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院長ごあいさつ

院長ヒトコト

細胞診指導医になるまで

 私は細胞診を専門としています。細胞診とは組織(人体)の表面を擦り、剥がれた個々の細胞を顕微鏡で除き、組織の良悪性や、組織の病名を推定診断するものです。
また、乳腺や甲状腺などの組織などに針を刺して、細胞を取る、穿刺細胞診というものもありますどちらにも共通なのは、一個一個の細胞から、組織の良悪性を推定することです。
私の細胞診との出会いは、医局の新人歓迎会でした。医局の歓迎会の半ばになると、明日から直接、指導を受ける先生(オーベン)が決まります。この時、私のオーベンになって下さった先生がS先生でした。先生は既に細胞診指導医の資格をお持ちで、患者様の術前検討がある時には細胞診の標本を医局員全員に説明していました。この先生には、大変可愛がってもらい、入局した年の秋の細胞学会には、産科にいた私をわざわざ産科のオーベンの先生に断って、学会参加させてくれました。
次にお世話になったのは、2年目に赴任した、秋田中通病院のO先生でした。大学におられた時は医局に夜遅くまでおられ、下の先生がなかなか帰られなかった、という伝説の先生でした。
赴任当日に挨拶に行くと、「先生の顕微鏡を買っておいたから、3分割で払うように。」と言われ、
細胞診指導医でもない私が、いきなり、医局で2番目の顕微鏡持ちになりました。(この顕微鏡は今でも元気に活躍しています。)当時、秋田中通病院はお産が月100件あり、婦人科手術も月曜から金曜まで、毎日2〜3件ある大変忙しい病院で、残念ながら、0先生に直接、細胞診を習う機会はありませんでした。
中通病院に勤めて1年が過ぎた頃、新しく来られたH先生の歓迎会がありました。O先生がグラスを取って乾杯をしようとしたところ、その姿勢のまま、動きません。なにか、ふざけているのだろうと思い、隣にいた先生が身体を触ったところ、そのまま倒れてしまいました。突然死です。
その後、救命措置を施したのですが、心臓の拍動は戻りませんでした。この後、数か月して、私は大学に戻り大学院生活に入るのですが、中通病院の細胞診勉強会が毎週水曜日にあり、O先生の残した細胞診の標本を見て、勉強することが出来ました。
大学院が終わるとお礼奉公と言って、外の病院で働くことになります。私は能代の秋田社会保険病院(旧民生病院)に勤めることになりました。ここでは細胞診スクリーナーのOさんに大変お世話になりました 手術のない午後などは、検査室にこもり、細胞診の標本を覗く毎日でした。
この時、初めて細胞診指導医の試験を受けましたが、結果は不合格。医局の先生方が心配してくれて、翌年、大学に戻ることになりました。
大学の医局に戻ると、北里大学、宮城県対癌協会、SRL,BML(検査会社)に勉強しに行き、なんとか、2度目で指導医の試験に合格しました。
振り返ってみると、細胞診指導医の資格は多くの先生方に支えられて取れたのだと、しみじみ思います。
大学の医局は「白い巨塔」などを読むと、悪いイメージしかありませんが、勉強しようとするものにとっては、素晴らしい組織だと思います。
今まで、そして今も、私を支えて下さる、医局や医師会の先生方に感謝しながら、これからも頑張っていこうと思う毎日です。
 


佐藤レディースクリニック

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