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 公衆浴場とは?

 「公衆浴場」とは、温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設をいいます。

 いわゆる「銭湯」のみならず、次のような施設も「公衆浴場」に該当し、公衆浴場法の適用を受けます(営業許可・一定の措置が必要)ので注意が必要です。


  • 温泉、スパ、岩盤浴、足湯、ヘルスセンター、健康ランド 等の保養・休養を目的とするもの

  • サウナ、入浴設備を設置するエステサロン 等の健康・美容増進を目的とするもの

  • ゴルフ場、スポーツジム 等のスポーツ施設に併設するもの

  • 旅館、ロッジ、ペンション 等で風呂を宿泊者以外の者に利用させるもの



 公衆浴場を始めるには?

公衆浴場を営業しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区には市長又は区長)の許可を受ける必要があります。

許可を得ずして公衆浴場を営業した場合は6月以下の懲役又は1万円以下の罰金に処せられますので注意が必要です。


公衆浴場営業の許可を取得するには、次の要件を満たす必要があります。
都道府県の条例により定められます。以下の基準は長野県の場合)

■定義
種 類 定  義
普通公衆浴場 特殊公衆浴場以外の公衆浴場 (いわゆる「銭湯」)
特殊公衆浴場 入浴設備を有する個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供するもの
熱気、砂等による入浴設備を有し、1浴室に同時に多数人を入浴させることができるもの
公衆浴場法第4条の規定による療養を目的とするもの
1浴室に同時に多数人を入浴させるもので、保養又は休養のための施設を有するもの


■配置場所の配置の基準

  • 「普通公衆浴場」を新設するには、既設の普通公衆浴場の浴場本屋の外壁との最短直線距離が350メートル以上でなければならない。


■衛生等の措置の基準(例)
種 類 基  準
普通公衆浴場 下足場、脱衣室、浴室、便所、廊下、休憩室その他入浴者が直接利用する場所は、床面において20ルクス以上の照度
下足場、脱衣室、浴室、便所、廊下、休憩室、洗いおけ、腰かけその他入浴者が直接利用する施設及び設備は、毎日1回以上掃除又は洗浄
脱衣室及び便所は、毎週1回以上消毒
浴室、脱衣室その他入浴者が直接利用する場所は、換気を十分行うこと
流し場及び下水溝は、水流を良好にし、汚水を滞留させないようにすること
貯水そう及び調節そうは、ふたつきとすること
主たる浴湯及びあがり湯の温度は、営業時間中常に摂氏42度以上を保ち、主たる浴湯の温度を示す温度計を入浴者の見やすい場所に備えておくこと 等
特殊公衆浴場
(定義イ)
むし機には、熱気の温度を明示するための温度計を客の見やすい場所に設けること
浴場内に、入浴者の衣類、下足その他携帯品を各人ごとに保管し得る設備を設けること
浴室内には、浴そう又は湯及び水が出るシヤワーを設けること
公衆のけん忌する疾病者を入浴させないこと
入浴者用便所は、入浴者の利用しやすい場所に男女を区別して設け、流水式手洗を備えること
待合室は、適当な広さのものを設けること
脱衣室及び浴室は、男女の隔壁を設け、外部から及び男女各室から相互に見とおすことのできない設備とすること
10歳以上の男女の混浴をさせないこと
特殊公衆浴場
(定義エ)
主たる浴湯及びあがり湯の温度は、営業時間中常に摂氏42度以上を保ち、主たる浴湯の温度を示す温度計を入浴者の見やすい場所に備えておくこと
営業時間中の浴そうには、5分の4以上の湯を貯留しておくこと
汚水又は前日使用した湯若しくは水を浴用に供さないこと
浴室には、通常の入浴者の利用に十分な数の湯せん、水せん、くみおけ、腰かけの設備を備えること
浴場内に、入浴者の衣類、下足その他携帯品を各人ごとに保管し得る設備を設けること
公衆のけん忌する疾病者を入浴させないこと
入浴者用便所は、入浴者の利用しやすい場所に男女を区別して設け、流水式手洗を備えること
保養又は休養のための施設の有効面積は、33平方メートル以上とすること
脱衣室及び浴室は、男女の隔壁を設け、外部から及び男女各室から相互に見とおすことのできない設備とすること
10歳以上の男女の混浴をさせないこと

※ 上記以外にも、公衆浴場における水質基準等に関する指針公衆浴場における衛生等管理要領への適合を考慮する必要があります。

 公衆浴場営業の手続きは?

■ 手続きの概要
 新規に施設を設置して公衆浴場の営業を開始するには、概ね次の手続きとなります。


調査、設計、事前相談・協議
建築確認等、他法令に基づく手続き
工事着工
工事完了検査、他法令に基づく申請・検査
公衆浴場営業許可申請
施設の検査・審査
営業許可指令書の交付
営業開始


  • 施設の設置に当たっては、十分に設置場所、構造設備等について事前に行政側とすり合わせた上、工事に取り掛かることをお勧めします。

■ 他法令に基づく手続きについて

 公衆浴場の施設を設置し営業を開始するにあたっては、公衆浴場業法以外に関連する他法令に基づく手続きが必要となる場合がありますので、ご注意ください。


 他法令の例示
 □ 場所に係る手続き
 □ 建物に係る手続き
  • 建築基準法に基づく手続き
  • 消防法に基づく手続き
 □ 公衆浴場営業に付随する許可等



 公衆浴場営業の許可を申請するには?

■公衆浴場営業の許可を申請するには、浴場施設を管轄する保健所に概ね次の書類を提出します。
提 出 書 類
許可申請書
定款又は寄附行為の写し(法人)
会社登記事項証明書(法人)
建物配置図及び各階平面図
営業施設周辺の見取図
温泉を使用する場合は、温泉利用許可書の写し
建物建築(用途変更)の検査済証の写し
消防用設備等検査済証(消防法令適合通知書の写し)



 公衆浴場営業で知っておきたいこと

【 営業の承継 】
公衆浴場を営業する個人の相続、あるいは法人の合併・分割があったとき、その承継人は営業者の地位を承継します。
この場合、承継人は遅滞なく都道府県知事に届け出る必要があります。


【 変更の届出 】
許可申請書の記載事項に変更が生じたとき、営業の全部又は一部を廃止したときは、10日以内にその旨を届け出なければなりません。



弊事務所は公衆浴場営業許可の手続きに関する相談・調査・書類作成・事前協議・提出を行います。他法令に基づく手続きについても包括して行うことができますので、速やかな営業ができます。

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