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第1研究室
第2研究室
東日本大震災 被災地の 現状視察報告書
第2研究室 〜屋外型複合遊具における劣化傾向の検証実験〜

 設置から17年経過した大型複合遊具の解体を機に、使用されていた鋼材及び木材をサンプリングし、各々の劣化傾向を検証調査する。調査結果は、当該地における今後の施設整備やメンテナンス基礎資料として活用する。

 ■調査の概要
 経過年数17年の本施設は1年に2回の頻度で定期点検(目視点検)を継続して行い、各部位、各部材の劣化状況を調査してきた。その中でも負担荷重が最も大きいと思われる主柱(200□鉄製)は最上階のデッキに登るとかなりの不快な揺れを感じていた為、構造安全率を算定した結果、主柱(200□鉄製)の設置当初の安全率は、約102%と、余裕の少ない状況であることが判明した。また、副構造材である、中間柱(鉄製)については、断面欠落等、地際の腐食が顕著である為、内部腐食や減肉量を調査し、腐食率(強度低下)を検証することが必要であり、木材についても同様に断面欠落等、地際の腐食が顕著である為、腐食率(強度低下)を検証することとなった。
 ■鋼材部:主柱及び中間柱の破壊検査
   
 ■木材部の破壊検査
検査結果:
 本現場における木製素材について、設置後17年経過した現時点において、約29%〜60%の強度低下が認められる。素材や使用されていた状況によりバラツキは見られるが、柱材の地際部においては、それ以上の強度低下が予測でき、遊具としての利用には限界が近づいていたといえ、解体時期としては妥当であったことが伺える。