中学受験専門 国語プロ家庭教師(東京23区・千葉北西部)

Tel:047-451-9336受付:午前10時~午後2時

■抜き出し問題での推定字数

「抜き出し問題(書き抜き問題)」は、解答者が「設問の要求を正しく把握」し、そのうえで「その要求に合致する箇所」を「過不足の無いよう正確に判断」し、それを「正しく書き写す」問題です。指定字数については、例えば「20字以内で」のようにある程度字数に幅があると思わせる場合や、「15字以上20字以内で」のように字数の幅がある程度限定される場合、また、「○字ちょうどで」のように字数を完全に限定した場合もあります。

○字以内で」という条件が設定された抜き出し問題(書き抜き問題)を指導で扱う際に、生徒に「正解の文字数は何文字以上あると推定されるか?」と問うと、大方が「最低でも8割以上の文字数」と答えます。この「指定字数の8割」という基準は本当に正しいのでしょうか。実際には何文字を基準とすればよいのでしょうか。

○字以内で」のような条件が設定されている問題ついて改めてふり返ってみると、「20字以内で」「25字以内で」「30字以内で」「35字以内で」というように、大概きりのよい字数が提示されていたことに思い当たります。

作問者が正解と決めた箇所の字数が仮に「10字」である場合、この字数が含まれる「10字以内で」という条件を設問内に設定することはもちろん問題ありません。しかし、正解箇所が同じ「10字」でありながら、作問者によって、あるいは設問によってその時々に「15字以内」と「10字以内」のいずれもが設定可能であるということになれば、判断基準が一定せず、あるいは「判断基準が二重」となってしまい、受験者にとっては大変不都合なものです。そこで、作問者側は、「10字以内で、という条件下では正解の字数は6字以上」、「15字以内であれば11字以上」、「20字以内であれば16字以上」というように、条件に見合った字数の範囲を暗黙に決めることで、これを一つの「作問基準」としています。

■以上を解答者側の判断基準としてまとめると、「正解の推定字数」は、条件として指定された「最大字数のマイナス4字以上である」となります。生徒たちの多くが認識している「8割以上」という基準は「25字以内で」という字数以上の字数では通用しないうえ、「正解だと判断した箇所が『最大字数のマイナス4字』未満である場合には、その解答は間違っている可能性が高く、再検討を要する」と判断してよいことになります。

ただし、この基準は絶対的なものではなく、希に基準を外れる場合もあります。例えば、香蘭女学校の平成21年度入試、大設問二番の問四では「四十字以内で該当する『部分』をぬき出す」よう要求していますが、正解は二文にまたがる「計35字(句読点を含む)」となります。このような場合、設問の要求に対応する箇所を、「ここからここまで」と、正確に、かつ冷静、客観的に決定できるかどうか、受験生の判断力や作業の厳密性が作問者によって試されていると考えてよいでしょう。

■作成:2009年(平成21年)5月4日(月)