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解約手続きをプロバイダと回線事業者両方にしないといけないサービスもある

 「インターネットサービスの種類と契約の仕組み」でも触れていますが、インターネットの契約は、プロバイダと回線がセットになったものと、別々に契約するものとがあります。当然、別契約のものでは、解約もそれぞれの窓口で手続きをしないといけません。

 別契約の代表的なサービスが、NTTのフレッツ光フレッツADSLフレッツISDNです。

 ちなみに、KDDIのauひかりは、回線はKDDIで、プロバイダは別と思いがちですが、こちらは、申込みから、KDDI側オプションの変更、解約に至るまで、手続きはすべて契約したプロバイダが窓口になります。

 KDDIに連絡をしても、プロバイダのインフォメーションに連絡しなおすよう案内される徹底ぶりで、これは非常にシンプルで間違いがなくていいと思います。

 さて一方、回線とプロバイダが別々の契約では、解約の際、回線事業者側のNTTには手続きをして、解約が完了しても、プロバイダに手続きしそびれてしまうと、使っていなくても、プロバイダの料金は毎月発生してしまうということになります。


 プロバイダのコールセンターに勤めていたときも、2,3ヶ月に1度くらいの割合で、フレッツ解約しそびれのクレームをとっていました。

 クレジットカード払いや、口座引き落としにしていて、まったく明細を見なかったり、通帳記帳をしていない人が、半年、1年経ったころに気づいて、電話をかけてくるというパターンが多かったです。

 なんで解約したのに、まだ料金が引かれているのか!?と。

 そこで、回線とプロバイダの契約は別々であること等、フレッツサービスの契約形態を説明するのですが、相手はもう頭に血が上ってしまっているので、とにかく返金しろ!の一点張り。

 状況はわかりますし、お気の毒だとも思いますが、プロバイダの方針としては、お客様に納得してもらうしかないのが現状です。


 例えば引越しで、物理的につながっているNTTの回線は、一旦解約せざるを得なかったが、移転先でまたフレッツが新たに開通するまでの間、2,3ヶ月間あいてしまっても、プロバイダ契約はそのまま継続させる、という人も多くいます。

 プロバイダに、解約手続きしたり、また新規で申込み手続きするのが面倒くさいから。メールアドレスが変わるのが嫌だから。ホームページを開設してしまっているので、プロバイダは変えられないから。などなど、人によって理由は様々です。

 そして、回線契約が無くても、プロバイダ契約を継続いただいている限り、回線があればいつでも接続できる。他の回線の接続からでもメールの送受信ができる。応急処置的にダイアルアップ接続もできるようになっている。ホームページ公開サーバーの保守。など、プロバイダのサービスは提供され続けているのですから。

 ここからはちょっと愚痴(?)です。

 中には、「申込みするときは一緒にできるのに、なんで解約手続きは別々にしなきゃいけないんだ」とか、「調べれば使ってないってわかるだろうから返金しろ」「調べれば使ってないことがわるだろうから連絡くらいよこせ」など、ごもっともです、と、つい納得してしまいそうになる反論もありますが。

 そして、個人的にはどうにかしてあげたいという気持ちもあるのですが、やはり、いちオペレーターとしては、会社の方針に従うしかないので、返金することはできません。

 1時間怒鳴られても、2時間ネチネチ言われても、クレジットの明細くらいチェックしろや!とか、通帳記帳くらいちゃんとしようよ、だらしないわね!とか、言いたいことはあっても、とにかく相手の文句を聞いているしかありません。

 こんな、不毛なことにならないようにも、この記事を読んでいただいた方々には、回線とプロバイダが別々になっているサービスの解約について、くれぐれもご注意いただけるようお願いします。

 ちなみに、わたしが勤めていたプロバイダでは、フレッツの解約手続きを承った際には、NTTの解約手続きは済んでいるか確認して、回線も不要ならば、別途NTTにも解約手続きをするようにと、説明することがマニュアル化されていました。

 また、わたし自身が引越しでフレッツ光の解約をNTTに連絡したとき、NTTのオペレータからも、プロバイダにも解約手続きが必要だと説明がありましたので、NTT側でもマニュアル化されているのではないかと思います。

 よって、注意していれば、どちらかを解約しそびれてしまうことは無いと思うのですが、お気をつけください。


 なお、非常に稀ではありますが、「BIGLOBE+TOKAI・ADSLオプション」のような、フレッツADSL以外のADSLサービスでも、回線とプロバイダが別々の契約となっているものもありますので、ご注意ください。

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