■□夢工場ドキドキパニック□■
このソフトの元になったのは1987年7月10日にフジテレビから発売された『夢工場ドキドキパニック』というディスクシステム(以降DS)のソフトだ。イベントに関連して作られたソフトで、私もそれで遊んだことがあるが、とても面白かったことを覚えている。
そして、月日が経って、中古ショップで『スーパーマリオUSA』なるものを見つけて、これはなんじゃと買ってみれば、キャラが違うだけで中身が同じなのでぶったまげたものだ。
実のところ、開発は任天堂が担当したらしい。DS版のゲームのスタート画面にもフジテレビと並んで任天堂のコピーライトが表示されている。スクウェアの『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル』(ゲームキューブ)やカプコンの『ミッキーのマジカルクエスト』(ゲームボーイアドバンス)など、販売を担当するのはよくあることだが、その逆はかなり珍しいんじゃないだろうか。
■□マリオアレンジ□■
もとのキャラクターはターバンを巻いたアラビアンな一家。彼らにはそれぞれ特徴があって、野菜の引っこ抜きが早い力持ちのパパ、ジャンプしたときの滞空時間が長いママ、ジャンプ力のあるお嬢ちゃんにノーマルなボクと、キャラクターを選んでゲームが出来る。それも、ゲーム中に変えられるのだからすごい。
キャラクターそれぞれジャンプ力が違うこともあるのか、溜めジャンプというのがある。一定時間しゃがみ込んでいると、七色に光るのでジャンプすると通常より高く飛べる。届かないところは敵に気をつけて溜めジャンプ!
『スーパーマリオUSA』というのは『夢工場ドキドキパニック』のキャラクターなどをマリオやルイージ、キノピオ、ピーチ姫に変えてアメリカで発売したものだ。そんなわけでシリーズとはちょっと毛色が異なるのだ。なんてったってファイヤーマリオにはならないんだからね。
■□史上初?引っこ抜きゲーム□■
このゲームの最大の特徴は野菜を引っこ抜くというアクションにある。間違ってもピグミンではありません(笑)野菜です。
地面の上に草が生えているのでBボタンを押すと地面の中に埋まっている物を引っこ抜く。頭の上に担ぎ上げるのでもう一度ボタンを押すと前方に投げつける。これが基本の攻撃方法で、敵に当たれば倒すことも出来る。
ほとんどの敵は上に乗っかってもミスにはならないが、ジャンプではやっつけることもできない。だから、高い位置へと移動するときにも敵を利用できる。まぁ、それはマリオでもよくやることだが、敵は死なないので乗ったままタイミングを待つこともできるのだ。
また、敵の上に乗っかったとき敵を担ぎ上げることも出来るので、投げ飛ばして他の敵にあてれば相殺することも可能だ。
空飛ぶ絨毯に乗って空を飛ぶ敵も投げ飛ばしてしまえば、その絨毯を使って空を飛んでいける。恐竜の吐き出す卵に乗ったまま海を渡るステージがあったりと面白い。
ステージも凝っていて、アリ地獄のような砂漠もあれば、穴を掘って進むところもあり、ツルツル滑る氷もあり、クジラが浮かぶ海まである。
鍵を担いで持ってこなければ入れない部屋もあったりと、簡単なようでいて、そこそこの難易度があるので夢中になってしまう。
■□お役立ちアイテム□■
草の下には野菜だけでなく、投げつけることのできるカメの甲羅、1upキノコや、特定のブロックを壊すこともできる時限爆弾、敵の動きを止める時計、魔法の薬などが埋まっていることがある。草を見つけたら、素通りではもったいないぞ。
魔法の薬というのは地面にたたきつけて瓶を割るとドアが出現し、中にはいるとドアに入ったときの固定画面の中だけだが、影のような裏側の面へ行ける。
その画面内でまだ引っこ抜いていない野菜を裏面で引っこ抜くとコインに変わる。取ったコインの枚数だけステージクリア時にスロットマシーンが出来て、残機を増やせるので出来るだけ多く取った方がよい。
あと、ライフゲージを増やせるキノコも裏面でしか取れない。そのキノコのある位置はたいてい魔法の瓶を引っこ抜いたあたりにあるが、ステージが進んでいくと離れた場所になっていたりするので、ドアを置く場所も重要だ。
画面の左端にある赤い丸がライフゲージで、初めは2つしかなくて、最大で4つまで増やせる。敵と接触すると1つずつ減っていくが、敵を多く倒すと下から小さなハートが風船のように飛んでくるので、それを取ると体力が回復する。
なんだか、ゼルダの伝説みたいでしょ。『夢工場ドキドキパニック』ではキノコではなく、大きなハートだった。ゼル伝でいうところの命の器だね。
それから、チェリーはいくつか取るとスターが出現するので一定時間無敵になる。
■□ボス戦□■
1-1、3-2といったステージ構成で、ステージごとにだいたいボスが存在する。中ボスはヨッシーに似た恐竜で口から卵をはき出す。それにぶつからないように上に飛び乗り、担ぎ上げて攻撃。たまに炎を吐いたりもする。
大ボスは多彩だ。爆弾を投げてくるネズミやヤマタノオロチみたいなドラゴンなどなど。そういうときは投げてくる爆弾を拾って投げ返したり、担ぎ上げられるブロックを投げたり、そのへんをうろうろしている通常の敵を担いでぶつけたりする。
イロモノかと思いきや、おもしろみのあるゲームだ。マリオのキャラクターが付かなければ、新しいシリーズになっていたのでは?と思うほど完成度の高い作品。
■□リメイク□■
『スーパーマリオアドバンス』はシリーズになって今までで4作発売されているが、その第一弾が「スーパーマリオUSA」。任天堂もこのゲームがお気に入りってことなのか?
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『スーパーマリオコレクション』SFC 1993.07.11
「スーパーマリオブラザーズ1〜3」「スーパーマリオUSA」収録
『スーパーマリオアドバンス』GBA 2001.03.21
「マリオブラザーズ」「スーパーマリオUSA」収録 |
※ジャケット写真をクリックすると amazon.co.jp による作品紹介ページへ移動します。
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