中学受験専門 国語プロ家庭教師(東京23区・千葉北西部)

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■記述訓練上の技術

記述文章の本質は、「自分が何を伝えたいのか」というその「趣旨が明瞭であること」、「論理的であること」、そして、「正確で伝わりやすい表現であること」です。以下の各項目の内容を知識として備えていても、それだけでは実地に応用するのは困難です。生徒さんんが集団指導を受けている場合は、担当の先生からコメントを書いてもらう添削指導を受けただけではその記述答案は仕上がりませんから、添削された答案を見てそれでわかったつもり、獲得できたつもりにならず、先生との直接的なやりとりを行う時間を少しでも設け、先生と生徒自身が納得いくまで仕上げ作業を繰り返すような取り組みを行ってください。担当の先生は生徒のために何とかしてやりたいと強く思って指導に取り組んでいますから、遠慮せず、担当の先生を徹底的に利用してください。
・併せて「読点の打ち方」の項目もご参照ください。

技術的事項①

①設問の要求を正確に把握する
設問が「何を要求しているのか」を正確に把握すること。また、「自分に与えられた問題として、しっかりと要求を受けとめる」ことで、ミスや見当違いの思考を防ぐことができる。
②趣旨を固定する《趣旨ずれ・趣旨不明確:減点 趣旨違い:誤答》
設問の要求に対して、自分が「何を伝えたいのか」を明確に固定すること。思考の方向性が正しく、趣旨を明確に固定できれば、自動的に採点要素(ポイント)が含まれてくる。
③文末処理《文末処理の不履行・不対応:減点》
 ・なぜですか? どうしてですか? 理由は? ・・・・・・ ~から。~ため。~ので。
 ・何ですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ~こと。~もの。~体言。
 ・どういうこと? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ~(という)こと。
 ・どのような意味? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ~(という)こと。
 ・どのような内容? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ~(という)こと。
 ・どのような気持ち? ・・・・・・・・・・・・・・・・ ~(という)気持ち。
 ・どのような様子? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ~(という)様子。
 ・どうしましたか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ~した。  ※常体でよい
 ・どうしていますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・ ~している。 ※常体でよい
 ・どうしていましたか? ・・・・・・・・・・・・・・・ ~していた。 ※常体でよい
④文中語句と自分の言葉《条件不履行:減点》
「本文中の語句を使用して」とある場合は、本文中で使用されている語句をできるだけ多く使用する。「自分の言葉で」とある場合は、説明に必要な語句を除き、本文中の語句はできるだけ使用せずに説明する。
⑤具体性を高める《具体性欠如:減点》
言葉を整理して、詳しくわかりやすい文章を心掛ける。
⑥正確で伝わりやすい表現の工夫
記述の本質。より水準の高い記述答案を目指そう。
⑦指定字数の順守《条件の不履行:減点、または誤答》
「~字以内」とあるときは少なくとも八割以上、「~字程度」とある時は、極力指定字数に近づける。
⑧自由スペースでの字数推定
マス目の無い解答欄では、マス目のある解答欄等を利用し、説明に必要な字数(要求されている字数)を推定する。
⑨句読点・符号は一字扱い《条件不履行:減点》
原稿用紙の書き方の決まりと、模試や入試でマス目のある解答欄に記入する際の決まりとは異なる。句読点や符号を解答欄最上段にあるマス目に書く必要のある場合がある。
⑩句読点の打ち方に注意《文意不明確:減点または誤答》
意味の流れが途切れるところには「読点(、)」、叙述が完結したら「句点(。)」を打つ。
⑪前提事項の重複記入に注意
「設問文中の前提事項」を必要以上に重複使用しない。制限字数を圧迫する原因となる。
⑫自分の使える漢字は使う
普段の言語生活がそのまま答案に反映する。言葉に関わる姿勢を保って学習をしよう。
⑬趣旨を文章後尾に置く
文章後尾の趣旨が文章全体を支配する。趣旨部分を文章前部に置いた場合、記述文に採点要素が入っていても「趣旨違い」となって誤答となる恐れがあるので注意。

技術的事項②

①重複表現を避ける
「同語・同義語」を重複使用しない。制限字数を圧迫する原因となる。
②再構成
複数の文や複数の要素を再構成し、一文にまとめる。
③倒 置
文脈構成や文章の再構成に活用する。
④長い主語を利用する
短い主語での書き出しは冗長で稚拙な表現になりがち。
⑤ニュアンスの調整
語彙力を駆使し、「説明にふさわしいニュアンス」で表現する。
⑥語句の短縮
文脈上影響のない範囲で語句を短縮し、一字でも減らす。(例:含まれている⇒含まれる)
⑦「は」と「が」の使い分け
内容、文脈にふさわしい表現を選択する。
⑧抽象表現化
必要に応じ具体例を抽象表現や一般表現に変換し、簡潔明瞭な文章を工夫する。
⑨語句補充・補完
説明を完結させるために必要な語句を判断し、適宜補う。
⑩適切な動詞の選択
「ある」「いる」「やる」「する」で済まさず、内容にふさわしい動詞を適宜判断し、使用する。
⑪意志・推量表現
助動詞の「う」「よう」「まい」を適宜使用し、正確な表現を工夫する。

技術的事項③

①主語・述語
主語・述語の整った文章を心掛ける。 ※主語または述語の不備:減点
②係り受け
係り受けを正しく表現する。※係り受けの乱れ・誤り:減点
③誤字・脱字
減点対象。
④文体統一
文体は常体(「~だ、~である」で統一する。 ※文体の不統一:減点
⑤口語体は使用しない
「~けど、~じゃなくて、~なんだってことが」「あったかい」「おんなじ」等の口語体(会話表現)は使用しない。※口語体の使用:減点
⑥俗語の使用はしない
「ばれる」「うざい」「違くて」「超急いで」等の俗語は使用しない また、「むかつく」は俗語ではないが粗暴な印象を与えるので「腹が立つ」などと言い換えるほうがよい。 ※俗語の使用:減点
⑦「ら抜き言葉」を使用しない
日常生活でよく耳にし、半ば一般化している感のある、「見れる、着れる、出れる、来れる、居れる、起きれる、寝れる、食べれる、投げれる」といった、本来は「ら」を含めるべき言葉、「ら抜き言葉」を使用しない。「ら抜き言葉」の使用に寛容な中学もあるが、そうした中学の見解を世間の絶対基準の一つであると考えてしまわないこと。
⑧不明確な比喩の使用は避ける
例えば「海のような心の持ち主」という表現では、たとえている内容が「広い、大きい、静かだ、穏やかだ、荒々しい・・・」というように受け取り方がさまざまであり、客観的な説明が成立しない。 ※不明確な比喩の使用:減点
⑨文末対応
一設問について記述を複数書く必要がある場合、それぞれの文末表現を対応させる。(※体言処理・動詞処理など) ※文末の不対応:減点
⑩文脈構成
文脈の乱れや「ねじれ」に注意する。 ※減点対象
⑪本文表現の尊重
筆者や作者の意図により選択された表現をむやみに変更しない。 ※減点対象
⑫「の」の連続使用を避ける
「春の野山の草花の姿の可憐さ」のように、「の」によって語を単純連結しない。

技術的事項④

①凝 縮
各部を適宜凝縮する。無駄のない表現を工夫する。
②表現の変換
状況に応じ、適切な表現に改める。
③共感度を高める
対象への深い共感や理解をもとに、それを十分に表現する。
④強調表現
文章に説得力を与える。
⑤説得力
読み手を説得する内容や表現の工夫を行う。
⑥連用形中止法
稚拙な連結表現を避け、文と文との連結表現を工夫する。
⑦指示語の活用
適宜指示語を利用し、正確で伝わりやすい文章を工夫する。
⑧反照代名詞の利用
誰の立場からの説明かを明確にする。(「自分」という語の利用など)
⑨文章構成・展開
文章全体の構成、展開を工夫する。
⑩書き出しの変更
当初の書き出しで行き詰まったら、新たに別の書き出しで臨む。 ※時間配分に注意
⑪文章に流れを作る
文章に説得力を与える。
⑫文末の心情表現
「安心する気持ち(体言処理)」と「安心している(動詞処理)」は、いずれも有効。
⑬「~ている・~てある」は「た」に置き換え可
「壁にかかっている時計」は「壁にかかっ時計」とすることができ、字数を節約できる。

補助用言

・補助動詞や補助形容詞等の「補助用言」や「形式名詞」は「仮名書き」する。

 補助用言
① 補助動詞   ■ある・いる・みる・くる・おく・いく・くださる・あげる・しまう

〈例〉
・置いてある、置いておく、置いてみる、考えてくる、考えていく、考えてくださる、考えてあげる、考えてしまう

※例えば「見る」は「ものを目で見る」が本来の意であるが、本来の意が薄れて「~してみる」といった意味で補助的に使われる場合を「補助動詞」といい、漢字では書かず「みる」と仮名書きする。他に、「置く」は「ある場所にものをすえる」が本来の意であるから、「置いて置く」と書くのは不自然である。本来の意で用いられているかそうでないかといった判断基準を持って使い分けするようにしよう。
② 補助形容詞   ■ない・よい・ほしい

〈例〉
・それほど勤勉でない。もう食べてもよい。本を読んでほしい。

※例えば「無い」は「存在しない」が本来の意味であるが、本来の意が薄れて「~ではない」という程度の意味で補助的に使われる使われる場合を「補助形容詞」といい、漢字では書かず「ほしい」と仮名書きする。ちなみに「良い」は「正しい、優れていて好ましい」等が、また、「欲しい」は「手に入れたい」等が本来の意味である。本来の意で用いられているかそうでないかといった判断基準を持って使い分けするようにしよう。


 形式名詞
 形式名詞   ■とき・こと・もの・うち・ため・とおり・わけ・はず・ところ

〈例〉
・勉強するときに…、うれしいことが…、人生というものは…、読んでいるうちに…、君に会うために…、僕の言ったとおりだ、来るわけないよ、もらったはずだが…、実際のところ…

※例えば「」は「時間や時刻」等が本来の意味であるが、本来の意が薄れて「~する場合、~の状況」といった意味で補助的に使われている場合を「形式名詞」といい、漢字では書かず「とき」と仮名書きする。ちなみに「」は「事柄や事件」等が、「」は「物質や物体」等が、「」は「内部、中身」等が、「」は「場所」等が本来の意である。本来の意で用いられているかそうでないかといった判断基準を持って使い分けするようにしよう。


 一部の副詞
 一部の副詞   ・ほど・くらい

〈例〉
・見れば見るほど…、三日くらいかかる…

※名詞の「程(程度の意)」、同じく名詞の「位(地位・等級の意)」と区別し、使い分けよう。


■作成:2004年(平成16年)