(17a)川崎備寛


 正しくは「かわさき よしひろ」、普通、「かわさき びかん」と音読みする。

      

 明治24年、大阪府に生まれた。関西大学(政治部)中退後、文筆活動に入り文壇で注目される。
 大正13年、かのプランタンで麻雀が始まった頃、顔を出し、そこで手を染める。

 昭和4年、日本麻雀連盟創立とともに参加、同時に中央委員に就任。昭和5年、当時の最高段位、7段となる。昭和7年、麻雀団体が合併して大日本麻雀連盟が結成されたとき、機関誌「麻雀日本」の編集長に就任。

 第二次大戦後の昭和23年、同連盟再建にあたり、関東本部幹事長に就任。昭和28年理事長に就任。昭和34年副総裁昭和36年、同連盟最初の九段昭和38年3月26日急逝。死後、名人位を追贈される。これは日本麻雀連盟最初で最後の名人位である。

著作は数多いが、なかでも「麻雀の打ち方(S24大泉書店)」は第二次大戦後の戦術書ベスト10中の1冊。

著作一覧
麻雀通(四六書院 昭5刊 70銭)
麻雀早和り法とガメクリ法(誠文堂十銭文庫昭6刊)
麻雀高等新戦術(誠文堂十銭文庫 昭6刊)
麻雀新戦術(誠文堂文庫 昭7刊 25銭)
麻雀の打ち方(大泉書店 昭24刊 160円)
麻雀千夜一夜(明玄書房 昭28刊 200円)
麻雀入門(川津書店 昭29刊150円)
麻雀の勝ち方(大泉書店 昭31刊 160円)
新麻雀入門(川津書店 昭32刊150円)
麻雀必勝法(虹有社 昭41刊 手塚晴雄共著)
麻雀日本創刊号(麻雀日本杜 昭7刊30銭)

 「麻雀通」は四六書院の通叢書(つうそうしょ)の一環。発行部数が少なかったので入難度はHレベル。内容も面白く、雀学度も高い。
    

 「麻雀早和り法とガメクリ法」、「麻雀高等新戦術」、「麻雀新戦術」は戦術書なので、雀学度とか影響度は特にない。しかし「麻雀早和り法とガメクリ法」、「麻雀高等新戦術」は、かの有名な誠文堂十銭文庫。いまとなっては超貴重本で入難度もH

 「麻雀の打ち方」は、戦後初の戦術書ベストセラー。戦術書なので雀学度はないが、後発の戦術書に与えた影響度は。それでもベストセラーとして何度も増刷されたので、初版にこだわらなければ、入難度は。ただし初版となると入難度。たとえ増版本でも、付録の点数表つきの完品となると、やはり入難度
   

麻雀千夜一夜」は、随筆。いろいろ参考になることも記されている。入難度 雀学度というところ。「麻雀入門」は、入難度
    

 「麻雀の勝ち方」は、「麻雀の打ち方」の続編。これもよく売れたし、昭和31年刊と比較的新しいので、初版にこだわらなければ入難度(初版でもか)。「最新麻雀入門」、「麻雀必勝法」は、入難度
    

麻雀日本(創刊号)」は、著書ではなく、川崎氏が編集長を務めた雑誌。創刊号とあるが、たしか創刊号しか発刊されなかった。
      

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