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「美味しい!」が好き

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2000年12月01日(金)

鉄分補給 1/2


母が「鉄分が足りない、貧血気味」と言われてから、2,3週間色々努力したが、無事、次の検査では、「改善が見られる」と医者に言われたそうだ。
人間って不思議ね、というか、当たり前なのだが、食べたものがその通りに、血液に反映されるものなのだなと、改めて思った。

で、これからも、鉄分補給は地道に続けて行かなくてはいけないのだが、私の経験を書く。

★我が家の食事
 楽しみが少なくて、忙しい我が家において、「食事は憩い」であり、好きなものや
 美味しい食べ物を食べることで、精神が満たされる傾向にあり、これが今まで何
 の疑問を持たずに長く続いている。
 急に、給食のような栄養バランスだけの食事にしても、皆、結局は食が細くなっ
 てしまい、その分をスナック菓子で補うようになってしまうのではないかと想像
 できた。
 これでは、本末転倒で、より悪い結果を招きそうだと思った。
 皆の食欲を落とさないで、鉄分補給をすることが肝心であるのだ。

★鉄分の多い食品
 肝臓、肉、赤身の魚(まぐろ、さば、かつおなど)、貝類
 野菜では、ほうれん草、小松菜
 大豆製品にも鉄分が多い
 海藻も鉄分を多く含んでいる→ひじき
 卵の中にも鉄分がある。

★鉄分について
 鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があるらしい。
 動物性蛋白質の中には、ヘム鉄と非ヘム鉄が両方とも入っているので、動物性蛋
  白質を 食べるのが一番良いらしい。
 (但し、卵の鉄分は、非ヘム鉄)
 植物性蛋白質の中には、非ヘム鉄が入っているらしいが、これを単独に食べても
 鉄分が吸収されにくいそうである。
 植物性蛋白質を食べるときに、同時に、動物性蛋白質か、ビタミンC(野菜や果
 物)を食べると、吸収率が良くなるとのこと。

★私の方針
 我が家で、鉄分が足りないのは、母だけで、他の人は足りている。
 母は動物性蛋白質が嫌いで、出してもちょっとしか食べないからこうなるので
 ある。
 それに、毎回、毎回、使い慣れない食材を料理に取り込んでいくのは、色々用事
 があって忙しい私には、負担が大きいし、無理が大きく、長続きしっこないと
 思ったのだ。
 我が家全体で、鉄分が足りないわけではないので、鉄分補給を、薬ではないけれ
 ど、「食品を薬のように食べた方が、すんなり行くかも」と思って、色々試し
 てみた。


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2000年12月02日(土)

鉄分補給 2/2


幸いなことに、我が母は、好きではないが、薬だと思ってという気持ちで、焼き鳥のレバーを食べることができる。
これで、鉄分が足りないような食事(魚でも白身であった場合、動物性蛋白質の料理を出しても母が食べないおかずであった場合)のときは、焼き鳥のレバーを買ってきて、食事の一番最初に食べてもらうことにした。

このときに、一人だけ食べさせないで、私も一緒に食べることが良いみたいだ。
そんなに美味しいと思っているわけではないけれど、一緒に、しかも美味しそうに食べる人が同じ食卓にいると、我慢できるようでであるし、飽きないようである。

後は、木の実がおやつにいいなと思い、多慶屋に見に行ったら、カシュウナッツや松の実があった。
本当は、かわらせんべいのようなものに、松の実が入っているようなお菓子がないかと思ったが、今のところは、見つかっていない。
母は、歯が悪いので、カシュウナッツはだめなようであるが、松の実は食べられた。
これで、「おやつには、松の実を食べて、その後に、みかんを食べてね」と話した。
松の実は、昼間家にいる甥たちも食べるらしく、「甥2ちゃんが一緒に食べてくれるから」と食べ続けてくれた。
しかし、みかんは、食べていないようだ。
詳しい人に聞いたら、「ビタミンCは、食材から摂らなくても、錠剤で飲んでも、良く吸収される」とのこと。
早速多慶屋に行って、HI−Cという、ビタミンCの錠剤を買ってきた。
みかんをお店では食べにくいから、今度から、松の実を食べてから、この錠剤を舐めてもらおうと思っている。

他に、色々料理も考えたが、今のところは、やはり広がっていない。
食品の中でも、豆腐、まぐろや浅利、しじみなどは、いつも使っているし、母も食べてくれるから、問題ない。(かつおは旬のときには食べるが、旬でないとき、無理して食べても美味しくない)
他の鉄分の多い食材を意識的に多めに取り入れるのは、私にとっては負担。
例えば、ひじきも戻して煮ればいいのだが、これも飽きるだろうし、心から美味しいと思っているものではないから、つい億劫で料理する気が出ないのだ。
ひじきのふりかけというものがないかと、スーパーやデパートを歩いたら、正直村という自然食品の店にあった。
これも買ってきて、食事の終わりにもうちょっとご飯を食べたいというときにふりかけて食べてもらおうと思っている。

母の鉄分補給で、現在成功しているのは、焼き鳥レバー法だけであるが、後、「松の実にビタミンCの錠剤」と「ひじきのふりかけ」も是非定着させたい。
(松の実は、ちょっと塩が強いので、今度無塩か、減塩のものを探そうと思っている。)

この経験で思うに、「鉄分」についての特別な補給は結構簡単だということだ。
これが、もっと「栄養バランスが取れた食事をするように」という指導が入る病気だったら、私には大変過ぎて、できないかも知れないと思う。
そういう努力をされている方に、頭が下がる思いである。



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2000年12月03日(日)

古河庭園(東京都北区)


東京の紅葉のピークが11月末・12月初めとのことで、先週の金曜日に古河庭園に行ってみた。

古河庭園散歩HP←ここをクリック

はっきり言って、私は、六義園より古河庭園の方が好みである。
六義園は、とても広くてゆったりしたお庭であるのに対し、古河庭園は、なだらかな斜面と谷に作った庭園であり、変化に飛んでいる。
古河庭園は、古河さんが作った大きな洋館の前に一面、バラの刈り込みがあり、その先の斜面を降りていくと、日本風の庭園が続く。
この日本風の庭園がとても良かった。
森の中にいるような気持ちになった。
きっと、木が、真っ直ぐ上ではなく、曲がって低く歩道に被さるように伸びているからかとも思う。
ゆったりとお茶でも飲みながら、静かに庭を見ていたい六義園、頭の上の空を色々な枝が塞ぐように伸びている散歩しながらの古川庭園という感じか。

何でも、元は明治の元勲 陸奥宗光の庭園だったとか、その後、その次男が古河財閥の養子になったことから、古河財閥の所有になったとのこと。
戦後、所有権が国に移り、現在は、東京都のもので、一般公開されている。

古河庭園
住  所 :東京都北区西ヶ原1−27−39
面  積 : 30,780.86u
開園時間 :午前9時〜午後5時(入園は、午後4時半まで)
休園日  :12/29〜1/3
入場料  :150円(65歳以上と小学生以下は無料)
見頃   : 4,5月(だったと思う、バラ)
       10,11月(同じく、バラ)
       11,12月(紅葉)
最寄の駅 :京浜東北線上中里駅から徒歩7分(上り坂)
      山手線駒込駅(北口)から、徒歩12分(下り坂)
      南北線西ヶ原駅から徒歩7分



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2000年12月04日(月)

ラ・フランス


ラ・フランスという果物が売られていることは知っていた。
しかし、評判も聞かなかったので、買うこともなかった。

しかし、今年は、ちょうど旬のときに、「美味しい」ということと食べ方を習ったので、買ってみることにした。
買い方のコツは、茶色っぽくなっているもので、しかも傷んでいないものとのこと。
すなわち、熟れているものが食べ頃で、お尻を押してもわかるとのことだったが、スーパーで売っているものは、皆パックに入っていて、お尻は触れなかった。

習ったとおり、りんごのように4つに切って、皮と芯を剥いて食べたが、家族全員が気に入って、美味しく食べてくれた。

今は忙しくてできないが、洋ナシのタルトなど、普通は缶詰を使うところだが、今の時期だけは、生の洋ナシを使うことができるとのこと。
使い方は、簡単。
シロップ煮にしなくても、生のままを缶詰の洋ナシの代わりに使って焼けばいいのだ。
実際に食べてみたが、やはり、缶詰を使うより、断然美味しかった。

その他、甥のお誕生日ケーキのときに、薄く切って、ケーキの間に挟んだがこれも好評であった。
とりあえず、熟れ頃のものを手に入れれば、絶対美味しい・簡単な果物であると思う。



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2000年12月05日(火)

夢屋銀兵衛<銀座>


知合いの勧めで、夢屋銀兵衛という居酒屋に飲みに行った。
薄暗い照明、BGMはジャズで、落ち着いて、適当に美味しいものをつまみながら、ゆっくり仲間と話すのに、いい感じの店であった。
どうも、このお店は、1種類のコース料理しかないようである。

私の食べたメニュー
1.茄子と焼きタラバの虫下(これで一字)子ソース掛け
  干し柿のクリーム白和え
  木の子のテリーヌ
2.とらふぐの小鍋仕立て
3.鮪の叩きピンクペッパー
  旬の白身魚の汐昆布
4.フォアグラのポワレ 聖護院大根
5.かぶら蒸し
  糸より、海老、銀杏、百合根
6.ジャガイモのアイスクリーム
  コンソメゼリー、キャビア(じつは、とんぶりだった)、じゅん菜
7.牛フィレ肉のカフェドパリバター又は、京鴨のロースト辛子醤油
8.冷やし稲庭うどん

これで5千円。
出てくるものは、本当に少量だったが、美味しいものが多かった。
(不味いものは、なかった)
一番気に入ったのは、ジャガイモのアイスクリームで、これは、箸洗い的な、口 の中をさっぱりさせるもので、全く甘味がなくて、コンソメゼリーと合って、と ても美味しかった。
フォアグラなどは、そんなに良いものではなかったので、それなりだが、全体に満足行ける水準だったと思う。
最後の冷やし稲庭うどんも、冷たいお汁の中に浮かぶうどんがさっぱりしていて、コースをしめくくってくれた。

何でも、この店は、不況が続く銀座で、数少ない人気店だそうだ。
量的に行ったら、女性向きだと思う。
デザートはコースに入っていなかったので、最後デザートのアイスを3つ取って5人で分け合って食べた。
居酒屋だから、コーヒー・紅茶はないとのこと。
男性だったら、本当に食事というより、これらのセットをつまみにお酒飲むという感じかな。

私が行ったのは、
夢屋銀兵衛 銀座店
東京都中央区銀座7−8−1
渋谷ビルB1

中央通りを交じゅん(漢字が変換できない)社通りに曲がった左側のビルの地下 です。
銀座でおしゃれに美味しく飲みたいというときに、お勧めのお店。
HPは、下記があったが、こちらは、SVAX店で、銀座8丁目の方。
夢屋銀兵衛HP←ここをクリック



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2000年12月06日(水)

10才のお誕生日ケーキ


この前の日曜日、甥1のお誕生日ケーキを作って、甥1に飾り付けをさせてあげた。

私は、直径21cmの型に、卵中4個で大きなスポンジを焼き、三段に切った。
苺も一番上に乗せる8個を残して、薄く切った。
苺だけでは足りないかと、ラ・フランスも薄切りにする。
さて、これで準備完了。
甥1がいる我が妹の部屋に向かう。

スポンジを1枚、ケーキ用ターンテーブルに乗せて、甥1を呼ぶ。
手を洗ってきた甥1は、もうすっかり、名パティシエ気分。
一枚目に生クリームを広げる。
パテで生クリームを広げて行ったのだが、今年の甥1は結構うまかった。
間に挟む果物は、弟や私にもやらせてくれた。
同じように、二枚目も完成。

さて、最後の仕上げの三枚目だ。
私がボウルから生クリームをスポンジの上に落とし、「こんな量でいいかな?」と思ったときに、ずっと私の動きを見ていた甥1が、大真面目な顔をしながら、右手で私の動きを制止して「あ、ストップ、そこまでね。後は、横(側面)の分に残しておかなきゃ」と言った。
この言葉を聞いた私は、「そんなこと、わかっているわよ、おばちゃんの方が、ケーキ作り長いんだから。あんたに言われる覚えは無い」と心の中で苦笑いした。
(しかし、この一言で、私は、「甥1を楽しませるために気を遣ってあげているおばさん」という主体的な役割から、「ただの助手」という役割にいとも簡単に転落したのである。(笑))
その後も、甥1は、飽きることなく、神経を集中している顔をして、真面目そのもの。
「10才のお誕生日ケーキは、自力で作るんだ」(実は、「自力で飾るんだ」)という意気込みが感じられた。

完璧ではないにしろ、今年は手早くはなかったが、パテで生クリームをまんべんなく広げることができた。
そして、「これで10と書いたら?」とチョコペンを渡したら、苺に囲まれたケーキの真中に「2」を書き出した。
何だと思ってみていたら、三段書きで、「2000 10さい 甥1」と書いた。
そんなにはうまくなかったけれど、ちゃんと読めたし、本人も出来上がりに大満足で、ケーキを食べるときに、「チョコの字のところがある真中のところが欲しい」とのことであった。

あの子たちに、ケーキのデコレーションをさせてあげるようになって、何年経ったろう?
年に1,2度のことであったが、彼らはうまくはできなかったけれど、おばさんに、「こうやってやるの」「次はこう」と教えられたことを頭に入れて来たのだと思った。
今までは、身体や手先が成長していなかったから、できなかっただけで、頭の中ではやり方がわかっていたのだ。
それが、10歳になって、ようやく自分の思うように手が動くようになって、頭の働きと手の働きが一致したようだ。
やはり、人間というのは、10歳が一つの成長の節目かも知れないと思った。

出来上がったとき、「甥1ちゃんって、頭良かったのね!偉い!」と誉めて、楽しいケーキ作りは終わった。(笑)



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2000年12月07日(木)

僕は料理長、ときどき鉄人


この本は、料理の鉄人の坂井宏行さんの自伝である。
私は、坂井さんのラ・ロシェルも行ったことないし、ファンでもないが、買ってみて読んだら、とても面白かった。

内容は、話してしまうと、興醒めするので、書かないが、お父さんの戦死・朝鮮から引き揚げてきた鹿児島での少年時代、16歳で飛び込んだ大阪での修行時代。
その後、オーストラリアのホテルで働く話に応募して、オーストラリア航路のコックさんになりながら、オーストラリアに渡って働く話。
東京に戻ってからの色々な出会い、そして、鉄人。

最後まで飽きなくて読める。
この本の魅力は、料理の話でも、修行の話でもなく、坂井さんのいろいろな人の出会いを大切んする心というか、所々に、お母さんを大切にする気持ち、自分の尊敬する人、自分を育ててくれた人、そして仲間に対する思いが盛り込まれているところだと思う。
料理の修行といっても、結局は、それは技術の習得だけではなく、その人の価値観や人生観が正しく、人との出会いを大切にする気持ちがないと、その修行を生かして大成はしないのだとつくづく感じた。

本の本筋とは関係ないが、その本の中で、坂井さんが若い頃に入ったお店のオーナーで、坂井さんの尊敬する「志度藤雄さん」という方が登場する。
東京オリンピック当時の日本フレンチ界の巨匠で、大正末期に、どうしてもフランスで修行したくて、密入国し、強制送還されるまでの13年間、フランスで修行された方とのこと。
戦後、銀座に四季というお店を開き、そこで修行した弟子たちがその後独立し、神田のエヴァンタイユを初め、色々なフレンチの名店ができたとのこと。
これを読んでいて、私がずっと昔に「美味しい、美味しい」と通っていた日本橋のブールエンブレスのシェフが、エヴァンタイユ出身であることを思い出し、この志度藤雄さんの腕というのを実感することができた。
本筋とは関係ないが、日本のフレンチ界の歴史の一部もわかって、興味深かった。

講談社発行で、1500円。
この本は、本当に買っても、読んでも、損はないと思う。



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2000年12月08日(金)

肥満児の行く末


先日、我が甥2と会った私の友人が、「大丈夫よ、私の親戚にも小学校まで肥満児だったけれど、中学生になったら、ぐっと背が伸びて、普通になった子がいるから」と言ってくれた。
そのときは、「そうは言っても、彼は本当に赤ちゃんのときからずっと太っているから、そうだと良いけれど、無理かもね」と私は悲観的であった。
しかし、また、家人がどこかで同じようなことを聞いて、「甥2は、中学生になったら、痩せるかも知れない」という気になってきた。

また、今はモデルのようにすらっときれいな人が、実は、高校3年生の時期に、「身長170cm、体重86kg」あったと聞いた。
何でも、「痩せなくちゃ」と自覚して、女子栄養大学の4群法の栄養摂取の考え方(普通の女性で、一日、卵・牛乳で3点(240キロカロリー)、動物性蛋白質3点(240キロカロリー)、野菜300g(240キロカロリー)、穀類11点(880キロカロリー))を計算しながら、食事していたら、4か月で20kg体重が減ったとのことであった。
この話を聞いたとき、「小さいとき肥満な子でも、自分で痩せようと思えば痩せられるのだ、別に一生肥満児で生きてしまうわけではないのだ」と理解した。
(なんと言うか、小さいとき肥満だったら、細胞が大きくて、大きくなっても痩せないという話を聞いたことがあり、不安であった。)

夜、我が家の遊びに来た、甥2とその父親に教えてあげた。
「喜んでね、甥2ちゃんも、大きくなって、自分で痩せなくちゃと自覚ができたら、ちゃんと痩せられるって!」と話したら、甥2が、真顔になって、「その話、僕にではなくて、うちのお母さんに話しといてくれない?もう『痩せろ』『食べるな』ってうるさくって。
その話したら、もう僕にそう言わなくなると思うの。そうしたら僕、落ち着いてご飯が食べられるから」とのことであった。

どうも、甥2は、自分で「痩せなくちゃ」と思うまで、沢山食べてもいいと、解釈したようであった。(今のところ、本人全然痩せなくちゃという気もないし、自分の肉体に誇りを持っているのである)
それを聞いて皆ニヤニヤ、そうは言っても、やはり、食べ過ぎ気味であるし、歯止めがかかりにくい甥2の食欲であるから、、甥2のお母さんには、そのことを言わないでおこうと皆で決めてしまった。(笑)



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2000年12月09日(土)

浅草の新しいお店


この前、自転車でチャリチャリ、伝法院通りを走っていたら、目立たない小さな新しいお店を発見した。

なんと、そのお店で、「長命寺桜餅」「言問団子」「志満草餅」という墨田区の老舗の和菓子が買えるのだ。
それに、店内で、これら三品と鮒金というところの佃煮のセットが食べられ、味見できるようである。(お値段550円)

あ〜ら、嬉しいわ、今度から、隅田川を渡らなくても、長命寺桜餅と言問団子が食べられるようになった、それに、そのもっと遠くにある志満草餅も、今まで遠くて面倒だから買いたくても買えなかったのに、手に入るようになったと、喜んだ。(買い易くなっても、買わない可能性も高いが。)

人によっては、浅草でも遠いと思うかも知れないけれど、隅田川より東側に住んでいる人誰にとっても、とても買いやすくなったと思う。
浅草で、観光客向けおみやげを買うのもいいが、ここらへんの甘い物の方が私としては、お勧め。

お店の名前は、確か、金龍亭と書いてあったと思う。
場所は、仲見世から伝法院通りに左に曲がって(観音様に向かって左)、天丼の大黒家を越し、浅草公会堂を越した、向かいのブロックの2軒目である。
この通りは、伝法院側に、昔ながらのレトロな、「誰が一体こういうものを買うのかしら?」と思えるようなお店(何と表現したら良いのか、場末の歌謡ショーの衣装のようなものを売っているお店)が並んでいて、他の地域ではこういうもの売ってないわよねと見物するのも面白い通りかも知れない。

でもね、長命寺の桜餅に関しては、やはり、長命寺桜餅のお店に行って、そこで出来立てを食べるのが一番美味しいとは、思う。



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2000年12月10日(日)

浅草 ボンソアール


私のエッセイを読んだ西浅草の方からメールをいただき、「浅草のボンソアール」という洋菓子店の2Fのレストランが美味しいと教えてくださったので、食べに行ってきた。

推薦してくださったのは、シーフードグラタンで、これはこれで美味しかったが、お店がとてもゆったりとしていて、落ち着けて、とても気に入ってしまった。

場所が良くわからなかったので、浅草観光協会(雷門の向かいの仕掛け時計のあるところ)で「ボンソアールはどこですか?」と聞いてしまった。
協会の人は親切に地図を書いてくれたが、やはり、端っことは言えども浅草の住人としては、地図を見ながら、店を探すのは恥ずかしいので、「地図はいいです」と断ってしまった。(笑)
場所は、メトロ通り(雷門に向かって右側1筋目を曲がる)を真っ直ぐ進み、左側を見ているとある。(向かい側には、旬の市とか、十和田というお蕎麦屋さんがあるところ)

1Fがケーキ屋さんと喫茶店で、2Fがレストランであった。
ビルも内装も新しくはないけれど、階段にはじゅうたんが敷きつめられていて、「丁寧な作り」だと思った。
2Fに上がってびっくりしたのが、店員さんが、タキシードに蝶ネクタイで、髪の毛をオールバックにポマードで撫でつけた中年の恰幅のいい人だったことだ。
場違いというか、ジャンパーやジーンズなど気楽な人が行き交う街並みとは、全くアンマッチングで、びっくりした。
このウェイターのおじさんの接客態度は、丁寧でしっかりしたもので、感じが良かったが、声が、ダミ声で、テキヤさんをやってもおかしくない発声だったことが、どことなく浅草的で、何となく気分を楽しくさせてくれた。
窓側の席に案内され、窓から通りを行き交う人を見ていたが、このお店の、上品で、どこのホテルのウェイターかと思うような服装・態度と街がアンマッチングだな〜と改めて思った。
(違う表現をすれば、窓側に座らなければ、「浅草にいることを忘れることができるムードの店」である。)
きっとオーナーの人が、「これが自分にとって快適」と思う店作りをしているのかと思う。

メニューを見たら、サービスランチが1800円で、12000円までのコースがあるようだったが、コースは、デザートやコーヒーが含まれておらず、結構高いかもと思った。
アラカルトも色々で、カレーだのオムライス、グラタン類もあるから、1000円から1500円程度のアラカルトを取って、下の洋菓子店の洋菓子にコーヒーをつけるなんていう食べ方が楽しいかも知れない。(しかし、コーヒーは一杯530円である、結構高い)

紹介してくださった方もおっしゃっていたが、地元民相手の地元民が大切にしているレストランという感じであると思う。
行ったのが、日曜日の2時頃ということで、混んでいる時間ではなかったせいもあるかも知れないが、本当にゆったりしていて、落ち着ける店であった。
席と席の間に十分なスペースは取ってあるし、椅子がクッションの効いたソファに近いタイプで、くつろげる。
浅草というのは、庶民的は庶民的であるが、お金持ちの人、貧しい人、忙しい人、ゆったりしたい人、全てがぶつからなくて共存できて、それ相応に楽しく暮らしていける町だから、こういうお店があっても不思議はないと思った。

洋食というと、ヨシカミが有名だが、ヨシカミも確かに美味しいけれど、狭くて窮屈、時間によっては並ばないと食べられないし、こちらのボンソアールの方が落ち着いていて、結構穴場ではないかと思う。

良いお店を教えてもらったと思う。



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2000年12月11日(月)

ボンソアールのシーフードグラタン


グラタンというのは、本当に美味しい食べ物で、発明した人に感謝したいくらい、好きである。
だからと言って、どこの店で食べても美味しいかと言えばそんなことはない。
ファミレスなどは、まあまあ、しかし、ちょっと手抜きがひどい場合もあるし、洋食屋さんで食べても当たり外れがある。
しゃれたつもりで、ほうれん草が入っていたりする場合もあるが、やはり、どう考えても、そういうものが入っていない、昔風が一番好きである。
私が定番で、安定的に美味しいと食べられるグラタンは、上野松坂屋の銀サロンのグラタン。
焼き立ての美味しいグラタンに巡り合うと、グラタンが、昔は、デパートの食堂の人気メニューナンバー1だったことは当然だと納得する。

で、ボンソアールのグラタンに話を戻す。
銀の楕円形の器にグツグツ音を立てた、所々に焼け焦げがついたグラタンが登場。
一口食べると、それ程味がしなかったが、2,3口食べていくと味がわかってきた。
今までグラタンというと、ホワイトソースの上にチーズを振って、焼け焦げさせた、「チーズを焦がした美味しさ」のものかと思っていたら、ここのグラタンは、「ホワイトソースにチーズを混ぜ込んで焼いた→すなわち、チーズをとろかせた美味しさ」であると思った。
とろけたチーズというのも、それはそれで美味しい。
ホワイトソースとチーズがぴったりと合体しているので、「ホワイトソースが濃厚」という感想になると思う。
中には、大きなホタテと、小さな海老が2,3尾、小さな鮭の切り身が入っていた。

他に嬉しかったのは、ここのグラタンのマカロニがやたらに長いマカロニであったことである。
上野松坂屋銀サロンも昔は、マカロニが長かったのに、いつの頃か、マカロニが短くなってしまった。
だから、もう長いマカロニは、製造中止になってしまったのかと思いきや、このお店でまた再会できて、今でも作られていることがわかって嬉しかった。

この長いマカロニというのは、どういうわけか、個人では手に入りにくい、やはり、外で食べるグラタンは、こういう風に10cm程度の長さでないと、楽しくないと思う。

濃厚ではあるが、最後まで飽きずに食べられた。
このグラタンだったら、パンを取ってパンを食べながら食べても美味しいと思う。
食べた感想は、味が濃厚で、一つ食べたら十分満足なのだけれど、また、そのうち、食べたくなるような後を引く味だというものであった。

ボンソアール

 東京都台東区浅草1丁目32−11
  喫茶店     03-3844-0537
  フランス料理店 03-3841-6943

  定休日は、月曜日(但し、12月中は不規則とのこと)



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2000年12月12日(火)

大江戸線開通 1/2


12月12日に大江戸線が開通した。
それにしても、どうして、こんなに変な名前になってしまったのだろう。
石原東京都知事が決めたとのことであるが、本当に彼は、文学者だったのだろうかとセンスを疑っている。
大江戸と聞くと、おいらんショーとか、捕り物帖とか、そんなものしか頭に浮かんで来ない。
石原さんが元々東京都民ではないし、下町に愛着がないから、こんな観光的な名前を付けることができたのではと、私は思う。(東京都民で下町に詳しい人だったら、もっとモダンで、懐古趣味でない名前を付けただろうと思う。)

しかし、できるまで本当に長かった、私が記憶しているだけでも、10年近く工事していたのではないかと思う。
私の父は、平成5年5月2日に亡くなったのだが、夜中、意識不明になっていた父に付いて病院にいた弟妹から、「お父さんがとうとう駄目そうだから、早く来るように」との電話があり、母と二人で急いで、大通りでタクシーを拾って御茶ノ水の病院にかけつけた。
大通りは、真夜中と言えども大江戸線(その頃は都営地下鉄12号線と言っていたが)の工事中で、ガーガーうるさく機械が動き、多くの人が働いていた。
タクシーを拾いながら、「お父さんに地下鉄ができるのを見せたかったね」と母と話したのを今でも覚えている。
タクシーの中で、「開通式なんかあったら、私はお父さんの遺影でも持って『お父さん、地下鉄ができたよ』なんて遺影に話し掛けるのかな?」なんて、考えていた。

しかし、一周忌、三回忌、七回忌も終わっても、地下鉄はできなかった。

話に寄ると、我が家の最寄の駅で、これから作られる常磐新線と交差するのが難工事だという話だった。
今日は、開通だったが、結局地元では何のお祝いもなかったようだ。
噂に寄ると、前日、町内会から5人ずつ招かれ、試乗が行われたそうだ。
結構地味なものだったのだ、きっと不況のせいかも知れないと思う。
(もしくは、開通式を各駅で行っていたら切りがないということもあるかも知れない。)
昔だったら、小学校の鼓笛隊が出て、盛大に祝賀したのではとも思うが、何せ初めてのことだから、良くわからない。



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2000年12月13日(水)

大江戸線開通 2/2


大江戸線が開通して、私が通う習字塾でも大江戸線の話題で持ち切りであった。
皆の関心は、第一には、「自分の家から便利かどうか」である。
残念ながら、新しくできた新御徒町駅というのは、常磐新線と交差する関係で、相当御徒町寄りに作られてしまい、皆、家から遠いという評判である。
また、年寄りが圧倒的に多い地域なのに、下りのエスカレーターは付かなかった。
それでもまだましかも知れない、ずっと昔からある近所の銀座線、日比谷線、千代田線など、上りのエスカレーターすらないのだから。
しかし、母が利用するためには、エレベーターがある入り口が一箇所はあるだろうから、それを探さねばと思う。

習字塾は年配の人が多いので、誰も生活のために大江戸線を使う人もいないで、待ちに待った憧れの恋人が引っ越してきたというより、突然引っ越してきた見知らぬ人を遠くから、「あーでもない」「こーでもない」と噂している感じであった。

「試しに乗りたいけれど、一人で乗ってもつまらないから、親戚が来るお正月に、親戚と一緒に乗ってみようと思う」という一人暮らしのお婆さんもいた。
乗った人の話しによると、「駅まで遠い、高い、小さい」ということであった。
とりあえずは、当分、「乗ってみた!」「どうだった?」という会話が続きそうである。
地元民にとって、観光名所が一つできた感じであり、この地下鉄が町に馴染むには相当時間がかかりそうだと思う。

面白かったのは、我が甥2で、彼は、今まで、都営バスで講道館まで通っていたのが、大江戸線ができたので、大江戸線で通うようになるのだ。
そのことがとても憂鬱なのだそうだ。
どうしてかというと、「都営バスなら、バスに乗っているうちに眠ってしまっても終点が大塚で、大塚なら、自力で家に戻ったり、講道館にたどり着く自信があるのに、今度地下鉄で眠ってしまったら、光が丘という見知らぬところまで行ってしまい、そうしたら、どうしたらいいのか、わからない。光が丘ってどんなところ?」とのことであった。(我が家には光が丘に行ったことのある人がいず、誰も答えられなかった。)

おばちゃんたちは、「そうなったら、光が丘の駅員さんに、『新御徒町に行きたいのですけれど』と言えば教えてくれるわよ」と話したが、酔っ払って、電車に乗りこんでは眠ってしまい、振り子状態になって家に中々たどり着けなかった経験のある私は、心の中で、「その電車の中またで眠ってしまったら、今度は都庁まで行ってしまい、それを繰り返していたら、家にはたどり着けない」と思ったが、甥2を余計不安にするから、言わないでおいた。

しかし、路線図を見ると、講道館のある春日は、新御徒町から3つ目だから眠る暇もなく大丈夫だと思った。
今まで春日(=都営バスの文京区役所前)まで、バスで9停留所で、御徒町のガード下が交通渋滞でいつもたらたら行くしかなく、春日が家から近いという意識はなかったが、地下鉄で結ばれてみると、本当に近いところなのだなと改めて思う。

さてさて、この電車が静かで膠着的だった我が町の暮らしをどう変えてくれるか楽しみである。



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2000年12月14日(木)

クリームシチュウ


我が家では、母が、ご飯と、ミルク・生クリーム系の食事がだめで、クリームシチュウもグラタンも食卓に上ることはなかった。
(グラタンは、私の好物なので、母がいないときに作ることはある。)

しかし、数日前に、残り少ない母の歯が3本抜けてしまい、歯抜け状態になってしまったのだ。
入れ歯は作っている最中で、当初の予定では来年の1月にできるとのことだったが、歯医者さんに頼んで、前倒ししてもらったらしい。
それでも、できるのは、12月27日との事。
で、急に母の歯がなくなっても、私はここ数日大変忙しくて、特別な食事を用意する暇がなかった。

母は、自分でおかゆを作ったり、私の用意した鍋物に、うどんを入れて、急場を凌いでいた。
しかし、そんな日が3日続いたら、見る見る母の顔は皺だらけになってしまった。
歯がないから、固い物を食べない→栄養分も水分も油分も不足という感じに見えてきた。

ようやく、私に時間的余裕ができたので、母に「クリームシチュウだったら、野菜も柔かくて食べられるから作ってあげようか?」と言ったら、素直に、「食べたい」と返事した。(こんな日が来るなんて、信じられない。私の母は、一生クリームシチュウを食べないかと思っていた。)
で、作ったら、「美味しい!美味しい!久し振りに栄養のあるものを食べた気がする」と良く食べた。

作り方は、ベターホームのレシピから生クリームを引いて、圧力鍋で作ったものだ。

材料
鶏もも      400g→ぶつ切り
小麦粉大さじ1杯、塩・胡椒
人参       中1本→乱切り
じゃがいも    大2個→乱切り
タマネギ     中2個→縦6つ
サラダオイル   大さじ2杯
白ワイン     大さじ3杯(白ワインがなかったので日本酒にした。)
水+スープの素  カップ4杯

<ホワイトソース>
 バター 大さじ3
 小麦粉 大さじ4
 牛乳  カップ4

作り方
1.鶏ももは、塩・胡椒してから、小麦粉をまぶし、じわんとしっかり炒めた後、
  ワインをかけて、ちょっと煮る。(焦げない方がいいが、少し焦げても気にす
  ることはない。)
2.圧力鍋に、鶏とジャガイモと人参、タマネギとスープストックを入れて、圧を
  かけて2分、放置10分で、柔かくする。(煮えたことを確認)
3.ホワイトソースを作る。
  厚手の鍋を火にかけ、バターを溶かし、小麦粉を入れて炒める。
  初めブツブツであるが、かき混ぜるうちに、サラっとしてくる。
  サラっとしたら、牛乳を少しずつ入れて伸ばしていく。(もしダマができたら、
  網で漉してしまえばいい)
4.2の中に3を入れて、5分程煮て、塩味を調整して、胡椒も少し入れたら、出
  来上がり。

美味しかったコツは、カルピスバターに低温殺菌牛乳だったような気もする。(笑)

しかし、クリームシチュウを作るにはいいが、クリームシチュウを出すときに、合うおかずを考えても良くわからない。
アジの干物、野菜炒め、色々思いつくが、我が家では、「給食みたい!」と言われそうで、これらはだめだろうと思う。
普通の家庭では、汁物が、クリームシチュウのとき、おかずは何にしているのか知りたい。
我が家はこの日は、無難にお刺身にしてみた。

その他、クリームシチュウを作って思ったのは、トマトを入れてもまたさっぱりして美味しいだろうということと、出来上がりにパセリのみじん切りにして浮かばせた方が、口の中がさっぱりするだろうなということであった。



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2000年12月15日(金)

父のクリームシチュウ


ベターホームのレシピを初め、料理本に載っているクリームシチュウのレシピはたいてい、生クリームを使っていて、とてもクリーミーになると思う。
しかし、私が食べ慣れたクリームシチュウは、クリーミーではないのだ。
小さいときから父が我流で作ってくれたクリームシチュウを作りたいと頭で色々考えるが、今のところ、まとまらない。
確か、生クリームなんか全然入れないし、牛乳もちょっとだけだったような気がする。
これまた、小麦粉を香ばしく炒めて、鶏ガラスープで伸ばしていた。
鶏ガラスープも、ガラをきれいに掃除してという上品なものではなくて、それこそ、時間がなかったら、シチュウの中に一緒に入れてしまう感じだったような気がするし、使ったのも鶏肉ではなく、豚肉だったと記憶している。
どちらにしろ、牛乳臭くなくて、ご飯に合うクリームシチュウだった。
今まで、母が食べてくれなかったから、父のクリームシチュウの再現を試みることはできなかったが、これからはできそうで嬉しい。

それにしても、子供からすると、親はいつまでも元気で生きている気がするのだが、それは大きな間違いなのだ。
両親の料理で気に入ったものがあったら、早め早めに習っておかないと、食べることができなくなってしまう時期が来るのだ。
そんなことに気づいたのは、父が死んだ後であった。



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2000年12月16日(土)

合羽橋のちょうちん


金・土と2日続けて、人を合羽橋に案内した。
両方とも2時間程度の急ぎ足の案内であった。

しかし、料理の好きな人たちを合羽橋へ案内すると、どうして、あんなに喜んでくれるだろうと改めて感心してしまった。
私は合羽橋の近所に住んでいるから、もう何回も行き過ぎて、全然感激がなくなっているので、合羽橋に感激してくれる人を見ると、とても新鮮な気持ちになる。

両日とも、一時間くらい歩いていると、同じ店の前で「合羽橋って、本当に楽しい!」という声があがった。
両方とも、居酒屋やおでん屋さんの店先に飾るちょうちんを沢山陳列している店の前を通るときにこの言葉が出た。

土曜日にご一緒した方は、今回二度目の合羽橋なのだが、一度目が合羽橋道具祭のときで、雨が降っていたし、ちょうちんを売るお店は閉まっていたのか、今回、合羽橋でちょうちんを売っているのを初めて見たそうだ。
「ちょうちん屋が開いているのといないのとでは、雰囲気が全然違う。ちょうちん屋があった方が楽しい」とのことであった。
そうか、そうか、合羽橋の楽しい雰囲気を作っているのは、ちょうちんであることがわかった。(笑)

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2000年12月17日(日)

合羽橋で圧力鍋


圧力鍋を合羽橋で買いたいという知合いがいて、一緒に買いに行った。
圧力鍋を選ぶポイントは、掃除のしやすさ、価格というのもあるけれど、彼女は、外国製の華麗な鍋のデザインに魅せられ、是非、少しくらい高くても外国製が欲しいとのことであった。

色々インターネットで調べて、買おうと心に決めてきたのが、掃除をしなくて済むというWMFの電磁波非対応。(当面、電磁波のみの台所があるところに引っ越す予定は全くないとのことだったので)
早速、DR.GOODSに行ったのだが、お目当ての5リットルは売り切れだった。
もう12月だから、ドイツから出荷が止まっており、今度入荷するのはお正月明けとのことで、すごすごお店を出てしまった。
(私は近所だから、本当はこういうことまで調べようと思えば、事前に調べられたのに、まさか、品切れがあると思わなかったので、調べていなかった。)

う〜ん、だったら、フィスラーにするかと、高橋総本店に行く。
ここにもフィスラーはあるのだが、ロイヤルと言って、圧力を高弱切り替えるタイプだけであった。
私としては、この高弱切り替えるタイプはお勧めしない。
たまにこの部分を掃除しなくてはならないのだが、それがややこしくて、面倒だからである。
だったら、アサヒサンライズに行けば、圧力一種類のタイプ(実はブルーポイントという名前らしい)があるかも知れないと、アサヒサンライズに向かう。
(高弱切り替えがあるから、掃除がしにくいのであり、切り替えがないタイプは大したことがない→でもマニュアルなくしたら、掃除できないと思う。)

その前に、TDIというお店に行ったら、アメリカ製のものすごい業務用の圧力鍋があった。
厚手のアルミ製で、パッキングなし、鍋と蓋をねじで留めるタイプ、そして、鍋には、まん丸のアナログの圧力計が付いていた。
なんと言うすごいデザイン、ごっつくって、本当に開拓時代の圧力鍋という感じで、現代性が全くないところが可愛い。
お店の人が、「アルミでも良かったらこれはお勧め」と言ったが、う〜ん、どこかに仕舞うときにあのまん丸のアナログの圧力計が邪魔で、仕舞い難いかと思った。(買うのは余りお勧めではないけれど、見るのは楽しいですよ)

アサヒサンライズに到着、果たして、ブルーポイントがあった。
WMFの5リットルが22,000円程度に対し、フィスラーブルーポイントは4.5リットルで16,800円だから、安い。
また、私の持っているフィスラーはこのブルーポイントの一つ前のモデルで、これはそんなに掃除が大変ではなかったという印象があった。
それに、ブルーポイントは私の旧タイプより、ネジがなくなっていたり、結構進化しているところも気に入った。(買う人ではなくて、私が)
どうしようと彼女が悩んでいると、お店の人が、「普通蓋をおまけします」と言ってくれたので、これに決まり。

彼女はまだ使っていないようだが、どうか、実際に使ってみて、気に入ってくれることを祈るばかりである。

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2000年12月18日(月)

大江戸線に乗って築地へ


この前の土曜日、気が向いて、大江戸線に乗って、新御徒町から築地に行ってみた。
(それにしても、この「新御徒町」という名前は、新しいマンションのために考えついた駅名に聞こえてならない、御徒町駅から近いんですよ〜という印象を日本中の皆様に植え付けたいがためのネーミングに違いない)

私の感想は、「家から駅まで遠い、料金高い、駅数が有り過ぎて時間ばかりかかり、電車の中を歩きたくなってしまう」というものなのだが、築地市場前の駅に着いてしまうと、場内のまん前に出るので、この点だけは便利だと思った。(後、空いていて、ゆったりと座って行けるところも良かった)

料金は、日比谷線で仲御徒町から乗れば築地まで160円で済むのに、新御徒町からだと210円もする。
日比谷線では築地まで6駅で12分程度で、築地に着いてしまうのに、新御徒町からだと8駅で20分近く、電車に乗っていなくてはならないのだ。
日比谷線ですら、遠回りの線だと思っていたのに、大江戸線は、それ以上に遠回りをしている。
だいたい、我が家の6階の屋上から、築地の近くの佃島の高層マンション群のてっぺんが見えるくらい近いというのにと、ついつい、電車の中で、文句が沢山頭に浮かんできてしまった。

これから、築地に行くのに、大江戸線にするか、御徒町まで自転車で行って日比谷線にするか難しいところである。
大江戸線ができて、築地まで近くなったと喜んでいたが、ぬか喜びであったような気がする。
やはり、御徒町に出た方が、料金も時間も得だし、帰りには多慶屋に寄れるし、私は大江戸線は、余り利用しないような気がする。



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2000年12月19日(火)

池袋 リストランテ 文流


推薦する人がいたので、文流というイタリアンのお店でランチをしてみた。
文流のHP←ここをクリック


このHPを見るとわかるように、イタリアの書籍を輸入する会社が経営するレストランで、一番古い高田馬場店は1973年からとのこと。
HPによると、この会社は、イタリアに料理学院を持ち、日本からイタリアの料理を学びたい人を受け入れて、イタリア料理教育を行っている。
そんなお店の料理を食べてみたいと、ずっと思っていたが、ようやく、池袋店に行くことができた。
何せ、今まで受身的にイタリア料理を食べていたので、私には「イタリア料理に対する感性と舌の座標軸」というものがなかったので、一度はちゃんとしたイタリア料理を味わってみたかったのだ。

場所は、池袋西口の東京芸術劇場の前で、前の大通り(劇場通りという名前だったと思う)を渡り、ローソンと東方会館の間の道を入って、ローソン側2軒目2階であった。
色々な組み合わせのランチがあって、スパゲティランチでも良かったのだが、「私は、イタリア料理を食べるのだ〜」という意気込みから、スパゲティと肉か魚の料理、デ ザートに飲み物の2000円コースにしてみた。(スパゲティは外したくなかったのだ)
スパゲティもお料理も普通のメニューから選ぶとのことで、量が多かったらどう しようと思ったが、お店の人に聞くと、「このセットでは、スパゲティは、普通の半分の量になる」とのことだったので、安心して、料理のセットにすることにした。

スパゲティ
肉料理に、「豚肉の松の実ソース」を選んだので、軽くさっぱり路線で、トマト とベーコンにした。
感想としては、西浅草のジャルディーノと同格程度かなと思った。(ジャルディーノもイタリア帰りのコックさんが作っている。)
美味しかった。
店に飾ってあったスパゲティから察するに、スパゲティのメーカーは、ディ・チェコと思われる。

サラダ
野菜に、茶色いドレッシングがかかってきた。
茶色いドレッシングというと、「アンチョビかな、木の実かな」と思ったのだが、どちらの味もしないのだ。
店の人に聞いたら、「バルサミコ酢です、それに野菜のみじん切りが入っている」 とのこと。
私、バルサミコ酢には、コンプレックスがあり、どうしてもバルサミコ酢が使えないのだ。
今、買ってから4年近く立っているバルサミコ酢を持っているけれど、「こういうふうに使いたい」という明確な考えがないまま買ったので、何かの具合で一度開けたのはいいけれど、結局そのときも使わずじまいで、そのまま、ずっと使っていないのだ。
今更、使うのが怖いし、新しく買ってしまっても同じ事をしそうで、買えないし、どうしようもない状態に陥っている。
だから、外で何かの拍子に食べるしかないのだが、私からすると、普通の酢より、ちょっと甘いかなという感じで、特別美味しいとも思わないので、味を覚えられない。

肉料理
薄い豚肉が三切れ焼いたものが、松の実と生クリームかな、牛乳系のソースで和えられものが運ばれてきた。
薄い豚肉というのは、焼き方がそんなにバラエティに飛ぶわけではないし、こんなものかなと思った。
ソースと豚肉が合っていて、美味しかった。
ま、どちらにしろ、イタリアンは、フレンチに比べて、素朴であると思う。
付け合せは、ドロドロのポテトの中に、ベーコンが入ったもの。

デザート
チョコレートのスフレ、温かくて美味しかったけれど、この頃、おなかがきつく なって、半分残してしまった。(そんなに大きいものではなかったのだが)

エスプレッソ
小さなカップに。本当に極少量のエスプレッソがやってきた。
一緒に運ばれたきたミルクのピッチャーを触ると、とても温かい。
そうか、このミルクをエスプレッソに混ぜて飲むものなのだと、納得して、ミル クをたっぷり入れて飲んで終わり。

最後、お勘定を払うときに、飾られていた写真を見ると、皇太子さんが高田馬場 の文流を訪れたときの写真であった。

池袋に行くと、どのお店に入っていいかわからず、たいていは、東武の上の方のレストラン街に行くことが多いが、どこも混んでいるし、狭苦しい。
その点、このお店は落ち着いた雰囲気で、ゆっくり食事ができる点がいいと思う。

味は、私にはイタリア料理を評価する舌がないので、わからないが、特別美味しいというものはなかったが、皆美味しかったと思う。
イタリアンが好きで、ゆっくり食事したい人向きのお店だと思う。
私としては、料理はフレンチが好きだな、イタリアンは、スパゲティにラザニヤにピザがいいと思った。



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2000年12月20日(木)

フレンチシェフ 21世紀を担う100人


先週、知合いの人から、料理王国という雑誌の1月号を見せてもらった。
で、特集が「フレンチシェフ 21世紀を担う100人」であり、その他にも、フレンチの話が満載である。(実はまだ全部読んでいない)
日本のフレンチシェフのレベルは高くて、21世紀の日本のフレンチはとても楽しみなそうである。
まだ、ミーハー的な部分しか読んでいないが、皆顔写真入りで、「経歴」や「僕がシェフになったわけ」とか、料理以外の、「どうして、料理人になったという部分」も書いてあって、とても面白い。
(料理はやはり人が作るものだから、料理人と料理が結び付けられて紹介されていると、何かとても身近なものに感じられる。)

先週友人に紹介されて、今週本を捜し歩いたのだが、結構売り切れの店が多く、4軒目の本屋ででようやく手に入れた。(と思いきや、浅草のROXにはまだまだ在庫があったりもする。)
ここのところ、イタリアンに押され気味のフレンチであったが、この本を眺めたり読んだりすると、日本のフレンチがまた脚光を浴びる時代が来たのかなと楽しくなる。
フレンチが好きな人にはお勧めの雑誌 970円。
次号の発売が来年だから、今年中なら、手に入ると思う。(バックナンバーを買う手もあるが、送料とか振込み手数料がかかるから、お勧めしない。)
私はやはり、フレンチの味と華やかさが好きなので、嬉しい。



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2000年12月21日(金)

蔓藤さんのバーゲン


先週、合羽橋本通りを歩いていたら、本通りの方の蔓藤さんでちょうどバーゲンをやっていた。
確か、菊屋橋の方は、21,22日がバーゲンだから、こちらの蔓藤さんも同じではないかと思ったのだが、お店の人に聞くと、バーゲンの日は、両店で毎年異なるそうである。

あら、ま〜、私のことを、「合羽橋に精通した人」として、私を信頼して私の合羽橋HPを見てくださっている人に悪いことをしているような気分がした。
私も合羽橋に通うことになって、長いが、蔓藤両店の暮れのバーゲンの日も割引率も違うと知らなかったのだ。(HPは来年直します)
でも、考えてみれば、合羽橋本通りの方の蔓藤さんは、乾物とか佃煮が主だから、バーゲンがお歳暮のシーズンで、菊屋橋の蔓藤さんは、いつもバーゲンのときに、お正月のおせちを並べているから、年末だと、理解できた。

菊屋橋の蔓藤さんの割引率が10%なら、合羽橋本通りの方は、20%だったのだ。
元々菊屋橋の蔓藤さんのバーゲンに買おうと思っていたものがあったので、お店に飛び込んだが、私の目当ての柚子酢は、すっかり売り切れ。
一年間取り返せない損をしたような気がした。

で、今日、仕方がないので、菊屋橋の蔓藤さんのバーゲンに行ったら、何と、今年は、割引率が15%(一部商品10%)で、昨年より、割引率が上がっていた。(ばんざ〜い!)
私の目当ての柚子酢は、1本900円で、割引率10%だと3本で、270円のお得にしかならない。
(何故3本しか買わないかというと、一度5本買ったことがあるが、賞味期限までに使い切れずに、色や味を悪くしたことがあったので、3本になった。
冷蔵保存すれば大丈夫かも知れないが、冷蔵庫のスペースも限られているので、ま、この本数で妥協するしかない。)
毎年それでも、何か余り得にはならないな〜と思いながらも、せっかくだからと、菊屋橋のバーゲンの日には、柚子酢を必ず買いに行っていた。
今年は、3本で、407円のお得。
今年は「バーゲンに行った」という気分が味わえた。
割引率が上がるというのは、本当に不況だからかも知れないとも思う。
来年こそ、合羽橋本通りの店のバーゲンに行って、20%引きを味わいたい。



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2000年12月22日(金)

シーチキンの缶詰


シーチキンという缶詰が、昔、新商品として発売され、発売当時から馬鹿受けして、それまで人気ナンバー1だった鮭缶を追い越して、1位の座に上ったという話を聞いたことがある覚えがある。
私の一番気に入っているシーチキンの食べ方というと、やはり、マヨネーズと水にさらしたタマネギのみじん切りと合わせて、トーストしたパンに乗せて食べる食べ方かも知れない。
その他に、わかめと合わせてサラダに乗せたりもするが、私はどちらかというと、シーチキンを余り使わない方だと思う。
それ故、私は、シーチキンの種類に鈍感であった。

シーチキンもいつの頃か、大きく分けて2つの種類に分かれたようである。
一つは昔ながらのマグロの身の固まりの缶詰、もう一つは、シーチキンの横に、「フレーク」という言葉が書いてあって、缶詰を開けると、身の固まりではなく、細切れが固まっている感じのものである。
(缶詰の絵を見ても、フレークでバラバラになった絵が書いてあるから、絵をちゃんと見れば、わかる。)
私はどちらでもいいし、余りフレークだの固まりだの拘らずに、値段で選んでいたので、フレークを買うことが多かったのだ。
フレークなら油を絞って使っていたが、家人の一人が、断固として、「固まりの方が美味しいから、シーチキンを使うなら、固まりにして」と言う。
言われてみれば、フレークの方が油が多くて、その油が魚の味の邪魔をしている気もする。
(少なくとも、サラダに使う場合は、固まりをほぐした方が美味しいと思う気がする。)

それにしても、我が家の近所のスーパーでは、フレークが主流である。
ま、どう考えても、細切れの方が安いに決まっているから、今のシーチキンの主流は、値段からして、細切れタイプになってしまうのだろう。
(値段は、同じ大きさで、20円くらいしか違わないようであるが。)

でも、確かに固まり(ソリッドタイプ)の方が、油が切れて美味しいから、試してみてくださいね。

シーチキンの原材料のところを見ると、びんながマグロ、キハダマグロと2種類あるようだ、これはどちらが美味しいのだろう。
今のところ試していないので、わからないが、ソリッドタイプの缶に、「本品は、びんながまぐろを使用した特選品です」とあるから、びんながまぐろの方が美味しいのかも知れない。



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2000年12月23日(土)

勝美洋一さん


中国料理の歴史が知りたくて、図書館に本を借りに行った。
一番読み易そうで、最近の発売である「中国料理の迷宮」という本を借りたら、著者が勝見洋一さんであった。
確か、この人は、桐島洋子さんの年下の旦那様で、家が代々の骨董屋さんで、本人も骨董が専門だと思っていたが、中国料理の本も書いているのだと意外であった。
本を読むと、骨董のことで中国に長年通っていて、自然と中国料理の歴史と地域差などに精通したとのことであった。
(この本は、昔の歴史も詳しいけれど、最近の中国の政治情勢による料理の変化の歴史について、とても詳しい。)

そう言えば、夏に買ったクロワッサンのお菓子特集にも、「うちには全国からすごいお菓子がやってくる」というお気に入りのお菓子を紹介するページにも勝見洋一さんの特集があった。

とても羨ましいと思う、家が骨董屋で、骨董の職業につき、それに伴い、小さいときから、美味しいお菓子を食べ、大人になってからは中国を訪れる関係で中国料理に詳しくなり、それでまた本が書ける。
なんと言うか、昔で言ったら、文化人という類に分類されるのかと思う。

中国料理の迷宮
講談社現代新書
700円

他にも「恐ろしい味」(文藝春秋刊)という本もあるそうだから、文庫になっていたら、読んでみようと思う。



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2000年12月24日(日)

我が家の食卓の国際化


クリスマスイブの一週間前に、歯が抜けて固いものを食べられない母から、「今年のクリスマスは、夏にもらった韓国の鶏にしよう!あれは美味しい!」という提案があった。
母は参鶏湯(サンゲタン)がとても気に入ったようである。
クリスマスに韓国料理というのも合わないような気がするが、ま、我が家のクリスマスなんて、鶏料理を食べてケーキがあれば、それがクリスマスなのだから、構うことはない。

母は、その後、知り合いの韓国料理店の人に参鶏湯を頼んだのだが、どうも2つ購入したようだった。
何でも、1つは凍らせておいて、お正月に食べようと思っているとのこと。
私は私で、お正月は、フランス産のヴァシュラン・モンドールを用意しているし、我が家の食卓も、結構、国際化したものだと思う。

それにしても、今年のお正月は何を作ろうと考え始めている。
去年の洋風のおもてなしが受けたから、去年のままでもいいけれど、それではちょっと面白くないような気がしている。
さて、これから、おせちの用意をするとともに、新しいメニューを探そうっと。
(きっと、私が探すレシピは、日本料理でないような気がする。)



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2000年12月25日(月)

陳建一さん


保守的だという評判の我が家の食卓も昨日書いたように、所々国際化しているが、この前、結構驚くべき事実を発見した。

実は、私は先日、陳建一さんの講習会を受ける機会があったのだ。
陳建一さんは、場慣れしているというか、天性の才能なのか、習いたい側が知りたいことを察してくれ、そして実践してくれるので、とても良い講習会であった。
(習いたい側の知りたいこと=ポイントポイントでの味見なのだが、この段階で陳さんが「良い」と判断したものの一部を習いに来ている人に味見するように回してくれた。)

で、夕食のときに我が家でこの話をしたら、我が家では、誰も「陳建一」の名前すら知っている人がいなかったのだ。
私は結構これには唖然として、絶句してしまった。
陳建一さんは、テレビにもしょっちゅう出ているし、全国的な有名人かと私は思っていたのだ。

我が家は、私以外にも食いしんぼが揃っていると思っていたが、皆、私のように、「何か美味しいものはないか」とか、「美味しい物を作る人」なんかに、全く興味を持たず、割と受動的に美味しい物を食べているだけなのだという事実に気が付いた。(ま、料理を作ることに興味なく、四川飯店にも行かず、テレビの料理番組も見なかったら、当然かも知れないが)

う〜ん、今に見ておれ、私が死んだら、誰かが私のように、あくせく美味しい物を探したり、料理をしたり、凝ってしまう人が一人出てくるに違いない。
私が死んだら、それが誰になるのかわからないけれど、今は料理に全く関心の無い人たちから、必然的に、料理にあくせくする人が出てくると想像すると、私のうっぷんは晴れる。
何故なら、父が死んでから、私が料理に集中するようになったように、我が家では、誰かが一人、料理を背負うことになるに決まっているのだから。



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2000年12月26日(火)

西新宿 ニューヨーク・グリル 1/2


友人が地方から来ている妹さんと行くということで、私もNYグリルに誘ってくれた。
何でも、「ムードやサービスがとてもいい」という前評判を聞いていたので、私も行くことにしたのだが、行く寸前、ザガット・サーベイ・レストランガイドを見たら、「NYそのままの大味」「NYの胃袋を基準とした量」と書いてあり、行くのが恐ろしくなった。
私のように、NYに観光旅行に行ったときに、殆ど食べ物がまずいとしか思わなかった人がどうして、NYそのままの大味の店に行くのだろうか、考えてしまったが、怖いもの見たさに行ってしまった。

感想は、「確かに料理はそんなに美味しくはないが、店のムードや設備、サービスが素敵で大満足」というものだった。
(味が悪いのに、私がお店を推薦するなんて、この店が初めてではないかと思う。)

お値段とメニューは下記の通り。
お値段  ランチコース 5800円
     (税やサービス料を入れて6700円であった。)
     このお値段、クリスマス価格とも聞いているので、通常はもっと安いか
     も知れないが、良くわからない。

メニュー
     前菜       ビュッフェから取り放題
     メインディッシュ 8種類のメニューから選択
              パンは、オリーブパン
     デザート     ビュッフェから取り放題
     飲み物      コーヒー・紅茶・エスプレッソから選択

ビュッフェは、前菜・デザートもそれぞれ20種類程度揃っていて、豊富。
私はちょっとずつ沢山の種類を取ってきた。
大食いの子を連れてきてあげたい量であった。
夜はわからないが、昼は、ごく普通の日本人の人が多くて、居心地は良い。(これでオシャレな人ばかりだと、ちょっと行き難いかも知れないがそんなことはなかった。)

場所は、西新宿の都庁より先にある「パークハイアット」というホテルの52F。 
(パークハイアットは、パークビルだったか、東京電力のビルの41Fからのホテル)
新宿駅から歩くと途方もなく遠いと思う。(新宿駅から、パークハイアットまでシャトルバスがあるようである。)
最近出来た大江戸線で都庁で降りると、徒歩10分という感じか。

このパークハイアットのインテリア自体、全体がNYのオシャレなセンスで溢れているので、ホテルの中を通って、52Fまで行くのが楽しい。
このビルに着いたら、パークハイアット専用の入り口から入るか、ビルの中にある二階に通じる階段を上がって、パークハイアットホテルに入り、そこから41Fまでのエレベータに乗り、そこからまた52Fまでのエレベータに乗ると着く。(行くのに結構時間がかかるけれど、ホテルがきれいだから、「きれいだな〜」と感じている間に着く。)

ニューヨーク・グリル
東京都西新宿3−7−1−2 パークハイアット東京52F
電話:03−5323−3458



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2000年12月27日(水)

西新宿 ニューヨーク・グリル 2/2


このお店のどこにNYを感じるかというと
・天井が通常の3,4倍高いところ
・窓から見える景色が圧巻で、高層ビル群や遠くまで景色が見えるところ
・サービスしてくれる男性たちがキビキビしていて、NYぽいかな?
 (服装は、白いワイシャツにネクタイ、黒いズボンに、長い白い前掛けをしめ
  ている)
・ちょっとした飾り、花の生け方、全てのインテリアがNYのセンスでオシャレで素敵。
・メイン料理の付け合せが余り工夫されていないところ。
 私はうさぎのローストにしたのだが、付け合せが「カブの薄切りのローストとキ
 ャベツを蒸し焼きした感じのもの」、魚の人の付け合わせは、「大根を5CMの
 厚さに切って焼いたもの」、ステーキの人の付け合せは、どろどろのマッシュポ
 テトであった。

料理の味は、「NYそのままの大味」というよりは、「日本人向けの大味」に直されているようであり、結構食べられた。(NYでは殆ど食べられなかった。)
特段どれが美味しいという食べ物はなかったが、前菜とデザートには満足。
メインのうさぎは、うさぎの肉自体は臭みや癖がなく美味しく食べられたが、味付けがちょっと塩ぽかった。

この他、ここのサービスは、NYスタイルで、ウエィターの人が、大きなお盆に3皿くらい載せたものを、日本で行ったら、出前のお兄さんのように、肩のところまで持ち上げて片手で運ぶ姿も恰好がいい。(NY帰りの妹に「このスタイルはNYスタイルか?」と聞いたら、「違う」と言っていた。)

また、メインまで食べる食堂と、デザートを食べる食堂が別で、メインを食べ終わるとデザートを食べる食堂の新しいテーブルに案内される。
これも実際に味わってみると、メインまで食べたテーブルではないところの方が、なんと言うか、空気が油っぽくないので、いいなと思った。
ま、味はともあれ、この非日常的でオシャレで素敵な空間は、一度は行く価値があると思う。

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2000年12月28日(木)

木の葉の形の焼き菓子の型


先日、友人とその妹さんと、合羽橋へお菓子の道具を買いに行った。
お目当ては、マーガレットの形をした直径14cmの型。
これは、吉田菓子道具店を初め色々な店を見たが、どこのお店にもなく、最後に行ったおかしの森にあって、助かった。

で、その妹さんは、加藤千恵さんのお菓子教室に通っているとのこと。
おかしの森で、レジのところで、「木の葉の形の焼き菓子の型」のことを尋ねていた。
何でも、最近発売された加藤千恵さんの本で、木の葉の形の焼き型が使われていて、今、大人気なのだそうだ。
(おかしの森の人が実際にその本を見せてくれた。)
その友人の妹さんは、今5つ持っていて、後3つ欲しいとのことで、おかしの森で予約した。
何でも、今度の入荷は2月だそうで、予約だけで、既に180個も受けているとのこと。
だから、その妹さんの分は、2月に手に入るかどうか、ちょうど境界線にあるらしい。

その木の葉の形の型というのは、以前、藤野真紀子さんの本でも使われたこともあり、人気が人気を呼んでいるとか。

最近余裕も無いし、一応スポンジが焼ければ別に他のお菓子ができなくても生活に影響ないので、新しいお菓子の本も見ず(だいたい、発売される新しい本の数がおびただしくて、一々見てられないということもある)にいたので、そういう世界とは離れていたが、改めて、あーいうケーキの本の影響力とか、加藤千恵、藤野真紀子人気に驚いたのだ。
世の中には、丁寧にきれいに本の通りにお菓子を作ろうとする人が沢山いるのだ。
私はスポンジとか、シフォンはうまいけれど、それだけでは、やはり、シロウトの初心者の域を全く出ていないのだと、改めて感じた。



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2000年12月29日(金)

年末の三浦大根


この1,2年、暮れになると三浦大根が出回るようになった。
これはこれで良いことなのだが、いくらが正当な価格なのか、良くわからない代物であるという印象があるのだ。

昨日、上野松坂屋に行ったら、三浦大根が580円であり、「わ、高い」と思ったのだ。
その後、日本橋高島屋で見たら、何と、「一本1500円」、その値札を見た途端、見間違いかと思い、見直したのだが、やはり、1500円であった。
きっと、本当に三浦半島で作られている三浦大根でしかも無農薬・有機栽培とか、色々それなりの値段の理由というのがあるのだろうとは思う、それにしても高過ぎる。
こんな高い大根誰が買うのだ、580円だって、買いたくないのに、と思いながら、我が家の近所の安売りの八百屋に行くと、一本350円だったのだ。
おばさんが、「こういう物はすぐ売れちゃって、もう仕入れないから、早めに買っておいた方がいいわよ」と言うので、「350円だったら、いいか」と買ってしまった。

しかし、気をつけなくてはいけない、今日同じ八百屋に行ったら、一本250円の三浦大根が山積みになっていたのだ。(笑)
年末の買物というのは、本当に難しいと思う。



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2000年12月30日(土)

ほうれん草と卵のグラタン


暮らしの手帖社から、年に一回だと思うが、「ご馳走の手帖」という雑誌が出ている。
この雑誌の2001年版には、グラタンの特集があり、皆美味しそうだったり、ちょっとしたコツがわかったりして、楽しい。

中でもほうれん草と卵のグラタンがあったので、真似してみた。
自分で作るとなると、1.半熟卵を茹でる 2.ほうれん草を茹でる 3.ホワイトソースを作るなどの3手間がかかり、ちょっと面倒であった。
(缶詰のホワイトソースでもいい人はそれで十分かも知れないが、私は、使ったことがないので、自分で作ることになる。)
半熟卵は、ビタクラフトで沸騰3分放置3分で作ったら、黄身がまだ流れるようであったが、グラタンにしてから、グリルモードで7分焼くので、食べるときにはちょうど良い固さであった。
茹でたほうれん草は、食べやすい大きさに切って、水気を絞り、ホワイトソースと和えておく。
バターを薄く敷いた容器に、縦半分に切った半熟卵をなるべく黄身がこぼれないように置く。
この上から、味見して、塩・胡椒したほうれん草入りのホワイトソース上から被せて覆う。(おおうようにかけないと、若干、卵の黄身がこぼれてしまう)
ホワイトソースの上には、所々、バターの小さいかけらと生パン粉を置いて、オーブンに入れて、グリルモードで7分。
バターを置いたところが焦げてとても美味しそうにできた。

食べてもほうれん草がほうれん草臭くなくて、とても美味しい。
やはり、ほうれん草と、ホワイトソースと卵は合うのだ。
ほうれん草と鮭のグラタンというのもあるが、卵の方が美味しいと思う。
しかし、良く考えてみれば、キッシュの変形のような感じもする。
ほうれん草の量は、キッシュ程度に多めに入れて、ほうれん草がホワイトソースの間に浮かんでいるという感じではなく、半分を越えるくらいがほうれん草という量でも十分美味しいと思う。

オリジナルレシピでは、生クリームが入っていたし、ほうれん草もバターで炒めてから和えるとあったが、グラタンを作るときというのは、「本当にどうしてこんなにバターを使うのかしらね」とため息が出るくらい、バターと生クリームを使うので省略した。(ホワイトソースを作るとき、バターを半分にして、サラダオイルにしてもいいとも思う。)
でも、乳脂肪分を減らしても、十分美味しかった。

でも、この料理は、ホワイトソース(缶詰か、バター・小麦粉)、ほうれん草、卵が材料と言うことで、コンビニで売っている材料でもできる料理と言うことができる。
しかし、やはり、ホワイトソースは、カルピスバターに低温殺菌牛乳という風に凝った方が美味しいに違いないと思う。

また、余談であるが、合羽橋道具祭のときに、ナツメッグのホールを買ったので、チーズ用のおろし金でおろして、ホワイトソースに入れているが、これも、瓶詰めの粉のものより、相当美味しく、お勧め。



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2000年12月31日(日)

一年、どうも有難うございました


この一年、私のエッセイを読んでくださった方、どうも有難うございました。
また、メールをくださった方も、有難うございます、とても励みになっております。
(一部、まだ、お返事を書いておりませんが、お正月中には、出したいと考えております)

このエッセイも続けて、2年と4か月が過ぎて、冗談ではなくて本当にタネ切れで困ることが多くなってきました。
う〜ん、やめてしまおうか、毎日ではなくて、気が向いたときでいいではないかと思うことも良くあります。(笑)

が、しかし、一日経ってみると、カウンターが沢山あがっているし、たまに、励ましのメールをくださる方がいる、これは、皆様と神様に感謝して頑張るしかないのではないかと、初心に戻るのであります。
(私の人生で、私の作ったものに関して、こんなに反応のあることは、自慢ではないですが、このHPしかありません。<笑>)
冗談でもお世辞でもなく、カウンターが上がっていると、私のエッセイを楽しみにしてくれる人が沢山いるのだと、心から、嬉しくなります。> 人間、人生をどう生きるか、これは一言で言うのは難しいし、悩みながら生きるしかないのですが、やはり、「人の喜ぶことをする」ことも、自分の人生にとって大切なことの一つだと思います。
そういう意味でも、来年もできるだけ長く毎日エッセイが続けられるように頑張ろうと思います。
本当に、読んでくださっている方、有難うございます。
良いお年をお迎えください。
そして、来年も宜しくお願いいたします。

そう言えば、忘れておりましたが、来年1月発売のAMUSE「合羽橋特集」で、合羽橋を紹介する文章を書き、このHPが紹介されますので、是非、楽しみにしていてくださいね。



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