研究内容

4 蛍光性温度センサーの温度分解能を議論 詳細

2005年4月〜 東京大学大学院薬学系研究科 薬化学教室 助教 > 投稿論文

Accurate fluorescent polymeric thermometers containing an ionic component
C. Gota, S. Uchiyama and T. Ohwada
Analyst, 2007, 132, 121-126

 Abstract
Fluorescent polymeric thermometers consisting of only N-alkylacrylamide and fluorescent components show rather low temperature resolution in their functional ranges (ca. 15-50 degree Celsius) because of the occurrence of intermolecular aggregation, which causes hysteresis in their fluorescence response to changes in temperature. By adding an ionic component to prevent such intermolecular aggregation, we obtained four fluorescent polymeric thermometers that offer high temperature resolution (<0.2 degree Celsius). Each new fluorescent polymeric thermometer covered the temperature range, 9-33, 30-51, 49-66 or 4-38 degree Celsius.

 内容
2003年に報告した蛍光性温度センサーに対して温度分解能を評価し,さらにその改善を行いました. 過去のセンサーでは分子間凝集に起因する蛍光応答のヒステリシスが温度分解能を低下させていたので,センサーの構成要素にさらにイオン性ユニットを追加しヒステリシスを無くしました. その結果,最終的に温度分解能を 0.2 ℃まで向上させることができました.

 ひとこと
東大に戻った2005年4月にちょうど4年生として研究室に配属され,訳も分からぬまま僕のプロジェクトを進めることになった郷田さんの論文です. 初めてスタッフとして学生の研究を論文に仕上げた,ということではとても感慨深く,記憶に残るかもしれない一報です(注:いろいろな意味で). リジェクトを食らったりと紆余曲折ありましたが,めでたく論文になり,幸運にも(実力通り?) RSC のニュース記事にもなってホッとしてます. と思っていたらなんとプレス発表までされてしまいました. 最高ですっ!このプロジェクトはさらに進行中なので,今後の展開こそ楽しみにしていただきたいところです.