研究内容

はじめに

大学 4 年生で研究室に所属してから 12 年が経ちました. 偶然かもしれませんが,自分の研究環境は 3 年ごとに節目節目を迎えてきました. 13 年目を迎える今年度は,日本の実験系ラボにおける助教としてはとうていありえない状況,つまり研究室の中で自分一人で身を立て行くことになりました. すべてが自己責任の世界ですので,いかに professional な仕事をできるかということを常に考えています.. 一方で残念なことではありますが,学生にとても強い意志がない限り,研究室の学生とチームを組んで研究を進めることはできなくなってしまいました. でもこれは優れた研究をしていることの有名税だと思って今は割り切るしかありません.

6 年前,奈良女子大にいたときにラボの子に「30 才までに J. Am. Chem. Soc. を通したい.そして 40 才になるまでに J. Am. Chem. Soc. を難なくコンスタントに通せるようにしたい.」と言っていたのを思い出します. なんかあの頃は,純粋なこと言ってるな・・・って感じですが,最近は逆に未来のことをまったく考えなくなりました. 一昔前までは,自分にはそれなりに先見の明があって,何年先ぐらいまでの結果の貯金を作っておく,なんてことをいやしくも考えていたのですが,最近はその日その日でベストを尽くすことに精一杯です. 人間どこでどうなるかわからないものです.

これも最近は事あるごとに考えているのですが,とにかく研究に関するすべての出来事を大切にしたいと思っています. 一つの実験,一つのデータは当たり前ですけど,一つのプロジェクト,一つの研究チーム,一つの論文. 有限の時間の中でわざわざそれを選ぶわけですからとことん突き詰めて,出てきた成果に対しては周りの評価を真摯に受けとめる,ということだけは妥協したくありません. というわけですので,自分の研究に関する意見はたとえそれが批判的なものであっても大歓迎です. ただし,建設的な人からの建設的な意見に限りますけれど.

このホームページでは,現在から過去にさかのぼって,これまでの所属ごとに研究に関する様々な情報をまとめました. 情報はなるべく早く更新するつもりですので,期待していてください!

(上記の内容は平成 20 年度に記しました.)

略歴

◆2005年4月 東京大学大学院薬学系研究科 薬化学教室 助教

◆2002年4月~2005年3月 日本学術振興会 特別研究員(PD)
  2002年4月~2003年5月 奈良女子大学理学部化学科 機能化学講座 岩井研
  2003年6月〜2005年3月 英国 Queen's 大学化学科 AP de Silva研

◆1996年4月~2002年3月東京大学大学院薬学系研究科 生体分析化学教室