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     (31)川崎名人の雀譜


 川崎備寛(かわさきよしひろ)、通称「かわさきびかん」は、昭和38年に死去した。その際、日本麻雀連盟より名人位を追贈された。これは日本最初の名人位であり、現在まで、その例はない。それほどの打ち手であったし、卓越した戦術論を残している。

 じつは川崎備寛氏は、σ(-_-)の師匠である大西太郎氏の師匠にあたる。そんなこともあって、会ったことはないが、なんとなく親しみを感じている。

その川崎名人の、ある日の雀譜。

 

 二十二麻雀(アルシーアルマージャン)なので、現代麻雀とはアガリ役の翻数とか得点形態が全然異なる。とうぜん現代麻雀とは打ち筋も異なってくる。

 二十二麻雀でこの配牌を見たら、まずは東の一翻をモノにしたいと思う(他に符が無ければ、東のみで200点。現在の一般麻雀3千点ほどに相当する)。次が東がからんだ混一色。あとは欲で、チャンタ一通、あるいは白を重ねた手。

二十二麻雀サンシキはない。

 二十二麻雀は役ナシでもアガれるので、全員テンパイが早い。それも念頭に置いて、5巡目に東ポンの速攻。そして6巡目までは、五萬 八萬 ロンによるアガリも考えた打ち回し。

 7巡目に中を引いて、混一へ切り替え。あとはなりゆきのアガリ。まぁ、正直言ってどうこういうほどの局ではない。

 それじゃあこれをσ(-_-)が現代式で打ったら、どうなるか。
 まず第1ツモの二筒 。これが運命の分かれ道。ここで二筒をツモ切りしていれば、次の七筒 ツモでサンシキめが出てくる。 σ(-_-)は、まず二筒 ツモ切りなので、七筒 ツモで五索を切る可能性が強い。

六萬七萬六筒七筒一索二索二索三索七索八索東東白

 そうなると、5巡目の東もポンしないので、あとはどうなるかワカラン。

 もし第1巡めに六筒を切っていれば、逆に混一、一直線。もちろん5巡目の東もポンだが、当然ここで二索切りはない。東ポンの段階でこうなっている。

一索二索二索三索五索七索七索八索白南 東東東

二筒 ↓ 南 七索 東

六筒 七筒 七萬 六萬 二筒

 あとはたぶん、こんな感じ。

          生牌 チー
↓  中 九索 ↓ 發 六索

六萬 南 白 二萬 中 ?

六索チーの段階で何を切るか分からないが、たぶん二索

一索二索三索七索八索九索發  六索五索七索 東東東

いずれにしても、大した変わりはないか。(-_-;

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