中学受験専門 国語プロ家庭教師(東京23区・千葉北西部)

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■時間間隔を身につける

時間短縮訓練と時間配分:PDFのダウンロード(全3頁/統合)
・指導用の教材として利用される場合は、生徒に教材を与えっぱなしにして済まさず、生徒にとって有効な活用法をご考慮願います。

入試で必要とされる時間感覚を身につける
はじめに
・入試において受験生は、制限時間内に一般に二種の文種(主に説明的文章と文学的文章)、文字数にして平均約6,000字の文章を読み、迅速かつ的確に問題を処理していかなければなりません。問題本文の上記総字数はあくまで平均であって、実際には8,000~9,000字、時には10,000字を超える文字数の文章が、ある年突然出題されるといったケースも珍しくありません。

 これまで当方が担当してきた生徒たちの話によると、「本文を通読していては問題を解く時間が無くなって当然だ。先に設問文を読み、それから本文の問われている箇所の前後を確認して解けば時間内に全て解決する」と指導している家庭教師や塾講師の方々が相当多くいらっしゃいます。あらためて言うまでもありませんが、作問者はそのように本文の内容を把握せずとも単純に解決するような「サービス問題」を主軸として常に作問しているわけではありませんし、このような「精度犠牲型」の安直な手法で解決するのなら国語の不得意な受験生や国語で悩む受験生は既に存在しないはずですが、現実にはそうなってはいません。

 人間には訓練により技術や能力を向上させる力が本来備わっており、指導経験上、的確な方法と継続的な訓練によれば通読時間を短縮させ、制限時間内で精度を犠牲にすることなく問題の全面解決が可能であると断言します。にもかかわらず、はじめからそうした人間に備わった当然の能力を前提としない形式的処理にばかり注力する本末転倒の手法に頼っていれば、入試本番で転覆するリスクをいっそう高めるだけとなってしまうでしょう。


時間短縮訓練の方法
※「時間短縮訓練」は、個別指導等により平常より「精度重視型」の取り組みが日々継続的に行われていることを前提としています。この取り組みが実現していない状況下では、以下の「時間短縮訓練」は十分な効果を見込めない可能性がありますのでご注意ください。

・「解答スピードだけは速いが、読解や解答の精度が低く、答案全体の仕上がりが雑」という特徴が、国語を苦手とする受験生に共通して見受けられます。「スピード」を重視するあまり、「読解と解答の精度」を犠牲(ぎせい)にしてきた結果です。「精度より、解答欄を全て埋めきることにこそ重点を置く」というのは、国語学習における本末転倒です。そればかりか、窮地に立たされると、「本文を通読せずに解けばよい」という非本質的な手法や、普遍性の無い小手先テクニックに幻想(げんそう)を抱き、それを「よすが」として、ますますこの「底なしの悪循環」から逃れられなくなっていきます。

①時間配分を行う
②タイマーで時間を計測する
③本文を通読する
④読解と解答の精度を上げることに重点を置く
⑤入試本番を意識し、良い意味で自分を心理的に追い込み、全力で問題解決に当たる⑥問題処理中は常に時間を意識しつつ、頭脳の回転力を高速で維持する
⑦頭脳の回転力を維持するため、解ける問題の処理をどんどん進める
⑧訓練開始当初、時間内に解き切れない場合は延長時間をとり、自分の頭をしっかり使って全問の解決に挑(いど)む
⑨得点は精度の結果なので当初は気にしすぎず、1か月後の自身の進歩・向上を明確に見据えて当面の目標とする
⑩訓練を重ねるごとに、徐々(じょじょ)に延長時間を短く設定していく

・「精度を犠牲にせずに、制限時間内に全問解決する」には、これまでの取り組み方を「精度重視型」に完全転換し、併(あわ)せて「時間短縮訓練」を日々継続的に行っていく必要があります。転換当初、個々の状況によっては目標の時間内に全ての問題処理が終わらないことがあります。その場合には、躊躇(ちゅうちょ)せず延長時間を設けてください。大人の力を借りる前に、「まずは自分の頭をよく使い、限界に挑(いどむ)む気持ちで、自力による全面解決を果たす」取り組みを最優先してください。

・そして、訓練を重ねるごとに、延長する設定時間を徐々に短縮してください。本来人間には、訓練によって能力や技術を確実に向上させる力が備わっています。そして、「時間短縮訓練をして、時間が短縮しなかった生徒は過去にいない」と断言します。訓練を開始する時期や受験生個々の状況にもよりますが、目安として、通常三~四か月ほどで、精度を犠牲にすることなく、時間内に解答欄全てを埋め切ることができるようになります。

・ただし、偏差値が50前後以下の受験生の場合、「精度重視型」へと取り組み方を完全転換して1か月ほどの間、テストで「文章題二題のうち一題がまるごと解答できない」といった現象が起きる場合があります。それを恐れて再び「精度犠牲型」の取り組み方に戻してしまうと、「底なしの悪循環」に舞(ま)い戻り、そのままそこから脱することなく入試本番を迎(むか)えることになります。

時間配分の方法

※以下は一つのモデルです。状況により、適宜(てきぎ)アレンジしてください。

《 以下の全作業を、試験や演習の開始直後30秒以内に行ってください! 》

【1】問題全体の把握
・今、自身の眼前にある料理の種類や分量を予め確かめてから食事を始めるのと同様に、今、眼前にある問題の全体像を掴(つか)みます。

大設問の構成と問題内容を確認
・問題用紙と解答用紙を見ながら、大設問の数や、選択問題、抜き出し問題、記述問題、漢字や知識の問題など、問題構成や分量などを瞬時に概(おおむ)ね掴みます。
文種、文章量を確認
・「文学的文章」、「論理的文章」、「随筆(ずいひつ)文」、詩や短歌・俳句などの「韻文(いんぶん)」など、文種によって読み方や処理の仕方が異なります。文種を確認することで頭脳を予め準備状態に置き、適宜(てきぎ)頭脳の切り替えが行えるよう備えます。

【2】時間配分
・問題全体の把握(はあく)が済んだら、各大設問ごとに逆算的視点で時間配分を行います。
時間配分を行う
・以上にもとづき、制限時間のうち5分程度を予備としてとっておき、試験時間内に全問解答することを前提に、残りの時間を各大設問に適宜速やかに割り当てます。
時間の記入
・配分した時間は、問題用紙の大設問を示す番号の上などに書き記しておきます。

【3】時間配分の仕方
(1)漢字・知識問題
・漢字や知識問題が独立した形で出題されている場合は、これを文章題より先に時間配分します。ちなみに、漢字の読み書きの問題が10問の場合、受験者に知識があれば反射的に解答できる種の問題ですから、1~2分を配分します。必要以上に語句・知識問題に時間を充てると、後々読解問題や記述問題を処理する時間が圧迫されてしまいます。
・知識関連の問題が独立した形式で複数出題されている場合は、それらを「合わせて何分」というように時間設定します。
(2)文章題
・自分が比較的得意とする文種であれば、その大設問の処理時間は短めに配分します。・訓練状況や、文種、文章量、本文の内容、記述問題の分量等によって配分する時間もその都度変わりますから、普段から時間短縮のための訓練を徹底して継続し、配分する時間を適宜調整できるようにしておきましょう。

《 以上の全作業を、試験や演習の開始直後30秒以内に行ってください! 》
・以上の作業が終わり次第、速やかに問題処理に入ります。随時時間を確認し、目標とする処理時間を強く意識して問題解決に当たってください。

・本記事作成:2004年(平成16年)
・追補:2020年(令和2年)2月、8月
・追補:2023年(令和5年)3月


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