おまけ

不惑

2015.11.16

随分とこのコーナーの更新が遅れました.

今は何となくソウルに来て,何となくバイオイメージングのシンポジウムに出席しています.韓国の学生は真面目なんですよね.

相変わらず,の毎日を過ごしていますが,まだまだ若いと思っていた自分もとうとう今年の4月で40才になってしまいました.大学4年生で研究室に入った頃には,「40にはリタイアしたい」と思っていたその年齢です.いざその年齢になってみると,もちろん日々の生活のためにお給料をもらわなくてはいけないので,リタイア出来ない…(涙)のですね.パトロンを見つけて,アイルランドの草原に研究室兼自宅を構えるという夢はとうてい叶いそうにありません…

とはいえ,自分のキャリアはほぼ終了,そういう状況ですので,余生はできるだけ優雅に過ごしていきたいと思っています.今年は,自分のこれまでの研究人生で関わった後輩の中で,最もやっかいで印象に残る人物が,7年ぶりに研究グループに再加入することになりました.相思相愛で共同研究を再スタートできるわけですから,何と幸せなことでしょう.成果を出すことのみで存在を正当化するという,特殊な研究ユニットなので,調子に乗らずに気を引き締めて取り組みます.

近頃は少し変わった仕事をいくつかしました.1つめは約10年ぶりに現代化学誌に解説を寄稿しました.(元)編集長と直接お話しをして久しぶりに解説を書くことになったのですが,ことさら自分の仕事を謳う年でもないか,ということで「蛍光ライブセルイメージングの課題」という当該分野を俯瞰したやや挑戦的な内容になっています.自分の出来ることは小さいですが,少しでも王道の研究を知る人が増えるように,との願いを込めて執筆しましたので興味のある方はぜひ読んでみて下さい.2つめは,これまたずいぶんと久しぶりに細胞などの生物材料を一切使わない純粋な化学の論文をAngew. Chem. Int. Ed.に発表しました.化学の中でも,特に蛍光色素を開発していると,どうしても安易な応用(=生細胞への応用)を考えがちですが,そういう非化学的な内容を入れなくても一流誌には採択されます.この論文,エディターによってHot paperにも選ばれましたので,こちらも興味のある方はぜひご一読下さい.

もう1つここに書きておきたい最近の仕事があるのですが,今のところ口止めされている期間中なので,それが解除されたときに意見を述べたいと思います。研究者を目指す人なら避けて通れない「あの」話題です.こちらもお楽しみに.