軌跡~-_科学と旅_-~

プログラムオフィサー制度の現状

The Story and Present State of Program Officer System



● フォローアップ

 POは,実施課題について,主として“科学技術”の観点からフォローアップする.経理・契約や各種手続きにかかわる事項に関しては,原則として経理担当やPO補佐担当が対応する.

 フォローアップの目的は,「採択された課題が適切に実施され,優れた成果が生み出されるようにすること」である.そのために行う内容には,「監視・管理」と「見守り・支援」の2つの側面がある.POとしては,この両面を常に意識しつつ,実施状況の確認と,情報提供,助言,文部科学省とのインタフェース等を行う.実施状況の確認内容は,計画(ミッションステートメント)に沿った実施内容および進捗,予定に加えて,実施による成果とその品質,さらには波及効果にまで及ぶ.ただし,“指導”を行う際には,事前に文部科学省と相談することになっている.

 フォローアップのための具体的な手段は,次の通りである:

  - 定期報告書類(文書)の確認
  - 普段のやりとり等(メール,電話等)
  - 現地訪問(実施者へのヒアリング,現場調査)
  - 実施者の来訪
  - 運営委員会・評価委員会等への陪席
  - シンポジウム等への参加

 対象プログラムおよび課題の研究分野に応じ,各課題について,プログラム主管と研究領域主管とがペアで担当する(実際には,各種手続き等の実務を担当する主任調査員がこれに加わる).担当者の経験や考え方等の相違による対応の相違を極力少なくするため,POを含む関係者全体で情報やノウハウを共有するよう,普段のコミュニケーションに留意している.


● 動向把握とプログラム設計への提言

 POの役割の1つとしてCSTPが掲げている「研究動向の把握」については,科学技術振興調整費では明確には定められていない.しかしながら,プログラム設計への提言を行うため,あるいは前述の公募・審査,評価およびフォローアップにかかわるPOの役割を適切に遂行するためには,普段から,さまざまなチャネルを通して,研究開発動向をウオッチ・情報収集することが重要である.また,研究開発動向だけでなく,政策動向,教育界や産業界の動き,一般社会の動きに関しても,目を配ることが必要である.POは,業務の合間を縫ってこれらに努めている.


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