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ドラゴンクエスト9 星空の守り人 NDS
DRAGON QUEST IX

ニンテンドーDS
スクウェア・エニックス
2009年7月11日


★ロールプレイングゲーム

■□守護天使□■
 主人公は天使界住人の見習い天使。師であるイザヤールについてまわり、困っている下界の人間を助けていた。人間の感謝の気持ちから生まれる星のオーラを集めて世界樹に捧げるのが天使の役目。そのエネルギーによって世界樹は育ち「女神の果実」を実らせ、「神の国」への道が開かれると伝えられていた。
 しかし、大きな地震が起こり、主人公は翼を失い女神の果実共々下界へ落とされてしまう。世界中に散らばった7つの果実を求めて冒険が始まる。

 主人公の見た目はゲームの最初に作成する。顔立ちや髪型体型を選べ、装備を変えれば見た目も変わるようになった。
 主要人物は3Dで描かれているが、その他の人物が2Dで描かれていて、イベント時など画面がアップになると違和感も。

■□戦闘□■
 シンボルエンカウントによって戦闘へ突入。足音に気づくとモンスターの方から近寄ってくるが、姿が見えているので意図的に戦闘を避けることも可能に。従来通りのコマンド入力で、DQVIII同様に敵味方の姿が見える。
 戦闘中はそれぞれが所有している道具が使えるが、道具と装備品は別々になってしまったので、装備品はコマンド入力時に装備している物だけが使えるが、戦闘の冒頭に持ち替えは可能。

 それぞれの職業に必殺技があり、攻撃を受けたりするとたまにそれが使えるようになる。必殺技を使わずに戦闘を終えても次の戦闘でも使えず、その戦闘のみ有効となる。だが使わずに数ターンが過ぎると消滅して使えなくなる。
 非常にまれだと思うが、限定された職業でパーティ4人全員が同時に必殺技を発動させると特別な技が繰り出せるようだ。

■□リッカの宿屋□■
 ゲームの拠点となるのがセントシュタイン城下町にあるリッカの宿屋。
 リッカは格安で宿に泊めてくれるだけでなく、宿屋に人を呼び込むように設定をしてくれる。これはニンテンドーDSの機能のひとつである「すれちがい通信」によって、近くにいるプレイヤーを自分のDSに呼び、また自分もその相手の宿屋に訪れるというもの。ふたを閉じてスリープ状態にしても良いのでバッグに忍ばせておくと知らぬ間に通信していることもある。
 350万本以上も売り上げているソフトならではで、田舎町でも人が集まるショッピングモールとかマクドナルドですれ違えるのですごいと思う。前からそういう機能は知っていたけど、まさか自分がDSを持ち歩いてすれ違い通信をすることになるとは……。
 呼び込みの際にはクリアした手持ちの「宝の地図」を持って出かけることもできる。持って出かけてもなくなるわけじゃないので、自慢の地図を持って行くといい。

 呼び込んだ人の数が増えると宿屋が大きくなり、最大で30人まで旅人を泊めてあげることができる。宿屋が大きくなれば行ける場所も増えて宝箱からアイテムが取れたりする。
 30人を超えると初めの人から順次宿屋からいなくなる。ロイヤルルームには6人泊まることができて、そこに泊まらせてあげれば宿屋からいなくなることはない。

■□転職と転生□■
 おなじみルイーダもリッカの宿屋にいる。仲間のシステムは「ドラゴンクエストIII」とほぼ一緒で、そこでキャラクターを作って仲間に加えたり外したりできる。仲間の見た目も職業も名前も自由に作れる。彼らは傭兵みたいなもので、イベントに参加して話をしたりすることはない。
 ダーマの神殿やスキルの「ダーマのさとり」で転職することができる。一定のレベルに達している必要はなく、他の職に変え、また元の職に戻ったときにはレベルは継続されるので転職のデメリットはない。

 ただ、前職で覚えた呪文はその職でしか使うことができない。つまりは戦士はホイミを唱えることはできない。その代わりにスキルポイントというのがあって、レベルアップ時にたまにポイントが加算される。
 スキルは職業によって剣やムチなどの武器や盾、そしてその職固有のスキルと、1つの職で5つのスキルががあるので自由に振り分けできる。このポイントは転職後も引き継がれる。
 けれども、剣に50ポイント振り分けて、その後に転職した職業が剣を使えなければ意味がない。100ポイントになると全職業で剣が使える特典が付くので、はじめのうちは武器のスキルの振り分けは慎重にやった方がいい。
 30ポイント貯めると守りが+10になるとか、力が+10になるとかステータスが上昇するスキルが当面は有効になる。これはどんな職に転職しようとも値がプラスされるからだ。

 レベルが99に到達した職業があればダーマ神殿で転生できる。レベル1に戻るのだが、初回に限り特別なアイテムがもらえる。
 また、スキルポイントを100貯めたり、レベルが40を超えてクエストをこなすと秘伝書がもらえる。道具として所有しておくと特技として使えたり、持っているだけで効果のある物がある。

■□マルチプレイ□■
 ラヴィエルに話しかければワイヤレス通信によって、他のプレイヤーと一緒にプレイすることができる。ホストのところにみんなが集まり、その世界でプレイするので自分がまだそこまで到達していなくても行くことができるし、自分のところへ呼んでレベルの高いプレイヤーに助けてもらうこともできる。

 常に行動を共にしなくともよくて、自由気ままに探索できる。だが、ホストにはみんなを呼び寄せる権限がある。
 覚えた仕草を登録しておくことができるので、仲間と一緒にやるときはあいさつに何かポーズを取るとおもしろいかもしれない。

■□Wi-Fi通信□■
 ストーリーと関わりのないクエストが100以上用意されており、受注したクエストやクリアしたクエストが一覧になって保存されている。
 クエストをクリアするとアイテムがもらえたり、別のクエストが生まれたり、上級職に転職できるようになったりとさまざま。
 本編クリア後はWi-Fi通信によってクエストが毎週配信されているのでしばらくは楽しめる。お使いクエストがほとんどだけど、ストーリーとして続いていくクエストもあったり、新たなボスが登場したりと、今後も何が起こるか楽しみだ。

 たまにリッカの宿屋にスペシャルゲストがやってくる。過去のドラクエシリーズに登場したキャラクターたちで、そのキャラクターと同じ装備品をくれる。

 ロクサーヌはWi-Fiショッピングで買い物ができる。ほとんどが通常の店には売られていない物ばかりで、そこでしか手に入らないレアなものもある。1日1回商品が入れ替わるが、期間限定のものもあるようだ。

■□宝の地図□■
 本編とは関わりはないが、クリア後はこれがメインとなる。一番初めの地図はクエストによって手に入れることができる。
 地図には洞窟のありかが示されているのでその場所に行って入り口を探す。本編のダンジョンとは違ってマップがすべて上の画面に出ているのではなく、歩いたところが自動で記録されていくオートマッピング。ダンジョンもどうやら自動育生か? 地図の種類も豊富で名前も様々だが、ひとつの目安としてレベルが記されている。

 ダンジョンの最下層にはボスがいて、ボスも数体存在する。ボスを倒すと必ず宝の地図がもらえ、ボスを倒した地図でも入り直せば宝箱も復活し、同じボスにも挑める。
 ボスが落とす地図は自分のレベルが高い方が高いレベルの地図であることが多いが、そうでないこともあるのでもう一度戦ってみる必要もあるかもしれない。
 すれちがいで地図がもらえるならそっちのほうが手っ取り早いこともある。

 それとは別に魔王の地図というのがあって、こちらは入り口からすぐにボス部屋へとつながっている。ドラクエ歴代のボス、バラモスや竜王などが待ち受けている。
 倒したあと経験値を与えることによって成長し、強くなる。強くなるほど別の魔王がいる地図をくれる確率が上がるようで、何度かチャレンジすることになる。

■□今からでも遅くない!□■
 ニンテンドーDSという携帯ゲーム機でのナンバリング発売とあって、心配する声も多かったが、もはや集大成ともいえるくらい。おまけ要素がてんこ盛りでうれしい。歴代の仲間や魔王、武器や防具も登場するとは思ってもみなかった。

 すれちがい通信では見ず知らずの人から宝の地図やメッセージを受け取ったりできて楽しいし、有名な宝の地図まで誕生してしまった。
 お台場のフジテレビのイベントで宿屋に来るゲストを配信したり、アーケードゲームで宝の地図を配信したりと、携帯機の特徴を最大限に生かしておもしろい試みをやっている。

 クエストリストには載ってないようだが、ユーザーみんなでクエストを達成するお題も新たに配信された。このソフトは冒険の書をアップロードして携帯サイトでも楽しむことができるが、この機能を利用し、50万人がアップロードすれば新たなキャラクターが宿屋にやってくるとのことで、1週間も経たないうちに達成してしまった。少なくとも発売から2ヶ月後も50万人がアクティブにゲームをやっていることになる。そりゃそうだよね。そうでなきゃ簡単にすれ違いなんかできない。

 自分とすれ違ったひともプレイ時間が10時間未満だったり、100時間を超えていたり、すごい宝の地図をもっていたりとさまざま。本編は正直たいしたことがなかったが、クリア後にこんなに遊んでいるのは初めてだし、どんなことが残されているのかと楽しみになっている。



リンク集
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