おまけ

孤独との戦い

2010.5.15

分析化学討論会のため生まれて初めて島根県に来ています.来る前に思っていたより独自の文化が感じられて予想外に良い場所でした.まだまだ日本にも風情のある場所ってあるものですね.しかしこんな人里離れた所に夜一人とは,もの凄い孤独…さみしい…

話が脱線しました.本当のところは,研究者ってある面もの凄く孤独だと思うんですよ.そしてその孤独感に勝てなければ,良い研究者には決してなれない,とも思います.

今年度は科研費の最終年度という事もあり,4月から大型予算(先端計測,さきがけ,そしてただ今一休み中ですけど最先端何とやらも)の申請書にずっと時間を割いています.ここまで実験や研究を止めて取り組んでいると,本当に孤独です.そもそも新しい研究プロジェクトには必ず新規性・独創性が問われるんですけど,そのためには少なくとも「他の人が思いつかない」ことを書かなくてはいけないわけです.つまり,「自分のアイデアは他の人とは全く違う」という状態にしなければいけないのです.これ普通の言葉に言い換えると,頭のおかしい人になれってことです.これを孤独といわずしてなんと言うでしょう.

もちろん仲の良い研究者が「そのアイデア良いね!」って言ってくれれば少しはホッとするんですけど,そんな程度ではまだ新規性があるとは言えないと思います.いやむしろ新規性無し?「あー(感嘆),なるほど~」がベターで,実は「????」がベストかと.もちろん「????」は質が低すぎる場合のリアクションでもありえるのでだいぶ注意が必要ですが.

そう思ってみれば,どんなにまとまっている研究グループでも,細部までいけば絶対に意見や意図は違っているはずで,そんなときに安易に相手の意見をのまないで論破していく姿勢は非常に重要に思えます.

なんか変な論法ですけど,孤独を受け入れられること,は案外研究者に不可欠な要素かもしれません.最近それに気づいたので,今度は孤独感に打ちひしがれるときの対処法を考えてみます.

出雲大社にて
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