風俗営業とは? |
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風俗営業を営む場合には、その営業所ごとに都道府県公安委員会の許可を得なければなりません。許可を得ないで風俗営業を開始した場合には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれが併科されます。(風営適正化法第49条) |
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風俗営業とは、次の営業をいいます。
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- キャバレーなど、客にダンスをさせ、接待をし、飲食をさせる営業 (ダンス+接待+飲食)
- バーやクラブ、料亭など、客の接待をし、遊興、又は飲食をさせる営業 (接待+遊興or飲食)
- ナイトクラブ、ディスコなど、客にダンスをさせ、飲食をさせる営業 (ダンス+飲食)
- ダンスホールなど、客にダンスをさせる営業
(ダンス)
- 客席照度10ルクス以下で客に飲食をさせる営業 (飲食+低照度)
- 見通し困難で、5u以下の区画の客席で客に飲食をさせる営業 (飲食+見通困難+5u以下)
- マージャン店・パチンコ店などの営業
- ゲームセンターなどの営業
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また、午前0時以降、酒類を提供する営業は、その営業所ごとに都道府県公安委員会に届出をしなければなりません。これ著しく違反したと認められる場合には、6月以内の営業停止に処せられます。
なお、風俗営業は午前0時(条例により午前1時)以後、日の出まで営業をしてはなりません。
また、飲食を伴う場合には併せて食品営業許可も必要となります。 |
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風俗営業の許可をとるには? |
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風俗営業が許可されるには、様々な条件をクリアしなければなりません。
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<立地要件>
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風俗営業の許可は、都市計画上の用途地域の制限を受けます。たとえば、第1種・第2種住居専用地域では風俗営業はできません。また、風俗営業でも営業の種類(何号営業)により、許可制限が条例ごとに違ってきます。
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<保護対象施設>
営業所を中心とした一定範囲内に下記の施設がある場合、許可の制限を受けます。 |
一団地の官公庁施設 |
官公庁施設の建設等に関する法律第2条第4項で定められている施設 |
学校 |
学校教育法第1条で定められている学校(大学及び幼稚園を含む。) |
図書館 |
図書館法第2条第1項で定められている図書館 |
児童福祉施設 |
児童福祉法第7条で定められている施設 |
病院 |
医療法第1条の5第1項で定められている病院 |
有床診療所 |
医療法第1条の5第2項で定められている診療所のうち患者を入院させるための施設を有する診療所 |
公民館 |
社会教育法第5章で定められている公民館 |
都市公園 |
都市公園法第2条第1項で定められている公園 |
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<欠格要件>
許可申請者が凡そ次の場合には、許可されません。
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- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられた場合など、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者
- 暴力団関係等、暴力的不法行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
- 風俗営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者
- 風俗営業の許可の取消処分に係り許可証を返納した場合等で、許可証の返納の日から起算して5年を経過しない者
- 法人でその役員のうちに前号までのいずれかに該当する者がある者
- 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者 (風営業者の相続人で一定要件の場合を除く)
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<物的要件>
許可申請する風俗営業の種類ごとに、営業所の設備構造基準をクリアしなければなりません。 |
1号営業
3号営業 |
キャバレー
ダンス飲食店 |
客室床面積66u以上、踊り場はその1/5以上。(各フロア毎)
外部からの見通しがあってはならない。
内部の見通しが悪くないこと。
善良な風俗を害する装飾等のないこと。
客室内部の出入り口に施錠しないこと。
照度が5ルクスを超えること。
騒音・振動が条例の基準以下であること。 |
2号営業 |
料理店
接待飲食店 |
客室床面積16.5u以上。(和室は9.5u以上)
内部の見通しが悪くないこと。
善良な風俗を害する装飾等のないこと。
客室内部の出入り口に施錠しないこと。
照度が5ルクスを超えること。
騒音・振動が条例の基準以下であること。
ダンスのための設備、スペース不可。 |
4号営業 |
ダンスホール |
客室床面積66u以上。
外部からの見通しがあってはならない。
内部の見通しが悪くないこと。
善良な風俗を害する装飾等のないこと。
客室内部の出入り口に施錠しないこと。
照度が10ルクスを超えること。
騒音・振動が条例の基準以下であること。 |
7号営業 |
マージャン店
パチンコ店 |
内部の見通しが悪くないこと。
善良な風俗を害する装飾等のないこと。
客室内部の出入り口に施錠しないこと。
照度が10ルクスを超えること。
騒音・振動が条例の基準以下であること。
(パチンコ店)他の遊戯設備を設けないこと。
(パチンコ店)賞品交換設備を設けること。 |
8号営業 |
ゲームセンター等 |
内部の見通しが悪くないこと。
善良な風俗を害する装飾等のないこと。
客室内部の出入り口に施錠しないこと。
照度が10ルクスを超えること。
騒音・振動が条例の基準以下であること。
紙幣挿入装置、現金等提供装置を設けないこと。 |
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※ 営業所建物が建築基準法、消防法の基準に適合していることも求められます。
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許可の申請はどうするのか? |
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許可申請書、及び添付書類を収集・作成します。 |
作成する書類 |
申請書その1 |
申請書その2 |
営業の方法その1 |
営業の方法その2 |
営業所周辺の略図 |
建物概要図 |
平面図 |
求積図 |
照明設備図 |
建物使用承諾書 |
営業者誓約書 |
管理者誓約書1 |
管理者誓約書2 |
法人 |
会社定款 |
会社登記簿謄本 |
役員住民票 (取締役監査役全員) |
役員身分証明書 ( 〃 ) |
役員登記されてないことの証明書 ( 〃 ) |
管理者住民票 |
管理者身分証明書 |
管理者登記されてないことの証明書 |
飲食店営業許可証 (保健所発行のもの) |
その他関係法令に基づく書類 |
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営業所を所轄する警察署の生活安全課に、本人が出頭して申請します。(行政書士が付き添います)
なお、申請手数料として以下の費用がかかります。
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パチンコ店(回胴式遊技機専門店を含む。) |
27,000円+20円×遊技機台数 |
上記以外の風俗営業 |
27,000円 |
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許可申請後の手続きについて |
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<実 査>
許可申請後は、10日以内に環境浄化委員会による営業所の実査があります。
実査では、主に申請した図面に基づく設備・配置が現況と一致しているか、店内の証明は許可基準に適合しているが、必要な掲示があるかなどが審査されます。
このときは、申請者本人が立ち会わなければなりません。(行政書士が付き添います) |
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<許 可>
申請する業種にもよりますが、2号営業の場合で概ね1.5〜2ヶ月くらいかかります。 |
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風俗営業で気をつけること |
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- 正当な事由がないのに、当該許可を受けてから6月以内に営業を開始せず、又は引き続き6月以上営業を休止し、現に営業を営んでいない場合、許可が取り消されます。
- 営業所の増築・改築・設備・構造等を変更する場合には、あらかじめ公安委員会の承認を得なければなりません。
- 許可証は、営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。
- 風俗営業者が死亡した場合、その営業を相続するには死亡後60日以内に公安委員会に届出をして承認を得なければなりません。
- 法人を合併し、風俗営業許可を有していた法人が消滅する場合には、合併前に公安委員会の承認を得ておく必要があります。
- 風俗営業を廃止した場合には、許可証を返納しなければなりません。
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上記のほか、営業時間・照度・公告・料金明示など、法律により義務付けられている(=違反すると営業停止の対象となる)項目があります。 |
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弊事務所では、風俗営業許可・深夜酒類飲食店営業届出の相談、及び書類作成・提出を行います。 |
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