『分子論理ゲート』の電子書籍版 販売開始
『分子論理ゲート』の電子書籍版の販売が開始されました。
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『分子論理ゲート-情報処理のできる機能性分子』が発刊
2014年9月26日に講談社サイエンティフィクより『分子論理ゲート-情報処理のできる機能性分子』が発売になります.
この本は,2012年に英国王立化学協会(Royal Society of Chemistry)より発刊されたA. P. de Silva著『Molecular logic-based computation』が基になっています.ただし,ただ原本を訳すだけの仕事は全く面白くないので,原著を訳しながら,2014年6月までに報告された研究成果を加えつつ,構成を大幅に変更しています.
例えば,水素イオンとナトリウムイオンの両者が存在する場合にのみ蛍光を発する分子.これは1993年に実際に報告されたAND機能を備えた分子の性質です.このように分子論理ゲートは,普通の機能性分子より少し多くの情報を処理できる能力をもっています.報告当初,既存の半導体コンピュータに代わる分子コンピュータとしての期待が高まり,非常に注目を集めましたが,時間が経つにつれてそれほど応用が簡単ではない,という事実が分かると,厳しい批評にもさらされました.では,この研究分野は衰退してしまったのでしょうか?全くそんなことはありません.高度な分析技術,新しい医療技術,はたまたゲーム試行を担う分子として多くの成果が報告され続けています.本書はそんな分子論理ゲート分野の歴史,基本原理,応用などのあらゆる面を網羅した一冊です.
機能性分子を研究している日本の化学者は比較的多いですが,分子論理ゲートの研究をしているとなるとかなり珍しい印象です.おそらく現状では,実用的な応用研究に直結しづらく,この点が研究対象として敬遠されている理由だと思います.でも,世界的にみれば分子論理ゲートは非常に期待されている機能性分子です.本書は厳選した370程度の参考文献から成り立っていますが,いずれもNatureやScience,J. Am. Chem. Soc.などの一流誌に発表された成果です.これから研究者を目指す学部生や大学院生の皆さんに,ぜひ本分野のような世界に認められる研究に触れて欲しいという願いを込めています.
普通の教科書と比較すると少々割高ですが,Royal Society of Chemistryに原本の使用料を払ったり,一部がカラー印刷になっていたりする事によります.僕自身としては,安物の教科書よりも,本文や図表に加え,前書きや後書き,表紙や紙質の全てに至るまで自分のできる限りこだわったその価値を必ず見いだして頂けると思っています.今後の本研究分野の発展のためにも,またもう既に企画が始まろうとしている次作(仮題『蛍光プローブ』)をより良い本にするためにも,皆様のご一読と感想のフィードバックをお願いしたいと思います.ぜひ一人10冊.よろしくお願いします.
化学Vol.70にて紹介されました.
化学(化学同人) 2015年1月号(Vol.70(1))の化学の本だな(p.60)にて紹介されました.
(「情報処理」という新しい視点から化学を考えさせてくれる一冊 by谷口正輝)
ぶんせき(日本分析化学会)2015年1月号にて紹介されました.
ぶんせき(日本分析化学会) 2015年1月号の新刊紹介のコーナー(p.45)にて紹介されました.
化学と工業にて紹介されました.
詳細は後日アップします