〜 FLL Open Asian Championship 2008 〜
Report of a World Robot Contest for ChildrenFLLのロボット競技では,ミッションごとに定められた得点がその成功により与えられ,すべてクリアすると400点となる.RCXタイプのマインドストームを用いるロボットのチームには,ハンディキャップとして,所定のボーナス点が加算される.競技では,時間をあけて3回のラウンドを行い,最も高い得点がチームの得点として採用される.
今大会では,満点を獲得したチームが多数にのぼったため,全3回のラウンドの得点に基づいて上位8チームが選定され,最終日の決勝ラウンドに進んだ.8チームのうち,3回とも400点満点を獲得したのが3チーム,8番目のチームでも2回の400点満点と300点以上の得点1回であった.8チームの国別内訳は,上位から,マレーシア,ノルウェー,オランダ,スウェーデン,米国,日本,中国,デンマークである.
決勝ラウンドでは,当初,1回の競技による獲得得点に基づいて順位が決められる予定であったが,決着がつかなかったため,トーナメント制に変更して進められた.緊張のためか,決勝ラウンドで満点を獲得するチームは少なかったが,最終戦の優勝チームは満点,2位のチームは399点であった.ロボット競技の模様を図-8に示す.
最終的な競技の結果は次の通りであり,各チームにRobot Performance Awardが与えられた:1位: icNRG – I see ENERGY!!チーム(オランダ)
2位: Jolly Rogerチーム(スウェーデン)
3位: Winning Elevenチーム(中国)
なお,日本の奈良教育大学付属中学チームが次点であった.
この数年,満点をとるチーム数は徐々に増加している.この要因としては,ロボット用ハードウェア・ソフトウェアの高性能化,制御ノウハウの蓄積と共有に加え,ミッション自体も,直進・後退及びアームを用いた操作といった単純な動作でクリアできるものが増えていることが挙げられる.