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 ADSL電話共用タイプ/専用タイプ(一戸建てでも、マンションで設備なしだった場合にも申し込み可能)の利点および、難点をご紹介します。

△通信速度は契約プランによる。光に比べると最大50Mbpsと速度は遅め

 メールチェックや簡単な調べ物だけできればいいという方向けの導入プラン、1Mbpsから、5、8、10、12、24、40、50Mbpsといった速度プランがあります(プロバイダにより用意されている速度プランは異なります)。

 12Mbps程度でも、ストレスなくYouTube等の動画を楽しむことができます。

 ADSL技術の特長として、上りと下りの速度が別になっていて、何メガのプランかというのは、下り最大速度のことを言います。プランを詳しく見ると、下り最大50Mbps、上り最大5Mbpsといったように記載されています。

 ホームページや動画の閲覧、メールの受信など、サーバーからデータを受け取る需要のほうが大きいため、サーバーから利用者(エンドユーザー)の方に向かう、下りの速度が速くなるように調整されています。

 イメージとしては、全部で4車線の道路があり、上り方面と下り方面で、2車線ずつで分けるのではなく、より渋滞が起こりやすい下り方面を3車線にして、あまり使われない上り方面を1車線にしている、といった感じになります。

 ただし、この車線の調整は可変式ではないので、写真を添付した容量の大きいメールを送りたいときや、ホームページを作って、自分のパソコンからWEBサーバーにファイルをアップロードしたいというときでも、決まった本数の車線でデータを運ばなくてはいけないので、時間がかかってしまうことがあります。

◎光やモバイル接続に比べると料金が安い

 お住まいの集合住宅に光の設備が入っていれば、その種類によってはADSLよりも安く利用することが可能ですが、そうでない場合、個人で光回線を引き込む契約となり、料金はまだまだ高額です。

 また、使いたい放題のプランなどでは、モバイル接続もまだ安価とは言えません。

 それらに比べて、ADSLは、固定電話を持っていない場合でも、月々の料金は安く抑えることができるサービスです。

△インターネットサービスは、ベストエフォート(保証はできないけど、可能な範囲で最善を尽くしますというもの)

 電話回線を使ったADSLサービスでは、電話収容局からの距離が遠いと、開通できなかったり、速度が出なかったり、インターネット利用中にブチブチ切断してしまったりといったトラブルが起こりやすいです。

 申込み前にプロバイダに問い合わせたり、NTTの線路情報開示システムなどで、おおよその距離と、伝送損失(ADSL信号がどれだけ減衰してしまうか)が確認できます。

 伝送損失が30dB(デシベル)以下ならば、問題なく使える可能性が高いです。ただし、速度の速いプランの信号ほど、ノイズに影響を受けやすいため、40Mbps以上のプランを検討されている方は、伝送損失が10dB程度でないと、せっかくの高速プランの速度を享受することができません。

 下図はNTTがフレッツADSLの解説をするために公開しているグラフです。横軸が伝送損失(dB)、縦軸が各速度プラン別に、どのくらいの速度(Mbps)が期待できるのかを表しています。

 速度は速いほうがいいからと、高速プランを申込まれても、自宅の状況によって実際に出る速度は、中低速プランと変わらないとなってしまうと、月額料金ももったいないので、契約前に確認しておくことをおすすめします。


距離と伝送速度のグラフ(下り)
距離と伝送速度のグラフ(上り)
×ADSLはノイズの影響を受けやすい

 電話収容局からADSL利用場所までの距離が近くても、間に送電線や幹線道路、鉄道などが通っていると、そこからノイズの影響を受け、速度が出なかったり、通信が不安定になることがあります。

 また、AMラジオやアマチュア無線、ISDNを使っている電話回線が隣接しているときや、家庭内の電子レンジ、冷蔵庫の電波や振動などでも干渉を受けてしまう可能性がありますので、ADSLは、開通できたからと言って、そのままずっと快適に通信ができるとは限らないサービスであると言えます。

△光収容されていると開通ができない

 ADSLはメタルケーブルと呼ばれる銅線でできた電話線を使って通信用の信号を流しているため、電話局と利用場所の間で、電話回線が光化−「光収容(ひかりしゅうよう)」と言います−されてしまっている箇所があった場合には、ADSLを開通させることができません。

 従来の電話線は、ADSLの信号が流せるメタルケーブルが張られていましたが、最近では、メンテナンス時に光ファイバーに張り替えられたり、最初から光ファイバーで敷設されることが多くなってきました。これは、電話の通話音質を考えた場合でも、メタルケーブルよりも光ファイバーを使ったほうが、ノイズが入りにくいなど、高品質のサービスが行えるからです。

 このため、ADSLサービス提供エリア内であっても、電話局と自宅の間が、すべてメタルケーブルであるという条件が満たされない場合は、ADSLは開通不可となってしまいます。

 光収容によりADSL開通不可となってしまった場合でも、「光収容替え工事」という、光ファイバーになってしまっている部分を迂回したり、空いているメタルケーブルに収容を替える工事を行うことで、ADSLを開通させられる可能性はありますが、この場合は、実際に開通できたとしても、速度がでなかったり、接続が不安定になるなどのリスクが高くなってしまうため、あまりおすすめできません。

○ADSLは電話線を使ったサービスだが、固定電話の契約がなくてもADSL専用タイプ(ADSLタイプ2)で利用が可能

 既にNTTなどで固定電話を引いている方が、ADSLに申込みした場合は、既存の電話回線を使ってADSLを開通させるため、開通工事は電話局内でのみとなり、立会い工事はありません。申込み時の身分証提出も不要で、申し込みから2週間程度で開通できるなど、手軽にインターネットを始めることができます。

 一方、最近では通話は携帯電話ばかりで、家の電話は使わない、もったいないから固定電話は引かない、という方も増えてきました。
 固定電話の契約が無い場合、ADSL申込みには身分証の提出が必要です。また、立会い工事が必要で、自宅の電話線の状況によっては、新たな電話線の敷設など、基本工事以上の工事も必要になったり、申込みから開通までは4週間近くかかるなど、固定電話あり(ADSLタイプ1、または共有タイプ、重畳タイプなどと呼ばれます)に比べると、固定電話なし(ADSLタイプ2、または専用タイプ、非重畳タイプなどと呼ばれます)は、何かと手間がかかります。ですが、固定電話の契約が無い方でも、ADSLを申込み、利用することは可能です。

 また、ADSLではたいていのプロバイダが、IP電話のサービスも行っていますので、固定電話なしの方でも、IP電話サービスを申込みすることによって、通話料の安い050から始まる番号の電話を、自宅の固定電話のような形で利用することができます。

 固定電話ありの方でもIP電話サービスは申込み可能です。その場合、1台の電話機で、既存の市外局番から始まる自宅の電話番号と、050から始まるIP電話の番号の2番号を使うことができます。IP電話を使って発信すれば、無料通話サービスがあったり、県外通話でも全国一律3分間8.4円という安い通話料で電話がかけられます。

×キャンペーンが少ない

 近年では、各プロバイダなどが、光サービスの売り込みの方に力を入れているため、フレッツ光や、auひかり契約の場合には、1〜3万円程度のキャッシュバックやオマケがあるのが当然のようになっているのですが、ADSLには、そういった特典がほとんどありません。

 それでも、時期によってはいくつかのプロバイダや、代理店等の申込み窓口で、ADSL申込者に向けたキャンペーンを行っていることがありますので、申込み時にはキャンペーンを調べてみて損はないでしょう。

△接続設定が必要

 契約したプロバイダや、ADSLサービスによっては、届いたモデムと電話口、パソコンを、それぞれ電話線とLANコードでつなげば、すぐにインターネット接続ができ、ホームページ閲覧が可能(メールのやり取りには設定が必要)ですが、申込みされるサービスによっては、ご自身で、プロバイダから発行されるID/パスワードなどの情報を元に、届いたモデムにインターネットへの接続設定をする必要があります。  設定に不安のある方は、申し込み窓口で、無料で接続設定に来てもらえるサービスが無いか確認しておくとよいでしょう。

△契約期間の設定がある

 ADSLの契約では、光サービスの契約のような契約期間は設けられていないことが多いですが、中には12ヶ月の最低利用期間を定めているサービスもあります。期間内で解約する場合には、違約金が請求されることもありますので、申し込み時には慎重に検討、確認をしましょう。



▼関連リンク

◆ ADSL接続について