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連作小説 夢のあとに

は じ め に

も く じ

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はじめに

 「夢のあとに」といえば、ガブリエル・フォーレ作曲の歌曲で、チェロ独奏曲にも編曲されているものをすぐ連想します。この曲をはじめて耳にしたのは、もう30年ほども前になるでしょうか。フランス語がわからないぼくは、歌詞の意味はまったくわかりませんでしたが、切なくけだるいメロディが一度で好きになってしまいました。

 この連作小説集は、ぼくが見た夢を題材としています。夢のことですから場面の飛躍や人物の転換などがしょっちゅうとなるはずです。多少読みづらいかと思われますが、イメージだけをとらえていただければ幸いです。

 そういえば漱石に『夢十夜』という作品がありますが、ぼくの夢はそのような文学作品には成りようがないと思っています。夢分析をすれば何らかの意味もあるのでしょうけれど、それを敢えて無視して、ただ、見た夢の暗さを綴って行こうというのですから、病的な自己顕示以外のなにものでもありません。ですから、読んでおもしろいものではないのでしょうけれど、「夢日記」としてでもとらえてください。


も く じ

霧の体育館

暗い海

夜のキッチン

旅の途中

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