★★ ツマグロヒョウモンの飼育観察 ★★ ある日、親に、「うわ〜、なにあれ!ちょっと見て!毛虫に葉っぱやられてる!」っと呼ばれてパンジーの植木鉢を見に行くと、黒くて中央に赤い帯がある大きな毛虫が大量に繁殖していた。後でインターネットで調べるとツマグロヒョウモンの幼虫であることがわかった。植木鉢のパンジーの葉は食い荒らされて全く食べられるところがないので、とりあえず家に入れて育てることにした。幼虫の食べ物はスミレ科の植物ということで、まず図鑑でスミレとはどんなものなのか調べたあと、近くの山にスミレを探しに出かけた。でもなかなか見つからない。一回目のスミレ探しでは見つからなかった。このままでは幼虫は死んでしまう。次の日も山に探しに行った。そしてついに、植物の陰のしめった土の所にひっそりと生えているタチツボスミレというスミレを発見した。やっと見つけたので、「宝物でも見つけたのか」というほど嬉しかった。よく身をかがめて近くを見ると、たくさん生えていることに気付いた。それを急いで持ち帰り、毛虫を葉の上に乗せた。毛虫は合計7匹だった。 |
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タチツボスミレ 10mmぐらいの3齢幼虫 葉に乗せた後、小さな幼虫は動き出してすぐに葉をかじり始めたので嬉しかった。でも大きな幼虫は警戒して動こうとしなかった。 この後、何回も山に行ってスミレを取ってきて大変だった。 1週間後、まだ一番大きな幼虫はサナギになろうとしない。大丈夫かなと思いつつ学校に行った。そして帰り道、下を見ながら歩いていると、なにやらスミレっぽい草が道端に汚く生えているのが見えた。「まさかこんな都会には生えてないやろ」と思って歩き去った。しかし、また同じ草が生えていた。友達と帰っていたので止まってもらい、しゃがみこんで見ると、まぎれもなくスミレだった。とりあえず持ち帰ることにした。(犬が小便かけてなければいいけど・・・) 家に帰って調べてみるとノジスミレと判明した。 |
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左図はノジスミレと、それを食べる一番大きな幼虫。45mm 気持ち悪い?? いやー、意外とかわいいやつですねん。 なんじゃそりゃ?? 現在では7匹の毛虫の内、2匹がサナギ、4匹が成虫になり、1匹は死んでしまった。 |
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―――――――――――― 成長過程 ――――――――――――
@.10mmぐらいの3齢幼虫(0日目) A.25mmぐらいに成長した4齢幼虫(4日目)?
B.45oぐらいにまで成長した5齢幼虫(10日目) みんな大きくなりました。
C.サナギになる場所を確定した幼虫(14日目) お尻をくっつけて1時間後には逆さまになりました サナギになる前には、5齢幼虫の体が縮んできて、うろうろし始めるので、サナギになりやすい棒に乗せて置いておきました。すると場所を確認した後、口から糸を出して棒に絡ませて、その後その糸の部分にお尻をつけて自らの体を棒に固定しました。そして逆さ吊りになり、その10時間後ぐらいで皮を脱いで、まだ生々しいサナギが出てきました。 |
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サナギになる瞬間(蛹化)@@@
4-1. サナギになる時間が近づいた幼虫 4-2. 今から皮を脱ぐところです。体を盛んに動かしています。上の方の毛が寝てきました。
4-3. 頭の後ろが少し破れてきました。 4-4. さっきより少し破れました。
4-5. 縮み上がりながら皮を脱いでいます。 4-6. かなり脱げました。
4-7. お尻の部分はひねり上げて脱ぎます。 4-8. 脱いだら何回も体をくねらせて毛皮を落とします。
4-9. 無事に毛皮を落としてサナギになりました。 4-10. サナギの形を少しずつ整えていきます。
4-11. 形が完全に整い、完全なサナギの形になりました。色も少し濃くなります。後は固まるのを待つだけです。 4-2 〜 4-9 までで3分、4-2 〜 4-11 までで30分と、意外と速いので、見逃さなくてよかったです。 あと7日後、いよいよ羽化します。待ち遠しいなぁ。 |
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D.サナギになって1日目 |
E.サナギになって7日目。色が黒くなりました。 |
サナギの背中部分には金色に光る粒が10個ついていて、この世のものとは思えぬものを感じます.↓ |
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.**** ツマグロヒョウモンの羽化の瞬間 **** .
1.E番になった後すぐに殻が割れて頭が出ました。 2.足で殻を押さえて出口を広げて抜け出ようとしています。
3.羽までが抜け出し、もう少しです。 4.3番から一瞬で体全てがするりと抜け出ます。
5.羽を乾かしています。 6.羽がかなり伸びました。 この後、お尻から赤い汁を出して、身を軽くしてから飛び立ちます。羽化はほんの30秒ほどで終わってしまうので見逃したら大変です。(羽を乾かして完全に飛べるようになるまでには3時間ぐらいかかります)
今回は♀が出てきました。♂は下図です。
今のところ、生まれたのは、♀,♀,♂,♀,♂,♂です。 羽化、蛹化の貴重なシーンがナマで見られて、本当によかったです。 ---- END ---- おっと! 今度は2005年になってスミレの「花」にも興味を持った! |
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