら、本当の幸せが来る」というのもあたるのだと、私は期待している。
後、2つ寝て、最後の12/31は、会社の仕事の都合で起きていなくてはならないのだが、そうしたら、「本当の幸せの平成12年が私にやってくるのだ」

そんなことはないかも知れないが、こういうときは、素直に、一応期待した方が人生楽しいと思うので、期待しているのだ。

でも、「本当の幸せ」って一体何なのだか、実はわかっていないのだ。



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1999年12月30日(木)

本当の幸せ


北千住の占い以来、「本当の幸せ」が何かをたまに考えることがあった。
私は今までだって、別に特段不幸ではない、そして、特に、父が死んで以来、「家族が健康で暮らせていれば、これ、すなわち幸せ」と思って暮らしているせいか、毎日、幸せである。

今まで不幸ではなかったが、占いのおばさんに、「平成12年が来るまでは、何をやってもだめ」と言われたとおり、自分の才能が開花するとか、自分にあった職業や結婚相手を見つけるなどの派手な幸せ(笑)には、確かに縁遠かった。

それに、親は戦前派であり、また、祖母が信心深かったせいで、割りと仏教的な教えが好きな家であり、「多く望まないで、謙虚に家族仲良く暮らす、人に自慢をしないこと」などを良しとする家の雰囲気がある。

いつだったか、従兄弟と話したときに、従兄弟が、「僕は良いこと・目出度いことが続くと『はて、待てよ、そろそろ、良いことも終わりにならないと、そのうち、良くないことが起きるから、注意しなくてはと思う』と言っていたので、私は、「なんと、大人なのだろう」関心していた。(従兄弟と私は同じ年)
そうなのだ、「人間、万事塞翁が馬」の諺どおり、いいことも悪いことも、両方とも長くは続かないのが普通なのだ。

「幸せ」という言葉を考えても、そんなことばかりしか、イメージが沸かなかったので、「長く続く本当の幸せというのは、神のような心境になる、もしくは、出家して悟りを開くようなイメージかな」とも考えてもみたが、やはり、こういうことが、今の私に突然起こることは、考えにくい。

1、2年前に、乙武さんという青年の書いた「五体不満足」という本を読んだ。
一番感動的なところは、青年になった乙武さんが、突然、「自分とは何か?」と考えつくことである。
乙武さんは、「身体が障害しているのが、自分の本質だ」と気づくのである。(原文は、ちょっと違うかも知れないが、このようなことが書いてあったと思う。)

私も、相当年を取ってから、これと似た経験をしたことがあった。
このように、感動を呼ぶ体験ではなく、笑ってしまうのだけれど、一人暮らしをし、会社でハードに仕事に没頭して余りろくな食事が取れないことが長く続いた時期に、ある日突然、「私は、美味しいものを食べるように育ってしまったのだ、私が粗食で仕事に没頭することは無理なことなのだ、私は、一生、『美味しいもの、美味しいもの』と言って、美味しいものを探す人生しか送れないのだ、美味しい食べ物が好きというのが私の本質だ」と悟ったのだ。(笑)

もし、「一流企業でバリバリに働き、出世したい」、また、「好きな研究に没頭したい」のなら、小さいときから、余り美味しい食べ物を味わうことなく、どんなご飯も美味しく食べられるように育たなかったら、それは、無理なのだ。

世の中には、男性と伍して猛烈に働き、「自己実現」をしている女性も沢山いる。
が、私は、まず、自分の食べるものが美味しくないと動けないタイプだし、知らず知らずに、美味しいものを探す行動に走るタイプだから、「男性と伍する」とか「自己を実現する仕事」という前に、女性の中でも中途半端な仕事しかできないタイプかも知れないと思った。
この点、本当に、男性は、ご飯を作ってくれる女性と結婚できるから、とてもうらやましい。
私は、「男性に生まれたかった」などと思わないタイプなのだが、この点だけは、心から、「うらやましい」と思う。

本質が、「美味しいもの好き」の私が、私の「本当の幸せ」を期待するとしたら、やっぱり、家族の不幸もなく、美味しいものを食べながら、自分の本質にあった仕事をみつけ、周囲に理解され、また、周囲と摩擦を生じさせることなく、社会の役に立つ仕事ができることなのかなと、最近は、考えている。

はてさて、正解は、何なのか、来年から、楽しみである。



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1999年12月31日(金)

1999年まとめ


今年も今日で終わり。
この私の作文をずっと読んでくださった方たち、どうも有難うございました。

で、私の今年をまとめてみます。(もちろん、食に関すること)

ベスト 道具賞
 合羽橋道具祭で特価で買ったフィスラーの圧力鍋とその後買った無水蓋
 圧力鍋だけでも役に立つが、無水蓋が加わったら、鬼に金棒、どんな煮物でも
 具合良くできる。
 このお鍋は、無水蓋が加わったおかげで、普通のお鍋としても、利用できるので、
 最近はガス台に出しっぱなしにしている。
 欠点としては、4.5リットルなので、家族が少ない人には、普通のお鍋として
 使うのは辛いかも知れない。

 圧力鍋は、ここぞという料理や牛タン・牛スジ・肉を煮るときにも役に立つけれ
 ど、私として、今、一番役に立っているのは、ジャガイモや茶碗蒸しを蒸すこと
 がとても早くできることである。
 特にジャガイモは楽で、思い立ってから、ほどなくジャガイモ料理ができてしま
 う。
 圧力鍋は、どの料理には、「何分圧をかけて何分放置して」ということを覚える
 か、本を見なくてはならないので、私のように週に2日程度しか料理をしないも
 のにとっては、使いこなすようになるまで時間はかかるかも知れないが、肉とジャ
 ガイモについては、もう手放せない。

 また、無水蓋は、余りに簡単な構造で、本当に無水鍋になるのかと疑っていたが、
 この前、黒豆を煮たら、3時間煮ていて殆ど水分が蒸発していないようだったの
 で、合格だと思う。
 (差し水も一度だけで済んだ)

 フィスラーの良いところは、底が厚いところである。
 普通のお鍋より、長く煮ても沸騰しないが、長時間ことこと煮たい場合は、クッキ
 ングガスマットを挟むこともある。
 また、二回、鍋を真っ黒焦げに焦がしたが、二回とも、水に漬けたり、クレンザー
 を漬けたり、金属たわしで軽くこすって、無事元に戻った。
 この点もとても気に入っている。

 次点が、「銅のパエリア鍋」

ベスト お菓子賞
   これは、絶対に、下高井戸「ノリエット」
 ここのお菓子は一生食べ続けたいと思うくらい、大好き。

ベスト 外食賞
 今年は、夏場仕事が忙しかったので、余り、ちゃんとした店に行けなかったし、
 外食した回数が少ない。
 その中で、「カジュアル賞」は、築地場内龍寿司
 ご飯とネタがなじんでいて、美味しい。
 落ち着けて、美味しいから、好きである。
 ここは、これからもずっと通うと思う。

 他に、美味しかったのは、浅草駒形前川の坂東太郎という鰻、浅草ヨシカミのカツ
 サンド
 (こう書くと、本当に今年は、忙しくて、近場ばかりだったと思う。)

ベスト 教えてもらった料理賞
 これは、絶対、MLで教えてもらった「麻婆豆腐」
 本当に美味しかった。
 定番になる予定。

ベスト 自分の料理賞
 家族の反応まで含めると、「ポークソテー」が圧倒的人気
 自分の好きなものは、「圧力鍋で炊く国産ささげのお赤飯」と「マッシュルームの
 オリーブ オイル焼き」

ベスト オブ 腕が上がった料理賞
 もう一息だけれど、「スポンジケーキ」
 これは、12月になって、MLで色々な人の意見を取り入れながら工夫したら、本
 当に、「ケーキ屋のケーキ」になってきた。

 次点は、「クッパ」
 去年と違って、牛スジだけで作るということはしないで、スネ肉のスープとスジの
 スープをブレンドしたりしている、両方と美味しさがミックスしてより美味しくな
 った。

ベスト オブ 新しい技術賞
 「肉を自分でみじん切りにする」
 麻婆豆腐のときに、「薄切り肉を自分で細かくする」ことを習ったが、これは、本
 当に味が上がる技法である。
 今では、ハンバーグや餃子を作るときも、薄切り肉を買って来て自分で出刃で叩
 いている。
 評判も上々で、叩いた肉のハンバーグや餃子を出したとき、必ず、「今日のは肉
 が美味しい」と言われる。
 私も全く味が違うので、もう挽肉を使いたくないと思っている。(面倒だけれど)

以上です。

では、皆様、今年も色々お世話になりました、良くて、美味しいお年をお迎えください。



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