神はこの世を作られた。 そして遠いお国に帰る事を希望した。 まず足がお国に帰った。 続いて手が、胸が、腹が、口が、鼻が、頬が、右目が、左耳が 次々に帰っていった。 そして左目と右耳だけが残った。 左目(サミュエル)と右耳(シルヴィルム)は2柱で1柱。 一心同体だった。 お互いに愛した。 手に触れるものが天使になり、歩いた後に魔道士が生まれた。 歌声は吟遊詩人になった。 ある時些細な事で喧嘩をした。 天の民全てが闘いに巻き込まれた。 多くの民が滅んだ。 右耳は言った。 ワタシヲコロセ 左目は言った。 ソンナコトハデキナイ 右耳は左目の剣を奪い、自らの胸を突いた。 右耳は言った。 とどめは君が刺すのだ。 左目は泣いた。 そして右耳に刺さっている剣を引き抜くと もう一度深々とそれを突き刺した。 左目の勝利だった。 (予言者ラミアス伝) |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||