西表島の不思議な木の実を探す

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サキシマスオウ

モダマカショウクズマメシロツブトウアズキサカキカズラ

サキシマスオウはマングローブ後背地の湿地帯などに生育する亜高木。
10メートルほどに成長し、直立する。
根元近くで分岐するものも多い。
板状に成長した板根で有名。
板根は亜熱帯、熱帯の植物における特徴的な形態だが、石垣島のバンナ自然公園などでは板根を持たない成木もあることから、その成長には生育する立地が大いに関係していると思われる。
考えられることは、他のマングローブ植物同様、泥状の不安定な地盤で体を支える為に発達する。
もしくは、栄養土の少なくすぐ下が硬い地層である場所で立っていく為に発達する。
この二点であるが、実際の立地を考えれば、前者である可能性が高い。
一説には年間一センチづつ成長するとも言うが、仲間川にある日本最大のサキシマスオウ(樹齢400年超)が4メートルの高さを持たない点から考慮しても、正しい説とは言えない。条件次第で当然その成長具合も変化するのだろう。

母木の根元に散らばるサキシマスオウの果実。沢沿いの低湿地帯であるため、雨などによって、運ばれ、川から海へと流れ出していく。

鈴なりの果実。

海岸に流れ着いたサキシマスオウの果実。光沢のある、茶色に熟している。

秋に樹上に鈴なりとなるサキシマスオウの果実は片面中央縦方向に一筋の突起がある。
これがウルトラマンの顔に似ていることや、ウルトラマンをデザインした人物が沖縄出身であることなどから、そのモデルとなったのではないかという説もあったが、当の円谷プロによれば関係ないとのお言葉。
しかし、当の本人は今は亡き人物だけに真相は闇の中である。
またこの果実は非常に硬く、ドングリ同様いわゆる果肉を持たない。種子と言っても良いだろう。
錐で穴を開けるのも容易ではないほどであるが、かなりの割合で寄生虫の食害を受けるようで、拾ったいくつかの種子を置いておくと、いつのまにか中から小さな穴が開けられている。
おそらくは小さな未熟果のうちにある種の昆虫が産卵してしまうのであろう。
果実は水の力によって散布され、千葉あたりの海岸でも採取されているが、その美しい光沢は長い漂流の間に失われ、黒ずんだものにあるらしい。
石垣の安栄丸事務所では、この種子にペイントを施し、西表、干立の節に登場する「オホホ」の仮面としてお土産に販売している。

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