吹き抜けが「家族の気配をやさしくつなぐ家」
長野県伊那市 K邸
面積: 122.31㎡(37坪)
家族: 30代夫婦/子供2人
構造: 在来木造2階建て
外観: 切妻型(2.0F)
断熱: 外張り気密断熱
暖房: 床下暖房(エアコン)
おいしい食事を毎日一生懸命作ってくれるやさしいお母さんが主役のお家です。
2人の娘さんとお父さんが2階で何をやっていても、台所の上にある吹き抜けがお母さんの様子を家中に届けてくれます。お母さんが家の中心にドンッといてくれるから家族みんなが安心して好きなことをやっていられるんでしょうね。ただし、「必要な気配」と「邪魔な騒音」とを状況(宿題や勉強に集中したいときなど)に合わせて変えられるよう、吹き抜けに面した壁に開閉窓(空気の循環も兼ねる)をつけています。
外観はできるだけシンプルで目立たないようにしたい、できるだけ将来のメンテナンスが必要ない材料を使いたい、とのご希望をふまえて、いつものやや目立ちがちな特異な外観ではなく、本当に仲のいい優しいご家族をやさしく包み込むようなカタチと色バランスを提案させて頂きました。
家づくりで大切にしていること
敷地については
「見たいもの」と「見たくないもの」・「見られたくないもの」とを整理して
ここにしかない「変わらない」敷地条件を徹底的に感じて調べて活用すること
カーテンなどを「閉め切らなくても」周り近所や道行く人の視線が気にならないこと
落ち着いて暮らしていくための「目隠し」(塀や垣根など)を優先的に考慮すること
他人の気配を気にせず「外の気持ちよさ」を楽しめる「外スペース」を必ずつくること
入りやすく置きやすい「駐車スペース」のベストな位置を見極めること
我が家に帰ってきた時にこそ「暖かく迎えてくれた」と感じられる玄関を設えること
建物については
「あとで変えにくい」耐震強度・断熱性能・外観デザイン・佇まいを重視して
(もちろん「見た目」「カタチ」が美しくなるよう検討していきます)
同じ予算の中で「少しでも広い面積・大きい空間」を計画すること
予算を抑えながらも「開放的な広がりを感じられる空間」にすること
一人一人の居場所をつくるために「いい距離感をもてる広さ」を確保すること
いつかは変わる「好みや家族構成に合うよう」暮らしながら変えていけること
今の状況やあこがれだけで間仕切りや家具などをつくりすぎない(つくりこまない)こと
何もモノを置かない「ここ一番なんとでも使える空きスペース」を1つは確保しておくこと
家族からもほんのり見えにくい「とっておきの逃げ場」を必ずつくっておくこと
機器については
「あとで必ず変えなければならない(いつかは壊れる)」ことを念頭に置いて
できるだけ長く「飽きずに使いやすい」シンプルな機器を選定しています。
(もちろん「好み・使い勝手」を最優先していただくことが大前提ですので、)
(一切、押し付けはしませんが・・・)
(安くてデザインも使い勝手もいいものを見つけた時が一番うれして楽しいときです)
仕上げ材については
「費用対効果」との兼ね合いが大きい要素ですが、
同じ金額であれば「できるだけ長持ちすること」「できるだけメンテナンスが必要ないこと」を優先して選定しています。
(もちろん「見た目」も「デザイン」も「健康にいいこと」なども重要な要素です)
(「色」「質感」「あとで変えやすいか?」は特に慎重に吟味して提案しています)
などなど
「あとで変えにくい」構造・性能・外観を何よりまずはきちんと検討しておくこと
「あとで変えやすい」つくり込み過ぎないシンプルな空間にしておくこと
を大切な理念として、具体的なメリット・デメリットを吟味しながらかかわらせて頂いています。