20年くらい前、突然、東京の日本短波kkというところから電話が架かってきた。まったく心当たりのない会社だったので、(なにかな?)と思って電話に出た。
すると「いま当社主催で世界麻雀大会(仮称)を企画している。主な参加国としてアメリカ・日本・中国を考えている。ついてはルール問題等について、協力をお願いしたい」という話。
どうやってσ(-_-)の事を知ったのかと聞くと、「ルール問題などについて詳しい人ということで麻雀雑誌社に問い合わせたところ、浅見さんを紹介された」ということだった。
なるほろ、話は分かった。たしかに話は分かったけれど、そんなことは到底ムリ。そこで「協力することはやぶさかではないけれど、ルールが違いすぎるから世界大会など無理」と返事した。
しかし「日本でも地域によってルールが違う。ましてや日本やアメリカ、中国のことであるから何かと違うであろうことは分かる。しかしそこをなんとか調整できないもんでしょうか」という。
これはもう電話では埒があかない。ちょうど1週間くらいあとに上京する予定があった。そこでそのとき時間をとって会社を訪問し、話をすることにした。
1週間後、上京したとき日本短波を訪問し、担当者とよく話し合った。日本・中国・アメリカの麻雀は、同じ麻雀牌を使っていてもブリッジとポーカーと七並べほど異なる。
要するにルールの違いのレベルではなく、まったく別なゲーム。どんなに調整したって、ブリッジとポーカーと七並べを同時にやることなど出来ない。やるならたとえば日本なら日本、中国なら中国のルールを採用すると決めて、それによる大会とするより仕方がない、と話した。
すると担当者が「では日本ルールをベースにするということではどうでしょう」というから、「それならルールに関してはなんとかなると思うけれど、参加者は日本人だけになる。それじゃあ世界大会でもなんでもないじゃん」と話すと、「なるほど」と担当者も理解し、この企画はオシャカになった。(^ー^;
#kk日本短波がどうしてこういう企画を立てたのか、いちおう説明は聞いたけど忘れてしまった。
そしていまから3年前、覚えている方も多いと思うが、オーストラリアで賞金壱億円の麻雀大会が行われると云う企画があった。「賞金壱億円とはすごい、主催者 or スポンサーはどんな金持ちか」と思った。しかしよく聞いてみると、別に主催者 or スポンサーがポンと壱億円を出すわけでも何でもなかった(この計画を立てたのは、たしか中国系アメリカ人)。
参加者から参加費を百万円づつ取る。単純に云って世界中から2百人集めれば合計2億円。そのうち半分を賞金にあて、あと半分を経費やら収益に当てるという話だった。となれば世界中から最低100人以上集めなければならないので、ルールは中国・日本・アメリカのチャンポンみたいなものだった。
いちおうベースは中国ルールだったが、チャンポンなので中国人にもよく分からない。金持ち国の日本人の参加をねらって日本ルールも導入してあったが、中国ルールがベースなので日本人にはよけい分からない。おまけにバブルも崩壊している。そんなわけで参加者がまったく集まらず、この計画もオジャンになった。
今年(2002年)の10月、中国の寧波(ニンポー)というところで世界麻雀選手権大会なるものが行われる。この企画が立案された頃、ルール問題についてアドヴァイスの要請があった。
この世界選手権がオーストラリア大会と異なるところは、「中国ルールがベース」ではなく、中国ルールそのものでやるところ。それならそれで問題はない。そこで世界麻雀選手権と云っても、現行の中国ルールの麻将大会。アドヴァイスも、「現在の中国ルールで不備と思われる所があればをチェックしてほしい」という主旨のものであった。
あくまでσ(-_-)の感覚だけど、現行の中国公式ルールは揺籃期であり、「不備と思われる所」どころか不備だらけ。とても世界大会どうのこうのというレベルではない。そこで「ああだ、こうだ」と言い出したらキリがない。
#推不倒(トイプータオ)とか七星不靠(チーシンプーカオ)とか、どうでもいい役が多すぎて、アガったとき正確な点数を把握しにくい(中には役計算に際し、ドサクサにまぎれて多く勘定するプレーヤーもいるとかいないとか)。また8点縛りなども無用だ。しかし「王牌が無い。得点に親子の区別が無い。跳ね満/倍満などが無い。嵌張/辺張/単騎でも平和になる」など、いいところもいっぱいある。
それでもあえて提言したとしても、中国と日本では「麻雀」に対する感覚が全然異なる。あまりにも感覚が異なるので、その感覚の差からくる提言は、とても中国側に理解されるとは思えない。そこで「考え方はいろいろあると思いますけれど、もう来年のことですから、現行のルールのままで進行するのが一番良いと思います」と返事した。
というわけで今度の世界大会は、中国ルールで行われる。それはそれでいいけれど、やはり世界麻雀選手権という名称には疑問がある。
前述したように、中国、日本、アメリカの麻雀はトランプにおけるブリッジ、ポーカー、七並べほどの違いがある。そこで仮にポーカーの世界大会を行うならば、世界トランプ選手権ではなく、世界ポーカー選手権と云うことになるはず。
その意味で今度の寧波の世界大会も、世界麻雀選手権ではなく、世界中国麻将選手権と云うべきだろうと思った。
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