麻雀四季報創刊号(H16/6)に「麻雀の謎を解く」というコラムがある。創刊号のテーマは、「断幺牌の暗刻は、なぜ4符なのか」、「副底はなぜ20符なのか」について。それによると、まず断幺牌の暗刻が4符であるのは次のような理由によるという。
「各プレーヤーの持ち点が1符。それが4人分なので4符」。
「断幺牌の明刻が2符なのは、相手の持ち点1符に自分の持ち点1符がプラスされて2符」。
幺九牌は断幺牌の2倍難かしいので、点数も倍。以下同様。
すなわち刻子・槓子の符は、すべてこの断幺牌の暗刻4符が基準で成立しているという。
おひおひ、“断幺牌の明刻が2符なのは、相手の持ち点1符に自分の持ち点1符がプラスされて2符”というのはともかく、自力100%の暗刻が、どうして4人分で4符と云うことになるのかな。
それなら各自の持ち点が4符なので暗刻は4符、明刻は相手の助けを借りているのでその半分の2符とした方が、まだ理屈が通る。
いうまでもなく対子・刻子・槓子の符は2・4・8・16・32という数値になっている。そこで4であろうが16であろうが、この中のどれかの数字さえ創造すれば、あとはなんとでもなる。要する各プレーヤーの持ち点が1符。それが4人分なので4符説は、断幺牌の暗刻が4符であるという現実に合う数字を探してきただけで、何の根拠もない。
副底はなぜ20符なのか。
アガリ形には、次の5種類がある。
(1)頭+順子+順子+順子+順子
(2)頭+順子+順子+順子+刻子
(3)頭+順子+順子+刻子+刻子
(4)頭+順子+刻子+刻子+刻子
(5)頭+刻子+刻子+刻子+刻子
この5種類の組み合わせに対局者4人を掛けると20。これが副底が20符である理由という。
*国士と七対子は特殊形なので除く。
思いつきにしても、、前項の各プレーヤーの持ち点1符説はまだもっともらしい。しかし副底の20符が、アガリ形5種X対局者4からきているという説にいたっては超苦しい。20という数字を導き出すために、その辺に転がっている5とか4とかの数字を拾ってきただけ。別に5は1雀頭+4メンツの5でもいいし、4は東南西北の4周の4でもいいことになる。
「副底の場合は刻子と違って、“1人の持ち符が5符。プレーヤー4人なので5X4=20”ではない」とあるが、別にそれでも構わない。そうしなかったのは、暗刻のところで「1人の持ち符を1符」と設定したので、持ち点のダブルスタンダードになることを避けただけ。
前項で、各自の持ち点は1符ではなく4符としておけば、ダブルスタンダードにならずに済んだ。そして1雀頭+4メンツの5でも持ってくれば、なんとか刻子符と副底の辻褄があったのに。
麻雀にまつわる思いつき説として、東南西北の方位が現実と逆回りになっていることに関する珍説がある。これも、その思いつきレベルの珍説かと。
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