ホテル・旅館を始めるには? |
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施設を設けて、宿泊料を取って人を宿泊させる営業を行うには、旅館業の許可が必要となります。
ここでいう「宿泊」とは、寝具を使用して施設を利用することをいい、旅館業法では、次の施設営業を規定しています。
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営業の種類 |
概 要 |
主な違い |
例 示 |
ホテル営業 |
洋式の構造設備を主とする施設を設けてする営業 |
客室10室以上 |
観光ホテル、ビジネスホテル、コンドミニアム、モーテル、ウィークリーマンション |
旅館営業 |
和式の構造設備を主とする施設を設けてする営業 |
客室5室以上 |
駅前旅館、温泉旅館、観光旅館、割烹旅館 |
簡易宿所営業 |
宿泊する場所を多数人で共用する構造設備を設けてする営業 |
延床面積33u(約20畳)以上 |
民宿、ペンション、山小屋、ユースホステル、カプセルホテル、バンガロー、キャンプ場の常設テント |
下宿営業 |
1月以上の期間を単位として宿泊させる営業 |
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- アパート等の「生活の本拠を置く」施設の場合は、旅館業法でいう宿泊施設とはなりません。
- 実質的に宿泊料を徴収しない場合は、旅館業法の適用は受けません。
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なお、次に該当するような場合、旅館業の許可が必要になることがありますから、ご注意ください。
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- 利用者が、自分の寝具を持ち込んで使用。
- 時間単位で利用する施設であるが、寝具を使用。
- 名目的には「宿泊料」ではないが、実質的に寝具や部屋の使用料としている。
(例えば、休憩料、寝具賃貸料、光熱水道費、室内清掃費等の名目で料金を徴収する場合など。)
- 宿泊施設付きの研修施設等で研修費を徴収するような場合で、研修施設で宿泊しない者も含め研修費は同じとするなど、研修費の中に宿泊料相当のものが含まれないことが明白でない。
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旅館業の許可要件は? |
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旅館業の許可を受けるには、様々な要件をクリアする必要があります。
旅館業法令に基づく要件は次のとおりです。
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- 申請者が欠格要件に該当しないこと
- 施設の設置場所が適切であること
- 施設が構造設備基準を満たすこと
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■ 欠格要件 |
申請者(法人の場合には、その役員)が次に該当する場合、許可は受けられません。 |
- 旅館業法(又はその処分)に違反して刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者
- 旅館業の許可を取り消され、取消の日から起算して3年を経過していない者
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■ 設置場所要件 |
設置場所が、次の施設の敷地 (これらの用に供する土地も含む。) の周囲 約100m の区域内となり、設置によりその施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがある場合、許可されません。
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- 学 校
小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園 |
- 児童福祉施設
助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター |
- 社会教育に関する施設 (長野県)
公民館、図書館、博物館(これに相当する施設も含む)、
地方公共団体が設置する青年の家、少年自然の家、勤労青少年ホーム及びスポーツ施設、
主として児童の利用に供し、又は多数の児童の利用に供するために設置された施設で知事の定めるもの |
※ 各都道府県の条例により異なります。
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■ 構造設備の基準 |
宿泊施設は、次の構造設備基準を満たす必要があります。 (ただし特例あり) |
区分 |
ホテル営業 |
旅館営業 |
簡易宿所営業 |
下宿営業 |
客
室 |
数 |
10室以上 |
5室以上 |
延床面積33u以上
宿泊床面積:2.5u/人以下の定員 |
床面積7u/1室以上
宿泊床面積:4.9u/人以下の定員 |
洋室の場合 |
1室の床面積:9u以上
宿泊床面積:4.5u/人以下の定員
寝具は洋式
出入口・窓に鍵
客室間、廊下等との境は壁(出入口・窓を除く)
専用の出入口 |
専用の出入口 |
和室の場合 |
1室の床面積:7u以上
宿泊床面積:3.3u/人以下の定員
他の客室、廊下等と壁、板戸、ふすま等で区画
専用の出入口 |
他の客室、廊下等と壁、板戸、ふすま等で区画
専用の出入口 |
階層式寝台 |
― |
― |
有する場合、上下段の間隔約1m以上
寝台の幅は0.9m以上、長さは1.8m以上 |
― |
玄関帳場 |
面接に適する玄関帳場、類似設備 |
― |
― |
換気、採光照明、防湿、排水 |
適当な設備 |
入浴設備 |
適当な数の洋式浴室又はシャワー室 |
適当な規模の設備
(近接して公衆浴場がある場合等を除く) |
外部から見通すことのできない構造
床は、不浸透性材料
内壁は、不浸透性材料で腰張り
共同用のものは、脱衣所設置
清浄な湯又は水を供給できる設備
汚水を停滞することなく排水できる構造 |
洗面設備 |
適当な規模の設備 |
暖房設備 |
規模に応じた設備 |
― |
― |
― |
便所 |
水洗式かつ座便式
共同用のものは男女の区分 |
適当な数 |
流水式の手洗設備
窓、換気開口部には防そ及び防虫設備 |
設置場所 |
学校等の周囲約100mの区域内にある場合、客室・遊技設備等の内部を見通すことを防ぐ設備 |
― |
― |
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※ 青字は長野県条例によるもの。
※ 上記法令以外にも、旅館業における衛生的管理についての基準を考慮する必要があります。
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■ 構造設備の基準の特例 |
ホテル営業、旅館営業又は簡易宿所営業の施設のうち、季節的に利用されるもの、交通が著しく不便な地域にあるもの、その他特別の事情があるもので次のものは、構造設備の基準が緩和される場合があります。 |
対象施設 |
適用されない基準 |
キャンプ場、スキー場、海水浴場等で、特定の季節に限り営業 |
・客室の数
・1客室の床面積
・玄関帳場の設置
・客室の延床面積
・適当な数の洋式浴室又はシャワー室
・適当な暖房設備
・水洗式かつ座便式便所
・共同便所は男女の区分
・適当な規模の入浴設備
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交通が著しく不便な地域にあり、利用度の低いもの |
体育会、博覧会等のために一時的に営業 |
農林漁業体験民宿業を営む施設 |
・客室の延床面積 |
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※ 青字は、さらに季節的状況、地理的状況等により基準が適用されない場合があるもの。 |
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旅館業営業の手続きは? |
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■ 手続きの概要 |
旅館業の営業を開始するには、概ね次の手続きとなります。
旅館業営業許可申請は、施設建築後となりますので、特に設置場所、構造設備等について事前に十分行政側とすり合わせた上、工事に取り掛かることをお勧めします。
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調査、設計、事前相談・協議 |
↓ |
建築確認、他法令に基づく手続き |
↓ |
工事着工 |
↓ |
工事完了検査、他法令に基づく申請・検査 |
↓ |
旅館業経営許可申請 |
↓ |
施設の検査・審査 |
↓ |
営業許可指令書の交付 |
↓ |
営業開始 |
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■ 他法令に基づく手続きについて |
宿泊施設を設置し、営業を開始するにあたっては、旅館業法以外に関連する他法令に基づく手続きが必要となる場合がありますので、ご注意ください。 |
他法令の例示
- □ 場所に係る手続き
- □ 建物に係る手続き
- □ 施設営業に付随する許可等
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■ 旅館業経営許可申請 |
旅館業の経営許可は、宿泊施設を設置する所在地の都道府県知事 (保健所設置市又は特別区は、市長又は区長)
に対し申請します。 |
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申請にあたっては、概ね次の書類を作成・添付します。 |
申 請 書 類 等 |
許可申請書 |
定款又は寄附行為の写し(法人) |
建物配置図 |
各階平面図 |
付近の見取図 |
建物建築(用途変更)の検査済証の写し |
消防用設備等検査済証(消防法令適合通知書の写し) |
会社登記事項証明書(法人) |
水質検査書の写し(使用水が水道法で定める水道水以外の場合) |
その他管轄行政庁が必要とする書類 |
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旅館業で知っておきたいこと。 |
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次の場合には、許可を取り直す必要があります。
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- 施設を取り壊して、建て直す場合
- 大規模な施設の増築、改修
- 施設の買取等、施設をそのまま使用して、別の営業者が営業を開始する場合
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次の営業の承継には、都道府県知事の承認を得る必要があります。
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- 旅館業を営む法人が合併又は分割する場合で、引き続き旅館業を営業するとき。
- 個人営業者が死亡した場合で、相続人が被相続人の営んでいた旅館業を引き続き営もうとするとき。
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次の変更が生じた場合には、10日以内に届出する必要があります。 |
- 営業者の住所(法人:所在地)・氏名(法人:名称・代表者氏名)
- 施設名称
- 施設の構造設備の軽微変更
- 施設の管理者
- 営業内容
- 営業の休止
- 営業の廃止
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弊事務所では、旅館業許可に関する相談・調査・書類作成・事前協議・提出を行います。他法令に基づく手続きについても包括して行うことができますので、速やかな営業ができます。 |
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