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First fluorescent photoinduced electron transfer (PET) reagent for hydroperoxides
M. Onoda, S. Uchiyama, A. Endo, H. Tokuyama, T. Santa and K. Imai
Org. Lett., 2003, 5, 1459-1461.
■ Abstract
A novel fluorescent reagent for hydroperoxides, 4-(2-diphenylphosphinoethylamino)-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole (1), was developed based on the method for designing photoinduced electron transfer (PET) reagents having a benzofurazan skeleton.
1 was quantitatively reacted with hydroperoxides to give its fluorescent derivative, 2.
In acetonitrile, the Ф value (0.44) of 2 was 31 times greater than that of 1.
The long excitation (458 nm) and emission (520 nm) wavelengths of 2 are suitable for the determination of hydroperoxides, especially in biosamples.
■ 内容
光誘起電子移動(PET)の原理を利用して,過酸化物用の発蛍光試薬を開発しました.
開発した試薬は,アセトニトリル中において,ほとんど蛍光を発しないものの,過酸化物と反応すると強い蛍光を発する(蛍光量子収率: 0.44)誘導体へと変化します.
この試薬は,過酸化物の分析に有用であるだけでなく,①以前得られた蛍光量子収率の予測法を利用して設計されていること,②リン原子を利用していること,から本論文は,PET を利用した発蛍光試薬の可能性を大きく広げる意味を持つと考えています.
■ ひとこと
4年後輩に当たる小野田さんが,主に M2 の時に行ったテーマです.
このテーマを始めた頃には,研究室の外に目が向いていたこともあって,有機合成の研究室(東京大学大学院薬学系研究科・天然物合成化学教室)との共同研究となりました.
ただ,僕とそこの院生が仲が良かっただけという説もありますが,やはりそこそこ経験も技術もある博士課程の院生がわいわいと集まったときにどの程度の相乗効果があるのかも知りたかったですし.
そういうこともあって,初めはなんとなく,という感じで始まった仕事ではありますが,意外ときっちりとした形でまとまったと思います.
このテーマに関しても,所属研究室のスタッフからは見捨てられてしまいましたが,それが逆に「それなりの結果を出さなくては・・・」とか「外部の研究者に認められるような論文を書かなくては・・・」という気にさせ,良い結果に繋がったのでしょう.
少なくとも小野田さんが修士課程の時に公表した論文は,代々のOB・OGと比較して文句なくトップレベルでした.
先輩としても見習わなくては・・・です.