おまけ

今年1年を振り返る

2010.11.14

今年はまとめなくてはいけない論文をいくつか抱えていて,年末を迎えても全く年越し気分にならないと思われるので,少し早いですけれど,今年を振り返ってみます.

ひとつひとつの出来事としては大した事ではないんですけれど,今年は自分の研究に対するスタンスがかなり確立した一年だったように思います.去年の春に下についていた学生が卒業してから,ずっと続いている宙ぶらりんの状態に対して,学科が何かしてくれるわけではなさそうだ,ということがはっきり分かりました.元々質の低い学生はお断りですが,その状況に甘んじていれば腐敗していくのはもちろん自分自身ですので,プロジェクトリーダーとして学生とは無縁の立場で研究を進める事を決意した訳です.

そんな中,首尾良く先端計測事業に採択されたのは,これまでの自分自身の取り組み方が正しかったのも当然あると思っていますが,それと並んで,分野や立場が違っても「魅力ある研究をしなければならない」,という同じ方向性を持った共同研究者と組むことができたというのも大きな原因にあげられると思います.やっぱり 30 代も半ばになると,人の真似をする研究,旬に乗っかった研究,軸のはっきりしない研究,成果を出すためだけの浅い研究は軽蔑対象になりますね.この年になってくると実験技術や情報処理能力が高いことも大事ですけれど,何より,誰がなんといおうと「この実験(研究)が大事だ」と言える芯の強さが必要になってくるようです.僕も,これを持っていたからこそ,自分の研究を良いと感じてくれる人が多いように思います.

幸いにして,現在は学生が全くいなくても,アカデミックや企業,年齢も様々な本気の研究者とプロジェクトを進める事ができています.みんなそれぞれにやる気はあるんですけれど,生物学者ばかりなので,僕自身もそろそろ化学者としての才能を見せたるか,なんて思ったりもします.このように余計な事を考えずに意識の高い研究者達と研究に没頭できる,というのは本当に研究者冥利に尽きるというものです.

成果という点では,先日ようやく自分の論文のうちのひとつ(JACS, 2004, 126, 3032)が,公表後 6 年間で引用回数 100 を超えました.僕は,論文のインパクトファクターより,引用回数の方が大事だと思っていますので,一人前の論文がついに一つ誕生したことは素直に嬉しく思っています.まだまだ周りには,もっと引用されている論文を出している人や,100 回以上引用されている論文を複数出している人がいますので,それらの研究者に負けないよう上を目指したいと思っています.

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来年は,今まとめに入っている論文を皆さんに自信をもってお見せできるはずです.まずはその構想を胸に初のインド,楽しんできます.皆さんもよいお年をお迎え下さい.

PS 再仕分けの対象になっているグローバルCOEですが,僕自身はこのプログラムに大反対です.パブリックコメントとしても提出しましたが,こんな見せかけの組織作りに感化される事無く,中身ある研究者の養成を期待します.廃止がいいんではないでしょうか.