軌跡~-_科学と旅_-~

小中学生対象のロボット競技 世界大会レポート

〜 FLL Open Asian Championship 2008 〜

Report of a World Robot Contest for Children
- FLL Open Asian Championship 2008 -


ロボット競技会と科学教育

 ロボット王国と言われる日本には数多くのロボット競技会がある.その中で,FLLの特徴は,小中学生を対象としている点と,ロボット競技に加えてリサーチ・プロジェクトを含む総合的な科学教育プログラムとなっている点にある.

 FLLの理念は,子供たちに,ハンズオンによる「体験的な取組み」と「教育」を組み合わせたプログラムを体験してもらい,「科学技術」に対する興味・関心へとつながる「感動」を学習経験として与えていくこと,そして,子供たちに不足していると思われる「ひとつの事象について深く考え,課題に取り組み,解決していく」という経験の場・機会を提供し,次世代を担う子供たちの「考える力」に刺激を与えていくこと,とされている.FLLに参加する子供たちは,ロボット競技を通して創造力を養い,ロボットのハード・ソフト技術を学ぶ.同時に,リサーチ・プロジェクトを通して指定テーマの学習を行う.また,チーム活動を通じて協調性,コミュニケーション能力やリーダシップ能力を,発表を通してプレゼンテーション能力を養うことができる.さらに,活動全体を通して,プロジェクト管理の一端についても体験できる.子供たちはロボットの製作や競技に際しては,わくわくしながら一生懸命取り組む.

 新年度のFLL2008は,今年の9月に課題が発表される予定であるが,テーマは,「Climate Connections」ということで,地球環境に関する問題を扱うものと決まっている.子供たちに参加を促されることと,メンター/コーチ/ボランティアとして参加されることを読者のみなさんに期待して,本報告を終えたい.


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