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ADSL接続について

 ダイアルアップ接続に取って代わるように、インターネット利用者の多くが加入するようになったのがADSLです。今では最初からADSLや、光サービスでインターネットを始め、ダイアルアップ接続なんて知らない、という方も多いのではないかと思います。

 ADSLもダイアルアップ接続と同様、電話回線を利用してインターネットに接続しますが、ダイアルアップとはデータをやり取りする技術が違うため、通話料がかからず定額で常時接続ができる高速でデータのダウンロードができる(ホームページや動画の表示が速くなる)、インターネット利用時でも電話が使えるという、大きなメリットがあります。これがいわゆる「ブロードバンド」と呼ばれるサービスです。

 ADSL接続は、電話回線を利用してデータをやり取りしますが、同じ電話線の中でも、通話に使うスペースとは違う場所を使って、信号を流しています。そのため、電話中でもインターネットに接続できたり、通話料がかからずに常時接続できるのです。

 このように、ADSLでは電話回線が、インターネット接続に必要な「回線」となり、回線事業者(インターネット接続回線を提供している会社)も何社かありますが、フレッツADSLというサービスと、ごく一部のサービス以外は、プロバイダが回線の開通手配も一緒におこないますので、プロバイダに加入手続きをするだけで、ご自身での回線契約は不要です。(フレッツADSLもプロバイダへの申込み時に、フレッツADSL回線も一緒に申込み希望とすれば、プロバイダからNTTに取次ぎがされます。)

回線事業者とは

 ADSLに申し込みをすると、ADSLモデム(またはルータ)が送られてきます。(昔、Yahoo!BBが街頭で申し込み勧誘して、その場でルータを配ってたこともありましたが。)

 そのモデムが、電話線を使って、電話会社局内に設置されている、回線事業者の機械と信号(データ)のやり取りをして、インターネットにつながるという仕組みになっています。

 そして、自宅のモデムと、電話局内の機械とが信号を交換して、インターネット通信ができるように管理しているのが、回線事業者というところです。有名なところでは、NTT、eAccess、ソフトバンクBBがあります。

 回線事業者は、サービス提供エリアや、プロバイダとの提携状況により、使われる会社が違ってきます。例えば、Yahoo!BBに申込んだ場合は、回線事業者はソフトバンクBBとなり、@niftyや、Biglobe、So−netといったプロバイダのADSLサービスに申込んだ場合は、回線事業者はeAccessになるといった形です。

 いずれにせよ、回線とプロバイダがセットになっているサービスを申込む際には、あまり回線事業者を意識する必要はありません。

電話会社とプロバイダ

 ADSLは、既に固定電話を引いていれば、立会い工事も不要で、申込みから2週間程度でインターネットが利用できるようになり、手続きや利用料金も手頃に、インターネットがスタートできるサービスです。

 ただし、ご利用中の電話会社(NTT、KDDI、ソフトバンク等)によって、申込みができるプロバイダ(ADSLサービスが提供できるプロバイダ)が限られますのでご注意ください。

 例えば、固定電話が、KDDIメタルプラスの方が、NTT回線でしかADSLサービスの提供ができないプロバイダに申し込まれると、開通不可として申し込みを取り消されるか、電話会社をKDDIからNTTに変える手続きをとってくださいと、プロバイダから言われることがあります。

 なお、ADSLサービスは、固定電話をお持ちでない方でも、ADSL専用回線を引く形で、インターネット利用が可能です。ADSL専用タイプを、ADSLタイプ2と呼ぶこともあります。

 ADSL専用タイプで契約の場合は、立会い工事が必要で、月々の料金も、固定電話ありのプランよりは高くなりますが、電話会社に支払う固定電話料金がかからないため、トータルでみると、300円程度安くなります。

 また、フレッツADSLというサービスで、ADSL接続を希望される方の場合は、ADSL回線はNTTと契約し、その他にプロバイダとの契約が必要になります。ただし、通常はプロバイダに、フレッツADSL回線も同時に申込みという手続きができ、フレッツADSL回線の開通手配は、プロバイダからNTTに取り次がれるようになっています。

プロバイダを乗り換える

 もっと料金の安いプロバイダに乗り換えたいというような場合、完全にプロバイダと回線との契約が独立しているフレッツADSLであれば、回線はそのまま(工事や機械の変更なし)で、プロバイダだけを、AからBに変える(Aには解約手続き、Bから届く新しいID/PWで接続設定をしなおしてBで接続する)ということができます。

 他の、回線とプロバイダがセットになったADSLサービスでは、AからBに乗り換えたいという場合、Bで接続するためには、また新たに、Bが提携している回線事業者によって、ADSL回線を開通させないとなりません。それに伴い、ADSLモデムも新しいものに変わります。

 また、電話共用タイプでADSLを利用していて、同じ共用タイプでAからBに乗り換えたいという場合には、まずAに解約手続きをして、Aが提携している回線事業者のADSL回線が解除されてからではないと、BでADSLを開通させることができないため、インターネットが接続できない期間が発生してしまいます。

 なお、例えばAとBで同じ回線事業者と提携していたとしても、プロバイダ乗り換えの際には、いままでの回線は一旦撤去、モデムもA解約に伴い返却、回線事業者からまた新しいモデムが届き、ADSL回線も新たに開通工事がおこなわれ、Bでの接続ができるといった流れになります。

 

 

ADSL接続の回線イメージ

賃貸住宅目線でアドバイス

 電話を引くのをダメという大家さんはいませんが、インターネットを引くための工事などは、内容を理解できずに、話も聞かずに許可を出してくれないという大家さんも、中にはいます。

 その点、ADSL接続は、固定電話さえ引けば、その他の工事は不要でインターネットが利用できます。問題が無ければ、申し込みから開通までは2週間程度です。

 ただし、引越しの際は、プロバイダに連絡し、ADSLの引越し手続きも必要になります。その手続きをして、移転先でも開通手配をしてもらわないと、引越し先ではいつまでたってもインターネットが使えないとなってしまいます。(移転先では新規に契約、移転元のADSLは解約するという手もありますが。)

 ただ、一人暮らしの方など、固定電話は使わない、携帯電話のみという方も、今は多いのではないでしょうか。

 固定電話なしで、ADSL利用を希望される場合は、ADSL専用回線での契約になり、この場合は、開通のために立会い工事が必要になります。この工事は、NTTなど、電話会社の人が来て、固定電話を開通させるときと同じ工事をしますので、大家さんの許可は問題無いでしょう。

 ADSL専用回線の場合は、申し込みから開通まで1ヶ月ほどかかることもあります。また、新築の建物などで、電話線が引き込まれていなかったり、お部屋にモジューラジャックが無かった場合などは、1〜2万円の工事費がかかることがありますので、注意して申し込み時に確認しましょう。

 固定電話なしで、もっと気軽に、工事不要でインターネットをしたいという方には、モバイル接続をおすすめします。(⇒詳しくは「モバイルでの接続」参照)

 ちなみに、賃貸住宅のインターネット設備で、ADSL接続を採用しているサービスはごく一部です。賃貸の設備に入っているのは、光サービスまたは、ケーブルテレビのサービスが基本です。



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