今 話題の日持ちのするパン(ロングライフ)用に開発したパン生地の発酵装置又はホイロとも呼ばれる装置です。発酵管理の難しい天然酵母を使用したパン生地向けに開発の依頼を受けました。そこで既存のホイロの概念を一切無視した発想で、「装置内部の隅々まで均一な温度と湿度分布を実現している」と納入先で絶大な評価をされています。
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パン生地発酵装置の外観と内部の一部です。詳細はユーザーの製品に合わせた、特別な温度と湿度管理の為、公表できません。装置内の隅々まで均一な温度と湿度分布を得るために、特殊な気流操作があります。 |
ドアから見た内部の一部。
加温用熱源は電気ヒーター、加湿方法は微粒子の霧を利用しています。ただしあくまでもユーザーの製品に合わせた設定であり、加熱、加湿方法に固執しておりません。 |
内部構造となります。
この装置は従来、展板用ラックキャリー挿入を考慮し、床に案内用レールを取り付けるためにコンクリート部分(床)はそのまま利用していました。この装置は床を含め全面断熱仕様です。 |
Q: パン生地の発酵装置は既存メーカーがあるのになぜ?
A: 確かに、この装置を依頼されたユーザー様も、複数のメーカーの装置を利用していました。当然導入時の段階では最も良いとされる装置だったということです。、ただし 生地を入れた場所により発酵のバラつきが多く、均一性が欲しい。という当たり前の依頼でした。
Q: 発酵のバラつきとは
A: 先に入れたラックキャリー(ドア側)と中央の部のラックキャリーの位置と列違い、さらにラックキャリーの上・中・下段でも発酵具合に大きな差があり、いままでそれが当然のように、入れ替えや差し替えの作業をしていた ということです。
Q: 納入後のお客様の反応はどうですか?
A:パンのメーカーごとに色々な製法があり、発酵のバラつきの許容範囲があると思います。しかし このお客さまはその入れ替えや差し替えは不要だという話です。製品の生産量も大幅にアップしているそうです。
Q: なぜ 超零細企業に開発依頼を…
A: 同系列企業の装置を開発したことがきっかけです。前職で米に関する食品装置の開発職のトップを長く務めていたので、ノウハウは色々あります。ただこの装置は全く違う発想で、新たに構築した少々面白い空気流?を取り入れました。
Q:空気流とはどんな手段ですか?
A: 企業秘密もありますので、あまり詳しく説明出来ません、ただし このような大きな装置内部の温度や湿度を、どの場所でも均一に保つには、ラックキャリーを全て挿入した場合を優先考慮し、スクエアーなボックス内部で、如何に均一な加熱と加湿の空気の流れを作るか!しかもパン生地の発酵に悪影響を与えない「空気の流れ」・・・ラックキャリーもそれに適した構造に変更しました
工場の片隅で実験しながら考え抜いた結論が、「ある部分に渦を巻く空気の流れを作る」・・・でした。
Q:随分解りづらい説明で面倒くさいです、解るように説明してください。
A:お風呂などで解るように下よりも上の方が熱い(暖かい)要するに上部の方が温度は高くなる。それを均一にするには掻き混ぜれば良いのです、しかし発酵室内をファンでただ攪拌すれば良い・・・というものでもなく、パンの発酵に影響の無い渦巻き状の空気の流れが一部に設定されています。この手法が従来のメーカーに無い発想だと自負しています。
Q: 従来の装置に空気流だけで完成したのですか?
A:違います。基本的な欠点を解消しただけです。本体基本構造、加熱方法、加湿方法、制御方法は従来の発酵装置を一切参考にしていません。お客様の要望を第一に考慮し、「こうすれば!こうなれば!こうしたい!」などと考えた結果 作ってしまいました。?要するに「出来ちゃった物は仕方ない、結果オーライ・・・」としておきます。
Q:この装置を利用しているパン製造業者とは?
A:近年 話題の日持ちのするパンの生地発酵に利用されています。これ以前に導入されていた装置を同じ機構に改造の要請があるのですが、同様の機能は期待出来ませんので、聞かないふりをしています。
本当は こんな大きな装置作るの嫌?でお断りしたんです。
なにしろ超零細企業なもので、工場の中いっぱいになってしまうんです。ホームページに載せたのも、一応こんな小さな工場でも、こういう装置作りましたよ…というアピールなんです。本来機械などの発注を受けると、まず愛車である軽トラの荷台に納まる寸法で図面が始まるくらいなんです。まあ今のところ、これ以上大きな装置を手がけるつもりは、あまり・・・・
*内部構造に特殊な構造があり、ホームページであまり詳しく公開出来ない部分があります。
詳しい内容は直接お問い合わせ下さい。
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