光ポータブルのワナ
これは、実際にトラブルやクレームに遭遇したというのではないのですが、テレビCMを見ていて、誤解を招きやすそうだな〜、と思ったので、解説していきたいと思います。
NTTの光ポータブル、これはCMだけ見ていると、自宅でフレッツ光を使っている人は、プラス315円で光ポータブルという機器をレンタルすれば、外出先でもインターネットが使えちゃう!と思ってしまいます。
しかし、実際に外出先でインターネット接続するためには、フレッツスポットという公衆無線LANサービスに加入するか、イーモバイルやドコモなどのデータ通信プランに申込まなくてはなりません。当然、それぞれのサービス料金も発生します。
そこで、光ポータブルの契約パターン別に、どのようなことができるのか、費用がいくらかかるのかをまとめてみました。ただし、既に契約中のフレッツ光+プロバイダの料金は当然発生する基本料金として、表記はしていません。
@ 光ポータブルだけをレンタルした場合
費用 : 光ポータブルレンタル料315円
何ができるか? :
1.家の中でNTTからレンタルしているルータにつないで、無線LAN親機として利用。
2.家の中でNTTからレンタルしているVDSLモデムやONUにつないで、ブロードバンドルータ兼無線LAN親機として利用。
いずれにしても、月315円で無線LANルータをレンタルしているのと同じことになります。自宅で無線LAN機能のあるノートパソコンや、ニンテンドーDS、PSP、スマートフォンなどを利用していた場合、それらを自宅の中の電波の届く範囲で、ワイヤレス接続することができます。
既に無線LAN親機を持っていた場合には、光ポータブルだけのレンタルというのは、意味がありません。
A 光ポータブルレンタル + フレッツ・スポット加入の場合
費用 : [契約中のプロバイダがフレッツ・スポット対応だった場合] 光ポータブルレンタル料315円+フレッツ・スポット利用料210円(NTT西日本エリアにお住まいの方は840円)
費用 : [契約中のプロバイダがフレッツ・スポット未対応だった場合] 光ポータブルレンタル料315円+フレッツ・スポット利用料210円(NTT西日本エリアにお住まいの方は840円)+フレッツ・スポット対応プロバイダ利用料525円〜
何ができるか? :
1.自宅の中では@で紹介した利用方法があります。
2.外出先でも、フレッツ・スポット・アクセスポイントに行けば、無線LAN機能のあるノートパソコンや、ニンテンドーDS、PSP、スマートフォンなど複数台を同時にインターネットに接続することができます。
フレッツ・スポットとは喫茶店やホテル、駅構内などで、無線LANを利用してインターネットに接続できる公衆無線LANサービスの1つです。AP(アクセスポイント)は主に東京メトロや羽田空港、スターバックス、ドトールコーヒーなどに設置されています。
フレッツ・スポットを利用するためにはプロバイダ契約が必須となりますが、既にフレッツ光で利用しているプロバイダがフレッツ・スポットに対応していた場合は、別途プロバイダ契約の必要はありません。プロバイダからのフレッツ・スポット接続料のような追加料金請求もありません。
光ポータブルをレンタルせずに、フレッツ・スポットだけ申込んでも、PPPoEソフトウェアが対応しているノートパソコンやスマートフォンなどを接続することは可能ですが、利用する端末のMACアドレスを事前に登録しておく必要があります。しかも、登録できるMACアドレスは2台までですので、ノートPCとPSPとスマートフォンをつなげたいという場合でも、1端末は接続することができません。
それが、光ポータブルをレンタルすることによって、光ポータブルのMACアドレスを1つ登録しておけば、他の端末は気軽にとっかえひっかえ接続ができます。同時に複数の端末を接続することも可能です。
また、PPPoE未対応で接続ができなかったスマートフォンやニンテンドーDSなども、Wi−Fi対応端末であれば、簡単に接続することができます。
ちなみに、プロバイダは通常同じID/PWを使って、2箇所から接続しようとすると認証エラーが出てしまったりするのですが、フレッツ・スポットに関しては、プロバイダ側で認証が通るようにしてあるため、自宅でフレッツ光を使ってインターネットに接続している状態でも、外出先で同時にフレッツ・スポットでインターネット接続することも可能です。
B 光ポータブルレンタル + データ通信プラン加入の場合
費用 : [イーモバイルの場合] 光ポータブルレンタル料315円+定額上限最大4,980円
費用 : [NTTドコモの場合] 光ポータブルレンタル料315円+定額上限最大6,720円+プロバイダ525円
何ができるか? :
1.自宅の中では@で紹介した利用方法があります。
2.外出先では、アクセスポイントに関係なく、携帯電話の圏内と同じように、データ通信プランのサービスエリア内であれば、どこでもインターネットに接続することができます。もちろんパソコン以外でも、ニンテンドーDS、PSP、スマートフォンなど複数台を同時に接続することも可能です。
光ポータブルのようなポケットWi−Fiが登場する前は、例えばノートPCとスマートフォンとiPad(3G)を持っていたとしたら、それぞれデータ通信プランに加入しないと、外出先でインターネットに接続して利用することができませんでした。そのため費用も、5千円程度の定額料金を端末台数分支払うことになり、大変な出費でした。 それが、ポケットWi−Fiを導入することによって、1端末分の料金で、複数の機器をWi−Fi接続できるようになりました。
難点は、スマートフォンを接続するのでも、一緒に光ポータブルを持ち歩いて、光ポータブルの電源も入れておかないといけないなど、少し手間がかかるところです。
このように、光ポータブルはそれだけをレンタルしても、外出先でのインターネット利用はできません。お申込みの際にはご注意ください。
▼関連リンク
◆ モバイルでの接続について◆ 公衆無線LANでの接続について
◆ 無線LAN接続って?