A Robot Contest for Children and Comprehensive Science Education
このロボット競技を通して,次のような技術的知見を得る(実体験する)ことができるが,それは「ものづくり」についての一端を学ぶこととも言える.
部品,あるいは部品間インタフェースの規格化: ロボット本体とミッション対応のアタッチメント群との接続のためには,共通のインタフェースを定める必要がある.また,このインタフェースには,部品交換時間短縮のための着脱の容易さと,壊れにくさという,相反する条件を調和させることが求められる.
規模と信頼性との関係: レゴによるロボットは,動作中の衝撃等が起因して,時間経過と共に接続部分が緩くなることしばしばであり,走行中に部品が離脱することもある.この確率は,部品点数が多くなると共に増大する.
誤差の存在: プログラム上は正しくとも,誤差により,期待した距離を進まなかったり,期待した角度を曲がらなかったりする.しかも,その程度は毎回異なる.
電源電圧の変動: 乾電池の電圧は,新品の時には定格の1.5v以上であるが,使用し始めのうちに急激に低下した後,しばらくすると緩やかに減衰していく.これに伴い,ロボットの走行距離や転回角度等が変動する.
プログラムの管理(バージョン,改修手順,等): 練習中は,ロボットの動作確認とプログラムの変更の繰返しであるが,少し前のプログラムに戻したいことがある.プログラムの版管理方法を定めておかないと,こういう場合に困る.
ロボット改修の管理: ロボットについても,動作確認と改修の繰返し過程,特に,ある程度固まった状況において,少し前の状態のロボットに戻したいことがある.レゴブロックは組立て・分解が容易なため,安易にどんどん変更しがちであり,前の状態を忘れてしまうことがある.複製を作っておくとか,写真に撮っておくとかしないと,こういう場合に困る.