■□マリオをマルチプレイ!□■
据え置き型のゲーム機で久々に2Dマリオの新作が発売された。DSで発売された「NEWスーパーマリオブラザーズ」やSFCの「スーパーマリオワールド」をバージョンアップさせたような内容だ。
特筆すべきは横スクロールマリオで多人数プレイができるようになったこと。8ワールド+αをみんなで遊べるのだ。
最大で4人まで同時にプレイすることができ、マリオ、ルイージ、キノピオ青・黄色を操作する。
フリーモードでは協力したり競争したり自由にみんなでゴールを目指す。コインバトルではコース中のコインを拾い集め、ゴールしたときに誰が一番コインを取得したかを競う。クリアしたコースやバトル用の特別コースなどで行う。
マルチプレイしているときはAボタンでシャボンに入り、自分はプレイせずにぷかぷか浮いているだけで他のプレイヤーに引き連れていってもらうことができる。もしくは他のプレイヤーに担ぎ上げてもらって進めてもらっても良い。腕前に差があっても救済措置があるので安心だ。
協力して進めていくのもまた楽しく、プレイヤーを担ぎ上げているときはどちらかが無敵状態だったなら、どちらも無敵になる。上にいる方のプレイヤーがプロペラが付いているなら空も飛べる。全員で同時にヒップドロップすれば画面内の敵を一掃できるし、キャラクターを踏みつけてより高い場所へジャンプしたりと、ひとりでは難しくても、協力したらできる人も出てくるだろう。
逆に他のプレイヤーを持ち上げて穴に落としたりもできるので、殺伐とした妨害プレイもできてしまうのだ。
■□コースを進める□■
ステージをクリアするごとに道が開けていくスゴロクふうのマップを進めていき、城にいるコクッパを倒すと次のワールドへと進める。
隠し出口の存在するステージもあり、そのルートからゴールすると別の道が開け、土管に入ってショートカットしたり、大砲でワープしたりできる。
セーブは砦と城をクリアしたときにできるが、中断ファイルを作って途中でやめることもできる。8ワールドのクッパを倒してピーチ姫を救うといつでもセーブできるので、まずクリアしてしまうのも1つの手。
エンディングロールではスタッフクレジットがブロックになっていて、そこでも誰がコインを一番集められるかを競える。
マップの途中には敵が潜んでいることもあり、接触するとミニゲームがはじまる。キノピオを救い出すとアイテムがもらえる。
キノピオの家では絵合わせゲームや大砲を撃って1upキノコを獲得するゲームができる。
それらで入手したフラワーやスターなどのアイテムはマップ画面で使用でき、小さいマリオでは不安なときなどにパワーアップした状態からゲームを開始できる。
時折キノピオがさらわれてコース中のハテナブロックに隠されてしまうことがある。これは一人でプレイしているときのみ起こることで、キノピオを担ぎ上げたままコースを進んでいってゴールするとキノピオの家が現れてアイテム獲得のチャンスとなる。
担いでいるときはずっと1ボタンを押しっぱなしになるし、ファイヤーボールやプロペラなど補助も使えないので、上級者向けともいえる。
■□マリオが変身□■
マリオの動作はシリーズを踏襲しているが、スピンをするときはリモコンを上下に振る。
物を持ち上げるときも1ボタンを押しながらリモコンを振る。カメの甲羅のみ1ボタンを押したまま接触するだけでも持つので、多人数プレイ時にダッシュしている最中に誤って他プレイヤーを持ち上げないようにするための方策かもしれないが、持ち上げる物からちょっと離れていると物を持ち上げないでスピンするので、持ち上げ動作は別の方法の方が良かったなと思う。
いつものパワーアップアイテムスーパーキノコ、ファイアーフラワーのほかに2度目の登場のマメキノコもある。
アイスキノコはアイスボールを投げて敵を凍らせることができる。氷の塊を持ち上げて投げれば甲羅のように地面の上を滑っていって敵を倒していく。壁にぶつかれば破壊するのでファイアーボールでも死なない敵をやっつけられる。
ペンギンスーツを着るとアイスボールを投げられるうえに、氷の上でも滑らず、水中も動きが良くなる。前作の甲羅マリオのようにお腹で地面の上を滑っていってブロックを壊すこともできる。
プロペラキノコはリモコンを振るとスピンをしながら一定の高さを上昇し、そのあとはゆっくりと下降していく。下ボタンを押せば急速に落下していく。
ステージの仕掛けも新しい物が出てきていて、地面が回転ドラムのようになっていて、地中に土管が埋まっていたりとか、地面や壁に隠された道があったりと、1−1から見せつけてくれる。
空のステージでは雲がかかっていて見えにくい場所ではスピンをすると霞が晴れたりと、細かい仕様。
■□攻略本はもういらない!?□■
発売前から話題になっていたが、本作では同じコースで8回死んでしまうとお手本ブロックが出てくる。お手本プレイを利用するとルイージが登場して自動でゴールまで進んでくれる。ボタンを押せば途中で自分と交代もできる。
お手本ブロックを出してしまうとクリア後につく星のマークが光らない。なので、なんとしても8回ミスすることなくクリアせねば!という心理状態になるので、これはかえってゲーマーにとっても良い挑戦状になったかもしれない。
1ステージ中に3つあるスターコインを集めるとお宝映像を見ることができる。スターコインの取得方法、隠し通路などの映像があり、もはや攻略本もいらないといったところ。
デバッグチームが実際にプレイした「スーパープレイ」はまさに超人的。さすがにここまでできないが、マリオのゲームは立ち止まらずにポンポンポンと進んでクリアできるようになると気持ちいい。これを機にWiiのユーザーもゲームの楽しさに気づいてもらえるといいのだけど。「マリオギャラクシー2」の売上は伸びるかしら?
今回のマリオはパーティーゲームではないけど、多人数プレイが格段に楽しい。ファミコン世代なら友達の家に集まってみんなでわいわい遊んだことを思い出すだろう。
だからといって、マルチプレイ前提で調整されているのではなく、ひとりプレイでも完全クリアできるようになっているし、むしろ取りにくいスターコインを自分一人でどうやって取るか、自分の腕が試される。シングルプレイとマルチプレイではステージが同じでも違う楽しみ方があるのだ。
マルチプレイゲームをつくるなら、このゲームのように「ひとりで遊んで100%楽しめて、多人数で遊ぶとそれを超えるおもしろさ」という基準でゲームを作ってほしいと思う。
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