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■抜き出し問題での推定字数

抜き出し問題での正解の推定字数:PDFのダウンロード (全1ページ)
・指導用の教材として利用される場合は、生徒に教材を渡しっぱなしにして済まさず、生徒にとって有効な活用法をご考慮願います。


抜き出し問題
・「抜き出し問題(書き抜き問題)」は、「設問の要求を正しく把握し、正しく方向づけて考え、要求に合致(がっち)する箇所(かしょ)を正確に判断し、過不足なく正しく書き写す」問題です。
・抜き出す箇所の字数条件については、例えば①「20字以内で」と字数幅を自分で判断する必要のある場合や、②「15字以上20字以内で」のように一定幅が提示される場合、また、③「7字ちょうどで」のように完全に字数を限定される場合等があります。
・特に、①の「○字以内で」という条件での抜き出し問題を指導で扱(あつか)う際に、生徒に「正解の文字数は何文字以上あると推定されるか?」と問うと、大抵(たいてい)の場合、「『最低でも8割以上』と教わった」と答えます。この「指定字数の8割以上」という基準は本当に正しいのでしょうか。実際には何文字を基準とすればよいのでしょうか。

作問基準
・「○字以内で」のような条件が設定されている問題について、これまでの経験をあらためて振(ふ)り返ってみてください。「20字以内で」、「25字以内で」、「30字以内で」、「35字以内で」というように、そのほとんどがきりのよい字数であったことに思い当たります。
・作問者が正解と決定した箇所の字数が仮に「10字」である場合、作問者によって、あるいはその時々によって字数条件を変えて「15字以内で」と設定したり、「10字以内で」と設定したりすれば、解答者側は一定しない判断基準に困惑し、大変不都合でもあります。
・そこで、作問者側は、「10字以内で、という条件下では正解の字数は6字以上」、「15字以内であれば11字以上」、「20字以内であれば16字以上」、「50字以内であれば46字以上」というように、一定の字数範囲を暗黙(あんもく)に決め、これを一つの「作問基準」としています。

正解の推定字数
・以上により、「『正解の推定字数』」は、最大字数から4字を引いた字数以上」となり、これを今後の判断基準としてください。
・受験生の多くが認識している「正解の推定字数は8割以上」という基準で判断しようとすると、例えば、極端な例ですが、最大字数が大きくなるほど字数幅が大きくなり、明らかに不自然であるにもかかわらず、「25字以内という条件下では20字あれば正解」、「30字の場合は24字、35字では28字、50字では40字、70字では56字あれば正解」と判断してしまう恐れがあります。「正解の推定字数は8割以上」という基準は、指定字数が「25字以上」の場合には通用しません。

抜き出し問題での『正解の推定字数』は、指定字数の『8割以上ではない』!
抜き出し問題での「『正解の推定字数』は、(指定字数の)マイナス4字以上」!
あるいは、「指定字数を加えて計5字まで」!

・「正解の推定字数は、マイナス4字以上」、あるいは、「正解の推定字数は、指定字数を加えて計5字まで」と判断基準を決めておけば、その基準に合わない箇所や解答候補を明かな誤りであると判断できますから、より精密に解答範囲を絞(しぼ)り込むために再検討する際の材料になります。
・ただし、この基準は絶対的なものではなく、ごく希(まれ)に基準を外れる場合があります。このような問題では、受験生が、「設問の要求」に対して、各種情報に基(もと)づき、解答箇所を「ここからここまで」と正確に、かつ客観的に判断する力があるかどうかを試していると考えてよいでしょう。その点は念頭に置いておく必要があります。

■作成:2009年(平成21年)5月4日(月)
■改訂:2023年(令和5年)7月23日(土)