排卵誘発剤や高プロラクチン血症の治療ももちろんホルモン療法ですが、ここでは、カウフマン療法と黄体機能不全に対する黄体補助療法について触れます。
カウフマン療法は自然の性周期になぞらえて低温相と高温相をつくるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の動きをお薬で真似するものです。通常2種類の内服剤を使います。薬剤は多岐にわたり、組み合わせも多いためここでは全ては記載できません。
この治療では基礎体温は2相性になりますが排卵することはないため、妊娠することはありません。その適応は、
- 次の周期のために月経の調子を整える
- 重症の卵巣性排卵障害に対してホルモンを補給する
などです。
2種類のお薬を使い分けます。
黄体補助療法は文字どおり妊娠を維持するための黄体ホルモンがより多く分泌するように行われる治療です。黄体機能不全に対して行われます。
大きく3種類に分けられます。
- hCGによる黄体刺激法
LH作用の強いhCGを用い、直接卵巣を刺激します。卵巣過剰刺激症候群をいっそう助長させる可能性があります。
- 黄体機能補充療法
黄体が出すホルモンのかわりに人工のお薬を内服・注射・坐薬などを用いることで補います。自分の卵巣を刺激しないため理論的に卵巣過剰刺激症候群は悪化しません。
- 卵胞刺激療法
効果に異論を唱える医師もいますが、卵胞を刺激することにより排卵後の黄体への変化をよりスムースにし、その結果黄体ホルモンが増加することを期待するものです。
クロミッドなどを通常の排卵誘発と同じように用います。