謹賀新年
2013年もすでに3月になってしまいましたが,明けましておめでとうございます.今年もよろしくお願いいたします.
すこく久しぶりの更新になりますが,まず毒を吐きます.どうも先代の学科長に代わった辺りから,教職員としての扱いがさらにぞんざいになってきて,一向に改善される兆候がないので,そろそろ出るところに出ようか(出すところに出そうか,か?)と思い始めていました.知らない人は,「えーーっっっっ?!そんな馬鹿なーーっっっっ!」って驚くと思うんですけど,大事な事務連絡は来ない,学生と接する機会は与えられない(M論やD論の要旨集がもらえないのは当然ながら,そういう日程も一切知らされない),もちろん運営費ももらえない,などなど.これがもう何年も続いている訳なんて,そろそろ天罰を食らわせて良いレベルかと.
僕の怒りが納まらないのは,元研究室の不正を行ったあのえらい方は,時が過ぎてのうのうとし始めているのに,全く悪いことをしていない自分が,普通の対応さえされなくなっていく,というまるで意味不明な流れのためです.その研究費の不正使用の件,内部告発をしたの僕じゃないんですけど…まるで僕が内部告発して学科から乾されたみたいですけど,そうでは無いんです.まあ僕も泣き寝入りをするタイプではないので,閾値を超えたら一網打尽,あとはどこでそのカードを切るかなぁ,と様子を窺っていたのですが…
捨てる神有れば拾う神あり,ではないのですが,とりあえず攻撃に出るのは一旦止めることにしました.期待してくれていた支持者の方々,申し訳ありません.勿論,学科の状況が変わるわけではないので,来る時のために攻撃材料は蓄積しておきます.そうではなく,研究者として新たなステップに入ったのか,嬉しい悲鳴で尋常じゃなく時間が無いので,今年はもちろん,おそらく数年はそちらに専念することになると思います.
なぜ,急に忙しくなったのかと言えば…
まず一つ目.JSTの先端計測事業で開発を進めている蛍光性温度センサーですが,特許の使用について,フナコシ株式会社と正式に独占のライセンス契約を結びました.この春から世界に向けて売り出される事になります.機能の目新しさという点では自信を持っていますが,実用性の面で世界の研究者にどのように受け入れられていくのか,楽しみでもあり怖くもあるところです.「冒険しないのが一番」「コストを抑えた方が勝ち」などという浅はかな考えが社会全体に蔓延している中,ベンチャーではなく,フナコシのような由緒ある会社に契約して頂いて,非常にありがたく思っています.昔からマーケティングにも興味があるので,販売のプロモーションには率先して協力していきたいと思っています.
そして二つ目.編集者のご好意に甘えて,講談社サイエンティフィックより「分子論理ゲート」の本を出版する企画が動き出しました.留学時代のボスであるAPが,昨年末に Molecular Logic-based Computation という本を出版しており,この日本語版という事になります.内容は,この英語版を元にしつつ,最新の内容を加えたり,分かりにくそうなところを相応に手直しする予定です.昨年,APに依頼されて英語版を校閲したので,内容については把握していますが,300頁を超える一冊の本を一人で完成させるのに,既に苦労し始めています.雑務が一切ない今の状況で,どのくらいしっかりした教科書を書けるのか,最近は,かなりのエネルギーを注ぎ込んでいて,妥協の一切ない仕上げになると思うので,興味のある方はご期待ください.脱稿が今年一杯の予定なので,来年中には上梓されるでしょう.
これらの新しい仕事に加えて,温度センサー以外の研究ももういい加減再開しなくてはいけません.幸か不幸か,政治的な闘争をしている余裕は無いようです.色々,頑張ります.