2 蛍光性温度センサーの総説 詳細
Fluorescent molecular thermometers
S. Uchiyama, A. P. de Silva and K. Iwai
J. Chem. Educ., 2006, 83, 720-727
■ Abstract
Luminescent molecular thermometers are new-generation analytical tools.
These thermometers consist of molecular species and inform us of temperature by means of light signals that can be detected with high sensitivity.
Therefore, luminescent molecular thermometers have a great advantage in measuring the temperature of tiny spaces.
In this article, luminescent molecular thermometers are reviewed in terms of their mechanisms and features.
■ 内容
「周囲の温度変化を感じて蛍光特性が変化する」蛍光性温度センサーの総説です.
原理ごとに分類し,それぞれの例をデータを交えて詳しくまとめています.
■ ひとこと
Prof. George B. Kauffman に依頼された蛍光性温度センサーの総説です.
2003年の最初の蛍光性温度センサーの論文が,Chemical & Engeering News に取り上げられ,その記事を読んだ Kauffman からメールが来たのが始まりです.
総説を書くなら, 王道の Chem. Rev. か Acc. Chem. Res. にしたいと思っていましたが, J. Chem. Educ. などに書ける機会はほとんど無いだろうと思い,執筆を決意しました.
とにかく,総説は自分の原著論文の3倍くらいのエネルギーを使います.
J. Chem. Educ. はさすがにきっちりとした雑誌で,かなり厳しく審査されました.
最初の原稿は2対1で(依頼論文に1行でリジェクトするか?),直した原稿も再度審査員に読まれるという念の入れようでした.
その甲斐あって,納得のいく仕上がりになりました.