目次
爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!
特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラストアクション
魔法戦隊マジレンジャー THE MOVIE インフェルシアの花嫁
轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス
炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!!
仮面ライダーダブル FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ
仮面ライダーオーズ/OOO×仮面ライダーW feat. スカル MOVIE大戦CORE
ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦
仮面ライダーオーズ/OOO WONDERFUL 将軍と21のコアメダル
海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE
特命戦隊ゴーバスターズ THE MOVIE 東京エネタワーを守れ!
仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!
仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム
□冒頭
謎の未確認飛行物体(=トライコンドル)を追う天空神シノビマシンモード。撃墜される。
うぅ、シュリいきなりこんな役ですか。哀しいです(涙)
それを助けに向かうハリケンの面々。ギンガマンだ、ギンガマン!馬に乗って駆けつけます。やっぱりギンガマンだ、ギンガマン!レッドのみ白馬です。
□ライーナ&ナックル
今回の物語の鍵を握る人物。ライーナはアストラム第四惑星のプリンセスで、その身には焼いて食すると不死になる能力がある。その能力の為、周囲から人間としては見られておらず、その反動か我侭である。
ナックルはライーナに付き従う従者ロボット。普段は星型のブレスレットになっている。
登場シーン。ミオさんは外見からして風雷丸の様な声を想像したものの、出てきた声はまるで正反対。なんと、みやむーであった。これは予想外の出来事である。
□ヒザール&ブリザール アシュラザール
宇宙からライーナを追って来たザール一族。宇宙忍猿。ジャカンジャに雇われる振りをして騙した。
ブリザールは妙な鳴き声を発するのみで喋らない為、ヒザールが兄貴分であると思われる。ブリザールのその様は、まるでラー(byスペクトルマン)の様。名前の通り、ヒザールが炎を操り、ブリザールが氷を操る。宇宙忍法“猿回し”で他の生物を操る。また、協力してヒブリザール砲を放つ。
二人が合体、巨大化する事により誕生するのがアシュラザールである。
余談ではあるが、宣伝を見た当時小生は、便宜的に金閣、銀閣と呼んでいた(笑)。実際は全然違いましたね。また宣伝では、「あいつらはジャカンジャよりも強いのか」などと言われていたが、予想通り大した戦闘力は持っていなかった。その割にはジャカンジャの幹部連中を操っていたけど(苦笑)。劇中でも度々サルと呼ばれていて、威厳も何も無いと感じた。
□ジャカンジャ
今回、ジャカンジャの見せ場は非常に少ない。煽てられたサタラクラが様々な事を喋ってしまい、用無しとばかりに宇宙忍猿に凍らされてしまった。その後操られてしまう。しかし、最初の登場シーンは非常に格好良いと思う。タウ・ザント様を中心とし、幹部五人が並ぶその様は、威厳と迫力に満ち溢れた、正真正銘の悪の軍団だった。
操られたマンマルバ、フラビー、ウェンディーはゴウライジャーと戦った。“炎の牙”を駆るマンマルバと“バリサンダー”を駆るカブトライジャーの戦いは非常に見応えのある素晴らしい物だった。ウェンディー、フラビーコンビはクワガライジャーに敗れ去る。
サーガイン、サタラクラはシュリと戦うことに。サタラクラの術で五匹の中忍が蘇る。何故かその中にクッツク法師が居た。何でクッツク法師はこう何度も復活するのだろうか、どうせすぐに死んでしまうと言うのに。サタラクラは直接攻撃できず、サーガインは行動すら起こす事無くシュリの前に敗れ去った。
総じて、今回ジャカンジャの扱いは悪かったと思う。但し最初の方の会話で、矢張りサーガインはマンマルバと共にシリアスキャラであり、頭脳派だと言う事が読み取れてよかった。それに反しサタラクラは何と言う体たらくであろうか。魂食いの儀を行う場所をペラペラと喋ってしまう。タウ・ザントが注意するものの時既に遅しであった。しかし、ジャカンジャはあんな猿どもに簡単に手玉にされてしまう様な集団だったのか。がっくりである。
□シュリ
シュリは冒頭で撃破された後、ハリケンの前に立ちはだかったサーガイン、サタラクラと対峙する。サタラクラが中忍を蘇らせると、すぐにファイヤーモードへとチェンジし、瞬く間に撃破した。
時間の関係上とは言え、あまりにもあっさりしすぎた戦いであった。これでは、シュリを引き立てると言うより、サーガインとサタラクラが雑魚の様に見えてしまう。また、モードチェンジがあまりにも早く、シュリが非常に短気に見える。某ニンジャマン以上ではなかろうか。これに宇宙忍者統一流を任せられるのか甚だ疑問である。
□その他の戦闘シーン
ライーナを救い出したハリケンの面々は、ヒザール、ブリザールコンビと戦う。レッド、ブルーがヒザールと戦った。巧く戦ってはいたが、特筆すべき点はあまり無い。一方イエローは、ブリザールと対峙する事に。この時、イエローは舞獅子で八人に分身する。合成ではなく実際に八人居るのは面白さ抜群、その後、レッド、ブルーと並ぶ時まで八人居たのは最高であった。普段影が薄い事の多いイエローであるが、今回の戦闘シーンは非常に良かったと思う。
□ハム館長
疾風の里へ来たライーナは、ハム館長を見るなり可愛いとキスをする。すると何故か、ハム館長は人間の姿へと戻った。これも、ライーナの不思議な能力の一端であろう。残念ながら、最後にまたハムスターの姿へと戻ってしまう。
ハムスターがキスされていたが、西田健は嬉しくもなんともなかろうなぁ、とか思っていたら急に登場したのでかなり驚愕した。意外にも、西田健と高田聖子がハリケンジャーで共演したのは初との事である。いつもは声だけの登場ですからねぇ。
□巨大ロボ戦
アシュラザールの登場に対し、ハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーもシノビマシンを呼ぶ。六大シノビマシンが一同に介し走り来る様は格好良い、の一言。このシーンの為に歩くギミック付きのハリケンレオンも作られたとか。勢揃いしたシノビマシンは其々、旋風神、轟雷神、天空神へと変形・合体する。そのまま直ぐに三体が同時に究極奥義を放つも、アシュラザールには何の効果もなかった。だが、ライーナの持つトライコンドルもカラクリボールシステムを利用しており、合体することが可能であった。銀河超越・三神合体 天雷旋風神が誕生した。その戦闘力は圧倒的で、一瞬でアシュラザールを撃破する。
時間の都合上とは言え、天雷旋風神誕生までの流れが速すぎた様に思える。尤も、全体のテンポが速い為、特別気になると言うほどでもなかったが。ところで、トライコンドルが去ってしまったと言う事は、天雷旋風神は二度と登場することが出来ないのであろうか。個人的にはこのようなシーンを希望。
吼太「あれ? 朧さん、何やってるんですか?」
朧「これな。前来たお姫さんのマシンの事を研究しとるんや。これが分かれば、天雷旋風神をもっかい作りり出す事も可能ってこっちゃ」
ハム館長「うむ・・・何故あれもカラクリボールシステムを・・・御前様は何か知っておるのだろうか」
□エンディング
エンディングは、登場した面々と共にオープニングテーマを熱唱すると言う物だった(最初に、一緒に唄おう、という掛け声が入る)。昨年のガオレンジャーのオープニングと同じ形である。私以外殆ど唄っていないと言うのが寂しかった(お前は歌ったのか!?)。
□総評
30分と言う時間の制約上、展開の早さは致し方ないとしても、ライーナと鷹介の絡みをメインに持って来たのは個人的にはイマイチであった。その分で、他のメンバーが殆ど目立たないのはいただけない。矢張りこういう場合は、特定のキャラを主役に据えるのではなく、昨年のガオレンジャーの様に皆に見せ場がある様な展開にして欲しい。
と、まぁ、文句はあるものの、楽しく見れる作品ではあったと思う。小難しく考えずに楽しめる作品、子供向けとしてはこれが一番ではないであろうか。実に密度の濃い30分間であった。
(02.08.21)
□冒頭
龍騎、ナイト、ゾルダ、王蛇が大量のモンスターと戦っている。そこへ乱入するライダー、ファム。彼女は只管王蛇を付け狙った。
見ていて、お前如きが王蛇様に挑むなど百年早いわ、と思っていたら期待通り、王蛇様はファムを圧倒していた。うむうむ、矢張りこれぐらいでないとね。
□神崎優衣
最終回と銘打っているだけあって、かなりの謎が解き明かされていた。その一つが優衣であった。先ず優衣は、幼少時に一度死んでいた。しかしその際、ミラーワールドに居るもう一人の優衣に命を与えられていた。その際代わりに、優衣が書いた絵(=モンスター)を与えている。これが、モンスターである。しかしここで与えられた命は仮初のものであり、二十歳になると死んでしまう。士郎はその為にライダーを作った。だが、人の命で生きていく事を嫌悪した優衣は、最後、自ら命を絶つ道を択んだ(但しこれは小生独自の解釈であり、時が来て自然に死んだと見えないことも無い)。
□神崎士郎
優衣の命を救う為、神崎士郎はライダーを作ったのであった。最後に勝ち残った者の望みを叶えると言うのは真っ赤な嘘であり、勝ち残った者の強靭な命を優衣に与えるつもりでいた。しかし、優衣が死んだ事により精神が崩壊(?)、そのまま消滅した。結局、士郎についてはあまり多くは語られずにいた。
□城戸真司/仮面ライダー龍騎
優衣が命を落としてしまった原因、ひいては仮面ライダーが作られたのも真司が原因であったといえる。真司はそれだけ関わっていた。劇中、何度も偶然ライダーになった、と言われていたが、これを見る限り偶然ではなく必然、なるべくしてなったのかもしれない。
ライダー同士の戦いには相変わらず否定的で、何度も止め様と奔走する。しかし最後は、蓮と戦う道を択ぶ事となる。
まだテレビでは明かされていない、龍騎サバイブが登場したのが非常に興味深い。デザインはそれほど悪くは無いと個人的には思う。特に頭部のデザインは秀逸ではなかろうか。パンフに掲載されている写真はアングルが頗る悪く、頭部が肥大して見える。
□秋山蓮/仮面ライダーナイト
もう一人の主役と言うべき蓮、彼の姿勢は変わらずであった。優衣からライダー同士の戦いの真相を聞かされても尚、1%の可能性に賭けると良い戦いを止めようとしない。最後に真司に、オレには強敵(と書いて友)ともが居なかった。欲しいとも思わなかった。しかし、お前は強敵(と書いて友)ともだ。と告げる。即ち、今まで弱い敵にしか出会わなかった。けれどもそのままでよかった。だけど、真司は強い、そう言いたいのであろうか。だが、それでも戦わなければいけないのである。二人は最後、互いに死ぬなと約束をし、激闘へと身を奉げて行く。
戦闘シーンでは、ナイトが一番充実していたのではないだろうか。モンスターとの空中戦はかなりの物である。空中で見せるシャドーイリュージョン、ダークウィングとのコンビネーション攻撃に、宙から繰り出す飛翔斬。この一連の動作は、非常に格好良くいいものであった。
□北岡秀一/仮面ライダーゾルダ
当初はライダーとして戦い続けるも、途中で戦う事の虚しさを覚える。そして、永遠の生命を手に入れるよりも、残りの人生を充実して生きようと心に誓うのであった。呆気無い脱落であったが、本人にとっては非常に満足の行く結果だったのだろうと思える。
□浅倉威/仮面ライダー王蛇
今回王蛇は、霧島美穂の登場によりファムとの戦いがメインであった。実力では遥かに上を行き、あらゆる面で圧倒する。ジェノサイダーを呼び出す事により、とうとうドゥームズディを魅せるも、リュウガの邪魔が入りジェノサイダーは死んでしまう。その所為でブランク体へとなり、人間へと戻る。残った力でファムを殺そうとするも、最終的にはそのまま死んでしまうのであった。
念願のドゥームズディの発動、これが非常に嬉しかった。技としては、王蛇がライダーキックで吹き飛ばし、それをジェノサイダーが吸収する様である。非常に決まる様を楽しみに待っていたのだが、リュウガの邪魔が入り完全には決まらず残念。あろうことか、リュウガの攻撃によりジェノサイダーは死亡し、王蛇も脱落する羽目となった。これを見た瞬間は衝撃の嵐である。何故リュウガは、王蛇を狙ったのだろうか。せめて先に、ファムを狙って欲しかった。かなり早い段階で王蛇が死亡した為、この調子でどんどん死んでいくのだろうなぁ、と思えた。それにしてもドゥームズディはかなりいい技である。また、人間の姿でもライダーの首を絞めるほどの力がある姿には感服する。
□霧島美穂/仮面ライダーファム
浅倉に姉を殺されたため、浅倉に復讐し、手に入れた力で姉を生き返らせようとしていた。最終的には絶命。キャラとしては、この映画のみでは描ききれないと思う。非常に複雑なキャラであり、じっくりと描いていくのに充分なキャラであったと思う。
ファム自体はそれほど好きではないが、ウィングスラッシャーはなかなか格好良い武器であると思う。また、ミスティースラッシャーも非常に優雅でお気に入り。羽根での撹乱などと、なかなか小技が効いていて、個人的にはつぼをついていたライダーであった。
□仮面ライダーリュウガ
ミラーワールドの真司が変身する最強のライダー。王蛇を殺し、ファムを撃破、ナイト、龍騎とも戦い、凄まじい存在感を示した。最終的には龍騎に破れるも、有終の美を飾るに相応しいライダーであっただろう。
公開前から話題を集めたライダーであるが、その正体は比較的妥当な線で落ち着いたと思う。見た目は格好良いものの、王蛇様を殺したライダーで個人的には許し難き存在である。
□モンスター
今回登場したモンスターはヤゴ型のシアゴースト。実に大量に登場し、現実世界にまで混乱を呼んだ。シアゴーストは脱皮する事により、トンボ型のレイドラグーンとなった。更に成長すると、完全な飛行体モンスターハイドラグーンとなる。何れも大量に登場し、混乱を招き、ライダーを引き立て、非常に良い役をしていた。
矢張りこういうのは良いな、と思わせる。BLACK以降のライダーに戦闘員は登場していない為、こういうのが見れる機会は非常に少ない。昨年のアギト劇場版では、アリ型アンノウンが登場して場を盛り上げた。今年のヤゴからトンボへと変態していく大量のモンスターは、それにも勝るインパクトがあり非常に良かった。
□アギトキャラの出演
今回、特別ゲストとしてアギトで活躍した翔一、真魚、氷川さん、小沢さん、尾室君、北條さん、涼を演じた其々の方が登場している。翔一の役は遊園地の見送り(?)、真魚は客の一人として、G3メンバーはお好み焼き屋に、そして涼は浅倉と喧嘩をする役。
どの方も、非常に楽しませて頂いた。割と性格もアギトでの役とあっていて、ファンサービスとしては非常に嬉しい(敢えて違うとすれば涼の性格は少々違ったようだが)。
□衝撃のラスト
そして、衝撃のラストシーン。戦う事を了承した龍騎とナイトは、現実世界にまで現れたモンスターの大群へと突っ込んでいくのであった。
まるで、打ち切り漫画のような最終シーン。しかし、小生としては、このラストは非常に気持ちの良いものであった。ここを見た瞬間、もう映画の評価がずっと良くなった。それだけ強い印象を残していた。
□総評
番組放映中に最終回をやる、と言うことで非常に話題を呼んだ今作。流石は井上センセ、とも言うべき話だったと思う。王蛇の死に愕然としたものの、途中から謎を呼ぶ盛り上がり、そしてあのラスト。本当に素晴らしいと思う。この時期に最終回を公開したことが是か非かは分からないし、判断できる立場でもない。しかしそういった要素を無しとしても、本当に良い映画だったと思う。しつこい様であるが、あのラストに全ては集約されていた。本当に満足した作品である。
(02.08.21)
□冒頭
ダイノアースにて恐るべき二匹の青い爆竜とそれを封じた王女フリージアの伝説が語られています。
□ハナビキニキビーナス
今回ミケラが創造したのはトリノイドを上回るヘキサノイド。ヘキサノイドはその名の通り六種合成されているらしく、花火とビキニとニキビとビーと茄子とビーナスが合成されているそうです。最初名を聞いたとき、花火とビキニとニキビとビーナスしか名前には入ってないじゃん、と思ったのですがちゃんと全部入っているのですね。少々感心。また、劇場版だけあって電飾が体中につけられていてかなり豪華です。
□王女フリージア
王女フリージアが登場し凌駕と行動を共にしたため、また昨年のハリケン同様レッドと姫の話なのか、と残念に思いましたので、その意外な正体には驚かされると同時に、嬉しいものがありました。しかし凌駕がフリージアに対して呼び捨てだったのは違和感がありました。凌駕の性格からすれば、『フリージアさん』が妥当だと思うのですけどねぇ。
□次元の流れ者ガルヴィディ
前述したようにフリージアの正体がガルヴィディだと言う事にはかなり驚きましたが、このガルヴィディが格好良い。ピッコロの声のおかげもありますが、正統派悪役でかなり格好良いです。アバレモードに押された時は残念でしたが、スーパーダイノボンバーにやられなかったのは好印象。でも最期の止めを刺したのがレッドと言うのは少し嫌でした。
□爆竜トップゲイラー 爆竜ステゴスライドン
バクレイザー(ひいては青い二匹の爆竜)を狙って現れたアバレキラーでしたが、彼は途中で「暑苦しいのは好きじゃない 好きにしろ」とトップゲイラーに言い残し去っていきました。そこまでは良いのですが、トップゲイラー達はなぜかティラノ達に協力。これが納得行きません。ステゴはまだ分かりますが、そこでトップゲイラーが何故協力するのでしょうか。
・・・ふと思いました。カルノ達が伝説の最強爆竜等と謳われては、それ以前に登場し最強の爆竜と呼ばれたトップの立つ瀬がありません。もしかしたら、それこそがトップが共に戦った動機なのかもしれません。即ち、ライダーは俺一人で良いカルノ達がいなければ、或いはカルノ達を斃せば己が最強の爆竜であると言う何よりの証左になります。(八月二十八日追記)
□爆竜対爆竜
バクレイザーに惹かれる様に日本に上陸した伝説の爆竜カルノリュータス、爆竜カスモシールドン。そしてそれに抗戦するアバレンジャーの爆竜達。この戦闘は非常に見応えがありました。カルノリュータスは口から吹雪を吐いて攻撃をしていましたが、これが画面栄えしまして、非常に格好良かったです。唯残念だったのは、カルノリュータスとカスモシールドンが言葉を発さなかった事でしょうか。どの方が声を充てるのだろう、と期待していただけに残念です。
□バクレンオー
カルノとカスモが爆竜合体して誕生したのが、バクレンオーです。デザインの時点で格好良いのですが、その戦闘がそれに見合った格好良さ。非常に俊敏な動きでアバレンオーを翻弄しておりました。普段のダブルテイルソード&カスモシールドを装備した状態も格好よかったのですが、アバレンオーの左腕を切断、それを奪取したダブルドリルの姿もかなり格好よかったです。その状態での必殺技(名称失念)は非常に迫力に溢れ、素晴らしいものでした。
□爆竜大合体! キラーアバレンオー!!
アバレンオーとキラーオー(と言うかトップとステゴというか)が合体して誕生したキラーアバレンオーですが、この時の胆はその後のマルチコンバインでしょうか。バキケロ達が一瞬の内に入れ替わり立ち代りコンバインを行い、次々と攻撃を繰り出します。そして最期、ブラキオサウルスの長大な身体を滑り台上に利用し勢いをつけ、アバレンオーゲイラーでの必殺技『爆竜フライングドリルスピン』で決めます。これがこれまでの最強必殺技と呼ぶに相応しい良いものでした。
□総評
今回は何より、フリージアが実はガルヴィディが化けていた、と言うところが良かったです。これにより、単なるレッドと王女のロマンスに終わらなかった事が、個人的には非常に嬉しかったです。また、そのガルヴィディも前述したように非常に格好良い悪役で、かなり好印象でした。尺の都合上か、巨大戦はちとあっさりした感はありましたが、その限られた時間の中で見応えのあるものとなっていた気がします(少なくとも個人的には昨年より良かったです)。まぁ、欲を言えばキラーオーにも登場して欲しかった(今気付いたのですが、キラーオーが登場しなかったのはアバレキラーがいなかったからですね)ですし、もっともっとバクレンオーの凶悪なまでの強さを描いて欲しかったです。エンディングは昨年のものにこそ及びませんでしたが、充分に楽しめるものでした。特にエヴォリアンの連中やガルヴィディが面白かったです。一つ大きく残念な点は、名乗り口上でしょうか。ガオのときは名乗り文句を言う度に背後の島民が雄叫びを上げ、ハリケンの時は背後で派手な爆発が起こったのですが、今年はテレビシリーズと同じ演出でした。背後で物凄く大きな爆発がとても見たかったです。
毎年思っていることですが、矢張り一時間ぐらい戦隊にも欲しいですなぁ。どうしても三十分では精一杯詰め込んでも短いですし。来年以降そうなると良いなぁ、と願いつつ、了。
(03.08.23)
□そう遠くない未来、どこかの国、世界は人類の進化系“オルフェノク”によって支配されていた――
変な文章(ぉ) これではまるで世界がどこかの国の中にあるみたいではないですか。
□乾巧
今回巧は、時間軸上では映画で描かれるよりも前、ファイズとして戦い、一万人ものライオトルーパー部隊に敗れ、消息不明となったと言う所から始まります。無論巧は生きており、記憶を失い“隆”としてミナと共に靴屋を営んでおりました。しかし途中で記憶を取り戻し、真理達と合流、彼女達を助ける為に変身します。そしてオーガとの戦闘中、彼はオルフェノクへと変化します。これはかなり驚愕しました。ウルフオルフェノクとなりましたが、これがまた格好よく、俊敏さを生かした戦闘も良かったです。
□菊池啓太郎
第一印象として、彼はTVシリーズよりも逞しくなっていましたね。更に、一度きりとは言えカイザに変身し、オルフェノクを斃すという快挙まで成し遂げていました。既に雅人の本性を知っている為か、雅人への態度が素っ気無かったのも良かったです。普段の活躍を思えば、大活躍と言っても差し支えないのではないでしょうか。最後に巧に置いて行かれてしまったのは少々可哀想ではありますが。
□草加雅人
雅人はカイザへと変身しオルフェノクと戦っていますが、それは全て真理の為でした。周囲から反感を買うような横暴な態度をとっていますが、実際普通の人間何人分もの働きをしているのもまた事実の為、危ういものの認められているようです。そんな雅人ですが、カイザとしてサイガと戦い、変身が解けそのまま殺されてしまいます。合掌。
□木場勇治/ホースオルフェノク
勇治の変化するホースオルフェノクは、『激情態』なる新たな姿での登場でした。これが通常の姿よりも格段に格好よかったのが印象的でした。更に勇治は、オーガへと変身します。一度はスマートブレインの姦計に嵌まり人間とオルフェノクの共存と言う理想を捨て人間を見限った勇治ですが、巧と真理の姿に人間とオルフェノクの未来を見たのか、スマートブレインに騙されている事に気付いたのか、真相は理解りませんが真理を庇い絶命、巧に理想を託しました。
□長田結花/クレインオルフェノク
クレインオルフェノクもホース同様、『激情態』での登場でした。此方も非常に格好良かったです。更には現時点ではTVシリーズ未登場である、半獣人としての姿も披露しています。彼女も勇治と共に理想を信じていますが、エラスモテリウムオルフェノクの攻撃から直也を庇い死んでしまいます。死の直前直也が結花の事が好きだったと告白をするのですが、それに対し『知ってたわ』と余裕の態度。時間の流れを感じました。
□海堂直也/スネークオルフェノク
三人の中で彼のみ『激情態』が与えられずTVシリーズと同じ姿での登場でした。個人的には寧ろ彼こそパワーアップをして欲しかったのですが。更には半獣人形態も披露していませんでした。他の二人と扱いに差があるなぁ、と思いましたがこれがオリジナルとの差なのでしょうか。少々残念と言えば残念ですが、そのような設定があるのでしたら取り敢えず納得します。直也は結花の死を前にし、激昂、エラスモテリウムオルフェノクに勇ましく向かっていくも、巨大な牙に噛み砕かれてしまいました。
□村上峡児
村上社長は何故か首だけの姿で登場。これが如何にも悪の組織の首領、と言った趣で個人的には好印象でした。しかしそんな彼でさえも、度重なる失態の末、彼の更に上に存在する黒幕によって始末されてしまいました。他の面々が戦いの中での死んだ(ある意味、死ぬかもしれないと言う覚悟や考慮が既にされている)のに対し、彼だけは予測のつかない突然の死、可哀想なものがありました。
□仮面ライダーファイズアクセルフォーム 仮面ライダーファイズブラスターフォーム
本作でアクセルフォームの活躍は二度。一度目はライオトルーパーとの戦闘で、凄まじい速さで連続して十数発のクリムゾンスマッシュを放ちました。二度目は飛行するサイガを追撃、壁に天井にと駆け抜けフライングアタッカーにダメージを与え飛行不能にしています。どちらもアクセルフォームならではの演出、スピード感で非常に格好よかったです。
ブラスターフォームは初めて披露される新フォームです。ですが個人的にはあまり格好良くないと思います。『PFF(フォトン・フィールド・フローター)ユニット』や『ファイズブラスター』は格好良いのですが、如何せん基本デザインが。正直アクセルフォームの方が数倍格好良いと思います。唯、スーツそのものにフォトンブラッドを蓄積していて、全身が赤くなっている、と言う設定は良いと思いますし見た目の説得力もあると思いますけどね。
□オートバジン サイドバッシャー
巧が記憶を取り戻しファイズへと変身すると、心なしか嬉しそうにオートバジンも現れます。オートバジンも巧が帰ってきて嬉しいのだなぁ、と感慨に耽っていたのですが、巧がすぐにとった行動はビークルモードへと戻してしまう事。それはあんまりですよ(哀) エラスモテリウムオルフェノクとの戦闘にはオートバジンも参戦、空中からの射撃で奮闘するのですが無念、破壊されてしまいます。しかしファイズは全く意に介しません。酷い扱いでした。少しはバトルホッパーを破壊された時の光太郎さんを見習って欲しいと思います。
サイドバッシャーはカイザがサイガと戦闘を行う際バトルモードへと変形させておりました。また、雅人の死後、矢張りサイガ戦で直也も使用しています。どちらも大活躍とは言い難いのですが、そこそこの扱いがされていて良かったです。あと、ライオトルーパー部隊がファイズを包囲した際、崖の上に二、三機サイドバッシャーもあったような・・・
□ライオトルーパー
量産型ライダーと言う役割を担っているライオトルーパーですが、そのデザインは独特の弱さが漂っていて非常に素晴らしいと思います。回想シーンにてジャイロアタッカーを駆り、一斉にファイズに襲い来る場面はショッカーライダー部隊、或いはショッカーバイク部隊を彷彿としました。
□仮面ライダーサイガ
“帝王のベルト”の一つである天のベルトで、レオが変身したライダーです。スペック自体ファイズやカイザを上回るようで、非常に強い活躍をしていました。何と言ってもサイガの特徴はマルチウェポン『フライングアタッカー』でしょうか。ファイズやカイザと異なりツールはこれしか所有していないのですが、ところがどっこい、これ一つで十二分に思える多機能ツールでした。先ず空を飛びます。それによりパンチ技『スカイインパクト』や、キック技『コバルトスマッシュ』を特定のツールを使用することなく発動できるらしいです(残念ながら双方とも劇中未登場ですが)。更にフライングアタッカーは『ブースターライフルモード』、『トンファーエッジモード』としても使用できます。前者は強力な射撃武器として、後者はファイズエッジに相当する接近戦用の武器として活躍します。この様を見るに、ファイズやカイザと違いより兵器然としたライダーと言った印象を受けます。
□仮面ライダーオーガ
“帝王のベルト”の一つである地のベルトで、勇治の変身した最強のライダー。その設定や、漆黒の闇で彩られたボディ、風に靡くマント、金色のフォトンブラッドはかなりミオさん好みです。ツールが一つしか存在せず、その活躍も十二分に満足できるもので無かったのは若干不満です。TVシリーズにも登場してくれるとありがたいのですが、無いでしょうなぁ。
□エラスモテリウムオルフェノク他
CFでも多大なるインパクトを誇っている巨大なオルフェノク、それがエラスモテリウムオルフェノクです。人間の心を無くしている為、激情態を常に維持しているそうですが、今一つその意味が分からなかったり。別段勇治も結花も通常のボディに戻る描写は無かったと思いますが、もしかして人間の姿に戻らない、と言う意味なのでしょうか。そうでしたら合点は行くのですが。しかしまさかラスボスとは思わなんだ。
ライオトルーパー部隊長が変化したライオンオルフェノクは、そのモティーフの選択と相俟って実に格好よかったですね。啓太郎の変身したカイザに敗れてしまった事自体は構いませんが、もう少し活躍して欲しかったなぁ、とは思います。胸の口から吐かれる三千度の高熱火炎はとても見てみたかったです。
バタフライオルフェノクは、正直蝶と言うよりザインを思い出します。と言うかそっくりじゃありません? しかし多くの種類のオルフェノクが登場したのは単純に嬉しかったですね。『アギト』、『龍騎』では同一種類の怪人が多数登場した(それはそれで、戦闘員の登場しなくなった昨今に於いては非常に嬉しいのですが)だけでしたから。
□スマートレディ スマートブレイン社の黒幕
ある意味今回一番美味しい思いをしたのは、スマートレディではないでしょうか。冒頭のスマートブレイン襲撃のシーンでは、堂々と現れオルフェノクに庇われています。その後も色々やりたい放題した挙句、村上社長より更に上の存在からの指示も受けているようで、村上社用を死に追いやります。最後まで謎の存在でした。
映画を鑑賞し終え、スタッフクレジットを見ていると、納谷悟朗、飯塚昭三、加藤清三と見慣れた文字が。正直見ている時は誰の事か気付かなかったのですが、黒幕がそうだったのですね。そう考えると大首領と言った感じで実にマッチしていたと思います。あと『アギト』の河野さん、『龍騎』の編集長、おばさんも出ていたのですね。おばさんは気付いたのですが、他の二人は気付きませんでした。
□総評
今回も文句無しに面白い映画だったと思います。唯、レギュラーキャラも多く死んでしまったのは残念でした。昨年の場合は最初から『最終回』と謳われていた為に気になりませんが、このようなのが二年も続いてしまうは個人的には好みではありません。『アギト』の様な極々オーソドックスで最後にはハッピーエンドで終わる安心して見れる作品が観たかったのもまた事実です(今作が面白かったと言うのは変わらない事実なのですが)。それとオーガにサイガ、エラスモテリウムオルフェノクにライオトルーパーと素晴らしい要素が沢山あったのは嬉しいですが、その為一つ一つがあっさり気味だったのも残念です。オーガやサイガは是非ともTVシリーズでも見たいキャラですからねぇ。いや、しつこいようですけど、凄く面白かったのですよ。もしかしたら平成ライダーの映画では一番好きかも知れません(尤も、それは単に一番最近見ただけで強く印象に残っているだけ、と言う可能性も無きにしも非ずですが)。
(03.08.23)
□レスリー星
異星人の姿が地球人に似ていると言うのは好きではありません。偶にならともかくデカレンジャーでは比較的多いのですから、この星も地球人とは似ても似つかぬ姿にして欲しかったです。冒頭で住人が機械奴隷に変えられた時は珍しく残酷でシリアスな展開と思ったものですが、ワクチンさえあれば元に戻れるのですね。
□名乗り口上
満足と呼べるほどのものでは到底ありませんが、名乗った時に背後でちゃんと爆発があったのは嬉しかったです。
□姶良鉄幹/デカブレイク
ガスドリンカーズの三人を相手に苦戦するデカレンジャーですが、そこへ駆けつけたデカブレイクが持ち技を全て披露し相手を撃退します。その後、ヌマ・O直接の命令を受けレスリー星へ向かいます。五人を上回る戦闘力を発揮し、五人とは別に独自の行動をとると言う、まさに願っていた通りの活躍です。しかしロボ戦以外の活躍がそれで終了と言うのはとても残念でした。破壊された怪重機から辛くも脱出した敵の前に立ちはだかり、密かにデリートするとかして欲しかったです。パンフで鉄幹役の方が仰っている、「今回の敵は結局、テツがいなかったから倒せなかったということで・・・・・・」と言うのには大いに同意します。
□マリー=ゴールド/デカゴールド
バンが恋焦がれるだけの役割と思いましたら、実はレスリー星のスペシャルポリスと言うのは良かったです。しかも一瞬しか確認できませんでしたが変身した姿はゴールドに見えました。戦隊で待ち望んだゴールドがこんな形で叶うと言うのは、喜んで良いのか哀しむべきなのか微妙です。
□デカブルーVSウインスキー&バーツロイド
ウインスキーの攻撃に苦戦しつつもマシンハスキーを利用して逆転と言う実に良い流れでした。初めて活躍したハスキーや派手な爆発を繰り返したバーツロイドの操縦する車とか見所に溢れています。
□デカイエロー&デカピンクVSジーン
特筆すべき点はありませんが普通に見れる戦闘です。イエローとピンクのコンビは良かったです。
□デカグリーンVSブランデル
跳躍と言う上下の動きを多用していて良かったです。この作品の戦闘は、戦隊らしい動きをすべて詰め込んだ感じて非常に見応えがありました。
□デカマスターVSイーガロイド×3
ヘリからレッドを援護したのは格好よかったですが、大きく実力が劣る筈のレッドが強敵の方へ行き、デカマスターは余りの相手に留まったのが残念でなりません。その戦闘も物足りませんでしたし、ドギーの変身シーンもありませんでしたし、総じて不満が残ります。デカブレイクとデカマスターの最強タッグとかも見てみたかった気がします。余談になりますがヘリコプターを見ると、エホンボーマを追いかけた洋平を思い出して嬉しい限りです。
□デカレッドVSヴォルガー
これまでで最強の相手と言う割にはレッド一人で斃してしまってとても不満です。五人のコンビネーションも見れませんでしたし、この敵は五人が協力して戦った方が良かったのではないでしょうか。バンが好きでないので辛口(死) あとバンはセンに謝れ。<マリーの裏切り
□ガスドリンカーズ
一人くらい別の星人がいてもそれはそれで面白いかな、と思いますがそれはさておき、アルゴル星人の犯罪一味と言うのはとても良いですね。しかし最大最悪の敵と言う割にはあまり強くなかったのが残念です。ガスドリンカー図と言うチーム名やメンバーの名前はお酒からとっているのでしょうが、ヴォルガーだけ語源が理解りません。
個別に見ていきますと、リーダーのヴォルガーが失敗した仲間を殴ると言うありがちなところはあまり好きになれませんでした。パンフを見て知ったのですが、変身前は貴公子ジュニアの方が演じていたのですね。
□ブラストバギー、デカレンジャーロボフルブラストカスタム
クライマックスのロボ戦は満足できる戦闘でした。これは登場させるロボを一体に絞った事が功を奏したのでしょうね。ブラストバギーと合体したフルブラストカスタムはとても格好良かったです。特に巨大なシールドのギミックが良いですね。フルブラストランチャーを撃つ必殺形態は陸戦型ガンダムを思い出しました。
そういえば昨年は劇場オリジナルがロボット一体になるほどでしたが、流石に今年はエスカレートせず小さくなりましたね。とは言え完全新規と言うのは初めてでしょうか(それともTVシリーズへの登場予定があるのかしら?)。
□エンディングテーマ
あの歌は良いと思いますが、やっぱり「銀幕の前のお友達も一緒に唄おう!」の方がお祭り気分が出ていて盛り上がると思います。スタッフロールを見ていてフラビーとウェンディーが友情出演していると知り驚きました。全く気付きませんでしたなぁ。パンフレットで確認しますと地球で暮らすエイリアンとして登場したそうで、設定から考えて非常に納得できる理想的な登場だと思います。
□総評
今年も相変わらず五人が均等に扱われず、レッドがメインの話になった事には大いに不満がありますが、その他は概ね満足です。其其のメンバーが敵と戦った時は差別化が図られており飽きずにすみました。唯、戦闘に於ける五人のコンビネーションと言う点では足りませんでした。
今年の上映時間は三十九分との事で、オーレンジャー以来の快挙ですな。尤も、当時とはTVシリーズの時間も違うので純粋に二倍と言う事にはならないのですが、上映時間については以前から短く思っていましたので素直に歓迎したいです。
(04.09.14)
□ブレイドVSジョーカー
豪雨の中最後の激闘を繰り広げるブレイドとジョーカー。封印の為にブレイドがカードを投げた時は、斃したくないのに封印しなければならない一真の苦悩が伝わって来て良かったです。この戦闘はクライマックスに来るものとばかり思っていましたので、始まっていきなりだったのは驚きました。TVシリーズのラストがこれなのでしょうか。
□白井虎太郎
成り上がりと言うか典型的なタイプですな。恐らく二冊目は出しても売れないでしょうか。一真が「お前、暫く会わない内に嫌な奴になったなぁ」とストレートな感想を漏らしたのが笑えました。でもその後の行動を見ていると本質的には変わっていないと思います。
□上城睦月/仮面ライダーレンゲル
何だかうじうじしています。今と同じですな。虎太郎が「暫く会わない内に嫌な奴になったなぁ」と評していましたが、いいえ、彼は以前からこうです(ぉ) もっと成長した所を見せて欲しかったです。レンゲルとしては特に目立った活躍はありませんでしたが、始を復活させる為にブレイドが投げたジョーカーのカードへリモートを発動させると言うコンビプレイは格好良かったです。
□アンデッドVS新世代ライダー
触手で車を絡め取り大暴れするスキッドアンデッドの活躍は見事なものでした。そしてそんな大量のアンデッドを薙ぎ倒す新世代ライダーの活躍も素晴らしいです。多くのアンデッドの中には上級アンデッドもチラホラ見られましたが、どれも扱いが悪かったのは残念な所。或いは、新世代ライダーの戦闘力がずば抜けて高いのかもしれませんが。またスペードのカテゴリーA――ビートルアンデッド――が登場しましたが、一真と会っても会話の一つすら無かったのは残念です。仮面ライダーと言うのは人間とカテゴリーAの融合、言わば変身する人間とカテゴリーAは一心同体となるわけで、良しにつけ悪しきに付け思う所があると思うのですがねぇ。久々にアンデッド語が発せられたのは嬉しかったです。
劇場版で初めてお目見えしたのはビートル、ギラファ、リザード、スキッドの四種。TVシリーズへの流用が前提(ですよね?)だからと言うのは分かっていますが、それでも豪華に感じられて嬉しいです。どれも格好良かったです。アンデッドではタランチュラアンデッドも登場しましたが、嶋さんとしての登場が無くその意思すら感じられないのが残念でした。尤も、それがあるとストーリーは更にややこしくなり、尺が足りなくなってしまうでしょうが。念願だった劇場版での再生アンデッド軍団が登場した事には感慨深いものがあります。
□烏丸所長
四年前に全てのアンデッドを永遠に封印しようとして、もう一人のジョーカーの攻撃を受けて命を落とした。と言う事で出番は短かったですねぇ。
□橘朔也/仮面ライダーギャレン
この人はよく理解りませんねぇ。当初は変わった様に思えたのですが、一真や睦月の事は信頼しているようですし。烏丸所長の様な役割になるのかと思いましたが、それにもなりきれていませんでしたし、何とも微妙でした。唯、純一が「チーフ! 僕達だけでは手におえません! 来て下さい!」と呼びに来た時は頼られていると言う感じが出ていてとても良かったです(鑑賞している時は状況が状況でしたから素直にそうは思えませんでしたが)。天音に迫った時は凄く雰囲気が出ていましたが、結局あれは素の状態なのでしょうかねぇ。そういえば結局ギャレンにはキングフォームが無いのですねぇ。四年の間に何らかの事情で変身出来なくなったと言う事で、TVシリーズでは出てくれると嬉しいのですが無理でしょうかねぇ。
□栗原天音
不良になっていました。こんなのに警備員が翻弄されたのが情けないです。こういう莫迦は五、六十発殴って修正すればいいのです。宣伝でアンデッドに襲われるシーンがありましたし、慎や夏美の件もあるのでもしかして死んでしまうのかとも思ってしまいました。
□ブレイドVSグレイブVSアンデッド
ブレイドとグレイブの互角の勝負から、乱入してきたアンデッドを相手に流れる様に共闘を見せる場面は短いながらも非常にいいものでした。あの共闘場面は全体の中でも好きな戦闘の一つです。ダイヤのカテゴリーK――ギラファアンデッド――が封印される間際に発した声は凄く情けなかったです。あー、よく考えたらグレイブの正体はアルビノジョーカーだったわけで、それに気付いていたのですかねぇ。そう考えると合点がいきます。
□志村純一/仮面ライダーグレイブ
序盤で募金箱を奪った時は何をするのだ、と思いましたが凄く良い人ですなぁ。良くやった、感動した。三人のリーダー的な存在ですが、その中でもどちらかと言えば旧世代ライダーを蔑ろにしていないと思います。実際、尊敬はしているようですし、一真や睦月が戦えない事を考えれば正常な判断です。純一もグレイブも非常に魅力的なキャラクタですので、何らかの形でTVシリーズへも登場して欲しいですね。
ランスとラルクは基本的に単なる色違いなのですが、グレイブだけはより強力そうなデザインで格好良いです。武器はブレイラウザーの基本を受け継いだのでしょうね。昨年のオーガの様に作品で一番好きなライダーになるかな、と思っていたのですがそこまではいきませんでした。新世代ライダーは能力からしても旧世代ライダーを大きく上回ると言う訳ではありませんし、ブレイドとレンゲルが使えないからその代替品でしかないのですね。後述するように何のカードを使用したのかさえ理解らない、と思ったのですがパンフによればそもそも戦闘システムが旧世代ライダーとは一線を画した存在なのですね。その為カードはマイティ一種のみと言う事ですか。必殺剣技『グラビティスラッシュ』は格好良かったのですが、キックも見たかったと言うのが本当の所です。また新世代ライダーは三人とも専用バイクが与えられていないのも残念です。三人共通で構いませんので、特殊なバイクに登場して欲しかったです(ブラックファングとかに乗っていればなぁ)。それで旧世代ライダーとのバイクチェイスが見たかったです。
□禍木慎/仮面ライダーランス
これまで戦って来たのは自分たちなのに、後からのこのことやってきた旧世代ライダーが許せない慎。クラブのカテゴリーK――タランチュラアンデッド――を封印して喜んだのも束の間、何者かに殺害されてしまいました。まさかメインキャラで死者が出るとは思っていませんでしたヨ。慎は好きではありませんでしたが、とても可哀想でした。
新世代ライダーの変身システムは共通してレンゲルが基になっているようですが、ランスは武器もレンゲルラウザーを参考にしているようですね。長大な武器を巧みに振り回してアンデッドを薙ぎ倒す様は格好良かったです。必殺技の『インパクトスタッブ』ですが、正直どの様な技だったのか覚えていません(汗) 大体予想はつきますが。
□三輪夏美/仮面ライダーラルク
慎が最後に封印したカードを奪い、純一が所持していたカテゴリーKも盗みましたが、慎と同様暗殺されてしまいました。力に溺れ、力を追い求め、死にました。慎と彼女は『ニュージェネレーション』で純一の誘いを断っているのですが、それからライダーになるまでに何があったのか気になります。
ラルクの武器は他の二人と異なりこれまでに無いボーガンでした。強いて言えばカリスアローとギャレンラウザーの折衷案でしょうか。必殺技『レイバレット』は複数の標的を同時に攻撃していたのが印象的でした。
□アルビノジョーカー
実は純一がもう一人のジョーカー――アルビノジョーカー――だったと言う展開には大変驚かされました。見込みのある青年だと思っていましたのに。しかしこうなると橘さんと純一の邂逅が見てみたいですね。純一はジョーカーや天音に近付く為に現れたのでしょうが、橘さんはどうして純一を選んだのでしょうか。TVスペシャルとかでそれをやるのはどう? アンデッドとしてはジョーカーを強力な攻撃で打ちのめしましたが、活躍はやや足りない感があります。上記の活躍に加え、ブレイド、ギャレン、レンゲルの三人と激しい戦闘を行い、敗走して超古代の能力を手に入れると言う展開が良かったです。それにしても、彼は14の能力を手に入れてどうするつもりだったのでしょうか。そのままでもアンデッドの中で最強と言って差し支えない戦闘力を備えているでしょうし、目的が今一つ理解りません(この手の疑問は禁句なのかも知れませんが、何故か今回だけは気になってしまいました)。穿ち過ぎ、と言うか妄想の域を出ていないのですが、募金をした心優しい姿が本性で、14の能力で恵まれない子供を救うとか、世界中の洗濯物が真っ白になる様にとかでしたら良いなと思います。どうでも良いのですが、ジョーカー同士は互いの事を何と呼んでいるのでしょうね(何)
□アルビローチ
毎年恒例の戦闘員的な存在ですが、何の説明も無く徘徊しておりましたので何なのか理解りませんでした。当初は何らかのアンデッドが特殊能力で分身を作り出したのかとも思いました(色が白いのは能力的に劣る証とか)が、アルビノジョーカーの手下だったのですね。この名前はゴキブリがモティーフと言う事でしょうか。アントロードに並び戦闘員に相応しい選択だと思います。つかゴキブリとは盲点でしたな。確かにぴったりです。TVシリーズでも使い方が巧いと思うオリハルコンエレメントですが、複数のアルビローチを纏めて吹き飛ばしたのも良かったですな。
□14
超巨大な怪物と化したジョーカーですが、その暴れ回るシーンは最高の迫力でした。初見時はアンデッドらしからぬデザインですし、アンデッドとは別の敵なのかとも考えましたが、実際に見ると全く気になりません。爆発の連続や逃げ回るギャレンとレンゲル、もう本当に素晴らしいです。一つ慾を言えば、敵わないにせよ一度ぐらいギャレンとレンゲルが攻撃を仕掛けて欲しかったと思います。そうする事で余計に敵の強大さが分かると思います。十三のカテゴリーで分けられるアンデッドを上回る存在、14と言うネーミングは巧いですね。バトルファイトの勝利者に与えられる巨大邪神だそうですが、一万年前はヒューマンアンデッドがこれを手にしたの? しかしキングダークやネオショッカー大首領と比べると時代の差を感じずにいられませんな。小生、特撮ヒーロー番組やアニメではCGが嫌いなのですがこればかりは14の方が好きです。余談ですがパンフの解説に誤植があり、『バトルロファイト』とバトルロイヤルなのかバトルファイトなのか分からなくなっています。
□相川始/仮面ライダーカリス
古代の能力を手に入れたもう一人のジョーカーを斃す為、自ら犠牲になった始。最初からそう言えば一真がそれを許さないのを分かっていて、先ずは一真に死を促す。最初はいきなり何を言っているのだ、と思いましたが真意が分かった時は感動しました。そして一度封印した友を、また殺さねばならない一真の苦しみ。この場面は本当に良かったです。一番の見せ場ですね。
□仮面ライダーブレイドキングフォーム
相手の力が弱まったので、三人揃って攻撃を仕掛けるライダー達。この時ジャックフォームへと変身して空を飛ぶ二人に対して、フロートの能力で飛ぶレンゲルが少々笑えました。しかし弱まったとは言え全く敵わない。そこでブレイドがラウズアブソーバーにカードを挿入、『エヴォリューションキング』という機械音声が響きキングフォームへと変身を遂げます。所持する全てのカードが全身に宿ったその姿は格好良いなんてものではありませんでした。最高です。武器も大剣となり、それにカードを挿入して強大な敵を一刀両断しました。宣伝で見た時から格好良いと思ってはいましたが、実際に見てもその期待は裏切られる事がありませんでした。しかし唯一の不満を言うなれば、ジャックフォームではあった羽根が無くなった事でしょうか。あの羽根は気に入っていましたのでそこだけは残念です。
□エンディング
新OPが流れていましたがスタッフロールを見るのに必死で、映像の方を全然見れていませんでした。凄く勿体無い事をしてしまった気分です。他にもパンフを眺めていますと見逃したり、気付かなかった場面が散見していて残念です。
□総評
本当に凄く楽しめました。格好よく魅せるべき点、笑わせる点、感動させる点、謎解きの点、それら全てを巧く抑えていて非常に高評価です。エンディングが流れた時の満足感も大きいです。しかし僅かとは言え不満も存在します。その一つはライダーについてです。全編息もつかせぬバトルの連続を堪能できるのですが、個個のライダーの活躍がゆっくり拝めませんでした。新世代ライダーに関しては何のカードを使用したのかさえ理解りませんでした。スピード感が削がれるのを承知の上で、一度ずつでいいので必殺技をじっくりと見せて欲しかったです。それでも凄く面白い作品だと言うのは変わりませんがね。
定番の前作出演者による友情出演ですが、今年は勇治や直也、村上社長が出ていたそうです。残念ながら私はスタッフロールを見るまで全く気付きませんでした。昨年までは全員ではないにせよちゃんと気付いていただけに、一人も気付けなかったのが悔やまれます。
(04.09.14)
□ポスターイラスト
映画本編とは関係ありませんが本作のポスターイラストは好きではありません。歴代作品のイラストはどれもが格好良かったのです(G×MG、GMMGは好みでありませんでしたが)が、今回に関しては余り良いとは思えませんでした。記念碑的作品となるのですから歴代で一番格好良いと思えるイラストが良かったです。ゴジラ単独のイラストはゴジラが本編以上に格好良いと思いますが、他の怪獣が映っていてそれぐらい格好良いのが見たかったです。
□冒頭
これまでのゴジラの映像がインサートされますが、それはつまりこの作品は昭和シリーズもVSシリーズもミレニアムシリーズも、全て存在した世界と言う事なのでしょうか。そうだとすれば凄く嬉しく思います。ゲゾラとかも映りましたね。東京SOSにはカメーバが出演しましたから、これで残るはガニメだけですな。
□マンダVS新・轟天号
マンダのデザインは格好良くなりましたがCGでくねくね動いていて萎えます。しかしいきなりのこの戦闘で一気に画面に引き込まれました。マンダが呆気無くやられてしまったのは残念です。宿敵との再戦が叶った形となりましたが、ここで終わらず高速道路に巻き付いて欲しかったです。今作のマンダは単なる締め上げに『バインディング・ブリーカー』と大層な名前がついておりますな。
□ゴードン大佐
この人が非常に格好良いです。マンダとの戦闘も良いですし、その後もとにかく格好良い。「尾崎、お前中中用意が良いじゃないか」は笑えました。日本刀を武器にした戦闘が少なめなのは意外でしたが、かなり格好良かったです。二人の親衛隊員との戦闘を終えて、数十人のX星人と戦った仲間に向かって「先に行けと言ったろう」と何事も無く言い放つ姿も良いです。時に、音無杏奈と何時の間に恋仲になったのでしょうか。それとも以前からの知り合い?
□ミュータントとM機関
ミュータントの設定は嫌いではありませんが、それだけで一本作品が作れるだけのものです(X−メンとかがそれですな)ので余計な気がしました。しかし見ている内にそんな事は気にならなくなりました。
□風間勝範
ケイン・コスギの日本語はたどたどしいですな。日本で有名になってからそれなりに時が経過しているのですから、もっと流暢に喋ると思っていました。考えてみればカクレンジャーから丁度十年なのですなぁ。後半風間は、X星人母船に張り巡らされているバリアを突破する為、ドッグファイターで特攻します。正直これを見た時は安直な手に逃げてしまったなぁ、と感じました。別に文句はありませんが。
□モスラ
ミレニアムシリーズでは唯一二度登場し、平成三部作という単独シリーズも存在と言う非常に恵まれているモスラですが、今作でも登場します。今回のモスラはGMMGに登場したモスラをそのまま利用しているそうですが、同作のモスラは気に入っていましたので嬉しいです。翼長が216mと言うのは初代の次に巨大ですかね? 主要武器は火の鳥状態攻撃(鳥じゃないぢゃん)『ファイヤー・ヒート・アタック』に、翼ラリアット攻撃『ボンバー・ラリアット』です。単なる翼チョップに立派な名がと思いましたが、考えてみれば旧作でもダイナマイト・キッス攻撃だの疾風砂塵攻撃だの名前がありましたな。
一万二千年前にX星人の尖兵として出現われたガイガン、阻止せんと戦うもモスラは敗れ、ガイガンは破壊の限りを尽くしました。その記録が壁画として残っていますが、それはモスラとバトラの壁画にそっくりです。モスラは忙しいですね。
□ラドン
新しいデザインを見た時は凄く判断に困りました。格好良いとも悪いとも思えないのです。昭和ラドンの格好良さも平成ラドンの格好良さも持ち合わせていませんが、格好悪いと言うわけでもありません。しかし見慣れてくると何がと言う訳でもありませんが好印象へと変化しました。それに中に人間が入る着ぐるみに戻っただけでも嬉しいですよね。しかしファイヤーラドンのアイデンティティでもある赤い体色は使って欲しく無かったです。主要武器の『超音速衝撃粉砕破』はこれまでで言えば単なる
飛行する場面の多くがCGなのが嫌ですが、月を背景に摩天楼に降り立つ場面は格好良かったですね。火龍とはアンギラスではなくラドンが戦うべきだと思うのですが如何でしょうか。私の中でラドンはゴジラの仲間と言う印象ですので、最後には洗脳から解き放たれ最終決戦に参加して欲しかったと思います。
□「死ねぇ、死ねぇ!! この鈍間な亀め〜!」
あー、ガメラ?(ぇ)
□アンギラス
嗚呼、アンギラス。復活の待ち望まれたアンギラス。にせゴジラに顎を割かれて銀幕から姿を消したアンギラス。ラドンですら復活したのに復活できなかったアンギラス。モゲラすら復活したのに復活できなかったアンギラス。『ゴジラ2002
バラン・バラゴン・アンギラス大怪獣総攻撃』が実現しなかったアンギラス。黄金氷結怪獣になり損ねたアンギラス。ゴジラに殺された死体の役をカメーバに盗られたアンギラス。でもその役は盗られても良いやアンギラス。
そんなアンギラスがとうとう復活する運びとなりました。こんなに嬉しい事はありません。新しいデザインはあまり格好良くありませんが、そんな事は些細な問題です。しかも噛み付きと背中の刺を利用した体当たりしか技の無かった彼に、『
先ずは上海に現れたアンギラスですが、上海の住人は香港と違いちゃんと怪獣から逃げていますね(笑) 暴龍に相応しい中中の暴れっぷりですが、多くの場面で球状になっていたのが残念です。悪くは無いのですがもう少しそのままの状態を見せて欲しかったと思います。それと一番残念だったのは、ラドンと同様にゴジラに敗退して終了してしまった事です。ゴジラとアンギラスのタッグがまた見れると思っていたので、それが無いのは本当に残念です。しかしアンギラスとゴジラの戦いはゴジラ対メカゴジラ、本物のゴジラとの戦いはゴジラの逆襲以来ですね。
□キングシーサー
体当たり『タックルブレイク』と『フライングシーサー・アタック』を身につけ、沖縄の地を蹂躙するキングシーサー。沖縄の守り神の筈が沖縄を破壊していますが、脚本上では村人A「シーサー様、おやめくだされ」、村人B「いったいどうなされたんじゃ、シーサー様」と言う台詞が存在したそうです。それだけでもキングシーサーの設定を感じさせる事が出来ますので、カットされてしまったのがとても残念ですね。また個人的には、敵のビームを右目で受け左目から十倍で跳ね返す『プリズム眼』が無くなってしまったのも悔やまれます。防衛軍の戦闘機かX星人のUFO相手で良いので是非とも披露して欲しかったです。
□カマキラス
右と左の鎌が一緒になってしまいましたが、右と左で異なるのがカマキラスの特徴の一つだっただけに、それが失われてしまったのは残念に思います。ご多分に漏れず、単なるカマ攻撃に『ハーケン・クラッシュ』と言う格好良い名前がつけられていますね。
マンダやラドンほどではありませんが、カマキラスもCGが使用されていたのが哀しいです。カマキラスは操演でこそ輝くと言うものです。ですがパリの上空でエクレールに纏わりつき、そこにミサイルの直撃を受けても無事な姿は格好良かったです。
□クモンガ
糸を網状に展開して対象を捕縛する『強縛デスクロス・ネット』なる新技を引っさげての登場です。本編を見ている時は無くなってしまったかと思った『毒針』も残っているようで安心しました。唯個人的には、モスラ幼虫が登場しておらず唯一の糸を吐く怪獣なのですから、従来通りの糸も吐いて欲しかったと思います。
アリゾナで具体的にどんな活躍をしたのかは覚えていませんが、彼の地が良く似合っていましたね。
□ジラ
ゴジラとして作った筈なのに改称されてしまいましたね。主要武器の『ハイジャンプキック』を利用したかはさておき、シドニーを蹂躙していました。
□ミニラ
嘗て二代目ゴジラにも似ていないと思ったものですが、現在のゴジラとは益益似ていませんな。それでもゴジラの子供だそうです。
人間大で登場したミニラですが、どうせなら『オール怪獣大進撃』のように日本語を話して欲しかったです。
□エビラ
カマキラスと違い、エビラはちゃんと右と左の鋏が別になっているのが嬉しかったです。パンフレットを見るまで気付きませんでしたが(ぉ
東海コンビナートで暴れるもミュータント部隊にやられ、「悪いな、蝦は嫌いなんだ」と言い捨てられてしまうエビラですが、迫力があって良かったです。しかしエビラには矢張り海が似合いますな。
□「力だけに頼った支配は、それより強い力に滅ぼされる事になる」
至極尤もな理屈ですが、悪役の台詞ではありませんな。これを述べた司令官は参謀の裏切りにより殺されてしまいますが、それが意外に早くて驚きました。もう少し引っ張ると思っていました。
□X星人参謀/統制官
とにかく最高です。怪獣がやられた時のオーバーなリアクションが爆笑物でしたね。本当に素晴らしい。しかしソフビも発売されているX星人の真の姿は、死んだ時のみの登場でした。仮の姿が気に入っていると言う参謀はともかく、他の星人は戦闘時に真の姿で戦っても良かったのでは、と思います。素朴な疑問なのですが何故X星人だったのでしょうね。初めて登場した宇宙人だからでしょうか? それとも鉱物とかゴキブリとか猿では格好がつかないからでしょうか。
□妖星ゴラス
地球人を騙すためにX星人の作り出した
□ガイガン/ガイガンII
統制官「ガイガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!! 起動ォォォォォォォォ!!!!」
何て燃える台詞でしょう。凄く格好良いです。
格好いいけれどももう少しアレンジを抑え気味でも良かったのでは、と言う第一印象でしたが、映画を見る少し前から一変。とにかく格好良いその姿には痺れました。時に、強化された姿は何と言うのでしょうか。II、改造ガイガン、パワーアップ・バージョン等様様な表記を見かけました。腹部回転ノコ『ブラデッド・カッター』と両腕鉤爪『ブラッディ・トリガー』を震わせ、『拡散光線ギガリューム・クラスター』で全てを破壊します。改造後は両腕チェーンソー『ブラッディ・チェーンソー』が更に凶悪です。頭部を吹き飛ばされた怪獣が改造、強化されIIを名乗る、それならレーザー発射装置を第二の頭部として組み込んで欲しかったですな(笑)
□「つまりこういう事ですか。これから態態敵の中を南極まで行ってゴジラを起こして、連れて戻って怪獣たちと戦わせておいて、その間に我々は、方法はまだわからないがとにかくX星人を全滅させて、それからもう一回南極まで行ってまたゴジラを閉じ込めると?」
この台詞は良いですな。方法はまだわからないがと言うところが如何に無茶かを物語っていますし、それを知ってついて行くと言う小室の発言が好きです。この後か前か忘れましたが、「この作戦を、オペレーションファイナルウォーズとする!」も好きです。それと新・轟天号が起動したのを見届けた熊坂の勝ち誇った態度も好きです。
□ゴジラ
顔はハンサムです。今作では久方ぶりにサイズが100m級になったのですね。しかし同様のサイズである四代目に比して、体重が五千トンも軽くなっており、外見どおりスマートだと言う事が感じられます。主要武器では従来の『放射熱線』に加え、『ハイパースパイラル熱線』、『バーニングGスパーク熱線』があります。ハイパースパイラル熱線は何処が違うのか理解らなかったのです(四代目の『バーンスパイラル熱線』を連想させる名前です)が、バーニングGスパーク熱戦は赤いですね。止めの一撃が赤いと言うのはVSシリーズ世代としては嬉しいものがあります。パンフの紹介文では二代目が三、四代目と同一のものとも取れそうな点が気になりました。飽く迄映画に復活したと言う意味なのでしょうが、誤解を招きそうな感じです。
□ゴジラ×ガイガン
南極で眠りについていたゴジラがミサイルを受け復活(南極基地の防衛軍兵士が可哀想でしたな)、ガイガンと対峙します。ガイガンのチェーンを簡単に引きちぎり、熱線の強烈な一撃で頭部を吹き飛ばす!
統制官「Noooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!! 何だあの怪獣はっ!?」
最高です。この台詞を聞いた時は実に爽快でした。てか、ここでも統制官の演技が光っています。またゴジラが轟天号との戦いの続きをやっている気分と言うのが生物らしくて良かったです。
□ゴジラ×ジラ
ゴジラを倒すべくX星人の送り込んだ最初の刺客。突っ込んでいくも尻尾で呆気無く弾き飛ばされそこへ熱線を受け爆発四散。
統制官「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」
爆笑。笑いました、笑ったのですよ。笑ったのですが、正直どうかと思いました。ぶっちゃけ大人気無いです。
□ゴジラ×クモンガ
デスクロス・ネットで捕縛しようとするも糸を引きちぎられ、逆にジャイアントスウィングの要領で投げ飛ばされてしまうクモンガ。そのまま遥か彼方へ飛んでいってしまいます。
□ゴジラ×カマキラス
もう殆ど覚えていませんが、カマキラスは鉄塔に突き刺さり死んでしまいました。怪獣があの程度でと思いますがカマキラスは単に巨大化しただけの昆虫ですし、何より見ていて本当に痛そうでした。
□ゴジラ×アンギラス&ラドン&キングシーサー
富士の裾野を戦場にすると言うのがとても良いですな。最初にゴジラとアンギラスが対峙した時の、一瞬の間が凄く良かったです。あの間に嘗ての間柄が凝縮されていました。こういう細かい配慮が嬉しいですね。アンギラスは球状になって突撃を繰り返しますが、それがラドンやキングシーサーに当たる事が多くとても痛そうでした。でもラドンもキングシーサーも割りとぴんぴんしていましたので大丈夫だったのでしょうな。そして途中からサッカーに移行するのですがこれが本当に最高です。外してどうするキングシーサー! 当てなければ攻撃にならないでしょうが! ゴジラも横っ飛びをしてまで取ろうとしなくて良いでしょうが!! もうこれは本当に最高です。
□ゴジラ×エビラ&へドラ
吹き飛ばされビル街に突っ込むヘドラ、更にエビラ。エビラの鋏がヘドラに突き刺さり、ゴジラの放射火炎が纏めて消し飛ばす! ・・・え? ヘドラの出番はもう終わり? 昭和ゴジラでは最強だったヘドラですが、随分とあっさり消されてしまいました(尤も、昭和ヘドラと平成ゴジラの勝負でしたら、放射火炎を一撃受けた瞬間に乾燥してしまいそうですが)。ヘドラの設定を考えれば問題無いのでしょうが、それでもエビラが突き刺さったのはとても痛そうに見えました。ヘドラファンの方は残念でしたでしょうが、これだけの怪獣が登場するのですから割を食う怪獣が出るのも致し方ない話ですね。あー、でもヘドラの活躍も見たかったですなぁ。パンフで見ますと新しいヘドラのデザインも堪らなく魅力的です(ピンでの登場にも耐えます)。旧作と変わらず『赤色溶解熱線』と溶解毒噴射『硫酸ミスト』が使えるそうですが、見せて貰っていないよぉ。
□モンスターX
唯一(?)の新怪獣であるモンスターX。初見の印象は特に無かったのですが、段段と格好良く思え好きになりました。眼から放つ『引力光線デストロイド・サンダー』を武器に大活躍です。肩にも頭部が存在し脱皮のイメージかと思ったのですが、どうやらギドラの三つ首をイメージしたものだったのですね。このモンスターXとしての姿に対する妄想ですが、個人的に拘束具のようなものと考えています。カイザーギドラの強力なパワーはX星人には制御できず、モンスターXと言う檻で封印する事によりやっと制御が可能なのではないでしょうか。
□ゴジラ×モンスターX
地球に迫り来る隕石をゴジラがハイパースパイラル熱線で撃墜、しかしゴジラの背後にゆっくりと降り立つモンスターX。ゴジラとモンスターXは互角の戦闘を繰り広げ、中中見応えがあります。殴りあったりゴジラがマウントポジションを取ったりしますが、特に気に入ったのは引力光線と放射火炎がぶつかり合い、爆発を起こす場面ですね。ゴジラよりも強い怪獣、弱い怪獣、様様居りましたが、全くゴジラと互角の怪獣と言うのは稀有な例ではないでしょうか。
□モスラ×ガイガンII
これはもうガイガンが最高です! モスラと激しい空中戦を繰り広げた後、腹部射出ノコ『ブラデッド・スライサー』を発射するガイガン。羽根の一部を切り裂き、爆発。その爆発を背にして見得を切るガイガン、次の瞬間帰って来た鋸がガイガンの首を切り落とします。そしてモスラのファイヤー・ヒート・アタックを受け爆発四散。ガイガンの格好良い外見に勝利のポーズ、それでいて自分の攻撃でやられてしまう間抜けさ、そのギャップが最高です。いとおしく思えて来ますわ。大好きだガイガン。途中、モスラの鱗粉が拡散光線をスパーク、誘爆させる場面がありますが、これはVSモスラのモスラ鱗粉を思わせてくれて嬉しいです。
□カイザーギドラ
こんなギドラが見たかった! モンスターXが変貌を遂げ、最終形態カイザーギドラとなります。この姿が私がこれまで抱いていた不満を解消した、まさに理想のギドラです。ゾグ第二形態やデスギドラ(は少し違うか)と同じドドンゴタイプの怪獣ですね。映画を見る前はキングギドラが登場しない事を残念に思いましたが、まさかこんなシークレットがあったとは思いませんでした。ギドラ一族の切り札としてゴジラに雪辱を果たすべく登場する、最終的には敗北を喫しましたがこれまで以上に苦しめてくれました。
口から吐いた光線でゴジラを持ち上げると言う、グラビ・トルネードを彷彿する技を見せてくれます。そのまま宙に舞い上げ粉粉に吹き飛ばせば、初めて引力光線の能力が映像で表現される事になるのでは、と思っていましたが、これは『反重力光線デストロイド・カイザー』と言うのですね。嘗てアンギラスやバラゴンが行った、四足怪獣の伝統で、後ろ足だけで立つ場面が見られます。唯でさえ巨大なカイザーギドラですが、こうすると更に大きくなりゴジラを圧します。しかし折角翼が付いているのに空中を飛ぶ場面が無かった事と、大都市を景気良く破壊してくれなかったのが残念です。尺や展開の都合上後者は難しいでしょうが、飛行ぐらいやって欲しかったですよ。
こんなに格好良いカイザーギドラ、ソフビは箱入りで発売されると嬉しいなぁ。またネタバレを避ける為当然の処置ですが、劇場の販売グッズにカイザーギドラを使用したものが無いのですよね。仕方が無いのでモンスターXとガイガンがあしらわれたキーホルダーを購入しました。この台座は何を模したもの? それと更に脱線しますが、映画を見ると今年のHGゴジラは何とも魅力の薄いラインナップに感じてしまいますなぁ。ただでさえ商品の少ないカイザーギドラなのですから、一年後ではない早い時期にHGゴジラの次弾を出して欲しいです。
□ゴジラ×カイザーギドラ
カイザーギドラの反重力光線はゴジラの放射火炎を遥かに上回り、その強烈なパワーで圧倒します。咬み付きゴジラのエネルギーを吸収し後一歩まで追い詰めるのですが、新・轟天号を介して尾崎からエネルギーを貰ったゴジラは復活。熱線で首を吹き飛ばされ、更に別の一本を力任せに千切られます。一本背負いを受けて止めのバーニングGスパーク熱線を受けて、哀れギドラは消滅してしまいました。このカイザーギドラが登場してからの戦闘が短かったのが非常に残念です。それに相手はゴジラだけでなく、登場した全ての地球怪獣と戦って欲しかったです。多くの怪獣が結集し、死力を尽くすも到底敵わない、そんな展開が望ましかったですなぁ。
□ラスト
ギドラを葬ったゴジラは次に人間へと視線を移します。そして人間達も武器を構える。しかしミニラが人間を庇い、健太がゴジラを庇う。気が変わったのかゴジラは去っていく、この結末は良かったです。健太とミニラの対比が良いですし、ここで人間がゴジラを斃す、或いは封印すると言う展開になりましたら蛇足と思ったことでしょう。またゴジラとミニラが海を帰って行くと言う場面もVSシリーズのラストを想起させて嬉しいものがあります。
□総評
とにかく問答無用で最高に面白かった作品です。目まぐるしく動く状況に決して飽きることなく、ただただ画面に釘付けとなりました。懸念していた人間側の部分に関しても、先が気になり素直に楽しめました(それでも多少長いかなと思いましたし、少し怪獣の描写に分けて欲しかったというのはありますが)。不満を挙げるとすれば第一に、最終決戦がゴジラとカイザーギドラの一騎打ちになってしまったことでしょうか。ここはカイザーギドラの強さをアピールすると言う意味でも、全ての地球怪獣が結集して戦って欲しかったです。第二にゴジラとアンギラスのタッグが見れなかったこと。私の中ではアンギラスはゴジラの相棒として揺ぎ無い立場ですし、漸く念願であった復活を果たしたのですからそのタッグがとても見たかったです。そんな不満はあるにせよ、好きな作品である事は確かです。これだけ面白いゴジラが見れて本当に良かった、そう思います。
□マジキングVS超冥獣リビングソード
マジキングとリビングソードの戦闘から始まる展開は端から緊迫感と盛り上がりを感じさせてくれます。しかし超冥獣と銘打たれ、とても凶悪そうなリビングソードですが実質的な活躍はこれだけです。今一つその魅力の全てを感じるには物足りないものがありました。この超冥獣と言うカテゴリは本編でも今後の登場がありそうですね。
□冥獣人バーサーカーグルーム・ド・ブライドン
一声聞いた途端に惚れました(笑)。檜山某の声が格好良いです! 声だけでなく外見やバーサーカー一族の王と言う設定にも魅力があり、近年の戦隊映画に登場したゲスト敵では一番気に入りました(次点はガルヴィディ)。醜悪な素顔を隠す仮面が格好良いですね。
□天空世界マジトピア
ヒーローが率先して掟を破って如何するよ・・・(苦笑)。それだけで印象が悪化してしまいます。
しかしマジトピアで天空聖者と出会うのは面白いですね。ルナジェルとの再会がちゃんとあったのは高評価ですが、人間の姿ではなく天空聖者の姿で登場しない事に疑問を感じます。天空大聖者マジエルがバンドーラだと言う事にはEDを見て気付きました。道理で悪い顔をしているわけです(ぉ
□マジシャインVSグルーム
変身してからの名乗りを見て改めてシャインが格好良いと思いました。待望の登場である金色の戦士だけあり、この格好良さは嬉しい限りです。マジランプバスターで連続して攻撃を加えたり、格闘戦を駆使した戦闘がその実力の高さを現しています。しかし流石にグルームも一筋縄ではいかず、シャインを光の粒子として散らします。其処で現れたのが天空聖者サンジェル!! 本編で何故態態シャインのスーツを纏っているのか疑問に思っていましたが、直接本当の姿が奥の手である事が明かされました。恐らく地上界ではその躰を長く維持できないとか、体力の消耗が激しいとか、何らかの理由があるのでしょうね。また天空聖者として戦った方が強いと言う事が明確に語られた事になります。その圧倒的な力でグルームに大ダメージを与えましたが、残念な事に完全に斃すには至らず敗北を喫します。物語の都合を考えれば仕方の無い事ではありますが残念ですね。
□ウルザード
レッドの攻撃を受けた後は、何時もの様に「未だ殺すには惜しい」と何もせずに去ります。もしもウルザードが好きであれば凄く残念に思ったでしょうが、幸か不幸かウルザードは余り好きではないので特に嫌とは思いませんでした。確かに出番そのものは非常に少ないのですが、実に“らしい”と言えます。
□等身大戦闘
大量のゾビル、ハイゾビルを相手にグリーン、ピンク、ブルー、イエローが立ち回ります。グリーンとイエローは其其回転を利用して、グリーンは『グリーンスピンキック』で蹴散らし、イエローはスカイホーキーから『イエローローリングサンダー』で敵を射ました。昨年に続いて女性戦士二人はタッグを組むのですが、布を利用した今年の戦闘は優雅で素晴らしかったです。巧みな連携から繰り出される攻撃も戦隊の醍醐味ですね。しかしレッドのみが怪人と戦い、他の四人は戦闘員と戦うだけと言うのは物足りないですね。何と言うか、これではテレビ本編と変わりありません。劇場映画らしく幹部総登場で四人の相手をさせるべきではなかったでしょうか。そういえばン・マ様の出番は皆無でしたね。
□マジレッドVSグルーム
非常に見応えのある戦闘だったのですが、レッドが好きではない事も手伝い、シャインが敵わなかった相手にレッドが勝てるのはおかしいだろう、と素直に楽しめませんでした。寧ろグルームを応援していました(死)。戦闘そのものは素晴らしかったですがね。止めは初登場の『ファイブファンタスティックファイヤー』。
□巨大戦闘
五人の合体技で大きなダメージを受けたグルームは、リビングソードを呼び出し、何とその躰をリビングソードに食べさせます。見ていてジャシンボーマを思い出した事は言うまでもありません(何)。捕食と言う手段で融合を果たし『ソード・オブ・グルーム』になります。人型ではないフォルムは強そうで魅力的なのですが、CGと言うのが好きになれません。ファイヤーフェニックスと『一角聖馬ユニコーン』が合体した『セイントカイザー』、実は印象が薄いです。空中ブランコとか面白いアクションはしているのですが、矢張り相手がCGと言うのが今一つ嵌れないのですよね。酷い事に最後にどんな技で止めを刺したのかすら記憶にありません(死)。また等身大戦闘で果てたシャインもトラベリオンで合流しますが、どうせなら
つらつらと不満を綴ってしまいましたが、怪人を斃した後にビルの上で咆哮するマジドラゴンが最高に格好良かったです。巨大戦闘は全てこの為にあったと言っても決して過言ではないでしょう。
□エンディング
定番となったEDのダンスですが、正直に言うと今年は例年ほど楽しくありませんでした。不満があったわけではないのですが、目新しい部分も無いので単純に飽きてしまったのですよね。まぁ、ロボもダンスをしているのは目新しいと言えば目新しいのですが、それだけでは“飽き”を解消するには至りませんでした。
□総評
今年の戦隊映画は総じて満足とは言い難い印象です。一番の原因となるのは――毎年言っているので言うまでもありませんが――レッドが主役であると言う事に他なりません。ハリケンから続いて四年間もレッドとヒロインのラブストーリーが続けば、いくらなんでも辟易してしまいますわ。勿論充分に面白いと思う箇所もありますが、何となく満足は出来ませんでした。
作品そのものが好きだと言う贔屓目もありますが、ターボレンジャーの劇場版はとても面白かったです。最強の怪人を復活させんとする敵と、それを阻止しようとする味方の緊迫感を感じる展開、遂に復活を果たした怪人を前にしての敗北、その怪人を命を散らして斃そうとする仲間、それを救うべく奔走する面面、そして全ての幹部が出揃っての大戦闘と、巨大戦闘が淡白だと言う欠点こそありますが、必要なものを兼ね揃えた非常に素晴らしい作品です。
(05.08.07)
□題名
細かい事ではありますが、題名の『7人の』は漢字表記で『七人の』の方が良かったですなぁ。
□オープニング
七人の戦鬼が全員で太鼓を叩いていると言うOPが最高です。今年は戦隊のEDよりも圧倒的に楽しめました。
□冒頭
暴れる魔化魍の前に現れた二人組みは、てっきり威吹鬼さんとあきらだと思っていました。しかし実は響鬼さんと明日夢であると言う事に驚きました。何故明日夢が一緒なのでしょうか? 響鬼さんが明日夢を魔化魍退治につれて来るとは考え難いので、冒頭からいきなり違和感が付き纏います。また響鬼さんの明日夢に対する呼び名も、本編の『少年』とは違って名前で呼んでいるのですよね。これにも違和感を感じるのですが、もしかして二十九之巻『輝く少年』、三十之巻『鍛える予感』の辺りに挿入されるのではなく、もっと先の方に位置する話なのでしょうか? それならば合点は行きますが、本編では明日夢が響鬼さんに弟子入りする展開になってしまうのか、と新たな不安に苛まれます。
□オロチ
エラスモテリウムオルフェノク、14とライダーの劇場版ではCGの敵が続いていた事に加え、魔化魍は本編でもCGで表現されているのでCGに対する抵抗は少ないです。しかしオロチに対する印象は良くありません。ぶっちゃけ格好良くありません。折角の劇場版なのですから、ヤマタノオロチの様な大物が見たかったですなぁ。
□戦国時代
明日夢が過去の文献を調べると言う形で、舞台は過去の時代へと移ります。鈴があきらだと言う事には気付きましたが、明日夢の母親やみどりについては全く気付きませんでした。また今年は昨年の、つまり剣の役者が出演する事も無いのですね。何故か河野さんがまた出ていましたが(尤もこれにも気付きはしませんでしたが)。
□仮面ライダー歌舞鬼
村人が殺されているのに悠長に現れた事で第一印象は悪かったのですが、その後の遣り取りを見ていて印象が良くなりました。火焔大将との戦闘も見応えがあり楽しめました。ただ変身したらオヤクシャボーマばりに、歌舞伎調で名乗りを上げてくれると思っていたので、それが無かったのは大いに不満です。名乗って欲しかったなァ。
歌舞鬼を『ご当地ライダー激闘ファイル』で見た時は、中国風の意匠が気に入らなかったのですが、その魅力ある振る舞いにそんな事は気にならなくなりました。既に記憶が薄れつつあるのですが、変身エフェクトは桜でしたっけ? 主に『鳴刀
音叉剣』を駆使した戦闘を繰り広げますが、剣を必要以上に強調しない、それこそ己の手足が如く武器として使いこなしている姿が最高に格好良いです。己の肉体か音撃を武器とする鬼が剣を使う事に抵抗もありますが、後に登場する“あれ”に比べたら問題無いも同然です。パンフレットを見てから気付いたのですが歌舞鬼は撥が専門なのですね(弦が好きなので弦の方が良かったですなぁ)。唯一音撃を披露する事が無かったのが歌舞鬼好きとしてはとても残念です。『音撃棒烈翠』から繰り出す『音撃打豪火絢爛』は名前も凄そうですから是非見たかったですね。
これまでに変身前の姿を触れる事はありませんでしたが、歌舞鬼は変身前も格好良いですね。格好良いと言うより“綺麗”とか“美しい”でしょうか。惚れ惚れしますよ。ムック(劇場版仮面ライダー響鬼と7人の戦闘鬼完全攻略ガイド)で初めて知ったのですが、演者は『555』にも出演していたのですね。調べてみたのですがアルマジロオルフェノク、森下義正役ですね。そして外見だけでなく内面が魅力的なのも歌舞鬼です。魔化魍退治の報酬である芋を気前良く子供にあげる姿は素敵です。己の実力を過信せずオロチには敵わない事を素直に認め、しかし困っている人間を助ける為に立ち上がる、こんなに格好良い事はありません。昨年もグレイブが好きでしたし、絶対悪ではなく、独特な善悪の線引きが存在する敵が好きなのですね。
この映画が余り楽しみではなかった理由の一つに、劇場版に登場する所謂ご当地ライダーに魅力を感じなかった事が挙げられます。しかし歌舞鬼の魅力でその点は一瞬の内に解決しましたよ(笑)。
□仮面ライダー威吹鬼
オロチを退治する為に仲間を集める歌舞鬼ですが、響鬼に断られて次に向かったのが威吹鬼です。戦で手柄を立てて大名までのし上がったと言う威吹鬼は、殿様姿で現れて驚きを誘いました。歌舞鬼の誘いに応じ共に暴れ出す姿は爽快ですね。武器や技は現代のと同様で、『音撃射 疾風一閃』を必殺技とします。安直な考えですが、この威吹鬼の子孫が、現代の威吹鬼さんと考えても良いのですよね?
□仮面ライダー凍鬼
斬鬼さんと同じ方が演じていると言う事で注目の鬼です。雪、凍気を連想させる白と、北海道に生息する熊がモティーフです。変身エフェクトも凍気が包み込む形です。響鬼や歌舞鬼と同じく撥の戦士かなと思ったのですが、音撃武器の名は『音撃棍棒烈凍』と、差別化がなされているので別の分類と考えるのでしょうか(或いは派生でしょうか)。烈凍を振り回して殴る様は、まさに昔話に出て来る鬼で、そのままでも強そうです。必殺技は『音撃殴一撃怒涛』で、大きな銅鑼を叩く要領で音撃を炸裂されます。その様はとにかく豪快ですが、烈凍で直接どついた方がずっと痛そうだと言うのは禁句でしょうか(笑)。また鬼幻術(?)として、頭部にある熊の面から凍気を発して攻撃します。
凍鬼さんそのものは斬鬼さん程の魅力は感じなかったのですが、飽く迄別の役ですからね。仏の道を歩み鬼となったと言う事ですが、身勝手な人間に対して怒る場面もあり未だ完熟していない印象です。鬼としての系統こそ違いますが斬鬼さんの先祖に当たるのでしょうか。
□歌舞鬼&威吹鬼&凍鬼対怪童子&妖姫&オロチ
鬼が三人集まったと言う事で血狂魔党に挑むのですが、オロチは手強く敗走する事となります。負けはしましたが三人が変身して歩む姿は格好良かったです。
□仮面ライダー煌鬼
敗北の末に村から追い出された三人の前に、凧に乗って現れると言う派手な登場を果たしました。歌舞鬼が仲間を捜していると聞いて名護屋からやって来たそうで、何とも仲間思いではありませんか。金の鯱が頭に乗っていると言う大胆なデザインです。水中戦が得意と言うのも個性的ですね。音撃武器は『音撃
小生の主観ではありますが、煌鬼は最も影が薄くなってしまった感があります。戦闘面はともかくとして、彼個人の性格が余り伝わって来ませんでした。一体どういう人間だったのか、正直思い出せません。パンフやムックにはムードメーカー的な存在と書かれていますので、絶えず騒ぎ立て盛り上げる役でしょうか。
□仮面ライダー西鬼
煌鬼に奮い立たされ再び仲間を集める事とした一行。そんな彼らが目をつけたのが、泥棒として名を馳せていた西鬼でした。蕎麦を手繰っていた時に処刑されると言う知らせを見た時の慌てた様子が面白かったです。大阪と言う事で虎をモティーフにしており、戦闘でも虎の様に四足で地を駆けます。ガオレンジャーやギンガマンを思い出しますな。普段は三節棍として使える『音撃
泥棒として盗みを重ねていた西鬼ですが、彼の様な人が居るから鬼と人間の溝が埋まらないのだと思います(笑)。村人殺害に烈節が使われた時の、盗まれた事を笑う姿が愉快でした。
□仮面ライダー羽撃鬼
羽撃鬼は短時間ながら空中を飛行する事が可能な、鷹をモティーフとした鬼です。肩の羽が際立たせるフォルムと『音撃
後の仲間割れでも人間を守ろうとした羽撃鬼ですが、矢張り結婚している事を考えると自然に思えますね。
□仮面ライダー轟鬼
TVシリーズでバケガニと戦っている姿を頻繁に目にする轟鬼ですが、この劇場版でも初登場はそんな場面でした。思わず心の中で、「またバケガニか!」叫んでしまいましたよ。威吹鬼同様に現代の轟鬼と同じ術を使います。勿論決め技は必殺の『音撃斬 雷電激震』です。
彼の使う烈雷が現代の斬鬼に、そして子孫である現代の轟鬼に受け継がれたであろう事を思うと感慨深いですね。
□鬼の仲間割れ
ひとえを捜していた村人の死を契機に、とうとう鬼と村人の確執が表面化します。寄り合い所に火を放った村人に対して、「仏の顔も三度までじゃあ!!」と怒りを爆発させる凍鬼、西鬼、煌鬼。鬼が攻勢に出た途端に逃げ腰になる村人が情けなくて良いですね。ぷぷーっ!
歌舞鬼「人間を傷付ける奴は、許さねェ!!!」
この歌舞鬼の叫びが格好良いです。歌舞鬼は本当に、どんな仕打ちを受けようとも、鬼として人間を守ろうとしているのだな、そう思わせてくれます。威吹鬼、轟鬼、羽撃鬼も歌舞鬼に同調します。あわや本格的な激突かと言うその時に響鬼が現れ、その場は取り敢えず収まりました。
□歌舞鬼の裏切り
これはもう本当に衝撃的でした。響鬼のテレビシリーズでは鬼同士の対立が無い事と、まさかあの歌舞鬼が裏切るとは思わなかった、その二つの要素が重なり非常に驚愕させられました。でも、例えば「人間を傷付ける奴は〜」とか、「どんな人間でも守るのが〜」と言う台詞は明らかに演技だったのでしょうが、子供に芋を分け与えた姿は紛れも無く心底本音だったと思いたいです。いえ、そうに決まっています(断言)。この作品内で殺めた人間もひとえを捜していた、言わば間接的にひとえを殺そうとしていた人間です。インタビュー等でも触れられていますが、身勝手な大人を嫌っているだけで、子供の事は今でも変わらず大切に思い続けている事が理解ります。
□響鬼対火焔大将、歌舞鬼
火焔大将との戦闘は決め技となった鬼火の使い方が巧いですね。
明日夢から弟子であった猛士の剣を受け取り、明日夢に促され、変身を決意した響鬼と歌舞鬼の対決です。番傘で切っ先を隠し音叉剣で攻撃する歌舞鬼が格好良かったです。歌舞伎調の名乗りこそありませんでしたが、番傘の使い方は“歌舞伎”の名に相応しいです。
しかし此処で気になったのは、死後の歌舞鬼に何のフォローも無かった事です。歌舞鬼の想いは多くの鬼に思い当たるものがある事で、行動にこそ移さずとも同じ事を考えた鬼は多かった筈です。その事に誰か触れて欲しかったですね。或いは死んでいなかった歌舞鬼が改心して助太刀に現れると言う展開でも良かったかも知れません。現代に歌舞鬼の幽体が現れるとかでも面白いでしょう。今後のTVシリーズで登場すると嬉しいですね。
□音式神カラクリ動物
現代のディスクアニマルに相当するであろう存在で、茜鷹、消炭鴉、岩紅獅子、白練大猿の四種が登場しました(起動したものに限る)。ディスクアニマルとの最大の違いはその大きさで最初に起動した時は驚きました(特に凄いのは白練大猿で、オロチに匹敵するサイズで掴みかかります)。また白練大猿に特にその傾向が顕著なのですが、材質が異なり独特の質感を放っております。
ディスクアニマルは起動後の形状がこの時と比べて大分小さくなっていますが、これは恐らく鬼がその姿を隠すようになった事に由来して、隠密性を高める為の意味もあるのでは、と思います(単純に技術的な問題もあるでしょうが)。鬼が認知されていた戦国時代と認知されていない現代、現代では鬼を受け入れることの可能な人間が極一部に居るだけであり、その実鬼と人間の溝は全然埋まっていないのですよねぇ。
□最終決戦
戦闘員的存在として登場したのが、『魔化魍忍群』です。視聴中は気にも留めませんでしたが、紅狐と白狐の二種類が存在。響鬼の烈火弾で豪快に爆発を起こし吹き飛びました。その他の鬼と忍群が戦う中で、轟鬼が怪童子と、凍鬼が妖姫と戦闘、其其撃破しました。
次なる相手はオロチの童子と姫が鬼を迎撃する為に迎え入れた魔化魍ヒトツミ。皆で取り囲み、一撃怒涛、旋風一閃、疾風一閃、軽佻訃爆、偉羅射威、雷電激震、そして最後に・・・最後に? 何の技で止めを刺しましたっけ?(爆) 単にどの技を使ったのか理解できなかったのか、技名の発声がされたのにその事を忘れたのか、そのどちらであるかすら覚えていません(死)。とにかく、怒涛の連続音撃でヒトツミを斃します。ヒーローの見せ場として盛り上がる場面ですね。
戦国時代のオロチ戦は最後まで描かれずに終わりましたが、現代の展開があるのでこの流れは凄く好きです。
□
正直に言うと好きではありません。武者童子や鎧姫の先蹤があるので、鎧を纏ってパワーアップと言うのは自然です。しかし鎧を纏うにしても、もっと世界観に沿った違和感の無いデザインと言うのがあるのではないでしょうか。装甲響鬼のデザインは余りに場違いな感があります。また名前も『
世界観とか難しい事を考えなければ、装甲響鬼は格好良いです。しかし世界観云云を別にしても頭部前面ゴーグルの下半分が塗り分けられ、マスク状にされているのは純粋に格好良くありません。それにあの能面の様な顔こそが、響鬼のデザイン的な個性だったのでそれを無くしてしまうのは惜しいです。
□ご当地ライダー
最終決戦で並んで変身した時に思いましたが、ご当地ライダーはTVシリーズのラインから浮いています。派手な色合いが原因なのでしょうね。マジョーラカラーが使われなかったのも明らかに残念な点です。それと暗い色合いの時は気にならなかったのですが、明るいと腹筋がはっきりと見えて気持ちが悪いです(死)。
但し、その統一感の無さを別にすれば、気に入っております。銅鑼、トライアングル、シンバル、フルートと多彩な音撃武器が見られて良いですね。現代では鼓、管、弦の三つだけですが、これはより効率的な方向へと進み、最低限魔化魍に対応出来る物に絞られて行ったのでしょうね。
弊害としては五人もの人数が登場してしまった為に、一人ひとりに割かれる時間が少なく印象が薄くなりがちだと言う事でしょうか。前述しましたが特に煌鬼がそうだった様に思えます。
□エンディング
率直に言って主題歌は作品に合っていないです。CFで聞いている時は何とも思いませんでしたが、劇場でこれが流れ出した時に強く感じました。それまでの雰囲気が崩されてしまいました。平成ライダーの劇場版で主題歌が合っていないと感じたのはプロジェクトG4以来ですね。TVシリーズのOPかEDを使って欲しかったと思います。またキャストクレジットに目を奪われていたので映像を見る余裕が余りありませんでした。その後が描写された様で勿体無かったです。
逆にEDで良いと感じた部分もあります。歌舞鬼が子供に芋を上げる場面が映った時は非常に強く胸を打たれました。本作最大の名場面でしょう。同時にそれだけ歌舞鬼が好きだと言う事でもあります。本当に歌舞鬼は素晴らしい鬼でした。
□パンフレット、ムック
パンフは例年に比して、ライダーと戦隊の位置が入れ替わっております。これまでが統一されていたので何で変えてしまったのだろう、と思ったのですが、和風の作品である響鬼を縦書きにする為の処置だったのですね。その心配りは評価に値しますが、それでもこれまでが統一されていたので残念です。
角川のムックは毎年スタッフインタビューが充実していて読み応えがあります。その反面、発売時期の関係から結末が描かれていないのが残念です。でもその割に装甲響鬼は堂堂と掲載しているのですよね。そりゃ物語的に重要なのが歌舞鬼の裏切りである事は理解りますが、作品としては装甲響鬼の存在も負けず劣らず重要なのではないでしょうか。劇場版の新フォーム登場は毎年の事なので予測出来るとは言え、このやり方には疑問があります(装甲響鬼が掲載された事に、ではなく、歌舞鬼の裏切りについて書かれていないのに装甲響鬼が掲載されている事に、です)。個人的には発売時期をずらして結末まで完全に掲載して欲しいのですがね。
□総評
基本的に平成ライダーの劇場版は毎年面白く、今年もその例に漏れません。歴代最高とは言い切れませんがとても面白かったです。見る前は然程楽しみではありませんでしたが、いざ見てみれば完璧に心を奪われました。特に、くどいようですが、歌舞鬼が良かったですね。もしも歌舞鬼が居なければ、ここまで絶賛はしなかったでしょう。前半は『歌舞鬼と愉快な仲間達の珍道中』と言う趣でしたね。
しかし当然の事ながら不満も見受けられます。大きいものを挙げるとオロチが余り格好良くなかった事、明日夢が響鬼さんの魔化魍退治に付き添い響鬼さんから名前で呼ばれている事、そして装甲響鬼の件です。オロチに関してはそれほど重要視しませんが残りの二つは大きいです。本作で描かれた明日夢と響鬼さんの関係は違和感が禁じ得ません。尤も、TVシリーズで明日夢が弟子入りしてこの様な関係へと変化、それから暫しの時を経れば自然と慣れてしまう事でしょう。しかしながら明日夢には響鬼さんに弟子入りして欲しくないと思い続けていましたので、そうなってしまう事が嫌だと言う部分も含んで不満点です。装甲響鬼も同じく今後TVシリーズにも登場する事が残念に思います。もしも劇場版だけの存在であれば、それでも不満は言ったでしょうが割り切る事が出来ました。しかしTVシリーズに登場する事を思うと残念です。
パンフ等では“時代劇”と強調されていますが、それには疑問があります。時代劇なんぞ見た事もありませんしその何たるかも知りませんが、時代設定が戦国時代なら時代劇と言うわけではないでしょう。この作品を時代劇と称するには些か無理があるのではないでしょうか。
そんな不満を差し引いても面白いと言えますし、間違い無く好きな作品でもありました。TVシリーズは盛り上がりに欠ける感がありましたが流石は劇場版ですね。
(05.08.09)
□オープニング
ミューズの呼びかけに応え大量のカースを従えながら現れるガジャが格好良いです。そしてジャリュウを従えるリュウオーンが、闇のヤイバと風のシズカが現れます。そしてボウケンジャーも登場し、OPテーマをバックに入り乱れての戦闘が始まりました。これがとにかく素晴らしいです! 始まって直ぐに盛り上がりが最高潮に達しました。この時は今年の映画はこれまでに無く面白いと感嘆していました。残念ながらこの盛り上がりは一時的なものでこの時だけでした。はっきり言って一番の見所はこのOPです。
細かなことを言いますと、この戦闘ではブラックは因縁のあるヤイバと戦っているものの、ブルーとシズカの戦闘は実現しないのですよね。これが少しばかり残念でした。敬愛するリュウオーン陛下は何時もの様にレッド一人に敗れました(笑)。ヤバツエコンビを思い出してそんな予感はしていましたが、残念ながらゴードム文明、ジャリュウ一族、ダークシャドウの出番は冒頭だけで終わってしまいました。折角の魅力に溢れているのですか後半でも出て欲しかったですね。また彼らが退散する時に顔が極端に大きくなった、コミカルなギャグ描写が見られるのですがこれが嫌でした。
□クエスター
オープニングには参戦しなかったクエスターの二人は、新たなクエスターロボに乗っての登場で、サイレンビルダーと戦いました。戦車や建設機械を思わせる重厚なクエスターロボは中中に格好良くて強力でした。
□蟲
特撮作品を見ていると非常に多くの、“恐竜が絶滅した原因”に遭遇しますね(笑)。
□ボウケンシルバー
美味しい場面に颯爽と現れると言う活躍を見せていますがもっと極端な方が良かったですなぁ。個人的に六人目の戦士と言うのはそれが許される特別な存在だと認識しています(尤も、近年は五人と同列扱いする傾向があるのでその認識は誤りなのでしょうが)。
□ハイド・ジーン
この映画の最終ボスで声は飯塚昭三です(戦隊出演はラクシャーサ以来ですね)。しかし声に比してデザインは余り印象に残らず、劇中での活躍も満足とは程遠く思えました。それこそネガティブシンジケートがそう登場した上で、ハイド・ジーンが一人でボウケンジャーとネガティブを圧倒するほどの活躍を見せても良かったのではないでしょうか。
□巨大戦闘
ハイド・ジーンが宇宙船と合体して『ストリングロス』となるのですが、昨年に続いてまたCGなのかと思わされました。初登場となるダイタンケンの活躍は格好良かったですし、ダイボウケンとダイタンケンが並ぶ様は兄弟ロボットと言う感じで好きなのです(ターボロボとターボラガーみたい)が、矢張りCGは苦手ですね。
□総評
ハリケン〜マジと比べれば間違い無く高評価ですし、前年が今一だったのでそれを基準にすれば間違い無く面白かったです。しかしボウケンはTVシリーズの満足度が高く、これなら劇場版もさぞや期待が持てる事だろうと思っていました。その大きな期待に見合うと言えば否です。文句無しに面白い最高の作品になると思っていたのですがねぇ。
(06.08.10)
□題名
平成ライダーの劇場版では一番格好良いと思いました。
□キュレックスワーム
劇場版オリジナルのワームなのですが全く印象に残りません。独自の能力も見せずにライダーと戦って敗れる、悪い意味でTVシリーズと変わりませんよ。そしてそれだけでなく、ワームの扱いは本当に悪いです。この決して良いとは言えないキュレックスワームが、劇場版のワームでは一番良かったと言うのですから推して知るべしです。
□風間大介/仮面ライダードレイク
あんまりです(哀)。大して見せ場も無いままに罠に嵌められ、本当に呆気無く散ってしまいました。クロックアップしてその場の全員を返り討ちにして下さいよぉ。何ですかね。TVシリーズ本編も含めて、ドレイクは活躍させてはならないと言う決まりもであるのでしょうか。そんな疑いを持ってしまうほどでした。唯一の見せ場――見せ場と言うほどではありませんがこれしかないのですよ――はマシンゼクトロンに乗りながらの銃撃でしょうか。格好良いとは思いましたが・・・・・・・・・。
結局、ライダーの数が少ないとNEO ZECTが小さな組織に見えてしまうから、そんな理由で頭数を揃える為だけに登場したに過ぎないのですよね。
□織田秀成/仮面ライダーヘラクス
「俺が地上を制し、お前が天を制するんだ!」
この一言に惚れました。最初は会話を聞いていて、ネオZECTは単に命令されるのが嫌で逃げ出しただけと言う印象もありましたが、織田秀成は好きになりましたよ。それまでに総司との間に友情らしきものが感じられたのも良かったですね。一騎打ちでザビーを斃しているので良い扱いを受けていると言えます。哀しかったのはその死を総司が悼んでくれなかった事ですね。総司にとっては、目的の前にはその程度でしかなかったのかも知れませんが、秀成が可哀相でした。しかし彼はTVシリーズでも出て来て欲しいです。尤も、TVシリーズでは総司と新の絆が強いので劇場版の様な扱いは望めないかも知れませんが。
□矢車想/仮面ライダーザビー
TVシリーズでは久しく見られない矢車さんの登場ですよ! これだけで心が躍りました。しかもザビーに変身すると言うのですから尚の事です。決して扱いは良くありませんでしたがドレイクの件で覚悟は出来ていましたし、敗北したとは言えヘラクスと一対一の戦闘を繰り広げたのですから未だ良かったでしょう。それにしても、自分でもザビーには矢車さんこそが一番相応しいと思っていましたが、それ以上に彼の事が好きだったと言うのを認識させられました。TVシリーズでの再登場が楽しみですね。
『OFFICIAL BOOK』に掲載されているインタビューで、矢車さん役の方が『一番僕が見たかったのが、「矢車ザビーらしい動き」だったんです。だけど、劇場版のザビーはちょっと戦い方が違っていて、それは見ていて少しショックでした。』と言っていますが同じ感想を抱きました。矢車ザビーのスマートでクールな動きを期待していたのですが影山ザビーに近かったのですよね。
□大和鉄騎/仮面ライダーケタロス
変身前は特徴的な喋り方が印象に残りました。問題は変身後です。カブトと宇宙を舞台に戦うのは良いのですが、隕石の接近で有耶無耶の内に終わってしまうのですよね。はっきりとした結末が見たかったです。しかし「我が魂はZECTとともにある!」と叫びながら大気圏で燃え尽きると言う最後は格好良かったです。『ショッカーは永遠に不滅』みたいでどちらかと言うと悪役の本分に見えますが(笑)。また――ケタロスに対する評価ではありませんが――北斗修羅が「未だ大和が居る」と言ったのにヘラクスが「どうかな?」と言った所でケタロスが燃え尽きるのが良い流れでした。
□黒崎一誠/仮面ライダーコーカサス
修羅を探すヘラクスの前に正座をして佇むコーカサスと言う図が格好良い登場でした。変身前の大柄な体格の割に丁寧で気障な言葉遣いや、青い薔薇を散らし刹那の内に敵を斃すと言うのも面白いです。ハイパーゼクターが強かっただけと言う印象を若干ながら受けてしまいましたが、カブトとガタックを認識できない速さで動き圧倒した強さは本物でしたね。ガタックに邪魔されてしまいましたがライダーキックも重みがあって強そうでしたよ。
黄金のライダーであり最強のライダーと言うのはこれ以上に無く好みなのですが、その割には物凄く好きと言うほどにはなりませんでした。単純にデザインが然程格好良いと思わなかったのですが、三人のモティーフに関してはこの手があったのかと思わされましたね。確かに主人公が日本の甲虫であれば、劇場版のライダーに外国の甲虫を使うと言うのは、一目で強さを感じさせます。次に甲虫がモティーフに使われる時は強化形態に外国の甲虫を使うと言うのも面白そうですね。それにしても少少不思議に思ったのですが、最強のライダーがヘラクレスオオカブトではなくコーカサスオオカブトなのですよね。世界最大の甲虫と言う事でヘラクレスオオカブトが一番強そうな印象があったので意外でした。役者のインタビューで変身ポーズがアピールされていましたが、正直なところ覚えていません(苦笑)。カブトのライダーでは変身ポーズが珍しいのでちゃんと見ておくべきでした。
□仮面ライダーカブトハイパーフォーム
物凄く格好良いです!! 宣伝で既に見ていたので初見の衝撃が薄れてしまいましたが、胸部の装甲、肩の装甲、そして最後に背中の翅と、順番に展開していく様が最高です。ハイパークロックアップは時間を操る能力がある様で、「やられる前に、やり返す!」ですね。しかしハイパーフォームが格好良いだけに大した戦闘が見られないのが残念でした(尤も、劇場版に於ける最強形態の活躍としては、取り立てて短いと言う訳でもないのですがね)。
とても格好良くて強そうなハイパーフォームですが、設定された能力値を見ると控えめなのですよね。それは『カブト』と言う作品の性能が全体的に抑えてある事に他ならないのですが、他の作品に比してずっと低い性能であるのが少少残念です。そう思いつつパンフを眺めていたのですが、ふと目に入ったのがガタックのガタックバルカンに関する『その威力は1km圏内のあらゆる物質を高温と超高圧で消滅させてしまう。』と言う記述です。
・・・・・・・・・。身体能力を示す数字が控えめであるのとは裏腹に、随分と物凄い設定をお持ちですね。しかし画面ではこんな威力が発揮されたのを見た事がありません。画面には映らないのに物凄い設定を持っていると言うのはオルフェノクを髣髴させます。
□結末
途中までまたTVシリーズとは異なる世界の話なのかと残念に思っていた(尤も、私は平成ライダーの劇場版は全てTVシリーズと繋がっていると思っているので、例えこの展開が無かったとしても繋がっている事にしましたが)ので、時間の操作でTVシリーズに繋がると言う流れは嬉しかったです。でも隕石を押してぶつけるよりもライダーキックで豪快に破壊した方が格好良かったのではないでしょうか。
□主題歌『ONE WORLD』
素晴らしい曲でした。宣伝で流れているのを聞いた時から良い曲だとは思っていましたが、実際に劇中で流れたのを聞いたら想像していたよりも更に良い曲だと思いましたよ。何となくブラックやブラックRXのEDを思い出します。平成ライダーの劇場版主題歌では文句無しにこれが一番ですね。TVシリーズでも何らかの形で使われたら嬉しいです。
□総評
面白かったものの期待と違ったと言うのが全体的な感想です。仮面ライダーを、特撮ヒーロー映画を見に来たのですから、迫力満点のアクションを堪能したかったのです。折角の劇場映画なのですから普段は見れない派手で爽快な戦闘が見たかったのですよ。面白かったと言うのは嘘偽りの無い正直な気持ちですが、素直に高い評価をする事は出来ないと言うのもまた本当です。合わせて八人もの仮面ライダーが登場するのですが、明確に活躍したと言えるのがカブト一人と言うのが、この映画に於ける戦闘の扱いを物語っています。また怪人であるワームの出番は殆どありませんでした。怪人が出ない仮面ライダーと言うのも珍しいですね。
毎年同じように思っていることですが、仮面ライダーが敵わない最強のワームが登場して、それを斃す為に全員が協力する、そんな単純な話が見たいです。
不満としては、変身するのに一一マスクドフォームが登場する事にあります。TVシリーズ以上にマスクドフォームの存在意義が薄く直ぐに脱皮してしまうので、態態変身する度に手間が一つ増えていると言う印象が強くもどかしく思いました。マスクドフォームが存在しない劇場版の三大ライダーを見ていますと、カブトやガタックも後半はマスクドフォームを経ずにいきなりライダーフォームへ変身してくれた方が見易かったです。また物語の展開に於いても、一度宇宙へ行ってから地上へ戻り、また宇宙へ上がると言う展開にテンポの悪さを感じました。宇宙には一度だけ、最終決戦の為に行く方が盛り上がったのではないでしょうか。
逆に素直に良いと思えたのは主題歌、それからハイパーカブトの格好良さですね。
最後にどうでも良いのですが、パンフを見るまで『天空の梯子計画』の彗星を水星と勘違いしていました(死)。
(06.08.10)
□冒頭
宇宙を、そして月面を舞台にマン、セブン、ジャック、エースの四人とUキラーザウルスが派手な戦闘を繰り広げています。巨大なUキラーザウルスとウルトラ戦士の格闘もあり最初から興奮します。
□宇宙人連合
地球を手に入れる為に邪悪な宇宙人が手を組むと言うのが良いですな。円盤の中で集まって相談している姿が分かり易くて好きです。
□極悪宇宙人テンペラー星人
元元テンペラー星人はその高い能力とは裏腹に外見が格好悪いと思っていましたので、デザインのリニューアルによって強そうで威厳が感じられる様になりました。その影響は大きいものでこれまでは何とも思っていなかったテンペラー星人が好きになりましたよ。しかし声や性格は小者染みており、事実宇宙人連合の中でも最初に斃されてしまいました。尤も、敗れたとは言え空中を飛行したり街を破壊する姿は格好良かったです。
□凶悪宇宙人ザラブ星人
旧作に登場した個体と同じ方が声を演じられています。別の個体なのですが同じ声にする必要は無いと思いますが、逆に同じ声にしたらいけない理由もありませんからね。偶偶似た声だったとかザラブ星人は皆こんな声なのでしょう。ザラブ星人は旧作と同様に『ニセメビウス』に化けるのですが、サコミズ隊長が細かな違いを挙げて偽者と断定します。何気に作中の人物が偽者と見破るのは快挙ではないでしょうか(笑)。
□分身宇宙人ガッツ星人
ガッツ星人も強さの割りに大きな頭と細身の躰がアンバランスだと思っていました。しかしリニューアルデザインでぐっと逞しくなりましたね。格好良いです。分身を駆使して戦うガッツ星人ですが、その折に手首がプルプルと動いています。そんな所まで旧作準拠なのですね(笑)。
□暗殺宇宙人ナックル星人
声の影響で一番の大物に思えて来ます。実際、四人の中では最後まで残りましたね。その最期は利用しているつもりだったUキラーザウルスに逆に始末されてしまうと言うものでしたが、絶対に誰かがそうなると思っていましたので今か今かと待ち構えていました(笑)。実に“らしい”最期です。新たなデザインは一見すると明らかにナックル星人ですが、良く見ると顔は全然違っていますよね・・・? まぁ、ナックル星人の顔も余り覚えていないので具体的に何処が違うのかと言われても困るのですが。
□四人の変身
変身して出現する場面が新撮されていましたがこれには魅力を感じませんでした。この部分は旧作の映像をそのまま流用して欲しいと言うのが正直な感想です。それはそれとして、ダンがウルトラアイを装着する場面は、今でも豚の鼻みたいに見えてしまいます。此処は新しくしても受け継がれてしまうのですね(苦笑)。
□ウルトラマン
顔が皺くちゃなの少少気になりました。どうやら旧作のAタイプを意識しているそうですが、特に思い入れが無い身としては現在の綺麗な映像で――言い方は悪いのですが――汚い顔を見せられても嬉しくありません。しかしパッと見でジャックと見分ける為には有効な手段なのかも知れませんね。顔とは別に気になったのが声でした。マン、セブン、ジャック、エースの四人は変身前の役者が声も担当しているのですが、ウルトラマンと言うより黒部進の声にしか聞こえませんでした。見ている内に慣れましたが最初は違和感が強かったです。
□ウルトラマンジャック
郷秀樹の喋り方が外人の様な片言に聞こえて不思議でした。
□ウルトラマンエース
メビウスが貼り付けにされた際、誰よりも先に助けようとする姿が格好良かったです。エースは好きなので嬉しかったですね。しかし宿敵であるヤプールが黒幕なのですから、それに関連した描写があれば良かったですなぁ。
□ウルトラマンタロウ
先ず何で東光太郎だけ登場しなかったのかと言う疑問を抱きます。その事自体は構わないものの、全体的にタロウの出番が著しく短いのが残念です。ストリウム光線を放つ場面もあるのですが、哀しい事にCGなのですよね。じっくりと全身にエネルギーを溜めて、「ストリーウ〜ム光ー線!」という本人の発声があってこそのストリウム光線でしょう。一応は描写があったのですが実写でじっくりと見せて欲しかったですね。不満ばかりを挙げていますが、タロウが登場した瞬間に主題歌のテレビアレンジが流れたのは嬉しかったです。これぞタロウですね。
□ゾフィー
タロウと共に助けに現れたゾフィーは、出番もタロウと同等程度しかありません。しかしTVシリーズの主役を張った事が無くゲスト客演が主だったので別段不満にも感じませんでした。決して軽んじたり悪し様に言っている訳では無く妥当な扱いと言えましょう。パンフレットを読むまで気付かなかったのですが、Uキラーザウルス・ネオの触手と戦っている時にはM87光線を使われていたのですね。単体の必殺技としては破格の大技なのですから、これに関してはストリウム光線と同様、もっとじっくりと、分かり易く見せて欲しかったですなぁ。
□最終決戦
復活したUキラーザウルスは巨大なCGの姿へ変貌していました。最後の敵がCGである事に落胆して、Uキラーザウルスの着包みとしての活躍がもう見られないと知りとても残念に思いました。その活躍が拝めるのは冒頭の宇宙戦だけだったのですね・・・(哀)。大量の触手が画面中を走り、ウルトラ戦士の攻撃が飛び交うのは格好良いのですが、いざ動きが止まるとビデオゲームの画面に見えてしまうのですよね。特にUキラーザウルス・ネオが巨大な鋏でメビウスを締め付ける場面やストリウム光線を放つ時が顕著でした。映画全体が非常に良かっただけに最後は着包みと着包みの戦闘で決めて欲しかった所です。
□ウルトラマンメビウスインフィニティー
ミライがタカトに「ウルトラ兄弟全員が力を合わせたのが一番強いウルトラマン」と言ったのを聞いて、「あぁ、六重合体タロウですね」と思いました。それが何と、この映画では七重合体メビウスが登場しました。これも間違い無く
□究極超獣Uキラーザウルス/究極超獣Uキラーザウルス・ネオ
劇場映画に相応しい格好良く強い最高の怪獣です。一目で惚れ込んでしまいましたよ。
しかし復活後の
□主題歌『未来』
主題歌を歌うのが氷川きよしと知った時は「?」と思ったのですが、CFでも使われている主題歌は作品に相応しい曲で安心しました。素直に好きな曲です。
□総評
一言で言えば面白かったです。ウルトラ兄弟が登場すると言う劇場版に相応しいお祭り要素もありましたし、次から次へと宇宙人が登場しての戦闘は見ていて飽きずに済みます。登場する宇宙人も中中に魅力的でしたが、極め付けはヤプールとUキラーザウルスでしょう。元来超獣が好きだった事も相俟ってUキラーザウルスは最高に好きな怪獣となりました。TVシリーズの『ウルトラマンメビウス』が好きだったので多大な期待を抱いていましたがそれに違わぬ素晴らしい作品でしたよ。
そんな中で敢えて不満を挙げるのであればタロウの扱いとCGの二点です。ゾフィーを除いた五兄弟では唯一変身前の姿が登場しなかった事もあり、出番が非常に少なく見せ場がありませんでした。折角のストリウム光線もCGだった事で何となく物足りません。これが残念でした。そしてもう一つのCGですが、最初の宇宙を舞台にした戦闘や、地球上でも空中を飛び回る場面は悪くなかったのですが、地上にどっしりと構える時もフルCGにされてしまいゲームを見ている様な印象を受けてしまいました。折角のUキラーザウルス・ネオがCGなのも魅力がスポイルされてしまったと思います。
また不満と言うほどではありませんが、登場するメンバーの選定に若干の疑問を覚えます。確かにウルトラ兄弟と言えばタロウまでの六兄弟が一番の知名度でしょうが、正式に兄弟入りしている筈のレオ兄弟が外されているのは残念です。それに欲を言えば、正式にウルトラ兄弟に入っていないのかも知れませんが80も出して欲しかったです。
さて、今作は普段利用している劇場での上映がありませんでした。しかし諦めきれず少し遠い映画館まで行ったのですが、その甲斐があった非常に面白い作品だったと言えます。この頁に感想を書いている他の作品を見た時は、数人か、多くても十数人しか観客が居ませんでした。しかし今作を見た時に限っては、その原因が映画館なのか、作品なのか、はたまたその両方なのかは理解りませんが、何と満席状態でした。そして観客の大半が子供でありながら、上映中はとても静かだったのも印象深いです。更に上映が終了すると、彼方此方の子供が親に「良かったね」と言っているのが聞こえて来ました。映画の内容にも高い満足感がありましたが、それ以上に気持ちの良い瞬間でしたね。
(06.09.20)
□「何喋ってんだ!? 理解る言葉で言え!」
お前が言うな!(ぉ
中国語を話すラオファンに対するジャンの台詞ですが、普段から周囲には理解出来ない独自の言葉を使っているジャンにだけは言われたくありません。
□乾坤一擲武術会
見るからに弱そうな“その他”の連中ですが、実際に弱くて一瞬で負けていました。大会主催者が選抜し、言わばゲキレンジャーの三人や理央、メレと同等の実力者と見込んだのでしょうから、もう少し健闘した方が自然ではないでしょうか。一回戦の試合内容そのものは見応えがありそうでしたので、少ししか見れなかったのが残念でした。もう少しじっくりと堪能したかったですね。
□気を吸収するヤンとミランダ
つまるところ、ヤンはドクター・ゲロですね。人造人間20号ですね。
□理央/黒獅子リオ
本作で一番格好良かったのは紛れも無く理央です。
機械人ミランダに気を吸収されて倒れるメレ、ゲキブルー、ゲキイエロー。そこで降臨・・・満を持して立ち上がった理央。理央が脱ぎ捨てたマントがメレに被さるのが堪りません。飽く迄もさり気無いのが良いですよね。これで過剰にメレを心配したら理央ではありませんから、非常に良い按配です。最終的には理央も気を吸収されてしまいますが、臨気凱装をしたリオが機械人ミランダを斃すと言う見せ場もありとても恵まれていました。
また巨大戦ではゲキレンジャーに加勢するのですが、その際も獣拳の強さを証明する事が目的で、決してゲキレンジャーや激獣拳に歩み寄らない姿勢が一貫していて良かったです。そしてこの時にリオの考えを理解し、笑みを浮かべながら追随し獣人邪身変するメレがこの上なく格好良いです。理央と同等の格好良さを見せてくれました。
□「香港の人達が苦しんでいるんだ!」
・・・え? そうなの? 描写が皆無なのでそんな事を言われても戸惑います。一般人が逃げ惑ったり苦しんだりする場面が欲しかったですね。
□ヤン/機械人ヤン
本作のボスであるヤンを演じるのは石橋雅史! レーダですよ、暴魔博士レーダ!! 流石の貫禄で生身のアクションは他の誰よりも素早い動きで、掛け値無しに一番強そうでした。強さに説得力と言うものがあります。機械人へと変身した時はもう石橋雅史の出番が終わりかと落胆しました。戦闘形態も石橋雅史の素顔を活かして欲しかったです。
機械人ヤンはごちゃごちゃと複雑なものの印象には残らず面白味の無いデザインです。そして余り強くもありませんでした。まぁ、別に最強の敵と謳っていた訳でもありませんから、こんな所でしょうか。
□巨大戦闘
TVシリーズでも巨大戦の質が良いゲキレンジャーですが、ミニチュアで再現された香港の夜景が綺麗でした。強力な
ゲキリントージャの格好良さだけではありません。カメレオンの舌で相手を縛ったり、両者がビルに登ったり、工夫が見られて良い戦闘でした。
□エンディング
戦いが終わった後にシャーフー、美希、なつめがやって来るのですが、正直に言ってこの場面が要りません。邪魔蛇足不快。良い感じに盛り上がっていたのですが全てが台無しです。嫌な終わり方になってしまいました。
それからそこまでは言いませんが、作品を通してラオファンの存在意義が不明瞭でした。別に居なくても問題が無かったと思います。
□総評
筋は面白いとか面白くない以前に、どうでも良いとさえ思いました。しかしそれで良い、そういう作品なのです。本作の見所は連続して繰り広げられる激しいアクションに相違ありません。それで盛り上がる爽快な作品なのです。変に恋愛要素を絡められるよりもずっと好感が持てました。TVシリーズの評価とは対照的に、何とも意外なほどに、素直に面白い佳作です。
反面、不満も挙げられます。幾つかありますが最たるものは上で述べた最後の美希でしょう。これが本当に大きいです。これが無ければどれ程良かった事でしょうか。
それから香港大決戦と銘打っている訳ですが、実際に香港でロケをしたと思われる場面は驚くほど少ないです。正確な所は存じませんが、背景ではなく実際に役者が香港で撮影をした場面は殆ど無かったのではないでしょうか(もしかしたら皆無?)? 香港を売りにするのであればもっとまともな香港での戦いが見たかったです。
ですが総合的には面白かったと言うのは確かです。ガオレンジャーから始まった近年の戦隊映画の中では、或いは、一番に好きな作品と言えるかも知れません。
(07.08.07)
□モモタロスのなつやすみ
え、え〜と・・・・・・・・・。
□タイトル
TVシリーズでもセンスの良さが光る電王の副題ですが、劇場版でもそれは発揮されていて良い題名です。でも内容とは関係が無いと思いました(笑)。
□小太郎
良太郎の子供こと十年前の良太郎が登場してハナから小太郎と命名されていました。この十年前の良太郎がモモタロスを見た時に、現在の良太郎と同じ動きで気絶していて笑いました。若干違った印象を持つ二人ですが紛れも無く同一人物なのだと思わされた瞬間です。
予備知識が全く無かったので十年前の良太郎が登場し、しかも同行、挙句の果てには電王に変身すると言うのは意外な展開でした。異なる時間の同一人物同士が出会うのは好きなネタですが、今作でその良さは余り出ていなかったかも知れません。
□恐竜時代
モスラ3・・・(ぉ
□ジーク/仮面ライダー電王ウィングフォーム
TVシリーズで中途半端に扱われて数週間、遂にウィングフォームの活躍を拝む事が出来ました。まさに『降臨、満を持して・・・』です。変身の際に背中に大きな翼が舞う演出も良く、高貴にして華麗な戦い振りでとても格好良かったです。デザインは余り良いとは思えませんが、その戦い方は難点を打ち消して余りある魅力を秘めております。
ですが出番の短さが不満です。コブライマジンを撃破後、優雅に歩いている所を後方から不意打ちされてしまいそのまま退場してしまいました。映画だけの新フォームと銘打っているので恐らくは活躍の機会は本作のみでしょう。それを考えるともっと活躍の場が欲しかった所です。
□桜井侑斗/仮面ライダーゼロノス
電王の全形態が勢揃いすると言う展開がありますので、ゼロノスの見せ場が無いのではと不安でしたが、その懸念は現実となってしまいました。ですがその分、侑斗が活躍してくれました。これぞヒーローと言う立ち居振る舞いで非常に格好良かったです。ところで大分カードを使っていたようですが残り枚数は大丈夫なのでしょうか?
□オーナー
さっと小旗を投げてウラタロスとキンタロスを閉じ込めていた格子を破壊したオーナーは、じっと逆転の機を窺っていたと言う感じがして格好良かったです。必要以上は前面に出ない所に渋い魅力がありました。
□牙王/仮面ライダーガオウ
仮面ライダーガオウは格好良くて好きです。個性的な仮面は印象に残ります。モティーフはティラノサウルスだろうと思っていたのですが鰐だそうですね。ただ、強くて格好良いものの、見るからに最強と言う威圧感はありませんでした。映画に登場する特別な仮面ライダーなのですから、そういう方向性が見たかったです(過去の例で言えば仮面ライダーオーガが該当します)。また劇中での活躍がとにかく素晴らしいのです。圧倒的な強さで四人の電王を瞬く間に蹴散らしました。問答無用に強いと言うのが感じられた瞬間です。意外な事に設定上のスペックは取り立てて高い訳でもないのですよね。とにかく強く描写されていたので不思議に感じました。
変身する牙王は深みの無い悪役でした。掘り下げられなかったので変身後とは裏腹に印象が薄いです。ハナは牙王の事を知っている風でしたがその理由も明かされないままでした。
毎年の傾向からガオウのスーツアクターは岡元次郎だと思っていたのですが、オッシーだそうです。
□モモタロスとウラタロス
ウラがモモを助けに来た時のやり取りが良いですねぇ。良太郎とはまた別の相棒と言う感じです。この二人の関係が大好きです。
□「悪いけど時間は消させない」
この台詞を言った時の良太郎がとても格好良かったです。
□「今回は全員纏めてクライマックスだぜ!」
電王のソードフォーム、ロッドフォーム、アックスフォーム、ガンフォームが勢揃いすると言う本来はありえない光景、この映画の大きな見せ場ですね。
□ゲストイマジン
牙王の部下としてモレクイマジン、コブライマジン、サラマンダーイマジン、ゲッコーイマジン、ニュートイマジンが登場しましたがその印象はとても薄いです。記憶に残るよりも早く死んでしまいました。
今回のイマジンは東映特撮ヒーロー作品に所縁のある方が声を充てられています。言われてみればコブライマジンの声、口調は王蛇そのままでした。同じモティーフなのでより分かり易いですね。しかしニュートとサラマンダーは全く気付きませんでした。個性が薄いので個個がどんな事を話していたのかすら記憶にございません。昨年に続いて怪人の扱いが悪いです。
□最終決戦
ガオウの圧倒的な強さが感じられましたし、勝利するまでの流れも、最後まで力を尽くして強敵を打ち倒したと言うのが表現されています。ただ、最後にはガオウと電王ソードフォームの一騎打ちで勝負が決してしまったのが不満です。此処は良太郎とモモ(ソードフォーム)とウラ(ロッドフォーム)とキン(アックスフォーム)とリュウ(ガンフォーム)の全員で戦い、勝利を掴んで欲しかったです。最終的に一人だけで戦うと言うのは好きではないのですよね。他の仲間にも共に戦って、連携攻撃で止めを刺して欲しかったと強く思います。もしも本作で一つだけ不満を挙げろと言われれば間違い無くこれでしょう。それ程に残念でした。
「知ってるか? そういうの、往生際が悪い、って言うんだぜ」
「ああ、知ってるよ! 最後までクライマックスって事だろぉ!!」
戦闘中にガオウとモモが交わした上記の会話は良かったです。
□電車バトル
クライマックスは画面所狭しと繰り広げられる豪快な電車バトルです。ゼロライナーにデンライナーが連結され、ガオウライナーキバと派手に激突しました。が、稍淡白だったきらいがあります。劇場版と言う事で過剰に期待していたのもあるでしょう。もう一つ食い足りません。もっと目を張る様な凄まじい映像が見たかったと言うのが正直な感想です。それからガオウライナーは神の路線を走り全ての時間を支配すると言う割りに、ギミックが単純で凄さが見た目からは伝わりませんね。
□両親の顔を見る事が出来た良太郎
決して時の運行を乱さずに粋な計らいをしてくれたオーナーが素敵でした。
□主題歌『夢で逢えたら・・・』
見る前は今年も主題歌はタイアップかと思っていたのですが、劇場で見ていてこの曲が流れた時はとても良い曲だと思いました。流すタイミングも良かったのでしょうが、作品に合っていて悪くありません。
□総評
面白かったです。極端に突き抜けた派手さがありませんが欠点も少なく、オーソドックスに劇場版を見たと言う満足感が存分に堪能出来ました。
実を言いますと、期待はしていたけれどもそれ程楽しみにはしていませんでした。予告編を見ても胸が高鳴る、心が沸き立つと言う事が無かったのですよね。映画というのは予告編が一番面白いとはよく言いますし、事実例年は予告編を見て本編がとても楽しみになったものです。それが今年はありませんでした。『電王』のTVシリーズを毎週面白く見ているだけに余計に不思議です。本編を見終えた今から思いますと、全体的にパワーが不足していたのかも知れません。本編を含めて、もっと心を抉る様な、良い意味での大きな衝撃を味わいたかったとも思います。
敵イマジンとウィングフォームの扱いには難がありますが、モモ、ウラ、キン、リュウの四人が本格的なアクションを行い、電王の其其の形態も登場し、ガオウとの真正面からの激突があってと、戦闘が充分に用意されていたのは文句無く良い点でした。
それから細かい箇所ですが、デンライナーとゼロライナーはCGの質が向上していました。停車中にアップで大きく映した時とか質感がぐんと良くなっていましたよ。
イマジンの声を除いた友情出演は、田所さんには気が付きましたがトドロキは完全に見落としていました。少し悔しいです。
いやしかし、昨年のカブトGSLではとうとう宇宙へ行きましたが、今回は時間を越えて過去へ行ってしまいましたよ。もうこうなると来年は未来か異世界しかありませんね。
総じて、単純に面白いと思える良い作品でした。
(07.08.08)
□フレンジー
何だか可愛かったです。小さいのに一所懸命に頑張っている姿が目を惹きました。ある意味ではデストロンで一番印象に残ったかも知れません。
CDラジカセからの変形でしたがそれならフレンジーではなくサウンドウェーブと言う名前でも良かった気がします。
□中古の車を破壊したバンブル
酷いと思います(ぉ 店主は何もしていないのに大損害ではありませんか。
□「君が、アーチボルト・ウィットウィッキーの子孫、サム・ウィットウィッキーだな?」
恐い恐い恐い、顔近い顔近い顔近い!!!! 顔が恐い上に近いよコンボイ! 映画版のコンボイは不気味で恐ろしい顔をしています。
□アイアンハイド
武器のスペシャリストと言う事ですがとても物騒な性格をしていて、些細な事でモジョやサムの親を殺すと発言するのですからおっかないです。地球人を『原始的で暴力的な種族』と評していましたがそれは誰でもないアイアンハイドの事に他なりません。またコンボイがアイアンハイドの『原始的で〜』と言う言葉を受けて、「我我も嘗てはそうだった」と返していますが、コンボイにお伝えしたい。貴方の部下に約一名今でもそういうのが居られますよ、と! いえ、誰とは言いませんがね。でもデストロン連中と比べると個性が強く出ていて良いですよね。結果的にその性格を好むと好まざるとに関わらず、個性が発揮されるのは何よりも嬉しい点です。
□マイスター
外見からはクールでスマート、真面目な性格が想起されますが、口を開くと存外に軽薄でちと落胆してしまいました。マイスターは好きなので勝手に期待をしていましたがそれが裏切られた感じです。しかしバンブルの救助を強く具申していて、誰よりも仲間想いの良い奴なのだと解しました。そんなマイスターは後半でメガトロンに躰を引き千切られると言う無残な最期が待ち受けています。しかし画面が見辛かった上にマイスターの死に誰一人として反応を示さなかったので、戦いの後にコンボイが言うまで気付きすらしませんでしたよ。マイスターが好きなので、マイスターが死んだと言う事と、それに気付かなかった事と、二重の意味でショックです。
自信は無いのですが吹き替え版の声は楠大典でしょうか? いあ、スタッフロールで見掛けて思い当たったのがマイスターと言うだけで、根拠は皆無です。抑、マイスターの声を思い出せません(ぉ
□庭での一幕
サイバトロン連中の勝手な振る舞いに笑いました。特に一人で喚いているコンボイが良いですね。全体的にシリアスな作品の中で一息吐ける場面です。
□メガトロン
冷凍されていたメガトロンが復活して、開口一番、「俺様は、メガトロンだ!」。・・・格好悪いなぁ(苦笑)。
□スタースクリーム
ビークルモードからロボットモードへ、ロボットモードからビークルモードへ、変形を繰り返しながら空を自在に舞い、次次にF−22ラプターを撃破する華麗な活躍が見事でした。いや、格好良い。また今作のデストロンでは、唯一最後まで無事が確認されています。先の展開が楽しみですね。
□ブラックアウト
冒頭から活躍を見せますし登場時間で言えばデストロンでは恵まれた部類に入るでしょう。しかし活躍の度合いで言えば微妙ですし、ブラックアウト自身の個性と言うものが感じられませんでした。格好良い姿をしているだけに残念です。
□デストロン兵士の面面
割と早い段階から登場していたサイバトロン戦士と違って、デストロンの面面は最終決戦の為だけに集まった印象を受けました。だからか各各の個性が感じられません。人格が無さそうなスコルポノックは別としても、ブラックアウト、フレンジー、バリケード、ボーンクラッシャー、デバスター、スタースクリーム、メガトロンと総計七人が登場しましたが、この中でどんな性格なのか理解出来たのは何人居るでしょうか? 大半は街中で暴れ猛威を振るった挙句に何時の間にか退治されて終わっていた気がします。デストロン好きとしてはこれが残念で、勿体無いです。
□最終決戦
スリルもあって迫力満点な市街地での最終決戦ですが、最初から最後までスピーディに進むので忙しない印象を受けました。折角なのですから所所もっとじっくりと堪能したかったです。勿論一瞬の攻防にも魅力がありますが、もう少し“溜め”と“間”があった方が好みですね。例えばメガトロンがフュージョンカノンを放つ場面がありましたが、あれももっともったいぶって、それでいて放たれた一撃はコンボイを吹き飛ばしビルを破壊するほどの威力を見せるとか、そんな外連味が欲しいです。
全体的に人間視点なので、巨大なロボットとロボットが戦っていると言う構図でしかありませんでした。個人的にはTF視点で、もっと会話を交えて見た目にも分かり易い戦闘を繰り広げて欲しかったです。
□「一対一で勝負だ」
この台詞を聞いてコードギアスの第二十四話を連想し、言い出したコンボイが騙し討ちと言うのを想像していたのですが、本当にそうなりました。一対一の筈なのに(コンボイの意思ではありませんが)関係の無い人間がメガトロンを攻撃しましたよ。コンボイぃ! お前は、最後まで人を騙して! 裏切って!!
□「すまない、友よ・・・」
コンボイが呟いた印象的な一言です。敵対していましたがそれでもコンボイにとってメガトロンは友であったのですね。ボーンクラッシャーを容赦無く粉砕していますので、コンボイが敵も含めた全ての生命を尊重していると言う線は無くなります。すると矢張りコンボイがメガトロンを特別視しているのが明らかでしょう。
□総評
とにかくCGの出来が素晴らしい、それに尽きます。予め凄いだろうとは思っていましたので期待を上回ると言う訳ではありませんが、見事な質感は圧巻でした。そんな素晴らしいCGで描かれた巨大ロボットが、街中で派手にぶつかり合うのですから興奮しない訳がありません。凄いですね。
物語の筋に関しては抑抑映画を見ない人間なので何とも言えません。退屈に思えたのが最初の方にあった人間パートだけですから悪くは無いのでしょう。いきなり死を覚悟した大尉が最後まで生き残ったのは救いでした。クライマックスでも気分が高揚せずある種心の中は淡淡としたままで見終えてしまいましたが、これは小生の嗜好が子供向け作品を好んでいるからだと自分では思います。単純に好みの問題ですな。
不満点に関しては先述しましたが、デストロンの描写が不足している事や、TFとTFの戦いが淡白に終わってしまった事くらいです。飽く迄も人間が主役であったのが一因でしょうか。極論を言ってしまえば人間は完全に脇役に徹してくれた方が好みです。
最後に余談になりますが、パンフレットの中身が異常に薄いです。読み応えが皆無と言っても過言ではありません。
(07.08.09)
□荒れる学級
本郷猛が授業を教えている教室が荒れていますが、改造人間としての力を発揮して大人しくさせれば良いのにと思いました。嫌だなぁ、そんなヒーロー(笑)。
□本郷猛/仮面ライダー一号
前作では旧一号を思わせるカラーリングでしたが、今作では桜島一号風の色合いとなっています。すると次回作では、満を持して新一号カラーですね!? 断トツで新一号が好きなので今から期待してしまいます。
□一文字隼人/仮面ライダー二号
本郷猛の前に姿を見せない一文字隼人ですが、勝手に各地でショッカーとの戦いを繰り広げていると想像していましたので、クラブに姿を現した時は激しく落胆しました。
□バイクアクション
バイクを使ったアクションがとても素晴らしいです。平成ライダーのTVシリーズでもこれくらいのアクションを見せて欲しいですなぁ。しかし最初の戦闘に続いて二度目の戦闘でもライダーの逃走で終わっていて、微妙にフラストレーションが溜まります。相手もチェーンソーリザードとショッカーライダーで同じですからねぇ。
一号が危機に陥った時に二号が助けに来た場面は、旧作で一号の危機に二号が、或いは二号の危機に一号が助けに来た場面を彷彿とさせました。顔も性格も何から何まで違うのに、変身後の見た目が同じだと意外なほど似るのが不思議です。
□「何か、冷たいな」
本郷猛が可愛いです。凄く純真な人だと言うのが伝わりますね。それと本郷猛と一文字隼人の会話は全体的に面白かったです。
□風見志郎/仮面ライダーV3
劇中で散散言われていましたが、風見志郎は空っぽなのですよね。周囲に流されるままです。ショッカーに改造されれば命令を聞くだけの改造人間となり、敵である筈の本郷猛に作戦の全貌を話してしまい、一文字隼人に本郷猛を助ける様お願いしたりと、果たしてお前は誰の味方なのかと問いたくなります。ショッカーにとっても扱い辛かったのではないでしょうか。それにしても一号、二号、V3と一つの組織から裏切り者が続出ですね。それとも裏切り者は結構な割合で存在するも、大概は処刑されているから表に出て来ないだけなのでしょうか。
V3のデザインは格好良いのですが、全体的に色のトーンが抑えられているのだけが不満です。作品に合わないかも知れませんが、あの極限までに派手な色使いこそがV3だと思うのですよね。だから地味な赤は少し残念です。そんな事を言っておきながらオリジナルのV3は好みではなかったりするので、どちらかと言えば今作のV3の方が好きです(どっちやねん)。
□ショッカーライダー
設定を含めないでデザインだけで言えば、このショッカーライダーは大好きです。金色のマスクが実に好みです。
作品の内容で言いますと、ショッカーライダーを出すのに『13人の仮面ライダー』ではないのですね。前作は原作にあるこぶら男とメドウサのエピソードを膨らませたものでしたから、ショッカーライダーを出すのなら『13人の仮面ライダー』かなと思いましたが違うのですね。尤も、V3が出て来る時点で原作と別物と言えば別物なのでしょうが。
□「長生きして欲しいんだ、お前には」
そう思うのなら道路の真ん中に放置しないで下さい(ぉ 改造人間なので車に轢かれても死なないのかも知れませんがそれにしたってあんまりでしょう。
□吐血する二号
戦いの最中に血を吐く二号を見ていてつくづく思いましたが、仮面ライダーのマスクと言うのはとても良いデザインですねぇ。作り物なのに表情が感じ取れる秀逸なデザインです。
□「おい、良かったなぁ。お前、もう空っぽじゃないぜ」
どうしてこの人は、こう一一格好良いのでしょうか。タイミングと言い言い方と言い(“言”が多い)、何もかもが決まっています。
□洋館でのアクション
クライマックスとなるアクション場面なのですが、画面が全体的に暗いので見辛いです。一号、二号、ショッカーライダー、チェーンソーリザードの判別が難しい上に、激闘を繰り広げているのは理解っても具体的にどういった戦いをしているのかが理解りませんでした。採石場とは言いませんが、折角なのですからもう少し明るい場所で戦って欲しかったですなぁ。
戦いの最中で三人のライダーが並び、一号から順番にポーズを決めていくのですがこれが最高に格好良かったです。
チェーンソーリザードと戦うのが嘗ての上司であるV3と言うのは妥当でしたし、止めが単なるV3キックではなくV3反転キックと言うのが非常に嬉しかったです。矢張りV3と言えばV3反転キックでしょう!
シザースジャガーを斃すライダーダブルキックからライダーダブルパンチの流れもまた格好良いです。この時に一号が仮面を外し、二号は仮面を被ったままと言うのもまた好みでした。二人とも仮面を外すよりもずっと良いです。
□スタッフロールの後
パチンコをしている客がちはるに襲われますがこれが蛇足としか思えません。V3がちはると対峙している同時刻、琴美の背後にもちはるが居たので最初から複数のちはるが存在したのでしょうが、これが最後に挿入されてはV3がちはるをその手にかけた意味が無いではありませんか。台無しです。
□総評
とにかくアクションに迫力があって大満足でした。人間を超越した身体能力の改造人間である事が感じられる描写の数数に溜飲が下がる思いです。・・・・・・・・・あれ、もう書く事が無いぞ?(ぉ
強いて言うならば敵である怪人の存在感が少し薄いとは思いました。シザースジャガーはエキセントリックな演技をしているだけですし、最初は妖しい雰囲気が良かったチェーンソーリザードも後半ではそんな様子が無くなりましたからねぇ。ですがこれは些事と言いますか、今作では端から重視されていないようですからなぁ。
面白かったです。
(08.03.03)
□ホースファンガイア
ファンガイアで唯一怪人の姿で登場しましたが、冒頭でいともあっさりと電王に斃されてしまいました。ソードフォームを相手に多少は善戦したとは言え、その扱いは若干寂しいものがあります。
□ネガタロス
タロスと言う名前から如何にも最強の敵と言う印象を受けましたが、実際には特別に強いと言う事もありませんでした。存在感はありましたし名前負けと言うほどでもありませんが、最強の悪の組織を作ると連呼しているだけで凄さは伝わりません。
□「悪そうな顔だから犯人で良いよね? 答えは聞かないけど」
「答えは聞いてない」が多かったので、珍しく此方の言い回しも聞けて嬉しかったです。
□クラウンイマジン
面白いデザインでした。
□「斃されるのは、手前だ」
電王ガンフォームの攻撃を紙一重で躱しながら、逆に一撃をお見舞いするネガ電王が格好良かったです。上記の台詞は唯一ネガタロスが凄みのある強敵に見えた瞬間でもありました。
□ファンガイア
ホースファンガイアが冒頭で死んで、残りは人間の姿で戦っただけなので印象は薄いです。イマジンとファンガイアが手を組んだと言う言葉こそキャッチーですが、ファンガイアがファンガイアらしい働きをしていないので中身が伴っていません。イマジンにしか出来ない事とファンガイアにしか出来ない事の二つが巧く組み合わされば強大な敵になりますし深刻性も生まれるのですがねぇ。
□仮面ライダーキバ
電王が窮地に追い込まれた時に颯爽と現れてネガ電王に攻撃を仕掛けると言う登場は格好良いものでした。これぞヒーローです。しかし直後に必殺技に入ってしまって物足りないです。キバが単独で格闘でもネガ電王を圧倒する場面が見たかったですなぁ。
ある程度は予測していたのですが、キバの登場は短い間だけでした。その分、電王の危機を救うと言う美味しい場面が用意されていましたが、もう少しキバの活躍が見たかったと言うのが本音です。
□キャッスルドラン
パターンとしてはキバと同じなのですが、デンライナーに止めが刺されようとした刹那に出現し、竜巻で防御すると言う最高に格好良い登場です。どうやって時の間にやって来たのかと言う疑問はさておき(ぉ
□総評
題名から何となく予想していましたが、一本の劇場映画と言うよりも『電王』のお祭り騒ぎな特番と言った印象を受けました。映画らしい派手でスケールの大きな作品を期待すると少し違ってしまいますね。また『電王』が持つ一面のみを極端に誇張した作風は好みではありません。個人的には素直に賞賛出来る一本ではないでしょう。しかし本作の真骨頂は、何と言っても電王とキバの共演にあります。平成ライダーではこういう風に作品の枠を超えて主役ライダーが共闘すると言うのは稀有なので、それだけで充分な価値がありました。キバの扱いに不満が無いと言えば鼻が伸びてしまいますが、それでもこういう作品が見られた事は大きいです。遡れば『アギト』でアギトとクウガの共闘が見られるかと期待してから数年、やっと実現しましたなぁ。
(08.06.03)
□ガイアーク
冒頭でやられてそのまま出番が終了です。近年の戦隊映画はレギュラー悪役が軽視されがちですねぇ。ターボレンジャーとかみたいにレギュラー悪役が最強の怪人を用意するのでは駄目なのでしょうか。折角の復活した蛮機獣も碌に活躍しませんでした。ガイアークが居なくなっては面白さの七割が失われたと言っても過言ではありません。
□炎神キャリゲーター
テレビシリーズでも影が薄いキャリーゲーターですが、本作でも居残り組みと言う事で直ぐに出番が終了です。同じジャイアン族なのにジャン・ボエールとの会話すら一度も無いのが寂しいです。
□獄丸と雷剱
一目でその秀逸なデザインに惹かれるものがありました。ゴーオンジャーの怪人デザインが優れているのを改めて認識しました。車を思わせる姿へ変形するのを見てかっとびズルテンを思い出します。しかしそんな良いデザインでありながら、活躍が殆ど無いままに斃されてしまったのには不満が残ります。デカレンジャーの劇場版がテレビで放送された時に、激しくカットされていて敵が何もしないままに倒された様に見えましたがそれと同じ状態です。余談になりますがエンディングクレジットを眺めていて両者の声を担当したのが戦隊OBであるのに驚愕させられました。敵の声まで戦隊OBで固められていたのですねぇ。そして思い返すと確かに獄丸の声はメガブルーでした。そうなのですよねぇ。松風雅也はメガブルーだったのですよねぇ。今では懐かしくすらあります。
□「玉子には鉄分やミネラルも豊富で炎神にも良いっす」
玉子焼きは巨大化させたりも出来ますしね(ぉ
□名乗り
名乗りの背景にちゃんと爆発があります。TVシリーズでも偶にありますが矢張り爆発は良いですね。そしてゴールドとシルバーの場合は、ちゃんと爆発が金と銀に彩られていて綺麗でした。
□炎神レツタカ、シシノシン、ツキノワ
炎衆の三人組が実は炎神と言う展開は意外でした。それならば炎神の事を知っているのも道理ですね。
□炎神大将軍
鞘から抜くのかと思ったら、鞘に見えた部分が刀身でそのまま斬りかかったのに驚きましたが、武器として長い太刀を使う姿がとても格好良いです。エンジンオーよりも格好良いです。
□魔姫/魔忌/魔鬼
魔姫がレツタカの炎神キャストを取り込んで変貌した魔忌は、多頭の百足と言う邪悪な姿が格好良いもののCGで表現されていて魅力が半減しました。炎神キャストを失ってからは二足歩行の怪人魔鬼となって炎神大将軍と一騎打ちを繰り広げています。
三つの姿を持ちますが、漢字を変えつつも読みを“まき”で統一しているので名前に拘りが感じられて好感が高いです。
□「ヒューマンワールドに私達に似た人間が居るかもよ。正義の味方をやってたりして」
そう言えばヒューマンワールドに、大翔に似た人間が居ます。エリートでしたがやさぐれました。
□総評
全体的には可も無く不可も無く、でしょうか。ゴーオンジャーと言う作品そのものに抱く印象が余り良くないのですが、だからと言ってこの映画が楽しめないと言う事はありません。炎神大将軍に乗り込んで巨大戦に参加するのがレッド一人で、全体的に活躍がレッドに偏っている嫌いはありますが時間を考えれば止むを得ないでしょう。
(08.08.13)
□レジェンドルガ
今回の映画で登場する敵が、レジェンドルガ。ファンガイアの他にも様様なモンスターが存在する世界ですから、劇場版だけのファンガイアではないモンスターが敵として登場すると言うのは面白い要素です。しかしファンガイアを上回るとされ、ガルルやドッガが慌てていましたが、後半では割合簡単に撃退されていてそんなに強力な魔族とは思えませんでした。
□「青春なんてくだらなーい。貴方はキバなんだから戦ってれば良いのよ」
高校に入学した渡に恵が言い放った一言です。とても酷い言葉なのですが、それ以上に渡がキバである事が周囲の人間に知られているのに驚きました。
□人質が居ても構わずに殴りかかる名護さん格好良い!
渡が通う高校に逃げ込んだ杉村がなつきを人質に取るのですが、我らが名護さんがそんな事で怯む筈がありません。迷わずに杉村を殴るのです。名護さんは最高です!
□キバとイクサの共闘
レジェンドルガとの戦いの最中、キバとイクサが共に並ぶ場面がありました。共闘と呼べるほど時間はありませんでしたが、キバとイクサが協力して並んでいる姿に興奮します。普段は見られないからこその感動がありますね。
□ガルル、バッシャー、ドッガを使役するキバ
三匹のモンスターを従えるキバと言う非常に燃える図です。TVシリーズでもこういう場面が見たかったですなぁ。また三匹と協力して戦うだけではなく、流れる様な動きでフォームチェンジを繰り返しました。短い場面なので一つひとつをじっくりと見る余裕はありませんでしたが格好良いです。
□ブロンブースター
TVシリーズでは一度しか出て来ていないブロンブースターで逃走するマンドレイクレジェンドルガを追走、そのまま撃破しました。ブロンブースターとは貴重なものが見られました。
□マンドレイクレジェンドルガ
四人のレジェンドルガで最初に死亡したので活躍した印象がありません。抑抑、劇場で見ただけでは何がモティーフなのかも理解りませんでした。マンドレイクらしい要素が見当たらないです。
□ガーゴイルレジェンドルガ
ガーゴイルがモティーフだとは気付かなかったです。悪魔を思わせる邪悪な姿が格好良いのですが、哀れにも仲間であるレイの攻撃に巻き込まれてしまいます。怒って抗議しますが聞き入られる事は無く、そのままレイに逆襲され死んでしまいました。
□紅父子
面白い間柄でした。序盤は渡が一方的に音也を父親と慕うのですが、それを信じない音也の反応は冷たいです。それに不満を持ったり、「実の息子を見捨てるなんて酷い」と言ったりする渡が新鮮でした。しかし渡を息子と認識してからの音也は、打って変わって父親らしく振舞います。父親の愛情を感じられる場面も多くて強い親子の絆が確かにありました。本作のドラマ部分に於ける骨子でしょう。
でも渡が「父さん、親孝行させて下さい」と言うなり音也に強烈な一発を浴びせて気絶させたのには笑いそうになりました。渡のあんな強い態度も珍しいですし、それだけ音也への愛情が強いのでしょう。
□机母子
不要だったのでは、と言う想いが拭えません。親子のドラマは既に紅と麻生の二組があるのですから、なつきととわは削ってその分を他に回して欲しかったです。
□魔界城でのゆりと恵の会話
閉ざされた扉を突破しようと、扉に体当たりを仕掛ける二人が交わした会話です。
ゆり「貴女体重何キロ?!」
恵「四十五キロ!」
ゆり「二人合わせて八十キロ・・・行けるわね!」
恵「・・・ん? と言う事はお母さん三十五キロ? 嘘吐き!!」
この流れに笑いました。嘘吐きと言われたゆりがてへっと笑うのも愉快です。
□麻生母子がイクサに変身
恵が変身したイクサと、ゆりが変身したイクサが並び立つ、劇場版でしか見られない燃える場面でしょう。イクサへの変身を熱望する二人が、抜群のコンビネーションを見せてくれました。
□白峰天斗/仮面ライダーレイ
何の為に登場したのか存在意義が不明瞭でしたが、最後に啓介が変身したイクサとの一騎打ちに敗れたのを見て理解しました。名護啓介の物語を盛り上げる為に必要な存在だったのですね。
ただ、描写が少なかったのでどうしても淡白な感は否めません。啓介が以前所属していた組織の先輩であり、啓介の事を莫迦にしていて、実際に会うまでは音也の事を尊敬していて、力を求めてレジェンドルガに心も躰も売り渡した、本編で描写されるのはこれだけであり、そしてこれ以上の事は理解りません。もっと天斗と啓介のドラマが掘り下げられれば、最後の一騎打ちもより盛り上がったのではないでしょうか。
□仮面ライダーイクサ
この映画で一番活躍した仮面ライダーは、或いはイクサだったのかも知れません。啓介、音也、恵、ゆりと四人もの人間が変身して、多くの場面で存分に活躍していました。
□仮面ライダーアーク
映画だけの仮面ライダーが敵として登場するのは毎年の事なので、特にこれと言った第一印象はありませんでした。しかし映画本編を見てそれは一変します。戦闘の質が良くその大きさが上手に表現されていたので、とても強いと言うのがストレートに伝わります。強いと言い張る映画のライダーはこれまでにも多く居りましたが、これほど“強い“と言う事に説得力があったのは他にありません。仮面ライダーアークは本当に強い仮面ライダーでした。
ところで、パンフレットにキバとの大きさ比較が載っていましたが、絶対に映像ではもっと大きかったと思います。設定ではこんなに小さいのか、と驚きました。
□仮面ライダーキバVS仮面ライダーアーク
三メートルの巨体を誇るアークですが映像に迫力があってとても良かったです。キバとアークの格闘戦は当然ながら合成が駆使されましたが、驚くべき事に見ていて全く違和感がありません。実際にその場で戦っている様に見えます。これには驚愕させられました。キングダークから数十年・・・とうとう此処まで来たのだと感慨深いです。
□仮面ライダーキバ飛翔態VSレジェンドアーク
飛竜を思わせる姿で飛行するキバと巨大な翼を生やしたアークが、空中で派手な激闘を繰り広げます。幾度かの激突の後にキャッスルドランが出現、ドランの力と一体化したキバが必殺のライダーキックを決め、月にキバの紋章が刻まれる、この一連の流れがスピーディで迫力もあって最高でした。圧倒されます。最後の月に到達して紋章を刻み込むと言うのが、それだけの破壊力を持っているのを感じさせる説得力があります。言葉ではなく映像でその凄さを示してくれました。最高潮に相応しい盛り上がる戦闘です。
惜しむらくは大半がCGで表現されている事でしょうか。日本のCG技術ではどうしても不満が残ってしまいます。意味の無い過程なので言っても詮無き事ですが、もしもこれがCGには見えない、実写としか思えない質であったらもっと良くなっていた事でしょう。
□キバットとタツロット
最後に「やっぱりタッちゃんが居ないと駄目だわ〜」、「やっぱりぃ〜?」と言う会話がありましたが、目立った台詞がそれだけだったのが寂しいです。もっとドラマにも絡んでリアクションが欲しいですなぁ。レイキバットやアークキバットを見て何か思う事は無かったのでしょうか?
□総評
正直に申しまして、話の運びは強引でしたし無理がありました。手軽に時間を移動し周囲が簡単に受け入れているのも些か不自然に思えます。また観賞後にパンフレットや関連書籍のインタビューを拝見していますと、どうやら結構な量がカットされている事が読み取れます。展開が性急だった原因でしょう。この辺は素直に褒める事は出来ません。ディレクターズカット版の存在は知っていましたが、それが見たいと思ったのは本作が初めてです。
それでは、小生はこの映画をつまらないと感じたのか? 答えは否です。上記の様な問題点を抱えた作品ではありますが、率直に言いましてとても面白かったです。これまではMISSING
ACEが一番でしたが、それを上回る作品となりました。
何がそんなに良かったのか、答えは単純にして明快、仮面ライダーに於いて最も大切な要素が充実していたからです。それはアクション、仮面ライダーや怪人の戦闘です。GSLが最たる例なのですが、一番重要な此処が軽視されている事がありました。そうすると他が良くてもどうしても大きな不満として残ってしまいます。その点本作は文句無しと言えましょう。随所に挿入される戦闘は工夫が凝らしてあり決して単調にはなりません。どれも見ていて引き込まれるものです。最近のTVシリーズには欠けていたものが大いに感じられました。これでこそ仮面ライダー、これでこそ特撮ヒーローです。
レジェンドルガも仮面ライダーレイも、全体的に敵の描写が薄いのは難点ですが、大満足で最高の仮面ライダーでした。
(08.08.17)
□パンフレット
表紙をじっくり眺めると、全ライダーが載っている様に見えてZO、J、アギトの三人が映っていません。ZOとJの二人は(納得するかはともかくとして)理解が出来ますが、平成シリーズの中でアギトだけ省かれるのが度し難いです。何かアギトが悪い事をしましたか?
□ディケイド対アマゾン
最強の仮面ライダーを決める戦いで最初に行われた一戦です。ディケイドが響音に変身し鬼火を使ったり見所が多かったのですが、アマゾンの大切断で火花が散るだけだったのが不満でした。大切断はもっと派手に鮮血が飛び散ってこそでしょう。
アマゾンが技名の発声を行ったのに違和感があったのですが、何とこれは声を担当した関さんのアドリブで、それらしい動きをしていたから勝手に言ったそうです。これには驚きましたが道理でと得心がいきました(十六日追記)。
□ディケイド対ブラックRX
RXの剣技やロボライダーの銃撃に苦戦するディケイドですが、ファイズに変身しアクセルフォームでロボライダーの銃撃を躱し、バイオライダーの液状攻撃もものともせずクリムゾンスマッシュを華麗に決めました。
□クウガ対X
ライドルに対抗してドラゴンフォームに超変身するクウガが見物でした。
□ブレイド対ストロンガー
甲虫対決ですね。
□イクサ対スカイライダー
何でこの二人なのだろう、と関連性の無さに首を傾げました。一瞬、イクサがサイガに見えて空を飛べるライダー同士の対決なのかと思いましたよ。
□龍騎対ZX
赤いライダー対決ですね。ミラーワールドに逃げ込む龍騎に、衝撃集中爆弾を投げ付けるZXと、双方の魅力が発揮されていました。
□ディケイド&ディエンド&クウガ対V3&スーパー1&ブラック
最強のライダーを決めるトーナメントの決勝戦は三対三のティーム戦です。最強のライダーを決めるのにティームを組んでどうするの、という疑問はありますが盛り上がらないわけではありません。しかしディケイドとディエンドが並ぶとクウガが浮いていますなぁ。対する昭和ライダー組ですが、V3はともかく、スーパー1とブラックは良い人選ですね。実にミオさん好みです。そして開始された戦闘では、勝手に参加しておいて直ぐに退場したディエンドの行動が理解を超えていますが、面白かったです。特にスーパー1が赤心少林拳を駆使して活躍していたのが印象的でした。最後にイリュージョンで分身して三人のディケイドが同時に必殺技を使うのはずるいですね(笑)。
□大ショッカー
TVシリーズでも登場しましたが何度聞いても大ショッカーと言うのが格好悪いですなぁ。しかも平成ライダーの怪人もかなりの数が傘下に入っているのですよ。其其異なる怪人がショッカー如きに従っていると言うのが嫌です。
□ショッカー戦闘員
大ショッカーが格好悪いのと同様にショッカー戦闘員も受け入れ難いです。しかもそれがロケットの様に飛んでいく描写とかギャグかと思いましたよ。でもその破壊力が予想以上で被害が凄かったのには驚かされました。
□光栄次郎/死神博士
栄次郎がいきなり死神博士に変身する場面は、何も知らなければそれは驚いたのでしょうが、散散ネタバレされていましたからなぁ。それにしても死神博士と地獄大使の格好が安っぽいコスプレ衣装に見えて格好悪い事この上ありません。しかも最後の最後に何事も無かったかの様に何時もの栄次郎として合流しているのが理解不能です。一体どういう事なのですか?
□門矢士
記憶喪失だった彼が実は大ショッカーの大首領だった事が明かされました。しかし組織に裏切られた彼は絶望を乗り越えてから「大ショッカーは、俺が潰す!」と宣言します。見ている時は気にならなかったのですが、冷静に考えるととてもではありませんが士は評価出来ません。てっきり世界が滅ぶのを止める為に仕方なく世界征服と言う手段を選んだとか、そういう已むに已む得ない理由があるのかと思いきやその辺の補足は皆無でした。つまり士は元元悪人で、単に裏切られたから私怨で復讐しているに過ぎません。好感の持てるヒーローではありませんよね。
□「皆私の事を大神官ビシュムと呼ぶわ」
呼ばねー! こんな小娘にビシュムを名乗られたくありません!
□小野寺ユウスケ/仮面ライダークウガライジングアルティメットフォーム
ビシュムに洗脳されてライジングアルティメットフォームなる形態に変身したのですが、これは別に単なるアルティメットフォームで良かったのではないかと思いました。アルティメットフォームなら敵として立ちはだかるのに相応しいですし、何よりもそろそろアルティメットフォームの本格的な戦闘が見たいのですよ。そしてこんな新しい姿が用意されていながら扱いの悪さがTVシリーズと同等なのが泣けます。敵として凄く強いところを見せてくれるのかと思えば、やった事と言えば生身の士を甚振っただけです。しかもスペックを考えれば生身の相手は一撃で殺せそうなのにそうならないのですから微塵も強そうに見えません。また極め付けはクウガを通して小夜が士と会話するのですよ。これで余計にクウガの印象が薄まりました。酷い扱いです。
□「例え孤独でも、命ある限り戦う、それが仮面ライダーだろうが!」
結城丈二が絶望している士に放った言葉で、仮面ライダーの本質を表現している良い台詞です。良い台詞なのですが、あの状況でこれが出て来る流れが理解出来ません。結城丈二にとって士は仇ですし、しかも士は大首領なのですから、其処で仮面ライダーのあり方を説いても仕方が無いでしょう。
□「メロンじゃありません!夏蜜柑です!って言うか夏美です!」
大樹の「夏メロン」と言う呼びかけに対する夏蜜柑の反応が良かったです。
□ジャーク将軍
死神博士、地獄大使とショッカー由来の幹部で占められた中で唯一異なるのがジャーク将軍でした。ジャーク将軍は好きなのでこれは嬉しかったですね。でもジャークミドラにもならず簡単に死んでしまったのが残念です。此処で美味しかったのはディエンドでしょう。ちゃっかり止めを刺したのは言うまでも無いとして、ディメンションシュートが放たれた時に怪人がジャーク将軍を庇ったのでジャーク将軍は斃せないのかと思いましたが、そんな事はお構い無しに葬る威力でした。
□鳴滝
TVシリーズではすっかりディケイドの悪口を言うだけの存在となった感のある鳴滝ですが、今回の映画で彼の言う事が正しかった事が証明されました。彼の言っていた事は何も間違っていなかったのです。頼もしい事に夏蜜柑を助けてくれました。
□海東大樹/仮面ライダーディエンド
TVシリーズでもどんどん魅力を発揮しつつある彼ですが、映画でも存分に活躍してくれましたね。相変わらずの自由な振る舞いで、それでいて美味しい場面を抑えていきます。そういう意味では良かったのですが、問題がありました。大樹がディエンドライバーを持っている理由が明かされたのですが、それが何と大ショッカーから盗んだと言うのです。・・・え、それだけ? 記憶喪失になる前の士を知っている素振りでしたが、それだけなのですか? 組織の首領とその組織から宝を盗んだ泥棒では、嫌いな食べ物を知っている様な旧知の仲にはならないと思うのですよ。厳密に言えばこれは映画ではなくTVシリーズへの不満になりますが、大樹と士の関係性を楽しみにしていたのでもしもこれで終わったら期待外れ甚だしいです。
□シャドームーン
『仮面ライダーワールド』に続いての登場で、すっかりSD戦国伝で言う魔殺駆の様な便利悪役と化した感があります(笑)。でもキンタロスの声じゃなかったのが残念でした。シャドームーンと言えばあの声でしょう。
何でも変身前の月影ノブヒコを演じた方は、シャドームーンの登場する映像作品を全て視聴して研究してから役に臨まれたそうです。しかしそれだけの意気込みをかけるに相応しい役柄ではありませんでしたね。
□オールライダー
本作に於ける目玉であるオールライダーの登場です。最終決戦に唐突に現れると言うのは予想の範疇なので不満はありませんが、肝心の戦闘描写がその辺の怪人と何の工夫も無く格闘しているだけの一瞬と言うのがつまらないです。もっと其其の個性を生かした戦闘が見たかったですし、強そうな怪人を其其に宛がって欲しかったです。特に真、ZO、アギトの三人は印象に全く残りませんでした(真とZOは特徴ある戦い方ではないので個性を見せるのも難しいかも知れませんが)。
□一号、二号、RX、カブト対ガラガランダ
ガラガランダの触手攻撃で一号と二号が吹き飛びますがRXがリボルケインで薙ぎ払い、カブトが素早い動きで躱して接近、二人で相手の動きを止めたところに一号と二号のライダーダブルキックが直撃! 何だかんだ言いながらもこの流れには興奮しました。やっぱり一号と二号と言えばライダーダブルキックでしょう。
□ディケイド、ディエンド、キバ、電王、ブレイド、ファイズ対イカデビル
キバ、電王、ブレイド、ファイズをファイナルフォームライドし、ディケイドがファイズブラスターを、ディエンドがブレイドブレードを、モモタロスがキバアローを一斉に放ってイカデビルを撃破しました。しかしこれはTVシリーズでもやろうと思えば出来る場面なので特に盛り上がりませんでした。またモモタロスを出すと言うのがその人気に肖っているみたいでちょっと嫌です。
□仮面ライダーダブル対シャドームーン
ディケイドとクウガがシャドームーンに苦戦していると颯爽と駆けつける仮面ライダーダブル。圧倒的な強さでシャドームーンを叩き伏せました。この登場自体は新ヒーローの理想的な扱いでとても好きなのですが、如何せん全てに於いて時間が不足しています。先ずはシャドームーンがディケイド、クウガと戦う時間が短いので彼の強さが伝わりません。すると必然的にダブルの強さも伝わり辛いのです。ダブルの攻撃でシャドームーンが豪快に吹き飛ぶのはギャグすれすれながらその強さを見せ付けてくれて良かったのですが、もう少し時間を割いて頂きたかったです。
それにしても相手が相手だけに、助けに来るとしたらブラックかRXだろうと思っていたので意表を衝かれました。
□オールライダーキック
「皆、行くぜ!」「おー!」って。シャドームーン一人に全員のライダーキックとか、鬼ですかあんたらは。
□キングダーク
最後の最後に用意されたキングダークですが、体格が貧相で弱そうに見えました。オリジナルのキングダークも立ち上がると大概でしたが、今回のキングダークもあれから時間が経った割に大差がありません。そしてキングダークの登場にライダーが手も足も出ませんでしたが、キャッスルドランが出現して対抗するとか見たかったですなぁ。
□仮面ライダーJ
キングダークに対抗すべく巨大化した状態で仮面ライダーJが現れました。しかしこのJはディエンドが召喚したライダーで、彼だけが本物ではないのですね。そういう意味では最も扱いが悪いとも言えます。しかもキングダークにちょっと殴られただけで負けると言う弱さでした。足元のライダーを気にせず踏み潰さんと言う勢いだったのはディエンドの召喚と言う事で納得です(笑)。
□仮面ライダーディケイドコンプリートフォーム
Jが負けたのを見てディエンドがディケイドをファイナルフォームライド刺せて、巨大なディケイドライバーに変形させます。その巨大なディケイドライバーがJに装着されて巨大なコンプリートフォームに変身しました。最後の最後までディエンドが美味しいところを持っていきますねぇ(笑)。
□「ディエンド、トモダチ」
最後に帰る前にディエンドがギギの腕輪を返した事でアマゾンがこう言ったのですが、元はディエンドが奪ったのを返しただけなのですがアマゾンはそれで良いのですか? と言うかアマゾンはギギの腕輪が無くなったら死ぬ筈ではありませんか? そして今から思えばギギの腕輪を戦利品として持ってきたディエンドは何ともブラックです。
実はこの台詞は関さんのアドリブだったそうです。それならば違和感があるのも宜なるかな、しかし関さんの意志とあれば許せるから不思議なものです(十六日追記)。
□「士、君の本当の旅はこれからだ」
戦いが終わってライダーが帰って行く時に、突如振り返ったアギトの素顔が見えて上記の台詞を言います。顔を見ただけでは理解らなかったのですが声を聞いて興奮しました。翔一だー! 思わず身を乗り出しましたよ! これは嬉しいです、今回の映画で一番興奮した場面になりましたよ。
□声優
一号の声が稲田徹なのは直ぐに理解ったのですが、イカデビルやアマゾンを関(智一)さんが演じていたのには気付けずスタッフロールを見て驚きました。くそぅ、何か悔しいぞぉ。既に知った今なら見て確信出来るのでしょうなぁ。
□総評
良くも悪くもお祭りと言う事で疑問ばかりが残る内容でした。そして完全にお祭りに徹しているかと言うとそうでもないので余計に気になります。
士の出自が明かされましたが、それにより士の好感度が大幅に減退すると言う有様です。描写だけ見れば彼は間違い無く大ショッカーの大首領であり、世界征服を企んでいた事になります。そして簡単に裏切られ、自ら裏切った夏蜜柑に泣きつくと言う醜態を晒しました。果たしてこんな彼の何処に魅力がありましょうか?
そしてオールライダーと言う最大の見せ場も、左右描写が少なく時間が短いので物足りない事この上ありません。単に殴り合っているだけではそのライダーである必然性がありませんし何の喜びも無いですよ。単なるお祭り作品ならそれはそれで大好きなのですが、これではそのお祭り作品にすらなっていません。オールライダー登場の盛り上がりが皆無なのです。とても残念でした。
最初から期待はしておりませんでしたが、実際はそれを下回る作品でした。平成ライダーの劇場版では確実に最下位の評価となります。どうしてこんな風になってしまったのでしょう。しかしながら内容はともかく、これは紛れも無い『ディケイド』の最終回でした。『龍騎』の時は看板に偽りありと言う感じだった『劇場版が先行最終回』ですが、これは見事にそれを果たした感があります。
(09.08.13)
□冒頭
脂目マンプク率いるクサレ外道衆の進行で絶望的な状況に陥っている所から物語が始まります。余計な説明を省いているのですが、それにより危機に陥っている事の説得力に欠けてしまうのが難点でしょうか。一瞬でも良いので最初は優勢だったシンケンジャーが、その数を前に徐徐に押されていく描写が欲しかったです。
□作戦会議
殿が流さんとことはを少しずれていると評した事に始まる掛け合いが面白かったです。流さんの反応に劇場全体から笑いが漏れましたよ。
□血祭ドウコク、骨のシタリ、薄皮太夫
危惧していたとおり彼らの登場は一瞬でした。唯本作に限りましては、ドウコクの戦闘はTVシリーズでも見られないので仕方が無いでしょうか。
□初代シンケンレッド志波列堂
演じるのがオーブルー役の方なのですが登場が一瞬しかありませんでした。もう少し格好良い姿を見たかったです。
□ハイパーシンケンレッドVS脂目マンプク
レッドが初代の力を得た途端にマンプクを撃破してしまいました。もっと実力が拮抗した状態でのチャンバラが見たかったのでこの上なく欲求不満です。
□キョウリュウシンケンオー
格好悪い(死)。
□クサレ外道衆
クサレ外道衆と言うのが何者で、普通の外道衆と何が違うのか理解りませんでした。マンプクとナナシ連中の他に怪人らしき姿もありましたが、それも何するでもなく撃破されてしまい全く印象に残りません。せめて外道衆らしい外道を見せればまた違ったのでしょうがねぇ。
□3D上映
これは技術の進歩があるからか、ちゃんと立体的に見えました。特に崖の上とかで奥行きが生まれるのは良かったです。しかしこれは作り手のセンスが問われますね。大半の場面では何の意味も無く、まだまだ3D上映の見せ方に成熟していません。現時点のみで言うなら見る価値は薄いですね。
□総評
終了後、近くに座っていた子供が「もう終わり? 早かったね〜」と言っていたのですが、まさにその一言に尽きます。どうやら上映時間はTVシリーズよりも短かったそうです。これまでも基本的に戦隊の劇場版は短く、TVシリーズに毛が生えた程度だったのですが、流石にTVシリーズよりも短いと言うのは初めてでした。そしてこの上映時間の煽りをもろに受けており、とにかく一瞬で終わっています。ドラマと呼べる部分が皆無だったのは別に構いませんが、肝心の戦闘描写も淡白だったのが残念でなりません。もう少しまともに見せて貰えないものでしょうか。公開前の盛り上がりは薄かったものの、戦隊の劇場版は安定した最低限の面白さが保証されていると思っていましたが、その限りではありませんでした。そして残念ながら3D上映はその不満を補うほどの魅力が無く、不完全燃焼です。
(09.08.13)
□冒頭
高速で空中を飛行するスカイライダーが格好良かったです。スカイライダーは現在の技術でこそ輝きますね。そのスカイライダーがディケイドに斃され、今度はカブトとスーパー1がディケイドとの戦いに移行しましたが、クロックアップの前にスーパー1が成す術も無くやられてしまいました。スーパー1はとても好きなライダーなので、スカイライダーやカブトと違って一切の見せ場が無くて哀しかったです。しかし最後まで見てみると、今作は前作『オールライダー対大ショッカー』と異なり全てのライダーが登場する訳ではありませんから、出られただけでも恵まれていた方なのかも知れません。それでも無残に残ったスーパーハンドが哀愁を誘いますがね。腕を犠牲にして躱したのかと思いきや腕だけ残っただけでした。それにしてもスーパー1は何時見ても格好良いなぁ。
□仮面ライダーJ
もうすっかり巨大化して登場するのがJの定番になっていますね。実は巨大化がJ自身の能力ではないと言うのが忘れ去られています。
それはさて置き巨大Jの描写ですが、合成は流石に優れていますが、矢張り迫力はオリジナル版が一番ですね。
□岬ユリコ/電波人間タックル
今の時代にあのデザインのままはきついものがあります。タックルはもう少し洗練したデザインにして欲しいものですが、考えたらライダー連中もそのままで出ているのですから不思議は無いのでしょうか。ライダーだと気にならないのにタックルだと不自然ですなぁ。
□ディケイドVS龍騎&ブレイド
戦闘相手のブレイドをファイナルフォームライドさせて自らの武器と化し、それで龍騎を切り裂くのが実に反則です。いきなり味方だったものに斬られた龍騎や、味方を斬ってしまった事になるブレイドは呆然とするより無いでしょう。
□仮面ライダーディケイド激情態
空中飛行するスカイライダーを追撃後撃破、スーパー1とカブトを纏めて撃破、巨大なJにはギガントとサイドバッシャーのミサイルを立て続けに浴びせて撃破、ブレイドと龍騎も撃破と、まさに鬼神の如き強さを発揮していました。特に最初のスカイライダー、カブト、スーパー1戦はその恐ろしさが顕著に表れており、空を飛んでいたらいきなりディメンションキックの照準を兼ねたカードが迫ってくるスカイライダーの、高速移動されて何が起こっているのか認識すら出来ないスーパー1の、クロックアップにクロックアップで対抗したのにインビジブルで姿を消されて相手が見えないカブトの、其其の恐怖が伝わってくるようでした。激情態はカメンライドしなくても各ライダーのアタックライドが使用できると言う設定で、それが如何に脅威なのかと言うのをまざまざと見せ付けられた気分です。そしてこの“強さ”の表現が非常に上手でした。一目見て単純にディケイドが強いのだと思わされます。小生がこれまで見てきた特撮ヒーロー作品に於ける圧倒的に強い存在の描写で最も納得の出来るものかもしれません。単純にボコボコ殴ったり爆発を起こして相手を吹き飛ばすだけではこうは行きませんよ。
□クウガVSディケイド
やっと、やっと、アルティメットフォームの本格的な戦闘を拝む事が出来ました。これを十年も待ち望んでいたのですよ。やっぱりライジングアルティメットフォームよりもずっと格好良いです。しかし単純な殴り合いのみだったのが残念でした。もっと究極の戦士らしい派手な描写が見たかったです。
□「お前を一人では逝かせない!」
友である士と戦わざるを得ないユウスケが放った言葉は格好良いのですが、もう一つ説得力に欠けました。もっと積み重ねてここぞと言う場面なら盛り上がったでしょう。しかも結果がユウスケが一人で死亡して士が生き残っているのですからギャグですよ。
□仮面ライダーキバーラ
士を抹殺する為にキバーラが夏蜜柑を変身させます。此処は良いのですが何故かゾル大佐(つまり鳴滝)と戦う時にも力を貸してくれるのです。これはどういうことでしょう。キバーラは鳴滝の指示で動いているのではありませんか?
□門矢士/仮面ライダーディケイド
創造は破壊からしか生まれない。ライダーの物語を紡ぐ為には一度全てを破壊しなければならない。その為に全てのライダーを斃し、そして最後は夏蜜柑に殺される事を選ぶと言う行動理念は分かり易く、前作よりもずっとすっきり受け入れられました。ちゃんとヒーローらしいです。
見ていて全く気が付かずパンフレットで知りましたが、本作のディケイドは少しデザインの変化した激情態だったそうです。それにしてもこのディケイドは強かった! 今作こそ大ショッカーの大首領と言われてしっくり来ます。スカイライダーを追尾している時は恐怖すら感じさせます。これまでに見て来た特撮ヒーロー作品の中でも、屈指の魅力的な“強い”描写でした。
□タックルVS蜂女
自分の事を唯一見てくれた士を助ける為に、一度死んだタックルが因縁の相手である蜂女にウルトラサイクロンを決めて二度目の死を迎える・・・。言葉で表現するととても良い場面なのですが、如何せん描写が少な過ぎて感情が乗りません。もっと積み重ねた上でなら感動した事でしょう。
□鳴滝/ゾル大佐
いきなり鳴滝がこれまでの流れを無視してスーパーショッカーの一員であるゾル大佐に変身したのには唖然としました。鳴滝の正体や思惑に期待していたのにこれでは納得できよう筈もありません。しかもドラスが出て来た時に何時もの様にこれもディケイドの所為だと言い出した時は本気でどうしようかと思いましたよ。嬉嬉としてネオ生命体を作り出していた張本人ではありませんか! TVシリーズ最終回直後の予告編で、「正体を明かす時が来たな、ディケイド!」と言っていたのは何だったのでしょう。あれ、凄く楽しみにしていたのになぁ。
□復活怪人
スーパーショッカー配下として歴代の作品から何体か登場しています。最も目立っていたのはザンジオーでしょう。矢張り映画と来たらこの人ですね。他にゴオマが居たのも確認出来ました。しかし何れも背景として登場しライダーにやられる戦闘員の扱いでしかありません。
□ネオ生命体/ドラス
ドラスは好きな怪人ですがこれがラスボスと言うのは頂けません。ラスボスはちゃんと全く新しい怪人を出して欲しかったですよ。
□最終決戦
ドラスと戦うディケイド、ディエンド、クウガ、キバーラに加勢する為に別の世界から、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバが駆けつけてくれます。しかしこの場面はどうせなら、変身前も出して変身する場面から見せて欲しかったです。本作にはアスムとワタルが登場しているのですが、この二人だけなのが中途半端でした。
ディケイドがクライマックスフォームに変身し、応援に駆けつけた各ライダーをシャイニングフォーム、サバイブ、ブラスターフォーム、キングフォーム、装甲響鬼、ハイパーフォーム、超クライマックスフォーム、エンペラーフォームに変身させました。ですがこの後の戦いは早すぎて碌に視認も出来ず、全く盛り上がりません。最強形態に変身した意味も無いのです。全く面白くない戦闘でした。
□マンモスメカ
唐突に出て来ました。どういう出自なのかも分からず反応に困ります。しかも本格的な戦闘が始まる瞬間、TVシリーズの各話が終わる画面になって終了しました。一瞬、「またか!」と怒りとも呆れともつかぬ想いに捉われましたが、直ぐにカラクリが分かって一先ずは落ち着きました。しかしそれでも中途半端な終了です。
□総評
大味で大雑把な映画でした。しかも盛り上がるわけでもなく、やっつけ仕事のまま最後まで走りました。
一番の問題点は完結編を謳いながらそれに足る内容ではなかった事でしょう。TVシリーズの最終回はいきなりディエンドがディケイドを撃つと言う衝撃的な場面で終わりましたが、その後、どうなったのでしょうか? その経緯が全く語られる事も無く、士が一人仮面ライダーと対立している状況から始まりました。全く繋がっていません。そしてディケイドについて重大な秘密を握っていると思われた鳴滝が、何故かゾル大佐としてスーパーショッカーを率いていると言う理解不能な展開になっています。
では他の点はどうだったでしょう。ヒーロー作品の見所が格好良いヒーローと凶悪な敵との血湧き肉躍る戦いである事は論を持たないでしょう。しかし本作はそれも著しく欠如しています。戦闘そのものは何度もありますが力が入っていたのは序盤のみで、後半になるにつれ無味乾燥に殴り合うだけのぞんざいなものになりました。最終決戦で登場した歴代平成ライダーの最強形態、その活躍に一つでも印象に残るものがあったでしょうか? 歴代の主役が登場して最強形態に変身する、それだけでもっと盛り上がって然るべきではありませんか。
総括して大変に残念な出来であると言わざるを得ません。前作である『オールライダー対大ショッカー』よりは良いと思えましたが、それでも及第点にすら遠く及んでいません。TVシリーズがあんな終わり方をして、それから待たされた挙句がこれなのでしょうか。言いたくはありませんが『仮面ライダーディケイド』と言う作品にほとほと愛想が尽きました。
(09.12.13)
□鳴海亜樹子
あー、映画にもこれが出るのかぁ。この映画では比較的に大人しかったのですが、一度悪くなった印象はどうしても覆されず、出て来るだけで腹が立ちます。それにしてもあれ、脚が太いですね(ぉ
□鳴海壮吉/仮面ライダースカル
TVシリーズ初回で死んだおやっさんが劇場版で遂に本格登場しました。しかも仮面ライダースカルに変身します。私自身は特に好きでもありませんが翔太郎が憧れるハードボイルド探偵として巧く描かれていました。
□ファングジョーカー
過去の回想でビギンズナイトの日に使われたダブルの新フォームで、恐竜の様な激しい戦い方が格好良かったです。アームファングを見てブルーシードの草薙護を思い出しました。
□「お前の罪を数えろ」
ダブルが決め台詞として使用している上記の台詞ですが、壮吉からの受け売りであったと言うのは予想の範疇でした。しかし興味深いのがフィリップが壮吉から言われていた事です。嘗て自分に向けて言われた台詞を使うのは一言では言い表せない複雑な心境がある事でしょう。この決め台詞がグッと深みを増しました。
翔太郎に比べればフィリップが壮吉と触れ合った時間は僅かなものでしかありませんが、フィリップの人生に於いて非常に大きな影響を及ぼしたでしょう。翔太郎だけでなくフィリップにとっても壮吉の存在が意味を持っているのです。
□デス・ドーパント/ダミー・ドーパント
四つのしゃれこうべが縦に並んだ姿と不気味な語りかけが雰囲気を出していました。それがDはDでもデスではなくダミーと言う落ちも良かったです。死者を生き返らせると嘯きながら、実は単に擬態能力を持つだけでした。
それは良かったのですが、劇場版の敵としては物足りない印象です。もっと映画に相応しい最強の敵が良かったです。また劣勢に追い込まれたダミー・ドーパントがトラックに目を向けた時は、トラックに擬態してダブルと激しいカーチェイスを繰り広げるのかと思いきや、タイヤに擬態して逃げるだけと言うのが拍子抜けでした。
□幹部参戦
ダミー・ドーパントの窮地に、ナスカ、タブー、クレイドールの三人が参戦しました。やっぱり映画なのですから幹部との戦闘も必要でしょう。それが盛り込まれていたのは高評価です。しかしテラーは仕方ないにせよ、スミロドンが出なかったのが少し残念でした。
□総評
感想として取り上げた項目が非常に少なくなってしまいましたが、作品評価が低いのかと言えば全くの逆です。一言で言ってとても面白い映画でした。
ディケイドの反動で相対的にとても緻密で丁寧に作られた作品に見えてしまいました。実際はこれで普通でしょう。しかしディケイドとの比較を抜きにしても高評価を与えられる作品です。敵が擬態するだけのダミーであったのを筆頭に劇場映画の割にスケールが小さかったのが難点ですが、その他は丁寧に作られ基本に忠実な佳作でした。壮吉を死なせてしまった翔太郎がそれを乗り越える成長や、二人の主人公である翔太郎とフィリップの出会いが丹念に描かれていて、非常に好感の持てる作品です。
(09.12.13)
□冒頭
マンモスメカと交戦するディケイドと、ダミーを追うダブルがリンクし、一つの作品へ繋がります。画面を左右で二つに分け、同時に展開し、各各の台詞が巧い具合に噛み合う描写は特筆に値するでしょう。非常に盛り上がりました。
□キャッスルドラン
大乱戦の中で一瞬ですが、スーパークライス要塞と戦うキャッスルドランの姿が確認出来ました。キャッスルドランが大好きなので嬉しかったです。
□ハードマンモシャー
マンモスメカにハードタービュラーをドッキングさせて、強制的にダブルの戦力にしてしまいました。どうせならキャッスルドランと合体して欲しかったですなぁ。
□アルティメットD
ダミーにネオ生命体が取り付いてアルティメットDになりました。最後は等身大怪人との戦闘で決めてくれるのと、ちゃんと映画オリジナルの新しい怪人を出してくれたのは嬉しいです。しかし戦闘は適度にダブルとディケイドが殴られた後に必殺技で逆転と言う安直な流れで落胆しました。否、流れそのものは良いのですが、もっと戦闘の質と量を高めて欲しいです。ぼこぼこと殴り合うばかりでは見応えがありません。スカイライダー、スーパー1、カブトを瞬く間に撃破したディケイドの方が余程強く見えました。強力な敵なのですからああいう風に描写して欲しいです。見比べると同じ作品とは思えないほど戦闘の質に落差があります。
□「何処の誰だか知らないが、帽子似合ってるな」
最後に登場した別の世界の壮吉が翔太郎にかけた言葉です。翔太郎は感極まって泣いてしまいます見ていて此方も感動しましたよ。自分の未熟さが原因で師匠を死なせてしまった翔太郎が、やっと心から救われた瞬間でしょう。最高の台詞でした。
□「風都の仮面ライダーは一人じゃない」「アクセル」
綺麗に終わっていたのに最後の最後に、謎の男が現れて新たな仮面ライダーが登場する事を示唆します。恐らくと言うか十中八九『W』に新しく登場する仮面ライダーなのでしょうが、それをこの場面で挿入する意図は何なのでしょうか。しかも変身するわけでも無くこれだけ言われても反応に困ってしまいます。変身したら変身したで登場するだけで戦わないのかと言う別の不満が出ましたが、名前だけ出されても期待のしようがありませんでしょう。これ以上無い完全な蛇足です。
□総評
二つの作品を一つに繋げたのは見事でした。上記の様に冒頭のテンションは素晴らしいです。単なる併映に留まらない興味深い試みだったと思います。しかしこれを評価する一方で、単品だと其其終わり方が中途半端になってしまったのが不満です。どちらも等身大怪人との派手な決着が無い上に、中途半端なところで終了してしまっています。両立は難しいかも知れませんが単品でも綺麗に終わらせた上でこれに繋げるのが理想でしょう。
(09.12.13)
□冒頭
ガンマンワールドでエンジンオーG12とバッチードが西部劇の決闘を行っていますが、あの鈍重な巨体でやられても不似合いです。
□ゴーオンレッド乱入
シンケンジャーがウガッツと戦っているところへゴーオンレッドが乱入します。小生はゴーオンレッドが嫌いなので、その、辛かったです。
□害統領バッチード
ゴーオンジャー最終回で名前のみ出た害統領が本作の敵として登場しました。こういうのは嬉しいですね。
声を演じているのが戦隊シリーズでは聖獣ラキアで有名な銀河万丈なのですが、声を聞く度に宇宙かけのネルヴァルが思い浮かんでギャグに思えてしまいました(死)。
□ガイアーク三大臣
三途の川に漂っていたのを外道衆が引き上げこの世に出でましたが、バッチードも何でこんなしょうもないのを生き返らせたのでしょうか。やる気の欠片も見せないこの三人は悪役失格です。態態生き返らせてまで映画に出す必要も無いでしょう。
□「黙れ!」
屋敷の中で揉めている流さんと走輔をボンパーが一喝して黙らせた時に劇場で笑いが起きました。斯く言う私も最初はくすりと笑った程度だったのですが、劇場の笑いにつられてしまいましたよ。
□軍平と流さん
この二人が極端に誇張された性格付けをされていたのが気になりました。結果的に笑えるのは構いませんが、漫画ではあるまいしもう少し落ち着いた描写にならないものでしょうか。
□シンケンレッドVSゴーオンレッド
戦いながら周囲のナナシ連中やウガッツを盾にして仕留めていったので、戦うと見せかけて戦闘員を全滅させる戦法なのかと思いました。「・・・読めた!」と確信していたのに実際はまるで違いましたよ。
□戦闘
この映画を見る動機となったのが戦闘に力が入っていると感じられた事でした。幾つかありますが中でも特に気に入っていたのが、高所からシンケンブルーが派手に飛び降りる場面です。しかしこれが本編ではある種のギャグとして処理されており、飛び降りた先にはクッションを持った黒子が待っている上に飛び降りた後に戦うわけでも無くそれで終わりなのです。これにどれほど落胆し幻滅したでしょうか。飛び降りてそのまま流れる様に戦闘に突入すると期待していたのに、飛び降りるだけと言う何の意味も無い行動です。勝手に期待しただけと言われればそれまでですがまさか飛び降りるだけで何もしないとは誰が想像で期待でしょうか。こういう風に戦闘に余計な描写を入れて茶化すのは本当に嫌ですなぁ。
□ゴセイジャー
映画を見る前から理解っていたゴセイジャーの登場ですが、それでも尚、興奮しました。アクマロ、十臓、太夫が戦場に立った事に喜び、更にゴセイジャーの登場で喜ぶ二重に嬉しい場面です。唇のついたゴセイジャーのマスクデザインは素晴らしく格好良いですなぁ。それにしてもシンケンジャーが五人でかかっても歯が立たなかったアクマロを、たった一人で追い詰めるゴセイブルーの戦闘力は凄いですね。
映画が公開された頃の本編では既に退場していたアクマロが見られた事自体も嬉しかったです。アクマロはやっぱり良い悪役だったと再認識しました。
□ホムラコギ
ドウコクに命じられてバッチードに協力していたアヤカシです。巨大な車輪で走る様子から見るにモティーフは火車でしょう。
バッチードと共に月に向かっている途中で捨て駒にされ、折神と炎神の一斉攻撃を受けて散りました。それを見たヒーローが仲間を見殺しにするなんてと激昂していましたが、元よりバッチードとホムラコギは目的が同じだから協力しているだけで信頼関係も無いのでそう騒ぐ事でもないでしょう。まぁ、だからと言って正義のヒーローがドライに返しても困りますが(笑)。
□月面決戦
サムライハオーとエンジンオーG12の最強タッグに対してバッチードはバッチリウムプラントと合体して対抗しました。意外と言っては失礼ながらこれが存外に強く、サムライハオーとG12を寄せ付けません。その危機をイカテンクウバスターをシンケンオー、ダイカイオー、モウギュウダイオー、エンジンオーG9、キョウレツオーの五体で支えて撃つ『サムライフォーメーション23』で打開しました。
サムライフォーメーション23は言わば戦隊ヒーローの必殺バズーカを巨大ロボで再現した様な形となりましてそれは興味深いのですし、敵がサムライハオーとG12の二体よりも強いと言うのは良いのですが、ではそれだけの魅力が凝縮された戦闘だったかと言うと首を捻らざるを得ません。バッチリウムプラント合体バッチードの攻撃は僅かな間だけ火砲を撃っただけですし、サムライフォーメーション23も迫力がありませんでした。もっと映像で魅せて頂きたかったです。
□総評
主にアクション面で大きな大きな期待をしていたのですが、予告編以上のものは無い映画でした。辛うじて面白かったと言えますが期待の大きさと比べると不満足です。しかし内容の良し悪しはさて置いて、戦隊単品の映画でこれだけの長時間は稀少です。ある意味に於いてはその点のみに価値がありました。
VSシリーズの存在を根底から覆しますが、二大戦隊の競演ではなく純粋に一つの戦隊でこれだけの上映時間を持った映画が見たいと思いました。或いはもう一つの戦隊が出るとしたら、本作に於けるゴセイジャーの様な扱いで丁度良いのではないでしょうか。
(10.02.16)
□「莫迦なッ! ウォースターはとっくに俺達が斃した筈なのにッ!!」
ウォースター反応の出現を聞いてアグリが発した台詞ですが、とっくは言い過ぎでしょう。未だそんなに時間が経っていませんよ。
□ラシル
出た瞬間から不安でしたが最後まで見て矢張り、彼女の存在は不要だったとしか思えません。尺が短いのに無理にゲストを出す必要も無いでしょう。
□ラグナロク
天使とも合いそうなスケールの大きな単語に興奮しましたが、映像では世界の終わりを感じられませんでした。悪意が宇宙人の姿を象るよりも、もっと直接的な被害で世界の危機を表現して欲しかったです。
□ゴセイナイト
ゴセイジャーのピンチに駆けつける姿は何時もながら格好良く、そして頼もしいです。ゴセイジャーが地球を守り、ゴセイナイトがラシルと言う一人の女性を守る構図は、普段とは正反対で興味深いのですが、あろう事かゴセイナイトの出番はそれだけです(苦笑)。ゴセイジャーがウォースターと戦っている間にゴセイナイトは筋グゴン、膜インと戦うとかそんな見せ場が欲しかったですなぁ。ゴセイナイトの出番が少なくて不満です。
□超新星のギョーテンオー
ウォースターの最高幹部です。声に迫力がありました。しかしゴセイレッドとの一騎打ちで敗北したので強い印象が全くありませんでした。先にやられたデインバルトが意外に弱いと思いつつも、メインのギョーテンオーが生きていると期待していたのですが完全な期待外れです。レッドとの一騎打ちは構いませんが最後までそれでは困ってしまいます。多くは望みませんがせめてゴセイジャーの五人と同時に戦い、最後は五人全員での必殺技を受けて欲しかったです。
□明星のデインバルト
ギョーテンオーが引き連れている部下です。すっかり常連となったサタラクラの声が良い味を出しています。今回、残党として登場したウォースターはこの二名のみで、些か寂しい感じはしますね。
□彗星のブレドラン/チュパカブラの武レドラン
ウォースター残党の出現に際して、久方振りにブレドランとしての姿を披露してくれました。矢張り此方の方がスマートで格好良いですね。以前はそんなに好きでもなかったブレドランですが昔馴染みにあった様な感覚で嬉しくなりましたよ。
戦闘中に武レドランの姿に変化したのが、仮面ライダーのフォームチェンジみたいで印象深いです。テレビシリーズでもこういった戦法を見せて欲しいですな。
本心からギョーテンオーに忠誠を誓っていたのではないでしょうが、この映画の中では素直にウォースターの残党に協力していたのですよね。抑、考えたら彼が明確な裏切りをした事は未だ無く、その都度で使える相手を違えても不義理はしていません。意外に好感が持てます。
□地球犠獄集団 幽魔獣
武レドランに待っていてくれと言われてそのまま大人しく待っているだけで終わりました。先にも述べましたがゴセイナイトと戦うとかして欲しかったですなぁ。映画ならではの新しい敵を用意するのは構いませんが、ちゃんとレギュラーの敵も大切にして欲しいです。
□巨大戦闘
3Dバージョンを観賞したのですがその恩恵を最も受けたのが巨大戦でしょう。広大なセットにすっくと立つギョーテンオーの姿は迫力がありましたし、破壊された瓦礫が飛び出して来る様でした。
□ゴセイワンダー/ワンダーゴセイグレート
名前からするとレー・ワンダと何らかの繋がりがあるのは明らかです(ぇー
胸部のヘッダーが武器を加えるのは最後の切り札と言う感じで格好良いのですが、グレートが突撃するのではなくヘッダーが勝手に飛んでいって攻撃するのは反則だと思いました。両手のヘッダーも別に失われたわけではありませんし最後の切り札でも何でもありませんな。
□ED
専用のテーマソングが用意されていましたが格好良かったですね。何時ものガッチャガッチャだったらどうしようかと思いましたよ。
□総評
改めて感想を書こうとすると思いの他書く事が無く、どちらかと言うと悪かった点を並べている様になってしまいましたが、映画としては非常に面白くてかなり気に入りました。大満足です。ゴセイジャーは戦闘での動作の一つひとつが左右決まっていてヒーローらしいのです。返信前は頼り無い印象のあるアラタですが、ゴセイレッドなんか紛れも無くヒーローにしか見えません。ゴセイジャーは面白いです。
しかしながら物足りない点が多多あったのもまた事実です。特にそれが集中したのが終盤でした。山場となる筈の戦闘なのにビービ兵はおらず、最大の敵であるギョーテンオーがレッド一人に敗れてしまう始末です。戦闘員が出て、五人が協力して戦って、最後は五人全員が揃わないと使えない必殺技で決める、これが戦隊の守られるべきパターンでしょう。映画なのですから尚の事です。戦闘はどれも面白かったもののその不満が致命的でした。
(10.08.08)
□題名
どうしても田村ゆかりの『おしえてAtoZ』を想起してしまい、複雑な気分になります。一気に印象が変わってしまいますよ。
□冒頭
風に揺れるエターナルのマントが、テレビシリーズOPでダブルのマフラーが揺れる場面のセルフパロディになっているのですね。似ている様で違う、映画を見に来たという気分が味わえて良かったです。
□復活ドーパント
T2ガイアメモリがばら撒かれた事で嘗て登場したドーパントと同じ姿のドーパントが再び登場します。しかしバイオレンス、アイスエイジ、ナスカ、ウェザーの四体だけなのですよね。もっと大量にわんさか登場するのを期待していたので寂しい結果です。
□左翔太郎/仮面ライダージョーカー
翔太郎がT2ジョーカーメモリを使って一人で変身した仮面ライダーですが、ライダーキックやライダーパンチがとても格好良く、マキシマムドライブはダブルより良いと思いました。
□照井竜/仮面ライダーアクセル
高速で回転する独特な戦い方で、T2ナスカとT2ウェザーを難無く撃破するアクセルは強いですねぇ。戦い方がとても格好良かったです。
風都タワーに登る際に翔太郎と竜が見せたやり取りは、翔太郎とフィリップとはまた違った男と男の絆が感じられて好きな描写です。
終盤でガイアメモリの機能が復活して竜が変身した時も待ちに待った登場と言う感じでした。やっぱりアクセルは格好良いですねぇ。
□特殊傭兵部隊NEVER
映画の敵に相応しい悪役でした。其其が変身するドーパントが、ダブルが使っているメモリと同じと言うのが小粋です。五人と言う人数が戦隊みたいですね。
□大道克己/仮面ライダーエターナル
悪のカリスマと言う感じでとても印象的でした。映画で悪の親玉を務めるのに不足はありません。
仮面ライダーエターナルはシンプルながら、マントがとにかく格好良いです。マントは最高です。大量のメモリを使えるのも強さの表現として分かり易かったですね。
□泉京水/ルナ・ドーパント
常にオネエ口調でしゃべり、動きもくねくねとしているので凄まじい存在感がありました。間違い無く克己の部下四名では最も目立っていたでしょう。気持ち悪さが漂っているのに不思議と気になってしまいました。最初に変身した時のポーズとか最高に気持ち悪いです。嫌いじゃないわ!
□羽原レイカ/ヒート・ドーパント
NEVERの紅一点。・・・うん、終わり(ぉ
□芦原賢/トリガー・ドーパント
公開前の特番で演じているのが映ちゃん役の方と知っていたのですが、映画を見る頃には完全に忘れてしまいました。覚えていればもっと意識して見たのですが勿体無かったです。逆に言えば覚えていないと気付かなかったです(ぉ
□堂本剛三/メタル・ドーパント
強靭な肉体を武器に激しく戦っていました。メタルは顔のデザインが仮面ライダーを彷彿とさせます。
□園咲冴子
NEVERをテロリスト集団と完全に見下した台詞が格好良かったのですが、特に物語には絡まず変身もしなかったのが残念でした。どうせならT2ナスカやT2ウェザーと戦って欲しかったです。ウェザーを見て「先生以外にその姿を使われるのは我慢がならないわ。私の目の前から消え失せなさい」と変身して打ち殺して欲しかったです。
□園咲琉兵衛
冴子と同様に彼にも特に出番が無かったのが残念です。大物を気取って動じていませんでしたがダブルが敗北すれば彼にとっても打つ手が無く絶体絶命の危機だったのですよ? テラーに変身し何時もの様にはっはっはっはっはと哄笑しながら、大量の復活ドーパントを一掃する様な見せ場が欲しかったです。
□仮面ライダーオーズのゲスト出演
映画公開前の日曜日に放送された特番でオーズのゲスト出演と言うトピックが思い切りネタばれされてしまいました。これは本気で酷い仕打ちです。何の事前情報も知らずに劇場で見たらさぞや興奮した事でしょう。特番を見ながら怒鳴りたくなりましたよ。
左右で分かれているダブルに対して上下で色分けされたデザインのオーズは、変身やフォームチェンジの時に飛蝗とか蟷螂と叫んでいるのが強烈な印象を受けました。ボディの一部とは言え、主役ライダーに飛蝗が使われるのは平成ライダーでは初めてですね。
本来はこういった新ヒーローのゲスト出演は大好きなのですが、この映画に関しては物語の繋がりが異質な存在に断ち切られてしまった様な感じでした。異なる番組から登場する以上ある程度は仕方ありませんがもう少し工夫が欲しいですな。
□「イケメンなのに強いのね!」
大事な事だから三回言ったのですね。この台詞を連呼しながら突撃するルナが印象的です。やっぱルナ好きですわ。素敵!
□「ライダーと言えば、助け合いでしょう」「仰るとおりだわー!」
仰る通りなのですか(笑)。嫌いじゃないわ!
□「さぁ、お前の罪を数えろ!」「今更、数え切れるか!」
おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?
こういう決め台詞を利用した掛け合いは好きです。
□クライマックス
街の人人が仮面ライダーの名を呼びながら声援を送り、そして風が吹き、力を得たサイクロンジョーカーゴールドエクストリームがエターナルを真っ向から打ち破るのはお約束ですが盛り上がりました。
因みに群衆の中にはこれまでテレビシリーズに登場し、翔太郎達に助けられた人人が登場しているのですよね。そうだろうとは気付けたのですが、出番が短いので個個の認識は出来ませんでした。
□総評
奇を衒わない直球の作りで、素直に面白いヒーロー映画でした。アクションも盛り沢山でとても面白かったです。この監督はウルトラマンよりも仮面ライダーの方が向いていると感じていましたが作品を見てその認識をより強くしました。ウルトラマンだと違和感がある描写も仮面ライダーなら問題ありません。
唯一の不満がミュージアムの幹部連中に大した出番が与えられていなかった事です。矢張りちゃんと変身して戦って欲しいと思うのですよ。併映のゴセイジャーにも共通して言えるのですが、レギュラー悪役をもっと大切にして欲しいのですよね。映画だけの新たな敵を出すにしてもレギュラー悪役を蔑ろにされるのは残念でなりません。前作ではミュージアムの幹部に戦闘が用意されていたのですから、今作でも其処は外さないで欲しかったです。
またリボルギャリーを肇とするメカニックが使われなかったのも残念です。やっぱり映画ではこういう戦力の総登場を期待してしまいますよ。最後はメカに頼らないダブルとエターナルの一騎打ちに不満はありませんが、それこそ序盤とかもっと他の場面でメカニックを出して欲しかったです。
しかしその不満を除けば安心して楽しめる映画です。
(10.08.08)
□結婚式
照井竜と鳴海亜樹子の結婚式から物語は始まります。しかし抑抑、この二人が結婚と言うのに釈然としないものがあります。TVシリーズ本編で亜樹子が途中から竜に好意を寄せている描写はありましたが飽く迄も格好良い男を見て騒いでいると言う程度でしたし、竜に到っては全く意識していませんでした。だから其処で違和感が拭えません。
それにしても亜樹子は地元の友人知人が皆無なのですね。結婚式なのに友人と会話している様子がありませんよ。
□シュラウド
若き日のシュラウドが登場し、実は荘吉とは幼馴染であった事が明かされました。この頃から既に顔を隠していましたが現在よりも活動的に見える体型が印象深いです。
ところで彼女の第一声を聞いた時に、シュラウドではなくスカルギャリーが喋っているのかと思ってしまいました。厳つい外見にそぐわずきゃぴきゃぴした声と口調のスカルギャリーと言うのも堪らないものがあります。そんな女性人格の機械を相棒にした話も面白そうです。
□荘吉の人脈
随所にTVシリーズに登場した人物が出て来てきちんと繋がっている事を実感させます。それは素晴らしいのですがそればかりで世界観が狭くなってしまいました。荘吉の人脈が広くない様にも見えてしまいます。TVシリーズとは関係の無い荘吉の繋がりが見られれば良かったと思います(それに該当するのがストーンだったのかも知れませんが足りません)。
しかし幼少時代の翔太郎がステージに飛び降りる荘吉を見て「格好良い!」と感嘆するのは良かったですね。あれが翔太郎が初めて目にする荘吉であり、探偵であり、ハードボイルドだったのでしょう。隣の真里奈は将来を思うと複雑です。
□松井誠一郎/スパイダー・ドーパント
荘吉がマツがスパイダードーパントである事に気付いたのと同時に私も正体を看過しました。尤も、荘吉の様に字の癖を見抜いたわけではなく荘吉の反応から分かっただけなので自慢にもなりませんが。
仮面ライダースカルの誕生エピソードと言う事で怪人には伝統の蜘蛛が選出されています。蜘蛛の腹部を模した頭部が蛸にも見えますね。愛する人に触れると相手が爆発すると言う恐ろしい能力を持った蜘蛛をばら撒き、実際に画面上で多数の爆発が確認されました。これは単なる爆破よりも見ていて辛いですね。しかも本体であるメモリが破壊されても影響が残っているのですから恐ろしい限りです。
上記の能力から最後は、荘吉がマツの躰に触れたら蜘蛛が発動し荘吉が誰よりも相棒を愛していたと判明してマツが爆死するのかと思いました。実際はそんな事は無かったです。
□小森絵連/バット・ドーパント
ガイアメモリの売人で蜘蛛と同様に伝統的な蝙蝠の怪人です。花魁口調が印象的でした。
□決め口上
仮面ライダーダブルの決め台詞である「お前の罪を数えろ!」ですが、そのルーツがこの映画で描かれました。敵に問う前に荘吉が自分の罪を数えているのが良いですし、更に元は相棒であるマツの軽口があると言う繋がりが素晴らしいです。
□アクション
ブルドーザーで押し潰されたりタンクローリーの上で戦ったり、映画らしい迫力のあるアクションが見られて大満足でした。
□総評
卒の無い作りで完成度は高かった様に見えましたが、押し付けがましいほどに荘吉を、スカルを格好良く見せようとしていて、「はいはい、荘吉は格好良い格好良い」と覚めてしまいました。平均点を上回っていますが素直に好きにはなれません。
またパンフレットのインタビューで、荘吉の演者が決め台詞と亜樹子に会わなかった理由に回答を求めた結果が脚本に反映されている事が知らされました。しかしこれは、確かに納得のいく答えにはなっていますが、余りにも直接的過ぎないでしょうか。演者がその点に疑問を抱くのは至極当然ですが、それは前面に出さずに演者がキャラクタ造形として考えれば良い話でしょう。単純な答えを見せられた感じで複雑です。
(10.12.30)
□火野映司/仮面ライダーオーズ
映司の性格がTVシリーズと異なっていました。善人である事に相違はありませんが、他人に率先してお金を配る様な人間ではないと思います。瑣末な事ですが違和感がありました。
□アンク
出番が非常に少ないです。後に自身のコアメダルを探していた事が明かされますが、それならばせめて最初の方にメダルを探しに行くと言う台詞の一つも欲しかったです。
□ノブナガ/鎧武者怪人
織田信長が現代に復活すると言うのは映画に相応しい派手な要素なのですが、しかし演者に貫禄や存在感が足りず織田信長であると言う説得力がまるでありません。
そして見ていくと実は織田信長である事よりも、映司と友情を育んでいく部分の方が重要であったのが理解りますが、それならば寧ろ織田信長である部分は不要でしょう。必要以上に多くの要素を詰め込んだ結果、どれも中途半端で描き切れていない人物となってしまいました。歴史上最も欲望に塗れた人物である織田信長が現代に復活し天下を取ろうとするも明智よしのの美しさに心を奪われる事と、映司と絆を結ぶ物語と、どちらかに絞るべきでした。
□「天下を取るには、人望も必要だ」
とても説明的な台詞でした。別に長長と喋り続けたわけではないのですが、とても説明臭かったです。仮面ライダーバースの人助けがテレビで報道され、それをノブナガが見ると言う形の方がスマートではないでしょうか。抑抑テレビ局を呼んでいると言う台詞があるのに、報道の描写が皆無なのが度し難いです。
□「そんな、ノブ君があの化け物だったなんて」
これもまた説明的と言うか、何の工夫も無い平平凡凡な台詞でした。もう少し別の表現が欲しかったです。
□アクション
併映作品のスカルが良かったのに対して、オーズのアクションはとても残念でした。映画だと言うのに特に大掛かりな仕掛けも無く、普段通りのアクションに終始しています。見せ場らしい見せ場がありません。強いて言えばガタキリバコンボの分身が肩車でタワーを作るところなのでしょうか? 地味です。しかし一応はガタキリバ、ラトラーター、サゴーゾと一通り出しているのですよね。
□物語のスケール
とにかくスケールの小さい話でした。織田信長が復活と聞いて日本全国を巻き込むのを期待したわけですが、実際に行われるのは一人ずつ殺していくだけです。しかも基本的に映司とノブナガの二人だけで話が進みます。よく主人公とその周辺だけで展開する事を世界が狭いと表現しますが、本作はそれよりも更に狭く、映司とノブナガの二人だけです。主人公の周辺ですらありません。織田信長と言う部分に全く意味が見出せませんよ。
□グリード
四人がちょっと出るだけです。これも不満の一つでしょう。映画なら幹部全員が前線に出て、オーズと激しく戦うのを望むのも宜なるかな。同じ条件で作られたビギンズナイトではきちんと押さえていた点でしたよ。
名前だけですがギルと言うグリードが存在し、プテラノドンヤミーを生み出した事が語られました。今後、TVシリーズに登場するのでしょうね。
□鴻上ファウンデーション
映画での描写に大きな疑問点がありました。TVシリーズでは胡散臭いもののグリードと戦う味方サイドとして描かれています。最終的に何を企んでいるのか定かではありませんし終盤で覆される事があるかもしれませんが、少なくとも現時点では怪しかったり会長の人格に問題があれどこの線は守られています。しかし本作ではノブナガを生み出しており、見方を変えれば一連の事件を引き起こした黒幕となるのです。死者も出ているので胡散臭いの域を通り越して明らかに悪の組織になってしまっています。表面上の言動が似ていてもこの違いは大きいでしょう。
□総評
オーズが大好きなのでとても期待していたのですが、残念な事に非常にお粗末な内容の映画でした。これがTVシリーズの一篇であったら気にしませんが、劇場に足を運んでまで見たい内容ではありません。併映作品が優等生だっただけに余計に気になります。ドラマは中途半端、アクションは地味、スケールは小さい、見慣れた人物の出番も少ない、何処を取っても見所がありません。来年はオーズのちゃんとした映画が見られる事を願って已まないです。
(10.12.30)
□仮面ライダーコア
謎の黒いコアメダルとメモリが合わさって誕生しました。異形の戦士となった仮面ライダーの哀しみを背負っていると嘯きますが、これがもう一つピンときませんでした。と言うのも、スカルでこそ多少は描写されましたが、基本的にダブルに於いて仮面ライダーと言う言葉は街を守るヒーローとして肯定的に描かれています。オーズでも特に人外となった悲哀はありません。だからこの二人が相対する敵としてコアは馴染まないのです。コアは例えばですが全てのライダーが総登場する様な映画の敵にこそ相応しいでしょう。
□仮面ライダーオーズタジャドルコンボ
TVシリーズに先駆けて本邦初披露となる新コンボです。その余波を受けてダブルがサイクロンジョーカーゴールドエクストリームに変身するのも良い描写です。マントルの近くで戦ったのでタジャドルバの全貌をまじまじとは見られませんでしたが、流石はアンクさんのコンボだけあって強かったです。流石はアンクさんも何もアンクさんに強い要素は無いのですが(ぉ
□決め台詞
仮面ライダーコアを前に何時もの決め台詞で見得を切ったダブルを見て、オーズがそれを羨み自分達も決め台詞を考える事を提案しますがアンクに拒まれます。この一連の会話が実にオーズらしい、映司らしい自然な流れでした。今回の映画で最も映司らしい映士だったかも知れません。
□仮面ライダーバース
アクセルと共闘しているバースが必殺技を放つ際に、同じく必殺技で敵に接近していたアクセル諸共攻撃したのには「流石はミスターフレンドリーファイアの後藤さん!」と拍手喝采しました(ぉ
□総評
二度目となるムービー大戦形式ですが、前作よりも個個の作品で意識して作られていると感じました。綺麗に繋げようと各要素が散りばめられています。
(10.12.30)
□冒頭
フェストゥムの群れが人類軍に襲撃され、多くの個体が消滅します。その中に他の個体を庇う個体も居り、フェストゥムに同情してしまいました。
□真壁一騎
同化の後遺症で目が殆ど見えていないのですが、溝口さんの喫茶店で料理を作っています。総士からの使者である操には頻りに自分で決めろと繰り返しますが、これはTVシリーズでカノンに言っていた事と同じなのですよね。一騎のスタンスが変わっていない事が窺えます。
戦闘ではマークザインに搭乗して相変わらず圧倒的な強さを誇りました。
□真壁史彦
戦闘の指揮中に喀血したり、弓子に銃撃されたり、史彦が死んでしまうのではないかと心配しました。私はファフナーでは一騎よりも総士よりも甲洋よりも、他の誰よりも史彦が一番好きです。不器用な父親であり、優秀ながら甘過ぎる軍人であり、自分に向けられる好意に鈍い男である史彦が大好きです。この映画では最後まで司令官としての使命を全うしました。フェストゥムが人類を真似た作戦を取って来た際に発した「それならば戦いようは幾らでもある」は、彼が同じ人間とも戦ってきた過去を想像させますね。同時にフェストゥムは正体不明だから恐ろしいのであり、人間の行動を真似たら優れた指揮官には容易に行動が読めると言うものです。
□来主操
人間のレプリカと評されたフェストゥムで、総士の意志を伝える為に竜宮島に姿を現しました。争い事を嫌っていますが単に痛みから逃げている事を一騎に指摘され、マークニヒトで交戦します。しかし総士を大切に思っているのは事実で、実は冒頭にあったフェストゥムがフェストゥムを庇う描写は、操が総士を庇ったものだと明かされました。最後は人類軍の核攻撃から竜宮島を守り散ります。
□遠見真矢
喫茶店では一騎を手伝っていましたが、彼の傍には総士が居るべきなのでお邪魔ですね(ぉ 舌足らずでたどたどしい喋り方が変わっておらず奇妙な安心感がありました。
戦闘ではマークジーベンに搭乗し、卓越した狙撃力をこの映画でも遺憾無く発揮しております。TVシリーズではファフナーに搭乗するとぞっとするほど冷静になりましたが、この映画では幾分か和らいでおりました。
□遠見千鶴
見た目が孫が居るとは思えない若さでした。誰一人助ける事が出来ないと己の無力さを嘆いていましたが、最後まで犠牲を出していません。
□遠見弓子
娘が生まれたからかアルヴィスからは退いています。しかしその娘が駆り出されると知って、史彦に銃を向けます。道生を失った弓子に残された一人娘ですからこれ以上は誰も奪われたくないと言うのは自然でしょう。またTVシリーズの頃から真矢のデータを改竄して戦わせない様にしたり、家族に対する思い入れは人一倍強いのです。
□遠見美羽
島で初めて自然受胎で生まれた子供と言う事で、この映画に於いて非常に重要な役割を担いました。ところでこの映画はTVシリーズから二年後と言う設定なのですが、TVシリーズ当時は生まれていなかった彼女を見る限りそれは信じられません。外見年齢は四五歳に見えますよ。
□羽佐間カノン
正式に羽佐間家の養子となったらしく苗字が変わっています。生徒会副会長にもなり完全に馴染んでいる様子でした。後輩が剣司を軽んじる発言をした際に「帰ったら私が叱ってやる!」と言っていたのが印象深いです。
序盤ではマークドライに搭乗しましたが咲良のパイロット復帰に伴い、新たに専用機として開発されたマークドライツェンを操縦しました。最初の戦闘で凶暴化し吼えている様が少し恐かったです。
□羽佐間容子
母親としてカノンを優しく見守ります。パンフレットによると翔子を失った経験から過保護に守るだけの姿勢を改めたとあり、それがカノンにマークドライツェンを開発するに到ったのですね。
□近藤剣司
TVシリーズから通して初めて格好良いと思いました。先輩として後輩を立派に率いる姿に見直しましたし見違えましたよ。衛を死なせてしまった事に責任を感じ保の面倒を見、咲良の同化に責任を感じと、責任感の強さが前面に出ています。生徒会長に立候補したのも異性にモテたいからと言う理由でしょうが、この面倒見の良い性格が根底にあるからこそなのでしょう。不在の総士、一人で行動しがちな一騎に変わってパイロットを束ねるリーダーとしての役割をこなしていました。
戦闘ではマークアハトに搭乗、目立った戦果こそ上げていませんが指揮官として周囲を的確にフォローしていました。二年前と違ってファフナーに搭乗しても弱気になる事がありません。
□小楯保
息子、妻、弟子と大切な人を失った経験から半ば自暴自棄になっていますが、それでも自らの仕事は最初から最後までやり抜きました。この島では身近な人を失ったのは少なくありませんが、就中保は辛いでしょう。
□要咲良
未だ完治していませんが日常生活が送られるくらいには回復が進んでいます。恋人である剣司の負担を減らそうと再びファフナーを操縦する事を決意し、澄美を哀しませてしまいます。
戦闘ではマークドライに搭乗しリンドブルムユニットを使用しマークジーベンと連携を取る姿が目立ちました。折り合いの良い方ではなかった咲良と真矢が並ぶ姿に不思議な感覚でした。以前はファフナー搭乗時はフェストゥムへの憎悪を露わにしましたが、現在はそれが無くなっています。
□要澄美
史彦の異変に逸早く気付いていました。咲良がファフナーへの搭乗を志願した事に泣き崩れています。
□堂馬広登
衛に憧れ、衛から託されたゴウバインヘルメットを被り、衛の機体であったマークフュンフで戦います。当初は自分勝手な戦い方をする面が目立ちましたが、最後はザインの助けを借り見事に敵の攻撃を防ぎ仲間を守りました。
□立上芹
誰よりも乙姫に近付き、乙姫を理解した彼女は、今でも新たなコアに会う為に足繁く通っている様子です。その経験から敵であるフェストゥムが発した断末魔を聞き取り、死んだフェストゥムの墓を作ると言う他の誰もが思い浮かばない行為に出ました。しかし史彦はそれを否定しません。そしてそんな芹だから出来る役割としてコアの負担を肩代わりし、乙姫と仮初の再会を果たします。何気に山の上で史彦と会話する場面が多い印象です。乙姫の件があるからですが同級生の間では史彦と会話した場面が最も多いでしょう。
戦闘ではマークツヴォルフに搭乗、最初の模擬戦でいきなり頭突きをかまして度肝を抜いてくれました。作中でも驚かれていましたが、見ている此方も驚きましたよ。また剣司を莫迦にする傾向のある後輩組の中で彼女だけは模擬戦で彼がやられ役を務めてくれた事を見抜いています。
□西尾里奈
何時までも乙姫を想い続ける芹、口を開こうとしない暉、子供っぽさが抜けない広登に囲まれ気を張っていますが、暉が斃れた際に弱音を吐き、真情を吐露します。精一杯、後輩組を引っ張ろうと努力していたのですよね。
戦闘ではマークノインに搭乗し、火炎放射器で周囲を焼き払っているのが印象的でした。第二次蒼穹作戦では暉と共に両親を死なせた機体であるゼロファフナーに搭乗します。
□西尾暉
最初は誰なのか理解りませんでした。メディカルルームでの会話を聞いて初めて里奈と姉弟である事を知りましたよ。姉弟揃って真矢が好きなのですね。
戦闘ではマークツェーンに搭乗し狙撃を担当しました。両親を失ってから口を閉ざし言葉を無くしていましたがファフナーに搭乗した事を機に喋り出します。しかし行き過ぎた自信が敵を斃す事に喜びを見出し、その姿勢を真矢に窘められました。一度はフェンリルの自爆を試みますが救出され、里奈と共にゼロファフナーを操縦し第二次蒼穹作戦に挑んでいます。
□イアン・カンプ、ジェレミー・リー・マーシー
元人類軍に所属する二人で、現在はアルヴィスの会議席に連ねています。彩乃の殉職、弓子の引退があるので人数は釣り合いが取れているのですよね。この二人は元人類軍兵士による決死戦を提案し、「人類軍に見捨てられた命、拾ってくれた島を守る為に失うのなら惜しくない!」と凄く格好良かったです。出て来る大人全てが格好良い映画でした。
□溝口恭介
やっと溝口さんが指揮する姿が見られましたよ。それにしても溝口さんは絶対に制服を着ないのですね。史彦が初めて制服を着た時に似合っていなかった事を思い出しました。
□春日井甲洋
危機にある仲間を救う為に自らをファフナーのコアとして復活しました。最初は誰なのか理解らなかったのですが、咲良の「マーク・・・フィアー・・・? 甲・・・洋・・・?」、史彦の「春日井甲洋が・・・戻ってきた・・・」で甲洋と判明して感動しましたよ。TVシリーズで同化された時に、「甲洋! 甲洋ぉぉぉぉぉ!」となりましたし、復活した際も「甲洋! 甲洋ぉぉぉぉぉ!」となりましたが、劇場版でも「甲洋! 甲洋ぉぉぉぉぉ!」でしたよ。戦場では最後まで大いに活躍しました。残念だったのは台詞が一言も無かった事です。一言で良いから声を聞かせて欲しかったです。
□皆城総士
最後に戻って来て一騎の前に姿を現しました。ただこれは、正直思ったほどの感動では無かったです。ただ、良かった、と。
□総評
ファフナーの劇場版が作られただけでも歓喜なのですが、これが最高に素晴らしい映画で大満足でした。劇場で見て良かったと心から思いましたよ。全ての登場人物にちゃんとした役割があり、全員が最大限に力を発揮した、名作です。そして戦闘も力が入っていて見応えがありました。本当に幸せです。
意外だったのが誰も死ななかった事ですね。乙姫とかミョルニアとか操が居るので厳密には誰もではないかも知れませんが、ファフナーと言う作品は人が良く死ぬ印象があるのでパイロットやその家族に犠牲者が出なかったのが意外でした。暉や史彦は死ぬのではないかと本気で思っていたくらいです。ではそれに問題があるかと言えばそんな事は無く、誰も死なずにこれだけ面白いのですから素晴らしいです。
TVシリーズ、TVスペシャルと来て、最後に映画まで用意されて本当に幸福な作品です。どれも素晴らしい完成度で、ファフナーが好きで良かったです。
(11.01.02)
□使い走りアラタ
コンビニエンスストアに行くと言うだけでゴセイジャーの仲間や望からも使い走りにされるアラタです。ハイドからは買う場所まで書かれた買い物メモを渡されますが、いや、スーパーには行かねぇよ!?
□アラタと丈瑠の出会い
突如として出現した外道衆のナナシ連中とアヤカシンのマダコダマに途惑いつつも戦うアラタですが、ウォースターに幽魔獣と異なる敵を相手にしてきたゴセイジャーにとっては、何か新しい敵が出たと言う程度なのですね。
天装術を跳ね返すマダコダマにゴセイレッドが追い詰められたところでシンケンレッドが登場し敵を撃退しました。見方によってはシンケンジャーの方がゴセイジャーより強いとも取れる表現には不満があります。前作でアクマロ、十臓、太夫と外道衆の強豪を追い詰めると言う鮮烈なデビューを飾った印象が強いのですよね。
地球を守る使命を持った護星天使として協力を申し出るアラタを受け入れた殿を見ると、彼の成長と言うか変化が感じられました。前作では走輔を拒絶していましたからね。
□天使のお迎え
殿が浚われてしまい、アラタの「何とかなる」と楽観的にも取れる言葉を聞いた事で流さんと千明が激怒し別行動を取りますが、アラタの一存でゴセイジャーは残りのシンケンジャーと合流する事にします。
空港に降り立った茉子を強引に籠に乗せて運び去るアグリとエリ、カモミラージュカードで流さんに変身してことはを誘き寄せるハイドとモネ。先生、どう見ても誘拐犯の手口です。
ハイドとモネが護星天使と自己紹介して迎えに来たと言うのに自分が死んでしまったのかと返すことはの反応に笑いました。天使が迎えに来たと言われたらそう連想しますよね(笑)。
□外道シンケンレッドの襲来
敵に洗脳された外道シンケンレッドの襲撃を受けるゴセイジャーとシンケンジャー。生来の強さに加えて操られた殿に手を出せない状況で窮地に陥ります。止めを刺されんとするシンケンジャーを身を挺して庇いゴセイレッドは大怪我を負いました。気になるのは最後まで、シンケンジャーの面面がアラタに直接感謝の言葉を言う場面が無いのですよね。狭量過ぎでしょう。
□ゴセイナイト
外道シンケンレッドの攻撃で起きた絶対の危機に颯爽と登場するナイトさんは頼りになります。後半の戦闘ではシンケンゴールドと組んで共闘するのですがナイトさんの攻撃で追い詰めた後にゴールドが止めと勇んで百枚下ろしを決めるも、その後に更にナイトさんがナイトメタリックで追撃し決めました。ゴールドもぼやいていましたが美味しい場面をさらっていきますね。
□ゴセイレッドVS外道シンケンレッド
ゴセイジャーとシンケンジャーの期待を一身に背負って満を持して登場したゴセイレッドが、シンケンレッドを止めるべく戦いに挑みます。この戦闘が非常に素晴らしく見所に溢れていました。宙を舞い、ゴセイブラスターの抜かず撃ちを決めるゴセイレッドの格好良さが最高です。
□血祭のブレドラン
複数の組織を渡り歩く悪の旅烏、ゴセイジャー界のワタリドリボーマとも呼ばれる(?)ブレドランらしく、この映画では外道衆に所属し血祭のブレドランを名乗っています。しかしドウコクを装うのではなく、屍肉のブレドランとかそんな感じの新しい名と姿が見たかったと言うのが本音でございます。別に敵の外道衆もドウコクと誤認してブレドランに付き従っているわけではありませんし、面白味に欠けました。
ゴセイレッド、シンケンレッドのダブルレッドと戦ったブレドランですが、何と分身して彗星のブレドラン、チュパカブラの武レドランが登場しました。これはブレドランファンにとっては必見でしょう。凄く嬉しかったです。隣席に座っていた知らない子供も目を丸くして大興奮していたのが印象的でした。
□海賊戦隊ゴーカイジャー
前作でゴセイジャーが登場したので見る前から分かり切っていましたが、本作にも放送前のゴーカイジャーが登場しました。三途の川をブレドランに利用されまいと暗躍するシタリの前に現れ戦闘になります。
ゴーカイレッドの声や喋り方が乱暴で汚いのが少し気になりました。もっとヒーローらしい爽やかな声が好みです。ただあの面子の中では、曲がりなりにも皆を引っ張っていく指導力を持っていそうなところだけは評価します。
ゴーカイジャーの五人は驚嘆すべき事に、其其がゴーオンレッド、ゲキレッド、ボウケンレッド、マジレッド、デカレッドに変身しました。過去の戦隊戦士に変身するのも驚きですが、五人全員がレッドと言うのも異様な光景です。女性戦士が変身したゲキレッドとマジレッドはちゃんとスカートを履いた女性用のスーツになっています。見ている最中は意識しませんでしたが人選は、現役で登場しているゴセイジャーとシンケンジャーを除いて新しい作品から順に選ばれているのですね。この変身を「海賊版だからな」とブラックジョークで流したのは巧い事を言うと思いつつも、それを公式に言うのはある種の悪乗りに思えました。
□巨大戦闘
グランドゴセイグレートとダイカイシンケンオーが並び立ち、ハイパーデータスとダイゴヨウも加わり巨大化したブレドラン、マダコダマと戦いました。一瞬で必殺技を決めてしまったのには落胆しましたがブレドランがしぶとく生き残ったので一安心です。逆襲されピンチの戦隊ですが、グランドハイパーゴセイグレートに合体して対抗しました。この新合体は名前こそ物物しいのですが実際はハイパーゴセイグレートの頭部だけグランディオンヘッダーに交換しただけで名前負けしています。更にシンケンジャーのモヂカラを合わせた『モヂカラヘッダーストライク』でブレドランに勝利しました。しかしこの最後の最後となる見せ場までTVシリーズの特別EDで既に見せてしまっていると言うのは如何なものでしょうか。新鮮な驚きがありませんわ。ただ全体的に満足とは行かないまでもボリュームはあり、前作よりは良かったです。
□総評
ゴセイジャーとシンケンジャーの一方に描写が偏重する事が無く、小ネタも合わせて巧い具合に絡まっていて非常に完成度の高い作品でした。纏まっているので大人しく地味なのかと言えばそんな事も無く、見ていて心から盛り上がる素晴らしく面白い映画です。VSシリーズには必ずしも良い印象を抱いていないのですが本作は傑作と言って良いでしょう。VSシリーズの中で最も気に入りました。
個別の感想ではゴセイレッドと外道シンケンレッドの対決のみを抜き出しましたが、一番重要なアクションは充実しており大満足でした。これが見たくて見に来ているのですからこれが駄目なら話になりませんしこれが良ければ最高なのです。
細かいコミカルな描写が笑えた上にそれが前面に出過ぎなかった点も好感が持てます。ちょっとと思う部分も無かった訳ではありませんが我慢が出来るレベルでしょう。前述したことはの死んでしまった発言もそうでしたが、その他ではデータスが動き出した瞬間に流さんが見せた動きがオーバーアクションながら自然で良かったです。随所で劇場に笑いが巻き起こっていました。
とにかく凄く良かった、凄く面白かったと心から頷ける作品です。前月に見た仮面ライダーの映画に不満があった後でしたから、嬉しいと同時にライダーも安定してこの完成度に達して欲しいと思いました。
(11.01.29)
□モールイマジン
モールイマジンと戦った電王が攻撃してもメダルが出なかった事を訝しみましたが、まるでヤミーが叩くとメダルが出る人みたいですな。
□野上幸太郎/仮面ライダーNEW電王
NEW電王が登場する作品は未見なのでNEW電王の活躍を見るのは初めてです。何も知らないので思い入れに欠けますが正義感に燃えヒーローとして活躍する姿や同じ電王組であるモモタロスとのやり取りが良かったです。
□テディ
NEW電王と同じく見るのは初めてでしたがナオキを助ける為にデンライナーから飛び出そうとする幸太郎を制し自分が過去に残る姿が格好良かったです。その後も少年ライダー隊を守る為に死ぬまで戦い続け、そして四十年越しの手紙がある場所に死しても聳え立ち続けた姿も印象的でした。幸太郎もテディも紛う事無きヒーローでした。
□ショッカー
『オールライダー対大ショッカー』でも使ったのにまたショッカーかとげんなりしてしまいました。ショッカーショッカー何時までもショッカーに完全に飽きてしまいます。他の組織の名前を使うか、或いは今後も長く使い続けられる様な新しい組織名にして欲しかったです。
組織の名前にこそ文句がありましたがショッカー首領、ブラック将軍を筆頭にアポロガイスト、キングダーク、十面鬼ユム・キミル、ジェネラルシャドウ、大神官ダロム、ジャーク将軍、ン・ガミオ・ゼダ、水のエル、ケルベロスアンデッド、アルビノレオイマジン、テラー・ドーパントと言う錚錚たる顔触れの幹部が壮観でした。こういう作品を代表する強豪の競合は嬉しいですな。ただ扱いには差がありまして大好きなジャーク将軍が活躍も無いままに地割れに飲み込まれて終わってしまったのは残念です。其其が関連の深いライダーと戦って散って欲しかったですなぁ。
□ミツルとナオキ
最初は子供達が憎たらしくてアンクに叩きのめされれば良いと見ていましたが、熱中して見ている内に後半ではそれを忘れ四十年越しの手紙が読まれる場面ではうるうるしてしまいました。
そして最後の最後で驚かされたのが実は四十年前に飛び降りたナオキが、ミツルの父親だったと明かされた事です。群集が映司にオーズドライバーを渡す場面でいやに目立つ人だとは思いましたがまさかこんな展開になるとは想像出来ませんでした。しかしちょっと疑問だったのですがナオキは子供に、親友の名前を付けてそれが何処で親友本人だと気付いたのかと言う事です。成長する内に外見が似ていって気付いたと言うのでしょうか。何かおかしい点があるわけではないのですが腑に落ちません。
□仮面ライダー1号と2号
初代ばかりをあり難がる風潮は好ましくありませんがそれでもやっぱりこの二人の登場は盛り上がりました。自分達が敗れると言うのを知りながらショッカグリードに戦いを挑む姿はとても格好良いヒーローのそれです。ライダーダブルキックまで決めてくれて嬉しかったのですがその際には「一文字!」「行くぞ本郷!」の掛け声が欲しかったですなぁ。登場してからずっと本郷、一文字と呼び合うのを待っていたのですが一度も無くて残念でした。
この二人の声は当時と同じ本人が演じています。一号は違和感が少なかったのですが二号はちょっと声が枯れているのが気になりました。てっきり敵が喋ったのかと思った場面もあったほどです。
□ブラック将軍/ヒルカメレオン
死神博士、地獄大使、ゾル大佐と来て今作ではブラック将軍が登場です。映画の内容も含めて軽かった前三者よりも真面目で良かったです。しかも演者がこれまでに無く渋いですな。因みにヒルカメレオンを斃したのはオーズのタトバコンボでしたが、タカヘッド、バッタレッグ、トラアームと三つの能力を存分に発揮していました。まさかあのトラクローが幹部を斃すなんてと感慨深い気持ちになったのは私だけではないでしょう。
□ショッカーグリード
ショッカーメダルから誕生したグリードで一号と二号を斃してしまったと言う映画に相応しい強豪怪人です。ショッカーを象徴する鷲や蛇をモティーフにした外見も格好良かったのですが、最後はあっさりと一号と二号に敗れ去ったのが残念でした。最終的にそうなるのは構わないのですがいきなりそれまでの強さが嘘の様にあっと言う間に死んでしまったのですよね。もう少し過程に工夫が見たかったです。
□怪人軍団
些かショッカー怪人に偏り気味ですが様様な作品から多くの怪人が登場しています。その中で割と目立つ役柄でザンジオーが出ていたのは何だか納得出来ました。ザンジオーは人気がありますからね。またイカデビルの声を関さんが演じていますが非常に愉快な喋りで、本当に楽しそうに演じている様な感じでした。
ところで四十年前でカメバズーカがデンライナーを砲撃しましたがあの時点でデストロン怪人のカメバズーカが登場するのは変ではないでしょうか。他は(ゲルショッカーと一緒くたにされながらも)ショッカー怪人で統一されていたのにこれだけ例外だったのが解せません。
□仮面ライダーの復活
ショッカーに捕まり処刑されそうになる映司、アンク、幸太郎の三人が救出され変身するまでの流れが最高でした。大勢の群集が映司にオーズドライバーを渡そうと尽力し、ヒーローの登場を待望し、歓喜するのです。まさにこれがヒーロー、これがヒーロー作品だと叫びたくなりましたよ。こういう誰もが待ち望むヒーローが見たかったのですよ。
□オールライダー
人人の想いがオールライダーを登場させます。話だけを見れば蛇足でゲスト出演は一号、二号だけに留めた方がすっきりしますし、安易にオールライダーを登場させる事に抵抗もありますが、それでも弥が上にも盛り上がってしまいます。一人ずつ順番に現れて名前を呼ばれるのが最高でした。慾を言えば単に戦っているだけではなく各人の必殺技も見たかったところです。それと翔太郎とフィリップまで登場したダブルなのに、「さぁ、お前の罪を数えろ」の決め台詞が無かったのは片手落ちでしょう。言うタイミングを今か今かと待ち構えていたので拍子抜けしてしまいました。
ところでオールライダーが戦う相手はきちんと縁の深い怪人が選ばれていましたがスーパー1の相手がよりによってコマサンダーなのはどうかと思いました(笑)。それにZXがタイガーロイドと戦っていましたが親友ではないのですか。また、ブラックが何故かメタルゲラスと戦っていましたが、まさかサイ怪人の代わりなのでしょうか?
□キカイダー、キカイダー01、イナズマン、怪傑ズバット
立ち上がったヒーローは仮面ライダーだけではないとばかりに登場しジェネラルシャドウを四人が連続して技を叩き込んで斃します。しかしこんな一瞬だけならば出す必要があったのか疑問です。キカイダーはこんな簡単に扱って良いものではないのですよ。出すのなら出すでもっと相応しい登場があるでしょう。それにズバットには「チッチッチ・・・だが、日本じゃあ二番目だ」を言わせてこそでしょう。
ところでこの人選ですと仲間外れにされたロボット刑事が不憫になりました。同じ石ノ森ヒーローなのに何で彼だけ外すのでしょう。
□ショッカー首領
数の差を物ともせず強力な攻撃でオールライダーを苦しめており、自爆して終わったオリジナルとは別物の強さでした。ショッカー首領に単体では強い印象がありませんでしたから意外でしたわ。頭部に絡みつく蛇を伸ばした状態はサタンスネークを彷彿とさせます。
□仮面ライダーオーズタマシーコンボ
タカ、イマジン、ショッカーのメダルで変身するこの映画だけのコンボです。しかし仮面ライダーの魂を強調するのなら必殺技はライダーキックにするべきではないでしょうか。その点が不満です。
□岩石大首領
この岩石大首領が登場する際の特撮が圧巻でした。当方に比して注目される事の少ない東映特撮ですが、これは大迫力で素晴らしかったです。巨大なキングダークを出した後にもっと巨大な岩石大首領を出すと言う見せ方も良かったですね。これからキングダークと戦うのだろうと見ていたので、その後に出てくるものは全く予想が付きませんでした。圧倒的な存在感でとにかく強いのだと言うのが見て取れます。この映画で最も気に入った場面を挙げろと言われれば迷わずに選びますよ。微動だにせず突っ立ったままでオールライダーの攻撃を受けて死んでしまったのは不満ですが、下手に動いて陳腐になっても困りますからね。仕方がありません。
□総評
過去のオールライダー映画が酷かったので大して期待していなかったのですがそれを完全に覆されました。とても面白くて最高の映画です。細かい不満が幾つかありますがそれでもライダー映画ではトップクラスに気に入った傑作です。ヒーロー映画を見たと心の底から満足しました。
(11.04.02)
□冒頭
ゴセイジャーがゴーミン、ズゴーミンと戦い追い詰められるところから物語は始まります。ゴセイジャーが戦闘員に苦戦するのは不満が燻りますが、改めてゴセイジャーはヒーローらしいと思いました。ゴーカイジャーと並ばずとも際立ちます。その中にあってアラタは歴代のレッドでも本当に稀有なキャラクターですよね。
□レジェンド大戦の裏側
テレビ版のレジェンド大戦では姿を見せなかった戦士が、その陰でゴセイジャーやアカレンジャー達を送り出す為に尽力していました。しかし何故かその面子でニンジャマンだけが居ないのが納得が出来ません。逆にデカスワン、ウレウザードファイアー、マジマザー、リオ、メレが参加しているのも不可解ですなぁ。
□ゴセイジャー
ゴーカイジャーから自らのレンジャーキーを取り返そうとするゴセイジャーですが、あのアラタまでもが簡単に力尽くで奪おうとするほど好戦的で違和感がありました。地球の未来を守らなければならないと言う使命がありますし相手が海賊と言う事を鑑みて何とか許容範囲でしょうか。不意打ちも厭わないなど天使らしからぬ行為です。
□黒十字王
黒十字総統が生まれ変わった存在だそうです。しかしこういう記念作品の悪役を演じるのが、仮にもガンマジンとしてヒーローを演じた方なのは如何でしょうか。またデザインも黒十字総統のシンプルで印象的だった衣装に比べると没個性的に見えます。
□復活した敵
黒十字王がブラジラ、ヨゴシマクリタイン、ダゴンを復活させるのですがこの三人に文句は無いものの人数が少なく侘しいです。もっと新旧織り交ぜて大量に復活させ見た目を派手にして貰いたかったです。それとブラジラはどうせなら天使将軍ブレドラン仮面とかそんな感じの名前と新しい姿を用意して欲しかったですなぁ。
この三人とは三組に分断されたゴセイジャーとゴーカイジャーが戦うのですが、ダゴンの斃し方が恐ろしく姑息でした。ヨゴシマクリタインと違ってシリアスなキャラなので戦隊のヒーローらしからぬ姑息さが目立っています。あとダゴンの顔にある尾鰭が風でひらひらと動いていたのがやたらと目に付きました(ぉ
□戦隊OBの出演
歴代の戦隊作品から幾人かが出演しています。天火星亮が年齢を重ねてもそれを感じさせない若若しさだったのが印象的で、途中までは楽しく見ていたのですが最後まで見終えて心の底から落胆しました。何と彼らは変身せず戦わないのです。最終決戦に於いて力を取り戻し戦ってくれると信じて疑わなかったのでこれには衝撃を受けました。一番好きなターボレンジャーから炎力が登場しているのですが変身もしないのであれば喜びが半減どころか十分の一にも満たないですよ。デンジブルー、リュウレンジャー、デカピンクを揃えて行うのがリストラされたサラリーマンを立ち直らせるとか心の底から呆れました。パンフレットのインタビューで亮役の方が拍子抜けしたと語っていましたが、映画を見ている方も全く同じ気持ちです。
□歴代戦隊との戦い
一致団結したゴセイジャーとゴーカイジャーの前に、黒十字王によりレンジャーキーを利用して作り出された歴代戦隊の偽者が立ちはだかります。錚錚たる光景ではありますが偽者とは言え余り見ていて気持ちの良い場面ではありません。歴代の戦隊ヒーローを登場させてやるべき事はこういう事ではないでしょう。当時のバンク映像を使ったバズーカの一斉射撃の様な見所もありましたが総じて不満の方が強い、悪い意味で印象に残ってしまった場面でした。
この中で歴代の追加戦士を次次と薙ぎ倒したナイトさんの強さは流石ですな。
□スーパー戦隊バズーカ
戦隊ヒーローの必殺武器は巨大バズーカと言うのが好きなのでこれは嬉しかったです。しかもゴセイジャーとゴーカイジャーの総勢十一人で持つのでかなり大きく存在感がありました。
この武器を使う前に背後に奇跡の力で歴代戦隊が登場するのですが、変身は疎か名乗り場面すらないのです。見得きりを重視している戦隊シリーズは名乗りがとても需要なのにこれでは論外でしょう。敵にして戦わせたり見せるものが違います。
□巨大ロボ戦
巨大な黒十字城との戦いでは歴代の一号ロボが総登場すると言う驚愕の光景が展開されます。工夫を凝らされたその戦闘の見応えはかなりのものでした。
画面が暗く一瞬だけなので分かり辛かったのですが、ライブロボと共に銃撃でサイクロプスを撃ち抜くターボロボが非常に格好良くて嬉しかったです。ターボクラッシュも見たかったのですがターボカノンは本編でも怪人に止めを刺した事のある立派な必殺武器ですからね。ライブロボとターボロボをこのポーズで並べたかったです。激走切りとゴーオンストレートを見せられると流石に技術の差を感じてしまいますな。それにしてもターボロボ、RVロボ、エンジンオーと自動車をモティーフにしたロボは自然と必殺技の目指すところが一緒だと言うのが理解って興味深いです。
しかしタイムロボとジェットイカロスだけは何処に映っていたのか見た記憶がありません。残念ながら見付けられませんでした。
最後にゴーカイオーがバリブルーンと合体してゴレンゴーカイオーで止めを刺しましたが、それまでの盛り上がりに比してちとこれは弱いですな。全ての戦隊ロボの力を結集した形態になるくらいの取って置きを用意して欲しかったです。
□総評
率直に申し上げてがっかりしました。これはちょっと豪華なVSシリーズと言うだけで、199ヒーロー大決戦を謳うには弱いです。これよりもつまらない映画はありますが、見る前の期待値との落差で言えばぶっちぎりのトップです。戦隊のオールスター映画と言う表現から想像する内容が全く詰まっていませんでしたわ。歴代戦士が登場する度に変身を心待ちにしたのにそれは無く、歴代戦隊の名乗りも無く、本当に心から落胆しました。一番盛り上がったのが最初のレジェンド大戦と言うのが泣けます。
特撮ヒーロー番組の中でも最も戦隊シリーズが好きなので、遂に大好きな戦隊のオールスター映画が来たと大喜びだったのですが無残にも打ち砕かれましたわ。
(11.06.11)
□にせゴーカイオー
夜の街に出現したゴーカイオーに酷似した謎のロボットです。同じ姿の敵とは燃えますが、惜しむらくはゴーカイジャーのロボがゴーカイオーのみではない上に強化合体も存在する事です。ゴーカイオーが唯一無二の存在であればこそ、ゴーカイオーに勝てるのはゴーカイオーだけと言う存在感が際立ちました。
ところでにせゴーカイオーはDX玩具の発売予定が無いのですね。例年であれば映画に合わせた商品が発売されたのに、このあからさまにゴーカイオーを流用して作れそうなにせゴーカイオーが出ないのは解せません。本件に限らずゴーカイジャーは記念作品でありながら玩具展開は力が入っておりません。
□ザンギャック
バリゾーグとインサーンが出撃したのでゴーカイジャー、幽霊船と三つ巴のゴッドアイ争奪戦を繰り広げるのかと期待しましたが、格好悪い姿を晒してあっと言う間に退場してしまいました。これは例年通りの傾向ですが、レギュラー悪役が軽視されるのが残念でなりません。また観賞中は気に留めなかったのですがバスコが出ていないのですよね。レギュラーではありませんから登場しなくても不自然ではありませんが、彼も魅力に溢れた悪役ですから銀幕でも見たかったです。
□ガツン、ベロン、パチン
こういうのを見せられると戦隊シリーズが漫画的になっているのだと苦笑させられます。CGと言う映像表現も他に使い方があるでしょうよ。
□合体戦闘員
歴代戦闘員が登場し、しかも全員で合体すると言う荒業を見せてくれました。大量の戦闘員と交戦する場面で必死に探しても見付けられなかったウーラー兵士ですが、合体直前では目立っていて嬉しかったです。合体後の配置も分かり易い位置でした。ところでこの戦闘員ですがゴレンジャーからの出演はゾルダーのみで忍団は居なかったのですね。ボウケンジャーからもカースのみでジャリュウが居ませんから、一つの作品につき一種類なのですな。
合体戦闘員は構成する戦闘員同士の仲が悪くまともに戦えない上に何故か踊り出し、そのままゴーカイジャーがゴーカイチェンジしたバトルフィーバーJのペンタフォースを受けて爆散してしまいました。もう少し真面目に戦って欲しかったです。待たば取るフィーバーJにチェンジした際に、因縁浅からぬカットマンは何か反応があっても良かったのではないでしょうか。
□野球仮面
野球仮面を前にゴーカイチェンジを始めたのでこれは野球戦隊ダイレンジャーズと言う事でダイレンジャーを期待したのですがゴレンジャーでした。あ、そっちですか。冷静に考えればそうですよね。あとは野球なら初期案からダイナマンや、野球選手のチェンジドラゴンやレッドターボと言うのも今なら思いつきます。と言うかレッドターボは見たかったなぁ。
□ゴーカイレッド
マーベラスが非常に格好良かったです。ロスダークに「お前には一人に見えるかも知れないが、俺は常に五人で戦っている」と啖呵を切ったのは、ゴーカイレッドの口からこんな台詞が聞けるなんてと嬉しくなりました。それにゴッドアイで迷わず仲間を助ける願いを叶え、そして仲間に対してはそれを隠そうとする素振りが最高です。彼に余り好印象を持っていませんでしたがこの映画でかなり見直しましたわ。
□総評
ザンギャックの扱いが悪かった点を除けば不満も少ない作品でした。ゴーカイレッドの格好良さが印象深いです。
(11.08.08)
□冒頭
光生が指揮して錬金術師ガラの封印を解いてしまうところから始まりますが、この辺は位置関係の把握が難しかったです。慎太郎は光生の護衛についていたのですが、同じ様な森の中で映司がナイト兵と戦っていたのは同じ場所なのでしょうか? それとも全く違う場所なのでしょうか? 抑抑が発掘をしていたのは何処なのでしょうか? 勝手に外国と決め付けていましたがあれも日本?
□オーズVSナイト兵
オーズが大量のナイト兵と戦う場面ではトラメダルの活躍が目覚しかったです。アンクがタトバコンボのオーズに緑色のメダルを投げ渡した時は、早くもカマキリメダルに交換だと信じて疑わなかったのですが何とそれはクワガタメダルでした。その後もバッタメダルがチーターメダルに交換されましたが、豈図らんや我らがトラメダルは最後まで交換されなかったのです。失礼ながらこれは予想外でした。ナイト兵を華麗にトラクローで切り裂いていますしトラメダルも成長したものです。
その後でオーズの前に姿を現したガラに多くのメダルを奪われてしまうのですが、それでもメダルケースの中にはトラメダルが輝いています。映司の傍を片時も離れず最後に頼りになるのはトラメダルなのですよ。
□チャンスタイム
ガラによってメダルから生み出されたベルが街に出没し、道行く人人に五百万円と引き換えに一生を丁髷で過ごすと言う欲望の問いかけをします。多くの人がこれに応じ欲望が貯まって行くのですが、一生を丁髷で過ごす事を強いられるのに五百万円は安くないでしょうか。その辺の金額に茶茶を入れても詮無き事ですがこの金額であれだけ群がるのは釈然としません。
明もついつい五百万円を手に入れる事を妄想してしまいますが、慎太郎に「伊達さん、伊達さん」と声をかけられて正気に戻るのが面白かったです。タイミングが絶妙でした。
ベルは可愛らしい姿なのに残酷な選択を強いると言う狙いが巧く嵌っていて良かったです。
□江戸時代
ガラの策略によって映司達は江戸時代に移動するのですが、最近のライダーも戦隊も太秦映画村の撮影を多用しているので新鮮味が皆無です。もっと他の時代を使って欲しいですなぁ。
□若葉駿
ガラに躰を乗っ取られた母親との間にあった出来事を彼が映司に語るのですが、その話を聞き、また駿が泣き出したのに釣られて涙を流してしまいました。涙もろくなったものです。
□アンクの命を使った変身
多くのメダルを奪われた映司がオーズに変身する為に、アンクの意思を宿したタカメダルを受け取り、その命を預かってタトバコンボに変身します。実に熱く格好良い名場面でした。そのタトバコンボが鵺ヤミーに存外にあっさりと負けたのはご愛嬌(ぉ
□暴れん坊将軍
最大の見所とも言えそうなのが松平健が演じる徳川吉宗が登場する事です。貧乏旗本の三男坊を名乗るなどきちんと暴れん坊将軍のフォーマットを踏襲していましてニヤリとさせてくれます。暴れん坊将軍に思い入れが無い私でもアレンジされたテーマソングが流れたのには興奮し、吉宗がチャンバラする時だけ殺陣が時代劇のそれになっているのが感動ものでした。ただ飽く迄も中盤のゲストと言う感じで、映画の題名に将軍と出ているに見合う活躍があったとは言い難いです。題名に使うくらいでしたら最終決戦までがっちりと絡めるべきで、中盤のみの登場なら題名に使わないべきではないでしょうか。
□ブラカワニコンボ
この映画でのみ登場する新たなコンボでコブラ、カメ、ワニの爬虫類で構成されています。両腕の甲羅を盾にし、笛で頭部のリアルな蛇を操作、そして鰐の顎で噛み砕く様なキックなど特徴的なアクションが楽しめました。しかしブラカワニはテーマソングが流れませんでしたね。一度きりの登場なのに寂しいです。そういえばシャウタも未だテーマソングが本編で流れた事が無いのですなぁ。
□映司の選択
映司に自分一人だけ助かるが残りの全員が消滅すると言う選択肢が示され、返事が求められ映司は悩みます。しかしこの手の主人公が他人を犠牲にして自分だけが助かろうとする筈が無いので、結果が分かり切っているのに長長と悩まれても無駄ではないかと冷めて見ていました。ですが何と映司は『“家族”は一緒に助けても良い』と言う言質を取り、その場に居る全員で助かると言う大逆転をして見せました。これは予想していなかったので素直に凄かったです。それに映司は最初から朝から数時間しか会っていない人も長い付き合いと言い切ってしまいますからキャラクターは一貫しています。感心した一幕でした。全員が助かると判明し周囲も大喜びで、時代を問わず人人が手を取り合っていく光景は気持ちの良いものでした。
□靴に挟まっていたタカメダル
実は映司の靴に一枚だけタカメダルが残っていると言う場面に笑いました。アンクの命を預かった感動の名場面を台無しにかねないのですが辛うじてそうならないバランス感覚が凄いです。
□錬金術師ガラ(怪人態)
ガラがオーズと直接戦闘するに当たり変身した姿なのですが、これと言った特徴の無い凡庸な姿となってしまっています。普段のガラが竹馬を利用した撮影によって非常に長身になっているのですが、怪人になってもそれを活用したアクションを見せて欲しかったです。尤もそれが格好良く映るかは別問題ですからやらなくて正解でしょうか。
□仮面ライダーフォーゼ
ガラとの戦闘でオーズが窮地に陥った際に、空から何かが落ちてきました。利害の一致から「おぉ、これはグリードが助けに来てくれたのか!」と色めきたったのですが予想は外れ次回作の主人公です。この時期の映画で次回作のライダーが登場するのがすっかり定番となったのですが出てくるまで完全に失念していましたわ。グリードの加勢を期待していたので少し残念です。
□ライダーロケットパンチ
ロケットパンチのロケットはそのロケットじゃねェよ!? 文字通りロケットで殴るロケットパンチを見たのは初めてです。
その後、フォーゼの気遣いで止めはオーズに譲られ、彼のマジックハンドで振り回され勢いをつけトラクローでガラを吹き飛ばしました。一年前に銀幕でデビューしたオーズですが、早早にカマキリに交換されると言うトラメダルにとっては苦い思い出がありました。しかしそれから一年の時を経てこれほど活躍出来るようになるとは感慨無量です。
□最終決戦
生きていたガラが集めたメダルによりオーズの力を得て巨大な異形の姿へと変貌します。迎え撃つオーズ、バースと激しい戦いが繰り広げられました。
ガラ(怪物態)はオーズの力を得たと言いながらも仮面ライダーオーズと一切の共通性が無く、そしてまた何の面白味も無いデザインでした。鵺ヤミーは悪くありませんでしたがガラが微妙でこの映画のデザインは全体的に印象に残りませんなぁ。
先の戦いではフォーゼと勘違いしてしまいましたが、今度こそグリードが駆け付けてくれました。そしてオーズに自らのメダルを渡してくれるのですが、一番最初がウヴァだった時は「あぁ、ウヴァさんの仲間内に於ける位置付けはやっぱりそうなのね」とほっこりしました(笑)。あと恐竜メダルを持ったキヨちゃんを渡されたオーズの一体が、それを他のオーズに渡し渡されたオーズも嫌がっていたのには笑いました。
公開前から明かされていましたが最大の目玉であろうタトバ、ガタキリバ、ラトラーター、サゴーゾ、タジャドル、シャウタ、プトティラ、ブラカワニのコンボ勢揃いです。果たしてどんな理屈で変身するのか疑問だったのですが、何とガタキリバコンボの分身が其其変身すると言う単純な内容でした。今回限りなのでしょうがそんな事が可能なのですね。このクライマックス戦闘は盛り上がらない筈が無く、各コンボが各各の特性を活かしつつ有効な攻撃を重ねていき、バースも含めて順番に必殺技を叩き出して畳み込んでいく流れが最高でした。クライマックスに相応しい激戦でしょう。
□終幕
比奈の怪力で手を繋いだアンクが痛がると言う一幕がありつつも、皆で手を繋いで和やかな終わり方でした。
□手をつなごう〜マツケン×仮面ライダーサンバ
松平健がこの映画の主題歌も担当すると聞いた時は勘弁してくれと言う気持ちだったのですが、豈図らんや内容に合致した素晴らしい楽曲でした。映画の粗筋を描いた映像と相俟ってとても良かったです。
□総評
暴れん坊将軍との共演とか話題先行の感が強く見る前は果たしてどうだろうかと疑問もあったのですが非常に面白い映画でした。決して話を阻害せずそれでいて笑えるギャグの配分がとても良い上に手を繋ぐ事に象徴された絆を重視するストーリーに引き込まれ、そして戦闘がきっちりと描かれている、申し分がありません。懸念材料の一つであった松平健も話の流れに巧く盛り込まれていますし、何よりも登場した時に私自身も盛り上がったのですから文句がありません。過去のライダー映画の様に仰仰しい煽りこそありませんが素直に楽しめる素敵な作品です。
昨年の冬に『ノブナガの欲望』に落胆させられ、夏のオーズ単体映画は面白い作品である様に願い、祈り続けていましたがその答えがこれであれば全く文句はございません。やっと満足出来ました。冬のムービー大戦にも期待が持てます。
(11.08.16)
□伝説の七人ライダー
いきなり一号からストロンガーまでの七人が登場しますが、映画に歴代ライダーを登場させるのがずっと続いているので食傷気味です。でも考えたら昔のライダー映画も毎回先輩ライダーが登場していましたなぁ。そういう風に考えると元に戻ったと言えますね。ただ登場させるのなら昭和ライダーの前に平成ライダーではないでしょうか。
それから声を演じているのは本人ではないのですね。ストロンガーとか格好良いのですがあからさまに別人ですし、アマゾンは関さんでもない何か変な声でした。
そしてストロンガーまででスーパー1が出ていないのですが、フォーゼと共演するのならスーパー1を出さなくてどうするのでしょうか。
あと一号や二号にワイヤーアクションは似合いませんね。
□伊達明/仮面ライダープロトバース
火急の事態に駆けつけた明がプロトバースに変身するのですが、未だプロトタイプのまま残っていたのですか。本編終了から具体的にどれほどの時間が経過しているのかは理解りませんが、プロトバースを残しておくくらいならバースを量産するなり二号機を作るなりするべきではないでしょうか。ただバースに赤いラインが入ったプロトバースは、バースと並ぶと宛ら一号と二号の様でダブルバースの光景は好きです。
□後藤慎太郎/仮面ライダーバース
警察に戻っていた慎太郎も緊急事態で一時的にバースとして復帰しますが、明共共仮面ライダーポセイドンの前に敗退。その後は目立った出番がありませんでした。後半では勇ましくジェットスキーで明と共に救援に現れますが何の活躍もありません。
□アンク
本編で消滅したアンクが再登場するのですが登場出来た理由、そして映司との距離感が絶妙でした。決して多くを語りませんがお互いに通じ合っている姿がとても良かったです。ただ戦闘ではグリードとしての姿で戦って欲しかったなぁ、と思いました。
□仮面ライダーポセイドン
オーズと同じく三枚のメダルで変身しますが、三分割の仕方がオーズとは違った形になっているデザインが興味深いです。地続きの技術でありながら未来のライダーであると言うのが感じられますね。
ライダーとの戦いを求める戦闘狂と言うだけで印象強いとは言い難いのですが、動くと撃つと警告されたのに対して「好きにしろ。但し命乞いをするな、時間の無駄だ」と返したのは格好良かったです。例え相手が命乞いをしても容赦せずに殺すと言う性格が表現されている台詞でした。
ところでオーズ本編では仮面ライダーと言う呼称が使われていなかったので、ポセイドンが連呼し、また映司がそれに返しているのが少し不自然でした。
□湊ミハル/仮面ライダーアクア
垂れ目や水と言う大自然の力で変身するのが本来の仮面ライダーと言う感じがして好印象でした。デザインもオーズの延長線上にあるポセイドンよりも未来的な感じがします。
またミハルが映司との出会いで勇気を得て立派なヒーローとなる流れが良いですね。そのまま次回作の主人公になって欲しいと思ったくらいです。例えばテレビシリーズでは最初から強いヒーローとして活躍しますが、その前日譚として前作ヒーローと共演して一人前になると言うのは面白いのではないでしょうか。そういった理由でオーズの後番組がアクアであれば良いのにと思いました。
ただ専用マシンのアクアミライダーは市販のジェットスキーにしか見えませんでした。デザインが変えられないにしても、もっと演出で特別なマシンであることを表現して欲しかったです。
□仮面ライダーW
本作はオーズとフォーゼが共演するのみならず更にダブルも登場します。しかし喜びよりも未だ特別扱いをするのかと言う思いが勝ってしまいました。これで来年はオーズが同じ立場で登場するのであれば文句はありませんが、恐らくはそんな事は無いでしょう。だから素直に喜べず複雑な気分でした。
□仮面ライダーなでしこ
女性ライダーと言う事で個性的なアクションに目を奪われます。面白かったです。
□「お前が泣くくらいの時間は、僕達で稼いでみせる!」
失恋した弦太朗に賢吾が放ったこの台詞がとても良かったです。友達思いである事が表れていますね。
□カタル/サドンダス
ドラゴンの様な怪人に変身し、仮面ライダーでこんなストレートなドラゴンは珍しいと思っていたのですが、何とサドンダスだったのですか。大幅にアレンジされており言われなければ絶対に理解りませんでした。
ところでカタルと同じミュータットのソラリスがミュータットとしての姿を見せず、ユニコーン・ゾディアーツに変身したのが残念でした。
□戦闘員との激戦
大量の戦闘員を相手にダブル、オーズ、フォーゼと順番に見せ場が用意されます。ダブルの再登場に複雑な思いがありましたが主題歌を聞いているとやっぱり盛り上がってきました。そしてオーズです。連続コンボチェンジは見応えがあり、そして何よりオーズの主題歌は格好良いです。改めてそう強く感じました。
□レム・カンナギ/超銀河王
コアメダルとアストロスイッチの力で変身した最後の敵と言うのが、オーズとフォーゼが力を結集して戦う相手に相応しいですね。ただサドンダス同様に銀河王の面影がありません。これほどアレンジするのなら銀河王ではなく全く新しい怪人で良いのではないでしょうか。それにがしがし格闘を繰り広げるので貫禄がありません。ちゃんとアクションで強さを表現するのはとても良いのですが、それとは別に動かずに強さを表現するのも手でしょう。銀河王は後者の方が似合います。
□仮面ライダーオーズスーパータトバコンボ
未来のスーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタメダルを使用して変身した新たなコンボです。最後の最後でタトバに、トラメダルに素晴らしい見せ場が用意されました。超銀河王との高速戦闘では互角以上に戦って見せ、一人で勝てるのではないかと思わせるほどの強さを見せてくれました。この戦いが格好良くてかなり嬉しかったです。
□総評
年年各作品とムービー大戦パートの一体化が進められていまして、今回も順当にその傾向が強まりました。前面までは飽く迄も二本立ての映画で最後にその二本から繋がる決着と言う感じでしたが、今回は一本の中でオーズパートとフォーゼパートがある感じでした。それだけに共演に唐突さは無く物語に連続性があります。ただその分、オーズパートもフォーゼパートも独立性が薄く大きな物語の一部になっている感があり、好みの問題ですが私は前年程度の繋がりの方が望ましいです。またその割にオーズパートはレム・カンナギ一派との関連が薄く、映司に弦太朗ほど因縁がありません。これだけ一体感を強調しておきながらオーズパートが浮いてしまっているのは手抜かりではないでしょうか。
ただ全体を通してはアクションも満載で面白く楽しめる映画でした。
(11.12.16)
□艦隊戦
冒頭にてゴーカイガレオンとドルギランが夜の都市を舞台に戦闘を繰り広げますが、こういうのは本編でももっとやって欲しかったですなぁ。海賊と言うモティーフで立派な船まであるのですから、操舵士、砲撃手など役割を持たせた戦闘が見たかったです。話はずれてしまいますがゴーカイジャーの一号ロボは合体ロボではなくガレオン単体の変形ロボにした方がすっきりしましたよね。居住区として毎回登場し、そして前述の艦隊戦を入れてくれればメカ戦闘も描けるし、合体一辺倒ではなくそういった柔軟性を見せて欲しかったです。
ところで分かっていましたがドルはCGでしたね。ドルは東映を代表する渾身のミニチュア特撮ですから、今の技術で見せられても凄いと思えないです。
□一条寺烈/ギャバン
今作の目玉であろうギャバンの登場ですが、思い入れも無いので感慨はありませんでした。「よろしく勇気」と主題歌のフレーズを引用し宛ら彼を代表する台詞の様に扱われていますが、違和感がありましたなぁ。しかも蒸着の場面はギャバンのナレーターではなくゴーカイジャーのナレーターがナレーションを担当しています。これでは画竜点睛を欠いているでしょう。隣に座っていた変なのが「やっぱこれだよなぁ!」と莫迦みたいに煩く喧しく興奮していましたが、これでは不完全でしょう。
□曙四郎/バトルケニア、青梅大五郎/デンジブルー
烈がコスプレしているだけにしか見えませんでした(苦笑)。昔は変身前の顔など区別が付きませんでしたが、流石に同一作品で共演していると変ですなぁ。そしてこの二人は活躍がありません。戦闘員が相手でも良いので変身して戦って欲しかったです。
□ギャバンブートレグ
宇宙警察とザンギャックの技術を合わせて作り上げた最強の戦士だそうですが、それならシャイダーブートレグにするべきではないでしょうか? いあ、実際にそうなっていたら絶対に「何でギャバンと戦うのにギャバンの海賊版ではなくシャイダーなのさ!?」と文句を言っていたでしょうが(ぉ
□アシュラーダ
迫力のあるデザインで強そうでした。大柄な体躯に伸びる腕が映画の怪人に相応しい豪華さで、歩くと垂れ下がった鎖が引き摺られるのが印象的です。戦隊怪人のデザインでこれほど格好良いと思ったのは久し振りでした。思わぬ僥倖です(思う僥倖では意味としておかしいのでそりゃ僥倖は思わぬなのでしょうが)
□ドン・ホラー
ドン・ホラー? 誰ですかそれは?(マクーのボスだってば) ハカセことドン・ドッゴイヤーの親戚ですか? そんな事を考えていたのですが劇中でも名前をネタにされていましたね(鎧やアイムからの信頼が厚い様子が良かったです)。脚本家によれば没ネタとしてハカセがドン・ホラーの孫と言う設定もあったそうですが、それは没にせず採用して欲しかったかしら。いあ、でも、他作品の血族と言うのも微妙でしょうか。
しかしハカセは今回も良い味を出していましたなぁ。気弱そうでいてさり気無くゴーカイイエローを巻き込んだり、そのまま「行くよっ、ルカ!」と命令をしているのが面白かったです。
□魔空監獄の囚人
過去の戦隊から様様な悪役が収監されており賑やかな様相を呈しています。ただ最近の作品に偏っているのでもう少し昔の作品からも満遍無く出して欲しかったですなぁ。それと呪いを連呼するバンキュリアは完全にオリジナルと別人でしたなぁ。何で一人だけこんな扱いなのでしょう?
□特命戦隊ゴーバスターズ
VSシリーズで次回作がゲスト出演するのが恒例化していたのですが、完全に失念していたので予測しておらず登場を新鮮に驚けました。バスコを相手にした戦い振りがとても格好良くて放送開始が楽しみになりましたわ。これだけで判断する事ではありませんがゴーバスターズは面白そうですね。あと各人のコードネームがレッドバスター、ブルーバスター、イエローバスターだったのですが、物凄く久し振りに『(戦隊名)+(色名)』と安直なパターンから抜けてくれたのが嬉しいです。メガレンジャーから延延とずっとこれが続いておりずっとずっと不満に思っていましたのでやっとやっと念願が叶いました。
それにしてもあのバスコと渡り合うとは、アクマロ、十臓、薄皮太夫を撃退したゴセイジャー同様の大活躍ですね。これに比べるとゴーカイジャーの相手はシタリで微妙でしたね(笑)。
□「ド派手に脱獄だぜ!」
これは気持ちが良かったです。実に爽快な場面でした。
□総評
正直、複雑でした。199ヒーロー大決戦が実質ゴーカイジャーVSゴセイジャーでしたから別の作品が作られるだろうとは思っていましたが、それならギャバンと共演させる前にガオレンジャーやボウケンジャーの様にVSスーパー戦隊にして欲しかったです。ゴーカイジャーに登場していない歴代戦隊もあるのですからそれを出すのが先ではないでしょうか。
本編に関しては可も無く不可も無くですね。ザンギャックの幹部が誰も前線に出なかったのが物足りないものの、他は短い時間に凝縮されていて面白かったです。ジェラシット、エルダーの再登場などゴーカイジャーの怪人も出す部分は、ちゃんと世界観が生きているのを感じさせてくれました。
(12.1.21)
□大ショッカー大首領門矢士/仮面ライダーディケイド
この人は首領が似合いますな。久し振りの登場に嬉しくなります。実は思惑があって大ショッカーに潜り込んでいたのですが、芝居でも何でも無く本当に大首領でも違和感はありませんよ。
□大ザンギャック帝国
マーベラスを大帝王に担ぎ、錚錚たる顔触れが揃っています。それだけにこれだけの大物連中がマーベラスに従っている姿は嫌な悪夢のようでした。ライダーの怪人ならもう慣れましたが、戦隊は初めてですからなぁ。それとライダーは昭和作品からの出演もありますが、戦隊は近作に限っているのですね。尤も、こんな扱いでは登場しても嬉しかったかは微妙ですが(苦笑)。
それにしてもこれまで多くの組織が登場しましたが、戦隊に乗っ取られてしまうなんてザンギャックが初めてでしょう。下手に滅ぼされるよりもずっと屈辱です。
□ワルズ・ギル
父親のアクドス共共マーベラスの部下なのですが、嘗てのザンギャックを統べた存在が仇敵にこき使われる心境は如何程のものでしょうか。それを思うと泣けて来ますな。それにマーベラスからお調子者だからゴーカイジャーに敗北したといびられていますが、敗因はそれではなかったと思いますよ。少なくとも父親よりずっと熱心に頑張っていました。そんな父親がワルズを慰める為か、追っていく姿は本編から通しても唯一の親子らしい場面でした。
本編では行わなかった巨大化までしたのですが、最後はゴーバスターオーに斃されるわけでもなくビッグマシンの合体に巻き込まれて圧死と言う実に後味の悪い結末でした。心から憎い敵なら爽快な気分にもなろうと言うものですが、ワルズ・ギルはそれほどでもないのでこんな死に方は酷いです。
□ライダーハンターシルバ
バイオハンターからライダーハンターと名を変えていますが、とうとう人気のあるシルバの復活ですな。出番も多くて格好良かったのですが、「おのれ、バルジオンさえあれば・・・!」が無かったのが残念でした。今回の映画なら「おのれ、ビッグマシンさえあれば・・・!」とでも言って欲しかったです。また、折角レッドワンは本人が声を充てているのに、レッドワンがシルバを斃すとかそんな事は無いのですね。
ところでシルバが悪の美学がどうのと言っていましたが、シルバはバイオ粒子を使うバイオマンとは敵対していたものの別に悪ではないと思いますが。
□海東大樹/仮面ライダーディエンド
実に美味しい役回りでした。オーズが消され残された比奈を保護しますが、オールライダーでも夏蜜柑と一緒に居ましたしヒロインと二人で行動するのが様になってきましたね。そのまま途中まで戦隊側の主役と言えるジョーに対して、ライダー側の主役としてジョーの心を動かしたりと物語を動かすのですが、最後の最後でまさかのどんでん返しです。別に友情なんて抱いていないと嘯きながらも士に裏切られたから、同じ痛みを味わわせるとビッグマシンを始動しそれを乗り込みラスボスの座に立ちました。完全に士に対する想いが病んでいますね。それにしてもライダーと戦隊が総出演する映画のラスボスが、歴代作品のラスボスでも主人公でもなくサブライダーと言うのが凄い話です。
□「甘いね、甘すぎる。でも、嫌いじゃないよ」
『甘ぇよ』『・・・が』『その甘さ』『嫌いじゃあねえぜ』
□オーナーの炒飯に乗るプリン
映画館内で一番小さな子供達の笑いが起こったのがこの場面でした。因みに次点は鳴滝さんの「お前は何なんだ!」。
□過去のアカレンジャーと邂逅
この映画で最も理解に苦しむ場面でした。マーベラスに真相はアカレンジャーが知っていると聞かされますが、既にアカレンジャーはディケイドに消されてしまっている為にゴレンジャーが黒十字団と戦っていた時代に遡ります。しかしその頃のアカレンジャーに聞いても何も知っているわけが無いでしょう。
そして過去の時代でアカが野球仮面と戦っているのですが、声がオリジナルとは違います。ゴーカイジャーの映画では本人による野球仮面を出演させたのに、野球仮面をまたしかも今度は別人の声で出す必要があったのでしょうか。
過去のアカを現代に連れて行きますが実はこのアカがゴーカイレッドがゴーカイチェンジした姿であり、生き残りの戦隊を集めるマーベラスの策略でした。
もう何が何やらですよ。それならば過去へ戻る件が丸丸要らないではありませんか。単にアカの居場所を伝えて其処で待ち構えていれば良いだけの話です。
□「ライダー粒子反応、戦隊粒子反応、共にゼロ・・・」
ハカセ・・・。
□スーパー戦隊大集結
最後の戦いで時空の間から仮面ライダーとスーパー戦隊が駆けつけるのですが、多い! 多いですよ! ライダーはともかく、その後戦隊だけで何人も何人も次から次へと現れてその人数の多さを実感しました。そのまま全員で突撃する様は運動会か何かにしか見えません。
□「やめるんだ信彦!」
大乱戦の中でブラックがシャドームーンに向けて放ったのですが、何故かこれが「やめるんですか!」に聞こえて笑いそうになりました。唐突な敬語に意味が分からず、ブラックサンがブラックさんと敬称を付けているみたいだと言うネタなのだろうかとか考え込んでしまいましたよ。そうか、全くそんな風には聞こえなかったのですが、こう言っていたのですか。ちゃんと信彦の名前を出してくれたのは嬉しかったですね。まぁ、映画を見ている時は理解らなかったのですが・・・。
□ビッグマシン
クライス要塞とギガントホースが合体した最終兵器で、あろう事か大樹が合体を発動させました。ディケイドが唯一心から焦っていましたね。CGながら巨大感があったのですが、致命的な事に全く強いと思えませんでした。この程度の計画を発動させない為に士とマーベラスが共謀してあれだけ大掛かりな作戦を立てたのかと思うと微妙です。
□ロケットドリルゴーバスターオー
この映画らしい特別な合体ですが、一人だけ降ろされたイエローバスターが可哀相でした。フォーゼを乗せる都合とは言え、もう少しやりようは無かったのでしょうか。それとゴーバスターオー単体の見せ場を作る為にも、やっぱりアクドス、ワルズ・ギル親子はゴーバスターオーに斃させて欲しかったですなぁ。
□「俺がこれまで友情を感じた事があったとしたら、それは一度だけ・・・」
うひょおおお、最後の最後で興奮させる様な台詞を吐かないでください。この場面は好きです。
□総評
最初から期待していなかったのですが予想通り酷い映画でした(苦笑)。私の中で平成ライダー映画ワーストであるオールライダーと並びましたよ。最下層で。
もう、とにかく話がぼろぼろです。悪の組織を一網打尽にする為に対立していると見せかけたと言う基本的な筋は良いとしても、もう少しまとも作りにして欲しかったですよ。敵を欺く為とは言えマーベラスはゴーカイジャーの仲間くらいには真実を話しても良いでしょうし、それが無いから前半はすっきりしない話が続きます。それと細かい事なのですが士がゴセイジャー討伐は自分抜きでやる様に指示していながら、実際には士も同行しているのですよね。全体的に面白くないとか作品設定の整合性が取れていないのはともかく、たった十数分の繋がりすらありませんか。お粗末です。
例え話が酷くてもこの手の映画は勢いで押し切れればよしとする向きもありますが、本作にはその押し切れるだけの面白さがありません。仮面ライダー、戦隊が大集合して大ショッカー、大ザンギャックと激突と言うのが最大の見せ場なのでしょうが、人数が居るだけで全員に見せ場が用意されているわけでもなく中途半端で不完全燃焼で物足りないです。マスクマンとブラックが共闘しているのを見た時は、何らかの形で全員に少しずつでも活躍が用意されているのかと期待しましたがそんな事はありませんでした。印象に残ったのはそのマスクマンの他は、龍騎、ブレイド、ディケイドとカードを使うライダーの連携くらいでしょうか。ゴーカイジャーがオーズにゴーカイチェンジしましたが直ぐにガレオンバスターを使うので変身したのに碌に戦闘がありません。ターボレンジャーが好きなのでゴーカイレッドがニンジャレッドやレッドワンにゴーカイチェンジした時は、ターボレンジャーへのゴーカイチェンジ担当もレッドが良いなぁ、とか思っていましたがそれどころかゴーカイチェンジすらありませんでしたよ。
まともに出番のあったゴーバスターズ、フォーゼ、オーズも中途半端でしたし果たして何が見所だったのでしょうか。もうオールライダーとかその手の映画は結構だと思いましたわ。人数が違うので単純な比較はナンセンスですが、プリキュアオールスターズDXシリーズがあんなに面白いのと比べると哀しくなりますな。まさにプリキュアオールスターズこそが戦隊やライダーのオールスター映画で見たい形そのものですよ。
ムービー大戦メガマックスの二号は拘りがあってあのマスクの色でしたが、今回の二号は単にメガマックスでそうだったからそのまま流用したと言う風にしか見えませんなぁ。パンフレットで二号と一号の違いでマスクの色が挙げられていましたが、別にそれが違いと言うわけではないのですよ。
(12.4.21)
□名乗り
前半の名乗りではゴーバスターズに合わせて各バディロイドも一言ずつ入れるのですが、ゴリサキの掛け声は力強く迫力がありました。やっぱり玄田哲生は勇ましい役柄を演じた方が似合いそうです。
□エネたん/バスターマシンFS−0Oフロッグ
映画の目玉と言うべきバディロイドとバスターマシンですが、何の脈絡も無く登場したので些か唐突な感がありました。スチームロイドの能力で既存のバスターマシンが出せなくなったから引っ張り出した、とかの方が盛り上がったのではないでしょうか。
□スチームロイド
工場そのものがメタロイドに変化したのはスケールが大きかったのですが、単体での戦闘力はそれほどでもありませんでした。映画ならではの特別な怪人と言う印象は薄いです。
□エンター
映画と言う舞台でありながらエンターが直接ゴーバスターズと戦い、その実力を見せ付けてくれなかったのが残念でした。矢張り映画では基本として幹部の戦闘も見せて欲しいのです。
今回はメガゾードを操縦すると言う妙技まで披露し張り切っていたエンターさんですが、結果だけ見ればそれでも全ては徒労に終わってしまいました。自然と悪役に感情移入してしまうので、何の成果も挙げられなかったのが不憫でなりません。作戦失敗が明らかになった時点で八つ当たりにでも街を破壊し人を殺し恐怖と絶望の嵐を巻き起こせば良いのに、それもしないのがもどかしくすらあります。
□等身大戦闘
バグラーとの交戦が前半と後半の二度あったのですが、正直、代わり映えしない戦闘を二度見せられて冗長だった感が否めません。この辺りに本編と同様の等身大戦闘が弱いと言う本作の弱点を感じますね。レッドの高速移動、ブルーの怪力、イエローの跳躍力と個性的な能力があるのに戦闘が単調になってしまうのは却って凄いくらいです。
ただ東京エネタワーを登っていく描写は良かったですね。スーツアクターの身体能力が高い事が感じられ、素直に凄いと思いました。一瞬だったのでもっと長くじっくりと見たかったくらいです。展望台内部での戦闘も良かったのですが、どうせなら派手に爆発を起こして内部から破壊して欲しかったですなぁ。いあ、無理なのでしょうが。
□巨大戦闘
本作の真骨頂とも言うべき巨大ロボの特撮は流石と納得の出来でした。完全にロボアニメの文法で作られているのがよく理解ります。バスターエースが空から東京エネタワーに迫る場面は実に爽快でした。その後も多数のロボが入り乱れて戦う場面は迫力満点です。
□総評
エンターが戦わなかった事と、そして何よりメサイアの出番が無いのが残念でした。ただそれを除けば凄く大きな不満は無く面白かったです。面白かったのですがそれ以上にはなれませんでしたなぁ。もう一皮剥けてもっと上の段階になって欲しかった、と言う思いがあります。あとイエローがフリーズしたレッドを武器にして振り回したり、司令官が柄にも無い歓声を上げたり、笑わせようとしていた場面で観客の反応が無かったのが印象に残りました。これまでだったらこういう場面で観客が笑っていたのですがねぇ。それほど差があるとは思わなかったので不思議です。
余談ながら最初に東京エネタワーと聞いて出来たばかりの東京スカイツリーで撮影とは話題性もあるし素晴らしいと思ったのですが、スカイツリーではなく東京タワーだったのですね。
(12.8.4)
□如月弦太朗/仮面ライダーフォーゼ
弦太朗が機械とも友達になれると言い張り、自分を攻撃してくる防衛システムを前に武器を捨て友達友達言い出すので完全におかしい人でした。しかもそれでいてあっさりそれを断念するとか一貫性がありません。
そう否定的に見ていたのですが、XVUに助けられて自分の行動を悔いた場面は良かったです。
□どんでん返し
当初は敵と思われたインガ・ブリンクが実は味方で、逆に正義の振りをした白山静が機械生命体だったと言う展開があるのですが、前振りとの繋がりが今一ですなぁ。弦太朗と頭をぶつけた静が鉄の様な頭だったと正体を示唆する場面がありましたが言及されませんでしたし、流星がインガを同じ星心大輪拳を使うから敵ではない筈と信じたりする訳でもないのですよね。それまで疑いもせず単純に本人の口から明かされて知ると言う工夫の無い流れなのがちょっとつまらないです。
□ブラックナイト
ブラックナイトが仲間になるとはどれだけ心強いのだろうかと思ったのですが、フォーゼと戦った時はあれだけしぶとくどんな攻撃を受けても立ち上がったのに、仲間になった瞬間にあっさりと破壊されてしまいました(苦笑)。これはちょっと極端でしょう。動きも含めて魅力的だったのに納得のいかない退場です。
□宇宙鉄人キョーダイン
フォーゼがキョーダインに似ていたのでそれを引っ張り出して来たのは良いのですが、原典ではスカイゼルとグランゼルの兄弟だったのをグランダインとスカイダインの兄妹にしてしまった事に何の意図があるのか掴めません。そしてそれだけなら未だ良かったのですが、何と敵にしてしまうのですよね。仮にもと言うか仮でもなく立派なヒーローを同情の余地の無い悪役に仕立ててしまうのは如何なものでしょうか。しかも機械と友達になると豪語している弦太朗が、キョーダインに関しては一切気にせず、何の躊躇も無く斃すのですよね。友達になれる相手だったとは思いませんが弦太朗の基準が理解りませんし、彼の言う友情が口だけになります。
□衛星兵器XVU
外見を見た瞬間に一目で大鉄人17と気付きました。XVUも17を捩った名前だったのですね。それにしても此方は随分と良い役どころで、キョーダインとの待遇に大きな差がありますね。
□アクション
圧巻でした。派手なカーチェイスから始まり生身の銃撃戦、全てのアストロスイッチを駆使した見事な戦いと言う事の無い素晴らしいアクションです。四十個もあるアストロスイッチを使った戦闘を考えるだけでも凄いです。相手が本物ではないとは言え十二使徒勢揃いと言うのも映画らしい派手で豪華な趣向でした。偽者であってもヴァルゴの強さが健在だったのが印象的です。
□仮面ライダーフォーゼメテオフュージョンステイツ
フォーゼにメテオの能力も加わった最強のステイツとして、その誕生に四十人の人間が弦太朗を思いアストロスイッチを押します。その面子をちゃんと本編で登場した人間で揃えているのですが、如何せん一瞬しか映らないので誰が誰なのか思い出せない人が大半でした。回想を入れてそれが誰なのか理解る様にして欲しかったです。
□仮面ライダーウィザード
フォーゼの危機に謎の人物が登場し変身したのを見て、てっきり敵にも仮面ライダーが登場し、冴葉晴海が変身するのだろうかと思いました。恒例の新シリーズから出演だったのですね。
□仮面ライダー部
仮面ライダー部の全員にも見せ場がありましたが、中でもパワーダイザーで奮闘した隼が格好良かったです。美羽とJKの軍事用パワーダイザーに助けられて勢いを取り戻し先陣を切る勇姿は印象深いです。
他に賢吾がJKに銃を渡し、そして隼が賢吾に銃を渡すのも格好良かったのですが、最初から隼がJKに渡せば良かったと思います(笑)。
□効果音
格闘の打撃音や銃声など効果音が重く迫力がありました。
□総評
良きにつけ悪しきにつけアクションが全てと言った趣の作品ですね。『仮面ライダーフォーゼ』の集大成としての要素も盛り込まれていますが、アクションの比重が大きくドラマは弱かった面は否めません。ちょっと敵が敵としての魅力に欠けたのも一因でしょうか。ヒーローを悪役にした上に敵として凡庸だったのは感心しません。多少なりともキョーダインに思い入れがあるのでどうしても不満を持ってしまいます。全体的には好悪はさておき標準は上回っていて良く出来ているとは感じました。
(12.8.4)
□如月弦太朗/仮面ライダーフォーゼ
本編の五年後を描いた作品と言う事で弦太朗は天の川高校の教師になっているのですが、別に弦の字と教師の絆みたいなのが描写されていた訳ではないので感慨がありませんなぁ。
□朔田流星/仮面ライダーメテオ
ライジェネ2ではメテオをよく使っていましたから流星の怪鳥音が馴染み深くて聞くと落ち着きます。
□「俺は如月弦太朗、この学校の全員と友達になる教師だ!」
教師が生徒と友達感覚では困ります!
□風太三郎/サナギマン/イナズマン
美代子に化け物呼ばわりされて傷付いている様子でしたが、先に超能力を使って攻撃したのは三郎ではありませんか。過去はさて置きこの場面だけを見たら、迫害されていたと言われても自業自得としか言えません。
サナギマンに、そしてイナズマンに変身します。ただイナズマンの顔が妙に人間に近いので生生しく、また全身像もパンツ一枚に見えて格好悪いです。昔のイナズマンもこんな顔だったかなぁ、と漠然と思いましたがパンフレットで見比べたら全然違いました。昔のイナズマンの方がちゃんとヒーローらしい外見で格好良いです。原作版に近いデザインだそうですが大半の人間がイナズマンと聞いて連想するのは特撮版ではないでしょうか?
昔のヒーローが登場と言うのではキョーダインの許し難い悪夢が思い浮かびますが、イナズマンはそれに比べたらずっと厚遇でした。何より悪役ではありませんでしたからね。ただキョーダインの時の様な強烈な不快感こそ無いものの、抑抑
昔のヒーローをゲストで出す必然性については疑問が残ります。
ところで三郎を演じたのはハリケンジャーでギリギリガイ師の回に登場した方ですよね。戦隊でレッドを演じるのが夢と語っていましたが、形は違えど変身ヒーローにはなったのですね。パンフレットではゲキレンジャーに出演と書かれていて記憶違いか或いは誤植を疑ったのですが、調べてみたらゲキレンジャーにも出演されていたのですね。記憶を辿ってみましたが確かバスケの回だったでしょうか。それにしても昔は可愛かったのですが、年月の経過を弥が上に感じますね。
□怪人同盟
三郎を筆頭に超能力者が集った集団ですが、同じクラスの仲間がルビー、コング、ネズミと酷い名前ですね(ぉ しかもコングはうほうほ唸るだけで日本語を喋りませんし、超能力者であろうと無かろうと人間離れしていました。
□フォーゼVSサナギマン
友達になると宣言した自分の生徒相手に変身して本気で攻撃する弦太朗はどうなのでしょうか。好意的に考えればそれまでの接触で、その程度の攻撃なら問題ではないと判断したのかも知れませんが、それよりも友達と言う言葉が昔からの言動や行動と相俟って上っ面だけだと言う印象の方が上回ります。
□番場影人/ヘラクレス・ゾディアーツ
絶対に最後に登場するゾディアーツは蛇遣い座のサーペント・ゾディアーツだと思ったのですがねぇ。何らかの理由で存在を抹消された十三番目のホロスコープスが出るかと思っていたのですが、メインがイナズマンなのでゾディアーツは重要な存在ではありませんでしたね。
□雑魚掃除に定評のあるメテオストームパニッシャー
相変わらずダスタードが相手だと画面映えがして格好良いです。
□フォーゼドライバーを捨てる弦太朗
戦闘中から意味ありげに溶鉱炉が映っていたので何かに使うだろうとは思っていましたが、まさかフォーゼドライバーを其処へ投げ捨てるとは予想外でした。三郎の為に敢えて力を捨てた格好良い場面なのでしょうが、相変わらず考えも無しにその場その場の思い付きだけで動いている様にしか見えません。
□操真晴人/仮面ライダーウィザード
晴人は結婚式の時とかポワトリンの名乗りとか、一一 突っ込んでくれるのが良いですね。少し間の抜けた「あ?」も好きです。
□大門凛子
この監督の誰でも生身のアクションを入れると言うのは本来は戦えないのに戦えてしまう点は好ましくありませんが、逆に凛子の様に本来は戦えるのに活躍が少ない場合は嬉しいですね。本編でもこれくらいの活躍を見せて欲しいと言うか、凛子には滝ポジションを期待しているので不満がありました。だからこういうのが見たかったと言う気持ちです。でももたもたもたもた弾丸の装填をしている姿は格好悪かったです(ぉ
□上村優/美少女仮面ポワトリン
少し老け顔ですね。美少女と言うには薹が立っている様に見えます。
優はアンダーワールドに引き篭もり現実から逃げ自分が活躍出来る偽りの世界で生きています。まぁ、あたしでも辛い現実と幸せな偽りなら後者を選びますね(ぉ しかし可哀相なのは巻き込まれた他の子供達でして、最後には助かっているとは言え毎日毎日あんな目に合っては心に傷を負ってしまうでしょう。
ポワトリンをこの映画に出すと言うのも意味が理解りませんなぁ。
□アクマイザー3
名前も含めてオリジナルとは別人ですが、本作の悪役として相応の魅力を放っていました。
ザタンはガーラの失態にしょうがないと言いながらも処罰せず助けますしイールの死に動揺するなど、親分肌の人物でしたね。だからこそイールとガーラからも慕われ、彼らが身を挺してでも守ろうとしたのでしょう。
イールはゼーバー増幅装置が破壊される爆発に巻き込まれていたのが可笑しかったです。あれで死んだらどうしようかと思いましたわ。
さてイナズマン、ポワトリンに続いてアクマイザー3も昔のヒーローが登場した訳ですが、確かに魅力的な性格に描かれているとは言え矢張りヒーローが悪役にされてしまうのは業腹です。アクマ族でありながら人の為に戦うと言うのがオリジナルの魅力なのに、それがそのまま人間の敵ではセンスがありません。これがアクマイザーではなく全く新しい敵であれば、寧ろとても素晴らしい敵であったと賞賛すらしたのに、惜しまれると言うか何とも言い様の無いもやもやとした気持ちにさせられます。
□火野映司/仮面ライダーオーズ
前作のパンフレットで映司役の方が次回作にも出たいと語っていまして、でも実現しないだろうと思っていたので突然の登場に驚き喜びました。まさか出るとは思っていなかったので本当に嬉しいです。接触があったのはコヨミのみで変身も無いなど前作の翔太郎とフィリップに比べると不満の残る扱いですが、それでも出ないよりは良いでしょう。
ところでコヨミに「ちょっとこれ持ってて」とパンツを渡すのはどうかと思います(ぉ 映画が終わった後、親子の会話で「面白かった?」「おもしろかった。パンツをわたすのが」と言うのがありまして子供にも印象的だったのですね。
オーズはバースやダブルと言った他のライダーと共にアクマイザーの装甲車と戦ったのですが、その中では一番
扱いが悪く活躍が少なかったのが残念でした。ブラカワニコンボに変身したのは良かったのですが、その後は装甲車の外壁をがんがんがんがん殴っただけで終わりなのですよね。他が必殺技まで使っていたのと比べると余りにも残念でしょう。でも最後の一斉にライダーキックを放つ場面で、スーパータトバコンボに変身しセンターを陣取っていたので少し気が晴れました。
□「魔法使いってのは諦めが悪いんだよ!」
絶望しなかったから魔法使いになったので凄く説得力のある台詞で、胸にすとんと落ちました。
□ザイダベック
アクマイザー3を出すのにザイダベック号を出さないのは片手落ちだろうと思っていたら最後の最後に出して来ました。尤も、私の知っているザイダベックとは違いましたが(ぉ
□幼い怪人同盟
捕われていた子供達がフォーゼ編に登場した怪人同盟ではないかとは薄薄 理解っていたので驚きはありません。三郎なんてよく似ていますね。
□「店長がポワトリンだったの!?」
え・・・? あ、そ、そういうことか! アンダーワールドでは若い姿だった優が現実では既に年を取っていておばさんだったと言うだけの落ちかと思っていました。この台詞を聞いて初めて分かりましたわ。店長の顔なんて覚えていないから気付きませんでしたわ。しかしそれでは優の回想にあったOLとして活動している姿は何だったのか疑問が湧きますが、あれは店長は若い頃はOLとして働いていたと言う事で良いのでしょうか。しかしこれは落ちとしては面白いのかも知れませんが、つまりあんな楽しそうに見える店長が実は現実に絶望していると言う訳ですよね? これは嫌な情報を知ってしまったと言うか、今後も本編で店長を見ても胸の内にそんな暗い気持ちを抱えているのかと思うと素直に楽しめません。変に後味が悪いのではありませんか。それとも若い頃は絶望していたけれど一念発起してドーナツ屋を経営する様になってからは救われたと言う事で良いのでしょうか? そうでもないと暗い影を本編に落とす事になります。
□総評
生身のアクションがやたらと長く、そしてやたらと多かったのが目に付きました。一回一回が長い上にそれが何度も挿入され、しかもフォーゼ篇からウィザード篇まで続けてみているから、またかとうんざりした気持ちになります。多少は変身しない生身のアクションも欲しいのですが、これだけ多いと嫌になります。仮面ライダーを見に来ているのであって別に生身の役者が活躍するアクション映画を見に来ている訳ではありません。この監督はアクションに力を入れているのは理解りますが例え凄いアクションだったとしてもこれだけ繰り返されると萎えるだけですわ。強烈な個性を持っているのにどの作品でも同じ事をやるのでワンパターンで引き出しが狭く見えます。
そして公開前から分かっていましたが矢張り過去のヒーローをこんな風に出すのは快く思えませんなぁ。必ずしも過去のヒーローを出す事が受け入れられないとは言いませんが、脈絡がありません。また一人だけならともかく一本の映画にイナズマン、ポワトリン、アクマイザー3は詰め込みすぎでしょう。勿体無いです。
決して飛び抜けてつまらないとは言いませんが好きだとも言い難い、不満の方が強く何度も見たいとは思えない作品です。
(12.12.16)